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弟子と母親編
罵倒
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そして翌日、予定通りシリウスが帰ってくるとステラは嬉しさに目を輝かせ「お父さん、お父さん!」と小さな声を弾ませながら飛びついてきた。彼女の笑顔はまるで太陽の光が差し込むように周囲を明るく照らし出していた。シリウスもまた、ようやく認めてくれた娘との温かな触れ合いを心から楽しんでいる様子だ。
「薬草が足りなくなったから買ってくるね」
「俺が買ってくる。アステルは休んでいてくれ」
アステルが作業場から出てくるとシリウスは優しい眼差しを向けて膝に乗っているステラを降ろしながらそう言った。
「でも、疲れてるでしょう?」
心配そうに問いかけるアステルにシリウスは微笑みを浮かべ、少し肩をすくめて答えた。その声には、暖かさと優しさがこもっている。
「俺は大丈夫だ。アステルの方が疲れているぞ」
「そんなことないけど……」
アステルは小さく息を吐き、微笑むものの、確かにここ何日かは薬草を刻み、煮込み、調合する作業に没頭していた。
目の下にはわずかなクマができているし、手は薬草の香りに包まれている。疲れていないと言えば嘘になる。
「他のことは手伝えないが買い物なら俺でもできる。だから休んでくれ」
シリウスの声はまるで暖かなブランケットのようにアステルを包み込む。それで心がほぐれる思いだった。しかし自分がやると言ったのだしシリウスには迷惑をかけたくはないが……
「ステラも行く!お父さんと一緒にお買い物する」
「うーん……それじゃあお願いしようかな?」
その時、ステラが元気いっぱいにシリウスの服の裾を掴みながらそう主張しているのを見てアステルは娘の頭を撫でながらその主張を受け入れいれることにした。
最近は引っ越してばかりだったりアステルが部屋に籠りがちになっていたのでステラにとっても良い機会だ。シリウスと一緒なら何かあっても大丈夫だろう。
◆
街に買い物に出かけるとシリウスはステラを連れて賑やかな通りに足を踏み入れた。通りには小さな店が並び子どもたちの楽しそうな声があちこちから聞こえてくる。
シリウスはその特異な存在感から周囲の視線を一身に集めていた。彼の背は高く、鋭い特徴があるのは勿論だがダークエルフの騎士で国の英雄だと呼ばれている男が歩いているのだから当然のことだ。通行人の中にはちらりと彼を見つめる者も多く、視線が交わるたびに小さく驚いたり、興味深そうに耳打ちし合ったりしている。
ステラはそんなシリウスの手をしっかりと握り、彼の後ろに隠れるようにしているが彼女もまた珍しいエルフとダークエルフのハーフであり愛らしい容姿とが周囲の注目を集めていた。
そしてシリウスとステラが道具屋にたどり着くと目の前には歴史を感じさせる風格ある建物が広がっていた。外壁は温かみのある淡いクリーム色の石でできており、年月を重ねた風合いが魅力を放っている。店の窓は大きく、透明なガラス越しに様々な道具や薬草が整然と並べられているのも見えた。
「あら、シリウスさん。何かご用意ですか?」
「薬草を買い足しに」
「また足りなくなったのですか?わかりました。すぐにご用意します」
道具屋の前で顔見知りの人間の女性が声を掛けてくるとシリウスは無表情で答え、彼女もまた事務的に頷きながらすぐに店の中へと消えていった。
その様子を見ていたステラはシリウスの手をしっかりと握り、父の背後に隠れていた。彼女は緊張した表情を浮かべながらも好奇心からチラチラと店の方を見つめている。心の中でドキドキとした気持ちを抱えながらステラは新しい経験に期待しているようだ。
「ステラ、店の中で待っていよう」
それを見てシリウスは優しい声で話しかけ、愛娘を大切そうに抱き上げる。ステラは反射的に自分からシリウスの首にしっかりと抱きついた。
