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五年後
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あれから五年が経ち、アステルの娘、ステラはすくすくと成長して元気な「エルフの女の子」として育っていった。
子育ては大変だったが片親であることを不憫に思った村人達が協力してくれたのと、もともと子供に対して強い憧れを抱いていたので子育ての知識を昔から持っていたおかげでなんとか乗り越えることができた。
「お母さん、早く!早く!」
「もー、動かないの」
娘の金色の髪を三つ編みにしているのを待ちきれない様子で急かしてくるので母親になったアステルは苦笑しながら答える。今日は子供達と一緒に遊ぶ約束をしていたので張り切っているのだ。
「いい、夕方になる前には」
「絶対、お家に帰る」
毎日のように口にしている言葉の途中で被せるようにしてステラが答えるとアステルは笑顔を浮かべた。
ステラには言葉を話し、考え事や理解が出来るようになった頃には彼女の父親がダークエルフで自分はそのハーフであることを教えた。
それがバレてしまえば村の人に嫌われて追い出されると言えば、幼いながらもステラはその危険性を理解してくれ、秘密を守ってくれている。
夜になれば髪と肌と目の色が変わってしまうことを隠して、普通の女の子として過ごしており、今のところは村の人達とも上手くやっていけた。
作った薬を薬屋に届けるためにステラを一緒に連れて家を出てしばらく歩いていると建物が増えてきた。この辺には住宅が立ち並んでいるのだ。
「ステラ~!」
ステラぐらいの年頃の子供達が彼女の姿を見かけるなり手を振って呼んできた。どうやら友達のようだ。そして呼ばれた本人は嬉しそうな顔をしてアステルの顔を見てそわそわし始める。
「薬を届けたらね」
「ステラ、もう一人で平気だよ!」
「だーめ、後でいっぱい遊んでいいから、ね?」
まだ小さい娘から目を離すのは不安だったのでそう告げると彼女は頬を膨らませて抗議する。そんなステラの小さな手を取ってアステルは薬屋へと向かった。
「いらっしゃい、リーチェ、ステラ」
店に入るとカウンターに座っていた店主の女性に声をかけられた。彼女はラティーナ、アステルよりも少し年下のハーフエルフの店の主人だ。
父親がエルフで母親が人間、元は父と母で経営をしていた店だが、ある日、薬を作っていた父親が家を出て行き、病んだ母が部屋に引きこもるようになって困っていた所に入れ違いのようにアステルが来てくれて本当に助かったと感謝してくれていた。
その話を知ったのは仲良くなって三年後のことだった。それを聞いてなんとなく察してしまった。恐らく彼女はアステルの腹違いの妹なのかもしれないと。ラティーナの髪の色と目の色はアステルと同じだが耳の形は人間のものだ。母親似なのか素朴な顔立ちであり、エルフのような繊細な美しさはあまり受け継いでいない。
彼女の父親の名前を聞けば事実は判明するのだが、それはしなかった。知ってしまえば、ラティーナの顔をまともに見られなくなる。だから彼女が自分のことを妹だと思わないように気をつけながら接してきた。
「ステラはお絵描きして待っててね」
「はーい」
アステルが持って来た紙とペンを渡すとステラは不貞腐れながらも言われた通りに木箱の上で絵を描き始めるとラティーナが話し掛けてくる。
「よかった。ちょうど回復薬が売り切れたばかりで在庫が空になったから補充したかったの」
アステルの作る薬はここでも評判が良く、だんだん客足も増えてきている。そのため、定期的に仕入れをしておかないとすぐ売り切れてしまうから大量に作っては持って来るのだが最近では生産が間に合わないほど忙しい。
「最近は王都から商人が来るから余計にね」
「ええ、最近よく見かけるわ」
「よく効く薬だからあっちまで評判が広まっているみたい」
「だから作っても作っても追いつかないわけね……」
「じゃあ……値上げしてみるとか?」
「値上げ……」
確かにそれも考えたことはあったが値段が上がると買わなくなる人が出て、別の安い薬を買うようになるだろう。それにアステルの薬はそこまで高価なものではないのであまり高くすると誰も買いたがらない。しかしこのままではいずれ品薄になってしまうことは目に見えているため何か対策を考えないといけない。
「値上げが嫌なら中身の量を減らしてみたら?」
「減らす……」
「全体的に少しずつ減らしたらその分一本か二本は増えるわよ」
確かに値段を上げるよりは中身を減らした方がまだ買いやすくていいかも知れない。しかし、唐突に中身が減ったとなると気づかずにいつも通り使って回復量も減ったとクレームをつけられかねない。
ならばいっそ値段を上げるべきか……と考えているとラティーナが最後の案を出した。
「一緒に薬を作る人を雇ってみたら?それが一番いいかも」
「うーん、雇う余裕がないし、値上げか減量の方向で考えてみるわ」
彼女の提案は一理あるがアステルは首を横に振る。本当は人を雇うだけの金はあるがその提案は一番無理だった。ステラのことを考えるとできるだけ他人を家には入れたくないのだ。
(でも……)
もしも自分に何かあって、死んだ時のために誰か一人、ステラの事情を知っていて面倒を見てくれる人が欲しい。エルフは長命ではあるが無敵ではないのだ。ほんの一瞬、一人のダークエルフの男の姿を思い描いてしまったが慌てて頭を振った。
「ステラ、行こうか」
「うん!」
大人しくフクロウの絵を描いていたステラに声をかけると彼女は飛び跳ねるようにして立ち上がる。そして店を出て、アステルの許可が出るとすぐに顔を輝かせながら駆け出して子供たちの輪の中に入って行った。
そんな光景を見ながらアステルは微笑む。あの子が楽しげに遊んでいる姿を見ると本当に良かったと。生まれた時は不安でいっぱいだったが、今では村の一員として受け入れられて本当に幸せだ。
◆
夜になるとアステルはステラと一緒のベッドで寝る。そろそろ一人で寝せるべきか悩んでしまうが愛らしい寝顔を眺めたくてつい甘やかしてしまっているのだ。
「ねぇ、おかーさん」
「なあに?」
まだ眠くならないステラは目を擦りながら話しかけてきて、アステルは優しく答える。
「お父さんって、どんな人だったの?」
ステラはシリウスの事を何度も聞きたがる。そうすることで寂しさを埋めようとしているような気がしていた。
「お父さんはとても強くて優しくて格好いい素敵な人」
「えへへ……」
ステラはまるで自分が褒められたかのように嬉しそうにする。そんな娘の姿が見たくて彼女の父親を悪く言ったことは一度もなかった。
「今のステラと同じ銀髪で目が赤くて、肌の色も黒くて、とても背が高いの」
そう言ってステラの褐色した柔らかい頬に触れる。その感触が気持ち良いのか彼女は頬ずりするようにしてアステルの手を握った。
こうして空に月が出るとステラはダークエルフのような色へと変貌をする。その姿を見ると忘れようとしてもシリウスの事を思い出さずにはいられない。今頃何をしているのだろうか。あの人と過ごした日々を思い出すだけで胸が締め付けられる。
「……お父さん居ないと寂しい?」
それを聞いてステラは少し「うーん」と考えてから答えた。
「ちょっとだけ、だけどお母さんがいるから平気」
「ありがとう、私もステラがいてくれれば幸せよ」
アステルは微笑みながら娘を強く抱きしめた。
「おかーさんったら甘えん坊さんなんだから」
「ふふっ」
腕の中にいるこの子がいれば他には何も要らない。それだけはこの子が生まれた時に誓ったことだ。だから何があっても絶対に守ろう。アステルはステラの額に口づけをしてから眠りについた。
子育ては大変だったが片親であることを不憫に思った村人達が協力してくれたのと、もともと子供に対して強い憧れを抱いていたので子育ての知識を昔から持っていたおかげでなんとか乗り越えることができた。
「お母さん、早く!早く!」
「もー、動かないの」
娘の金色の髪を三つ編みにしているのを待ちきれない様子で急かしてくるので母親になったアステルは苦笑しながら答える。今日は子供達と一緒に遊ぶ約束をしていたので張り切っているのだ。
「いい、夕方になる前には」
「絶対、お家に帰る」
毎日のように口にしている言葉の途中で被せるようにしてステラが答えるとアステルは笑顔を浮かべた。
ステラには言葉を話し、考え事や理解が出来るようになった頃には彼女の父親がダークエルフで自分はそのハーフであることを教えた。
それがバレてしまえば村の人に嫌われて追い出されると言えば、幼いながらもステラはその危険性を理解してくれ、秘密を守ってくれている。
夜になれば髪と肌と目の色が変わってしまうことを隠して、普通の女の子として過ごしており、今のところは村の人達とも上手くやっていけた。
作った薬を薬屋に届けるためにステラを一緒に連れて家を出てしばらく歩いていると建物が増えてきた。この辺には住宅が立ち並んでいるのだ。
「ステラ~!」
ステラぐらいの年頃の子供達が彼女の姿を見かけるなり手を振って呼んできた。どうやら友達のようだ。そして呼ばれた本人は嬉しそうな顔をしてアステルの顔を見てそわそわし始める。
「薬を届けたらね」
「ステラ、もう一人で平気だよ!」
「だーめ、後でいっぱい遊んでいいから、ね?」
まだ小さい娘から目を離すのは不安だったのでそう告げると彼女は頬を膨らませて抗議する。そんなステラの小さな手を取ってアステルは薬屋へと向かった。
「いらっしゃい、リーチェ、ステラ」
店に入るとカウンターに座っていた店主の女性に声をかけられた。彼女はラティーナ、アステルよりも少し年下のハーフエルフの店の主人だ。
父親がエルフで母親が人間、元は父と母で経営をしていた店だが、ある日、薬を作っていた父親が家を出て行き、病んだ母が部屋に引きこもるようになって困っていた所に入れ違いのようにアステルが来てくれて本当に助かったと感謝してくれていた。
