4 / 39
4
しおりを挟む
お母様の背中をお父様が支えていると奥のほうからばたばたと騒がしい音が聴こえて、ロディ様の父、ドルマン侯爵と侯爵夫人が驚愕の顔をしながらあらわれた。
「ナシェルカ伯爵、これは...息子がなにかしましたでしょうか」
「おや、ドルマン侯爵。これはこれは...いえね、娘が侯爵御子息様とその浮気相手の下品な女性から婚約破棄を申し付けられましてね、了承したところだったのですよ。しかし、ご覧のように娘と妻が大変に衝撃を受けておりましてね。そろそろお暇させて頂こうと思っております。」
お父様...とても素敵な笑顔でとても怖いですわよ...
「婚約破棄!?まさか、そんなこと!何かの間違いです!…む、息子が大変失礼なことを申し上げました。しかし、そんなことこちらとしては望んではいないのです。ただいま応接間に案内させますのでどうか話を…させていただけませんか?」
ドルマン侯爵は婚約破棄の言葉を聞き、顔面蒼白になり、必死に挽回しようとしております。
しかしもう遅いのです。
口約束とは言え、こんなに人の目がある場所での婚約破棄、そして了承した行為は契約書にも匹敵する行為なのです。
「どうして御子息様にお話も聞かずにそのように言われるのかわかりませんが、こちらとしましては既に了承致しましたので撤回するつもりはございませんよ」
「そんな…
ロディ、どうなっているんだ。今すぐ誠心誠意謝罪し、婚約破棄の撤回をお願いしろ!」
婚約破棄の撤回などあり得ないと言っているのに侯爵様もなにをおっしゃっているのでしょう。みっともない…
「ち、父上、そ、そろそろはっきりすべきなのです。伯爵家が侯爵家に縁を求めたというのに、それに相応しくない態度……
ち、父上も、い、いつも言ってらっしゃるではありませんか。侯爵家である由緒正しき我が家がなぜ伯爵家などに遜らなければならないと。は、伯爵家ならば本来頭を下げねばならぬ相手なのにと。」
「ばっ、何を言う!そ、そんなこと思ってなど
「ち、父上は、い、いつも伯爵家の女など適当にあしらっても侯爵家には逆らうことさえできないとおっしゃっていました。な、なので、立場をわからせたのです!それを撤回など、、、、いたしません!」
「そうですわ、ロディ様。さすが侯爵家が御子息。素晴らしいですわ。」
と、ロシェンカ嬢がさらに腕に身体をすり寄せて褒め称えておりますわ。
「ナシェルカ伯爵、これは...息子がなにかしましたでしょうか」
「おや、ドルマン侯爵。これはこれは...いえね、娘が侯爵御子息様とその浮気相手の下品な女性から婚約破棄を申し付けられましてね、了承したところだったのですよ。しかし、ご覧のように娘と妻が大変に衝撃を受けておりましてね。そろそろお暇させて頂こうと思っております。」
お父様...とても素敵な笑顔でとても怖いですわよ...
