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討伐依頼
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数日後、シリウスはエルフの森を出て近くの町の冒険者ギルドに足を運んでいた。
ここには様々な種族の冒険者が集まっており、ダークエルフのシリウスが唯一悪目立ちをしない場所、その掲示板に張り出されていた依頼書を見て、息を飲み込む。
【オーガゴード討伐者募集中】
一番大きな紙で一番目立つ位置に貼られている。報酬額は大人数で分割をするので一人頭はそこまで高額ではないが、それでも十分すぎる金額であった。
オーガゴートの討伐は何度も行われているが未だに誰も成功していないらしい。シリウスは時々森を出て冒険者ギルドで情報を収集しており、今回も召集がかかったことを知っていた。
シリウスを囮にした冒険者は森の出入口付近で死体となって発見されたという。体の傷からオーガゴートの仕業かもしれないと推測をした。つまりオーガゴートが追いかけて彼らを襲って殺した可能性が高いのだ。そしてまた新たに討伐に向かった冒険者達も返り討ちにあったという噂も流れている。
それをなかなか倒せないせいで年々その額は上がっていき、今ではこの額である。いつもは参加漏れをしてしまい見送りが多かったが今回は募集をかけたばかりなのか諦めた冒険者が多いせいなのか定員に余裕が有りそうだ。
シリウスは迷うことなくその依頼を受ける事にした。怪我は完治した。強くなるために森で修行もしてきた。後は実戦でどこまで戦えるか試すだけ。
それに、オーガゴートを倒すことが出来れば被害に遭う人は減らせる。そうすればアステルを守ることが出来るし、彼女も安心してここで暮らしていけるはずだ。
「シリウスじゃないか」
受付で手続きを終えてギルドを出ようとした矢先、後ろから声を掛けられる。振り返るとそこには見知った顔があった。騎士の鎧を身に纏い、槍を携え、厳つい顔の人間の大男。彼はシリウスと目が合うと穏やかに笑った。
「ガレット」
シリウスは目の前にいる人間の名前を表情を変えずに呼ぶ。彼の名前はガレット。かつて路頭に迷いかけていた子供だった頃のシリウスを拾ってくれた恩人だ。シリウスが冒険者として生活出来るように支援をし、槍を教えてくれた師でもある。
だが当時、彼が組んでいたパーティーの仲間はダークエルフに対して差別意識を持っていた為、すぐに別れてしまったのだ。短い期間だがアステルと出会う前に唯一シリウスに対して親身に接してくれていた男だ。
久しぶりに再会したガレットは以前と変わらない態度で接してくれて、顔には出さないがシリウスはそれが少し嬉しかった。彼は立派に成長をしたダークエルフの男の姿を見て懐かしそうな表情を浮かべる。
「まだ冒険者をしているのだな」
「ああ、アンタは……冒険者を辞めたのか?」
彼の格好を見てシリウスは質問をする。昔は革の装備を着ていたが今は金属でできた重厚感のある鎧を着ていて、背中には立派な槍を帯びていた。以前の彼と比べるとかなり様変わりしていて、その実力の高さは一目見て分かる。
「騎士に転職してな、だから冒険者は辞めたんだ」
ガレットはそう言って笑う。以前の彼は戦士系の上級職で戦闘では前衛として敵と戦い、時には盾となって仲間を守れる程の実力者だった。真面目で正義感の強い性格なので騎士という職業は彼に合っているだろう。
「我が騎士団にオーガゴートの討伐の依頼が来たんだ。冒険者との合同依頼でな。あそこは最近、強力な魔物が出るようになったらしい。国から調査も頼まれたんだ」
「そうなのか……俺も今回の依頼を引き受けてきた所だ」
「ほう、それなら腕前を見せて貰おう」
シリウスの言葉にガレットは目を細め、彼の腕を見る。見た目こそまだ若々しいが、その体からは強者の気配が感じられた。
おそらくかなりの修羅場を潜り抜けて来たのだろうと察するとガレットは満足げに笑い、別れを告げて受付へと向かって行った。その後ろ姿を見ながらシリウスは拳を握り締める。
(今回で必ず倒して見せる)
シリウスは決意を新たにすると、ギルドを出てエルフの森に、アステルの待つ家向かって歩き出した。
◆
シリウスは森の中を歩き、魔物を避けたり、向かってくるならば倒したりしながら集落のエルフに見つからないように気を付けてアステルの家を目指した。
深く若葉色のフードを被って顔を見られないようにして歩き、ようやくアステルの家までたどり着くといったん足を止める。