好奇心旺盛なステラの目は輝きはまるで小さな星が瞬いている。シリウスはそんな娘の姿を見て、心の中に温かな感情が広がっていくのを感じた。自分を父として認めてくれる彼女の笑顔が増えてきたことが何よりの喜びだ。
その時、道具屋の扉が静かに開き、中から一人の中年男性が現れた。彼の手には、紙袋が提げられ、なんとも愛嬌のある笑顔を浮かべている。後ろから出てきた女性に目をやったステラは、思わず「お母さ……」と口を開きかけたが、顔を真っ赤にして俯いてしまった。その女性はアステルと同じエルフの特徴を持っていたが、やはり別人であることに気づき、恥ずかしさに飲み込まれた。
「あ、すみません。あれ?エルフ……?でも黒いな」
「ダークエルフよ!離れてリョウイチ!」
エルフの女性はリョウイチという名の男性に注意を促し、シリウスに向かって警戒心を露わにした。リョウイチはシリウスの顔を不思議そうに見つめ、その様子を観察していた。
「ダークエルフかぁ、初めて見た」
「エルフの女の子を拐おうとしているわ!早く助けてあげて!」
リョウイチは物珍しそうにシリウスを見ているが、エルフの女性は男の肩を揺さぶりながらこちらを睨みつけているのでシリウスは冷静に対処をすることにした。
「待て、誤解だ」
「何言っているのよ。ダークエルフのくせに!」
「落ち着くんだ。エル、人攫いならこんな所で堂々としている訳がないだろう」
「それは……そうかもしれないけど……でも……!」
彼女はますます興奮し、声を高めるとリョウイチは興奮気味のエルと呼ばれたエルフを落ち着かせようとする。その様子を見たシリウスは娘の小さな体を抱き上げたまま危害を加えられないように彼らから距離を置いた。
「ステラ、大丈夫か?」
「うん」
シリウスは安心させるようにステラにそう問いかけるとステラは小さく頷いていた。まだ泣いてはいないがシリウスの服をしっかりと握りしめている。
「あの……すみませんでした。いきなり失礼なことを。後で彼女に言い聞かせます」
「ああ、娘に何も無ければ問題ない」
リョウイチが頭下げて謝罪するとシリウスは無表情のまま頷いた。自分は何を言われても馴れているから平気だが、ステラを怖がらせるのだけは避けたかった。
アステルと一緒にいたから忘れそうになるが本来のエルフはダークエルフを忌み嫌う関係である。
「娘って……その子、養子か何か?」
「エル、失礼だぞ」
エルはシリウスの腕に抱かれているステラを興味深そうに見ている。その態度にリョウイチが注意するとエルはバツが悪そうに視線を逸らした。
「ステラは実の娘だ。半分エルフでもう半分はダークエルフ」
そしてシリウスの言葉が静かな驚きを引き起こした。
「へぇ、エルフとダークエルフは仲が悪いと聞くが結婚する場合もあるのかぁ」
「あ、ありえないわエルフがダークエルフと結婚だなんて!あなたエルフに何をしたの!この犯罪者!」
「エル!いい加減にするんだ!」
リョウイチがシリウスの言葉とステラを見比べて目を白黒させているとエルは再び声を上げ、興奮を抑えられない様子で、リョウイチはまた彼女を必死に宥めようとした。
「あの……僕らはもう行きます。本当にすみませんでした。いつもは物静かな女性なのですが……」
エルを落ち着かせてからリョウイチが謝罪するとシリウスはステラが怖がらないように、そしてエルの視界に映らないようにその小さな体を自分の胸にしっかりと抱きしめてから首を横に振った。
この国に来たばかりの頃は先住人のエルフにこうやって罵声を浴びせられたことはよくあったので今更驚きはしない。
それでもこうして街の中を姿を隠さずに歩けるのは騎士となって功績を認められた賜物なのだろう。
「お詫びと言ってはなんですがこれを……うちの子供が好きなお菓子で、よかったらあとで食べてください」
「……ありがとう」
リョウイチが申し訳なさそうにお菓子の入った包みをステラは手を差し出して、その袋を受け取るとステラはしっかりと抱きしめていた。その顔には心からの安堵の表情が浮かんでいた。
シリウスも心の中での安堵を感じながらもリョウイチの誠意を受け取ることにした。
「薬草が足りなくなったから買ってくるね」
「俺が買ってくる。アステルは休んでいてくれ」
アステルが作業場から出てくるとシリウスは優しい眼差しを向けて膝に乗っているステラを降ろしながらそう言った。
「でも、疲れてるでしょう?」
心配そうに問いかけるアステルにシリウスは微笑みを浮かべ、少し肩をすくめて答えた。その声には、暖かさと優しさがこもっている。
「俺は大丈夫だ。アステルの方が疲れているぞ」
「そんなことないけど……」
アステルは小さく息を吐き、微笑むものの、確かにここ何日かは薬草を刻み、煮込み、調合する作業に没頭していた。
目の下にはわずかなクマができているし、手は薬草の香りに包まれている。疲れていないと言えば嘘になる。
「他のことは手伝えないが買い物なら俺でもできる。だから休んでくれ」
シリウスの声はまるで暖かなブランケットのようにアステルを包み込む。それで心がほぐれる思いだった。しかし自分がやると言ったのだしシリウスには迷惑をかけたくはないが……
「ステラも行く!お父さんと一緒にお買い物する」
「うーん……それじゃあお願いしようかな?」
その時、ステラが元気いっぱいにシリウスの服の裾を掴みながらそう主張しているのを見てアステルは娘の頭を撫でながらその主張を受け入れいれることにした。
最近は引っ越してばかりだったりアステルが部屋に籠りがちになっていたのでステラにとっても良い機会だ。シリウスと一緒なら何かあっても大丈夫だろう。
◆
街に買い物に出かけるとシリウスはステラを連れて賑やかな通りに足を踏み入れた。通りには小さな店が並び子どもたちの楽しそうな声があちこちから聞こえてくる。
シリウスはその特異な存在感から周囲の視線を一身に集めていた。彼の背は高く、鋭い特徴があるのは勿論だがダークエルフの騎士で国の英雄だと呼ばれている男が歩いているのだから当然のことだ。通行人の中にはちらりと彼を見つめる者も多く、視線が交わるたびに小さく驚いたり、興味深そうに耳打ちし合ったりしている。
ステラはそんなシリウスの手をしっかりと握り、彼の後ろに隠れるようにしているが彼女もまた珍しいエルフとダークエルフのハーフであり愛らしい容姿とが周囲の注目を集めていた。
そしてシリウスとステラが道具屋にたどり着くと目の前には歴史を感じさせる風格ある建物が広がっていた。外壁は温かみのある淡いクリーム色の石でできており、年月を重ねた風合いが魅力を放っている。店の窓は大きく、透明なガラス越しに様々な道具や薬草が整然と並べられているのも見えた。
「あら、シリウスさん。何かご用意ですか?」
「薬草を買い足しに」
「また足りなくなったのですか?わかりました。すぐにご用意します」
道具屋の前で顔見知りの人間の女性が声を掛けてくるとシリウスは無表情で答え、彼女もまた事務的に頷きながらすぐに店の中へと消えていった。
その様子を見ていたステラはシリウスの手をしっかりと握り、父の背後に隠れていた。彼女は緊張した表情を浮かべながらも好奇心からチラチラと店の方を見つめている。心の中でドキドキとした気持ちを抱えながらステラは新しい経験に期待しているようだ。
「ステラ、店の中で待っていよう」
それを見てシリウスは優しい声で話しかけ、愛娘を大切そうに抱き上げる。ステラは反射的に自分からシリウスの首にしっかりと抱きついた。
好奇心旺盛なステラの目は輝きはまるで小さな星が瞬いている。シリウスはそんな娘の姿を見て、心の中に温かな感情が広がっていくのを感じた。自分を父として認めてくれる彼女の笑顔が増えてきたことが何よりの喜びだ。
その時、道具屋の扉が静かに開き、中から一人の中年男性が現れた。彼の手には、紙袋が提げられ、なんとも愛嬌のある笑顔を浮かべている。後ろから出てきた女性に目をやったステラは、思わず「お母さ……」と口を開きかけたが、顔を真っ赤にして俯いてしまった。その女性はアステルと同じエルフの特徴を持っていたが、やはり別人であることに気づき、恥ずかしさに飲み込まれた。
「あ、すみません。あれ?エルフ……?でも黒いな」
「ダークエルフよ!離れてリョウイチ!」
エルフの女性はリョウイチという名の男性に注意を促し、シリウスに向かって警戒心を露わにした。リョウイチはシリウスの顔を不思議そうに見つめ、その様子を観察していた。
「ダークエルフかぁ、初めて見た」
「エルフの女の子を拐おうとしているわ!早く助けてあげて!」
リョウイチは物珍しそうにシリウスを見ているが、エルフの女性は男の肩を揺さぶりながらこちらを睨みつけているのでシリウスは冷静に対処をすることにした。
「待て、誤解だ」
「何言っているのよ。ダークエルフのくせに!」
「落ち着くんだ。エル、人攫いならこんな所で堂々としている訳がないだろう」
「それは……そうかもしれないけど……でも……!」
彼女はますます興奮し、声を高めるとリョウイチは興奮気味のエルと呼ばれたエルフを落ち着かせようとする。その様子を見たシリウスは娘の小さな体を抱き上げたまま危害を加えられないように彼らから距離を置いた。
「ステラ、大丈夫か?」
「うん」
シリウスは安心させるようにステラにそう問いかけるとステラは小さく頷いていた。まだ泣いてはいないがシリウスの服をしっかりと握りしめている。
「あの……すみませんでした。いきなり失礼なことを。後で彼女に言い聞かせます」
「ああ、娘に何も無ければ問題ない」
リョウイチが頭下げて謝罪するとシリウスは無表情のまま頷いた。自分は何を言われても馴れているから平気だが、ステラを怖がらせるのだけは避けたかった。
アステルと一緒にいたから忘れそうになるが本来のエルフはダークエルフを忌み嫌う関係である。
「娘って……その子、養子か何か?」
「エル、失礼だぞ」
エルはシリウスの腕に抱かれているステラを興味深そうに見ている。その態度にリョウイチが注意するとエルはバツが悪そうに視線を逸らした。
「ステラは実の娘だ。半分エルフでもう半分はダークエルフ」
そしてシリウスの言葉が静かな驚きを引き起こした。
「へぇ、エルフとダークエルフは仲が悪いと聞くが結婚する場合もあるのかぁ」
「あ、ありえないわエルフがダークエルフと結婚だなんて!あなたエルフに何をしたの!この犯罪者!」
「エル!いい加減にするんだ!」
リョウイチがシリウスの言葉とステラを見比べて目を白黒させているとエルは再び声を上げ、興奮を抑えられない様子で、リョウイチはまた彼女を必死に宥めようとした。
「あの……僕らはもう行きます。本当にすみませんでした。いつもは物静かな女性なのですが……」
エルを落ち着かせてからリョウイチが謝罪するとシリウスはステラが怖がらないように、そしてエルの視界に映らないようにその小さな体を自分の胸にしっかりと抱きしめてから首を横に振った。
この国に来たばかりの頃は先住人のエルフにこうやって罵声を浴びせられたことはよくあったので今更驚きはしない。
それでもこうして街の中を姿を隠さずに歩けるのは騎士となって功績を認められた賜物なのだろう。
「お詫びと言ってはなんですがこれを……うちの子供が好きなお菓子で、よかったらあとで食べてください」
「……ありがとう」
リョウイチが申し訳なさそうにお菓子の入った包みをステラは手を差し出して、その袋を受け取るとステラはしっかりと抱きしめていた。その顔には心からの安堵の表情が浮かんでいた。
シリウスも心の中での安堵を感じながらもリョウイチの誠意を受け取ることにした。
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