その話を知ったのは仲良くなって三年後のことだった。それを聞いてなんとなく察してしまった。恐らく彼女はアステルの腹違いの妹なのかもしれないと。ラティーナの髪の色と目の色はアステルと同じだが耳の形は人間のものだ。母親似なのか素朴な顔立ちであり、エルフのような繊細な美しさはあまり受け継いでいない。
彼女の父親の名前を聞けば事実は判明するのだが、それはしなかった。知ってしまえば、ラティーナの顔をまともに見られなくなる。だから彼女が自分のことを妹だと思わないように気をつけながら接してきた。
「ステラはお絵描きして待っててね」
「はーい」
アステルが持って来た紙とペンを渡すとステラは不貞腐れながらも言われた通りに木箱の上で絵を描き始めるとラティーナが話し掛けてくる。
「よかった。ちょうど回復薬が売り切れたばかりで在庫が空になったから補充したかったの」
アステルの作る薬はここでも評判が良く、だんだん客足も増えてきている。そのため、定期的に仕入れをしておかないとすぐ売り切れてしまうから大量に作っては持って来るのだが最近では生産が間に合わないほど忙しい。
「最近は王都から商人が来るから余計にね」
「ええ、最近よく見かけるわ」
「よく効く薬だからあっちまで評判が広まっているみたい」
「だから作っても作っても追いつかないわけね……」
「じゃあ……値上げしてみるとか?」
「値上げ……」
確かにそれも考えたことはあったが値段が上がると買わなくなる人が出て、別の安い薬を買うようになるだろう。それにアステルの薬はそこまで高価なものではないのであまり高くすると誰も買いたがらない。しかしこのままではいずれ品薄になってしまうことは目に見えているため何か対策を考えないといけない。
「値上げが嫌なら中身の量を減らしてみたら?」
「減らす……」
「全体的に少しずつ減らしたらその分一本か二本は増えるわよ」
確かに値段を上げるよりは中身を減らした方がまだ買いやすくていいかも知れない。しかし、唐突に中身が減ったとなると気づかずにいつも通り使って回復量も減ったとクレームをつけられかねない。
ならばいっそ値段を上げるべきか……と考えているとラティーナが最後の案を出した。
「一緒に薬を作る人を雇ってみたら?それが一番いいかも」
「うーん、雇う余裕がないし、値上げか減量の方向で考えてみるわ」
彼女の提案は一理あるがアステルは首を横に振る。本当は人を雇うだけの金はあるがその提案は一番無理だった。ステラのことを考えるとできるだけ他人を家には入れたくないのだ。
(でも……)
もしも自分に何かあって、死んだ時のために誰か一人、ステラの事情を知っていて面倒を見てくれる人が欲しい。エルフは長命ではあるが無敵ではないのだ。ほんの一瞬、一人のダークエルフの男の姿を思い描いてしまったが慌てて頭を振った。
「ステラ、行こうか」
「うん!」
大人しくフクロウの絵を描いていたステラに声をかけると彼女は飛び跳ねるようにして立ち上がる。そして店を出て、アステルの許可が出るとすぐに顔を輝かせながら駆け出して子供たちの輪の中に入って行った。
そんな光景を見ながらアステルは微笑む。あの子が楽しげに遊んでいる姿を見ると本当に良かったと。生まれた時は不安でいっぱいだったが、今では村の一員として受け入れられて本当に幸せだ。
◆
夜になるとアステルはステラと一緒のベッドで寝る。そろそろ一人で寝せるべきか悩んでしまうが愛らしい寝顔を眺めたくてつい甘やかしてしまっているのだ。
「ねぇ、おかーさん」
「なあに?」
まだ眠くならないステラは目を擦りながら話しかけてきて、アステルは優しく答える。
「お父さんって、どんな人だったの?」
ステラはシリウスの事を何度も聞きたがる。そうすることで寂しさを埋めようとしているような気がしていた。
「お父さんはとても強くて優しくて格好いい素敵な人」
「えへへ……」
ステラはまるで自分が褒められたかのように嬉しそうにする。そんな娘の姿が見たくて彼女の父親を悪く言ったことは一度もなかった。
「今のステラと同じ銀髪で目が赤くて、肌の色も黒くて、とても背が高いの」
そう言ってステラの褐色した柔らかい頬に触れる。その感触が気持ち良いのか彼女は頬ずりするようにしてアステルの手を握った。
こうして空に月が出るとステラはダークエルフのような色へと変貌をする。その姿を見ると忘れようとしてもシリウスの事を思い出さずにはいられない。今頃何をしているのだろうか。あの人と過ごした日々を思い出すだけで胸が締め付けられる。
「……お父さん居ないと寂しい?」
それを聞いてステラは少し「うーん」と考えてから答えた。
「ちょっとだけ、だけどお母さんがいるから平気」
「ありがとう、私もステラがいてくれれば幸せよ」
アステルは微笑みながら娘を強く抱きしめた。
「おかーさんったら甘えん坊さんなんだから」
「ふふっ」
腕の中にいるこの子がいれば他には何も要らない。それだけはこの子が生まれた時に誓ったことだ。だから何があっても絶対に守ろう。アステルはステラの額に口づけをしてから眠りについた。
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