アステルが家の外に出て幼いエルフの少女と何か話しているのが見えたのだ。会話の内容は聞こえないが、アステルが少女の頭を撫でている光景を見ると微笑ましい気持ちになる。
(アステルは本当に子供が好きなんだな)
エルフの少女が帰っていくのを見届けるとシリウスは家に向かって歩いて行き、アステルがシリウスに気がつくと嬉しそうに家のドアを開けて中へと招き入れ、鍵を閉め、彼を抱きしめた。
「おかえりなさい、シリウス」
無事に戻って来た事を喜ぶ彼女にシリウスは照れ臭そうに返事をする。
「ただいま……アステル」
アステルはシリウスの返事を聞くと嬉しそうに笑う。家に帰ると出迎えてくれる人がいる幸せを噛みしめながら、シリウスは彼女を抱き寄せ、頬に軽く口づけをした。
「今日はどうだったの?怪我とかしなかった?」
アステルは心配そうな顔をしながらシリウスの体を隅々まで調べ始める。そんな彼女の行動に苦笑しながらアステルの髪を優しく撫でて落ち着かせようとした。
「今回は依頼を受けてきただけだ。怪我はしていない」
シリウスはそう言うと腰につけていた道具袋から依頼書を取り出して彼女に見せる。
「これって……」
依頼書を受け取ったアステルは目を通すと驚いたような声を上げる。オーガゴード討伐の依頼書。それはオーガゴードを倒すための許可証でもあった。
「そいつを倒して強くなって帰ってくる」
「大丈夫なの……?」
シリウスは一度、オーガゴートによって死にかけたのだ。いくら彼が強いと言ってもオーガゴードはその辺の魔物よりも遥かに格上であり、命の危険もある。
アステルは不安そうにシリウスの顔を見ると、その視線を受けて安心させるかのようにアステルの青い瞳を見つめる。
「ああ、二度とあんな無様な姿を見せない」
シリウスは力強く宣言した。強くなるために修行をした。だから今度は負けない。
「わかったわ……でも無理だけはしないでね。絶対に」
シリウスの意志の強さを感じたのか、アステルはそれ以上何も言わなかった。彼女は依頼書をシリウスに返すと彼の背中を押し、テーブルに座らせる。そして台所に向かい、食事の準備を始めた。
シリウスは料理を作るアステルの姿を眺めながら思う。自分はこの女の為に強くなりたいのだと。
最初は恩返しのつもりだった。だが、今はそれだけではない。アステルと共にいると心が安らぐ。ずっと一緒に居たいと思える。
彼女が作ってくれた料理を食べて、他愛のない話をして、同じベッドで眠りにつく。そんな幸せな日々が続けば良いと思うようになっていた。
出来上がった夕食がテーブルに置かれると空腹だったシリウスは黙々と食べ進める。鳥肉を使ったシチューだ。野菜と一緒に煮込まれた鳥肉はとても柔らかく、噛むたびに旨味が広がる。
もう一品は同じ鳥肉を火で炙ったもの。こちらは鶏皮がパリッと焼けていて香ばしい匂いが食欲を誘う。塩胡椒で味付けされており、あっさりとした味わいになっている。
アステルはその様子を見てニコニコとしながら向かい側の席に座り、野菜とハーブのサラダを口に運ぶ。
いつもシリウスが食べる姿を嬉しそうに見ており、時折、口に合うかアステルが尋ねるとその度に「うまい」と答え、二人は穏やかな時間を過ごした。
二人で食べるには少し量が多いと思ったが、これは彼女が自分を心配してくれた結果なのだ。シリウスはアステルの心遣いに感謝しながら、用意された食事を全て平らげた。
食後、シリウスはアステルから薬草茶を受け取ると、それをゆっくりと飲み干す。すると体に温もりが宿り、疲れが取れていくのを感じる。
「先程いた少女は知り合いなのか?」
「えっ?」
唐突にシリウスから質問され、アステルは首を傾げるがすぐに理解して答える。
「ああ、レイアのことね」
彼女の言葉を聞いてシリウスは少女の名前を知る事が出来たがアステルは困ったように眉を下げる。
「お母さんの体調が悪いからどうしたらいいのか相談されたのよ。妊娠をしているみたいだから体に良い物を食べさせてあげてって言ったの」
妊娠と聞いてシリウスの顔が曇ったの見てアステルは慌てて言葉を足す。
「あっ……もちろん、お医者さんにも診て貰った方が良いって伝えたけど……薬だけじゃできないこともたくさんあるし……その、あまり得意分野じゃないのよね」
エルフは人間と比べて出産率が低い。そのため子供が産める年齢になると、多くのエルフが子供を産む。それはアステルも例外ではなく、本来なら今頃は結婚をして母親になっていたはずであった。
(本当にこのままでいいのだろうか?)
シリウスは内心そう思いながらも、アステルの誰かとの純血のエルフの子供を抱く姿を思い浮かべると胸が苦しくなる。何が最善で何が最良なのか分からなくなり、シリウスは思わずカップを強く握り締めた。
ここには様々な種族の冒険者が集まっており、ダークエルフのシリウスが唯一悪目立ちをしない場所、その掲示板に張り出されていた依頼書を見て、息を飲み込む。
【オーガゴード討伐者募集中】
一番大きな紙で一番目立つ位置に貼られている。報酬額は大人数で分割をするので一人頭はそこまで高額ではないが、それでも十分すぎる金額であった。
オーガゴートの討伐は何度も行われているが未だに誰も成功していないらしい。シリウスは時々森を出て冒険者ギルドで情報を収集しており、今回も召集がかかったことを知っていた。
シリウスを囮にした冒険者は森の出入口付近で死体となって発見されたという。体の傷からオーガゴートの仕業かもしれないと推測をした。つまりオーガゴートが追いかけて彼らを襲って殺した可能性が高いのだ。そしてまた新たに討伐に向かった冒険者達も返り討ちにあったという噂も流れている。
それをなかなか倒せないせいで年々その額は上がっていき、今ではこの額である。いつもは参加漏れをしてしまい見送りが多かったが今回は募集をかけたばかりなのか諦めた冒険者が多いせいなのか定員に余裕が有りそうだ。
シリウスは迷うことなくその依頼を受ける事にした。怪我は完治した。強くなるために森で修行もしてきた。後は実戦でどこまで戦えるか試すだけ。
それに、オーガゴートを倒すことが出来れば被害に遭う人は減らせる。そうすればアステルを守ることが出来るし、彼女も安心してここで暮らしていけるはずだ。
「シリウスじゃないか」
受付で手続きを終えてギルドを出ようとした矢先、後ろから声を掛けられる。振り返るとそこには見知った顔があった。騎士の鎧を身に纏い、槍を携え、厳つい顔の人間の大男。彼はシリウスと目が合うと穏やかに笑った。
「ガレット」
シリウスは目の前にいる人間の名前を表情を変えずに呼ぶ。彼の名前はガレット。かつて路頭に迷いかけていた子供だった頃のシリウスを拾ってくれた恩人だ。シリウスが冒険者として生活出来るように支援をし、槍を教えてくれた師でもある。
だが当時、彼が組んでいたパーティーの仲間はダークエルフに対して差別意識を持っていた為、すぐに別れてしまったのだ。短い期間だがアステルと出会う前に唯一シリウスに対して親身に接してくれていた男だ。
久しぶりに再会したガレットは以前と変わらない態度で接してくれて、顔には出さないがシリウスはそれが少し嬉しかった。彼は立派に成長をしたダークエルフの男の姿を見て懐かしそうな表情を浮かべる。
「まだ冒険者をしているのだな」
「ああ、アンタは……冒険者を辞めたのか?」
彼の格好を見てシリウスは質問をする。昔は革の装備を着ていたが今は金属でできた重厚感のある鎧を着ていて、背中には立派な槍を帯びていた。以前の彼と比べるとかなり様変わりしていて、その実力の高さは一目見て分かる。
「騎士に転職してな、だから冒険者は辞めたんだ」
ガレットはそう言って笑う。以前の彼は戦士系の上級職で戦闘では前衛として敵と戦い、時には盾となって仲間を守れる程の実力者だった。真面目で正義感の強い性格なので騎士という職業は彼に合っているだろう。
「我が騎士団にオーガゴートの討伐の依頼が来たんだ。冒険者との合同依頼でな。あそこは最近、強力な魔物が出るようになったらしい。国から調査も頼まれたんだ」
「そうなのか……俺も今回の依頼を引き受けてきた所だ」
「ほう、それなら腕前を見せて貰おう」
シリウスの言葉にガレットは目を細め、彼の腕を見る。見た目こそまだ若々しいが、その体からは強者の気配が感じられた。
おそらくかなりの修羅場を潜り抜けて来たのだろうと察するとガレットは満足げに笑い、別れを告げて受付へと向かって行った。その後ろ姿を見ながらシリウスは拳を握り締める。
(今回で必ず倒して見せる)
シリウスは決意を新たにすると、ギルドを出てエルフの森に、アステルの待つ家向かって歩き出した。
◆
シリウスは森の中を歩き、魔物を避けたり、向かってくるならば倒したりしながら集落のエルフに見つからないように気を付けてアステルの家を目指した。
深く若葉色のフードを被って顔を見られないようにして歩き、ようやくアステルの家までたどり着くといったん足を止める。
アステルが家の外に出て幼いエルフの少女と何か話しているのが見えたのだ。会話の内容は聞こえないが、アステルが少女の頭を撫でている光景を見ると微笑ましい気持ちになる。
(アステルは本当に子供が好きなんだな)
エルフの少女が帰っていくのを見届けるとシリウスは家に向かって歩いて行き、アステルがシリウスに気がつくと嬉しそうに家のドアを開けて中へと招き入れ、鍵を閉め、彼を抱きしめた。
「おかえりなさい、シリウス」
無事に戻って来た事を喜ぶ彼女にシリウスは照れ臭そうに返事をする。
「ただいま……アステル」
アステルはシリウスの返事を聞くと嬉しそうに笑う。家に帰ると出迎えてくれる人がいる幸せを噛みしめながら、シリウスは彼女を抱き寄せ、頬に軽く口づけをした。
「今日はどうだったの?怪我とかしなかった?」
アステルは心配そうな顔をしながらシリウスの体を隅々まで調べ始める。そんな彼女の行動に苦笑しながらアステルの髪を優しく撫でて落ち着かせようとした。
「今回は依頼を受けてきただけだ。怪我はしていない」
シリウスはそう言うと腰につけていた道具袋から依頼書を取り出して彼女に見せる。
「これって……」
依頼書を受け取ったアステルは目を通すと驚いたような声を上げる。オーガゴード討伐の依頼書。それはオーガゴードを倒すための許可証でもあった。
「そいつを倒して強くなって帰ってくる」
「大丈夫なの……?」
シリウスは一度、オーガゴートによって死にかけたのだ。いくら彼が強いと言ってもオーガゴードはその辺の魔物よりも遥かに格上であり、命の危険もある。
アステルは不安そうにシリウスの顔を見ると、その視線を受けて安心させるかのようにアステルの青い瞳を見つめる。
「ああ、二度とあんな無様な姿を見せない」
シリウスは力強く宣言した。強くなるために修行をした。だから今度は負けない。
「わかったわ……でも無理だけはしないでね。絶対に」
シリウスの意志の強さを感じたのか、アステルはそれ以上何も言わなかった。彼女は依頼書をシリウスに返すと彼の背中を押し、テーブルに座らせる。そして台所に向かい、食事の準備を始めた。
シリウスは料理を作るアステルの姿を眺めながら思う。自分はこの女の為に強くなりたいのだと。
最初は恩返しのつもりだった。だが、今はそれだけではない。アステルと共にいると心が安らぐ。ずっと一緒に居たいと思える。
彼女が作ってくれた料理を食べて、他愛のない話をして、同じベッドで眠りにつく。そんな幸せな日々が続けば良いと思うようになっていた。
出来上がった夕食がテーブルに置かれると空腹だったシリウスは黙々と食べ進める。鳥肉を使ったシチューだ。野菜と一緒に煮込まれた鳥肉はとても柔らかく、噛むたびに旨味が広がる。
もう一品は同じ鳥肉を火で炙ったもの。こちらは鶏皮がパリッと焼けていて香ばしい匂いが食欲を誘う。塩胡椒で味付けされており、あっさりとした味わいになっている。
アステルはその様子を見てニコニコとしながら向かい側の席に座り、野菜とハーブのサラダを口に運ぶ。
いつもシリウスが食べる姿を嬉しそうに見ており、時折、口に合うかアステルが尋ねるとその度に「うまい」と答え、二人は穏やかな時間を過ごした。
二人で食べるには少し量が多いと思ったが、これは彼女が自分を心配してくれた結果なのだ。シリウスはアステルの心遣いに感謝しながら、用意された食事を全て平らげた。
食後、シリウスはアステルから薬草茶を受け取ると、それをゆっくりと飲み干す。すると体に温もりが宿り、疲れが取れていくのを感じる。
「先程いた少女は知り合いなのか?」
「えっ?」
唐突にシリウスから質問され、アステルは首を傾げるがすぐに理解して答える。
「ああ、レイアのことね」
彼女の言葉を聞いてシリウスは少女の名前を知る事が出来たがアステルは困ったように眉を下げる。
「お母さんの体調が悪いからどうしたらいいのか相談されたのよ。妊娠をしているみたいだから体に良い物を食べさせてあげてって言ったの」
妊娠と聞いてシリウスの顔が曇ったの見てアステルは慌てて言葉を足す。
「あっ……もちろん、お医者さんにも診て貰った方が良いって伝えたけど……薬だけじゃできないこともたくさんあるし……その、あまり得意分野じゃないのよね」
エルフは人間と比べて出産率が低い。そのため子供が産める年齢になると、多くのエルフが子供を産む。それはアステルも例外ではなく、本来なら今頃は結婚をして母親になっていたはずであった。
(本当にこのままでいいのだろうか?)
シリウスは内心そう思いながらも、アステルの誰かとの純血のエルフの子供を抱く姿を思い浮かべると胸が苦しくなる。何が最善で何が最良なのか分からなくなり、シリウスは思わずカップを強く握り締めた。
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