「婚約破棄!?まさか、そんなこと!何かの間違いです!…む、息子が大変失礼なことを申し上げました。しかし、そんなことこちらとしては望んではいないのです。ただいま応接間に案内させますのでどうか話を…させていただけませんか?」
ドルマン侯爵は婚約破棄の言葉を聞き、顔面蒼白になり、必死に挽回しようとしております。
しかしもう遅いのです。
口約束とは言え、こんなに人の目がある場所での婚約破棄、そして了承した行為は契約書にも匹敵する行為なのです。
「どうして御子息様にお話も聞かずにそのように言われるのかわかりませんが、こちらとしましては既に了承致しましたので撤回するつもりはございませんよ」
「そんな…
ロディ、どうなっているんだ。今すぐ誠心誠意謝罪し、婚約破棄の撤回をお願いしろ!」
婚約破棄の撤回などあり得ないと言っているのに侯爵様もなにをおっしゃっているのでしょう。みっともない…
「ち、父上、そ、そろそろはっきりすべきなのです。伯爵家が侯爵家に縁を求めたというのに、それに相応しくない態度……
ち、父上も、い、いつも言ってらっしゃるではありませんか。侯爵家である由緒正しき我が家がなぜ伯爵家などに遜らなければならないと。は、伯爵家ならば本来頭を下げねばならぬ相手なのにと。」
「ばっ、何を言う!そ、そんなこと思ってなど
「ち、父上は、い、いつも伯爵家の女など適当にあしらっても侯爵家には逆らうことさえできないとおっしゃっていました。な、なので、立場をわからせたのです!それを撤回など、、、、いたしません!」
「そうですわ、ロディ様。さすが侯爵家が御子息。素晴らしいですわ。」
と、ロシェンカ嬢がさらに腕に身体をすり寄せて褒め称えておりますわ。
26
お気に入りに追加
6,006
あなたにおすすめの小説
【完結】美しい人。
❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」
「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」
「ねえ、返事は。」
「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」
彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。
痛みは教えてくれない
河原巽
恋愛
王立警護団に勤めるエレノアは四ヶ月前に異動してきたマグラに冷たく当たられている。顔を合わせれば舌打ちされたり、「邪魔」だと罵られたり。嫌われていることを自覚しているが、好きな職場での仲間とは仲良くしたかった。そんなある日の出来事。
マグラ視点の「触れても伝わらない」というお話も公開中です。
別サイトにも掲載しております。
【完結】お父様。私、悪役令嬢なんですって。何ですかそれって。
紅月
恋愛
小説家になろうで書いていたものを加筆、訂正したリメイク版です。
「何故、私の娘が処刑されなければならないんだ」
最愛の娘が冤罪で処刑された。
時を巻き戻し、復讐を誓う家族。
娘は前と違う人生を歩み、家族は元凶へ復讐の手を伸ばすが、巻き戻す前と違う展開のため様々な事が見えてきた。
結婚が決まったそうです
ざっく
恋愛
お茶会で、「結婚が決まったそうですわね」と話しかけられて、全く身に覚えがないながらに、にっこりと笑ってごまかした。
文句を言うために父に会いに行った先で、婚約者……?な人に会う。
(完結)モブ令嬢の婚約破棄
あかる
恋愛
ヒロイン様によると、私はモブらしいです。…モブって何でしょう?
攻略対象は全てヒロイン様のものらしいです?そんな酷い設定、どんなロマンス小説にもありませんわ。
お兄様のように思っていた婚約者様はもう要りません。私は別の方と幸せを掴みます!
緩い設定なので、貴族の常識とか拘らず、さらっと読んで頂きたいです。
完結してます。適当に投稿していきます。
【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます
との
恋愛
「結婚おめでとう」 婚約者と義妹に、笑顔で手を振るリディア。
(さて、さっさと逃げ出すわよ)
公爵夫人になりたかったらしい義妹が、代わりに結婚してくれたのはリディアにとっては嬉しい誤算だった。
リディアは自分が立ち上げた商会ごと逃げ出し、新しい商売を立ち上げようと張り切ります。
どこへ行っても何かしらやらかしてしまうリディアのお陰で、秘書のセオ達と侍女のマーサはハラハラしまくり。
結婚を申し込まれても・・
「困った事になったわね。在地剰余の話、しにくくなっちゃった」
「「はあ? そこ?」」
ーーーーーー
設定かなりゆるゆる?
第一章完結
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました
天宮有
恋愛
国を守る聖女として城に住んでいた私フィーレは、元平民ということもあり蔑まれていた。
伝統だから城に置いているだけだと、国が平和になったことで国王や王子は私の存在が不愉快らしい。
無能だと何度も言われ続けて……私は本当に不必要なのではないかと思い始める。
そうだ――自らを封印することで、数年ぐらい眠ろう。
無能と蔑まれ、不必要と言われた私は私を封印すると、国に異変が起きようとしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる