えと…婚約破棄?承りました。妹とのご婚約誠におめでとうございます。お二人が幸せになられますこと、心よりお祈りいたしております

暖夢 由

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……………すごい!!
この方、初めてお会いするのに挨拶もしませんわ!

「ナディアの姉であるのは、そうですね。私でございます。
あの、先に自己紹介をいたしませんか?とりあえず初めてお会いいたしますので」

「はっ、自己紹介など必要ない!お前の事は常々ナディアから聞いている!」

自己紹介とはそういうものなのでしょうか…なんだか私の認識とは違う気がします。

「そうですか。ではレイズ伯爵令息様、私は13歳で家を出てから一度もナディアとは会ったことはございません。なので、意地の悪い行動をしていたのだとすれば13歳の頃。私も幼かったのでそう思われるような行動をしてしまったのかもしれません。もしこれから会うのなら気を付けたいと思います。」

「ふんっ!俺の婚約者として恥ずかしくない行動をしろ!わかったな!」

そういうとスティーブ様は帰っていかれました。そう言えばスティーブ様はFクラスでしたね。私たちの学校はレベルと専攻の状況によってクラス分けされております。

私はレティーナ先生に言われた通り、学園では上位に入ることができました。入学試験では2位。最新の試験でも2位。……いつも2位なのです。小さいころから遊んでいたザックにはどうしても勝てないのです。レオナルドは5位。シンディは7位でした。
全員経営学をとっていたこともあって、同じSクラスになることができました。

さぁ、スティーブ様も帰ったことだし、席に戻ろうとすると私の席に皆が集まっていました。

「なんだあれ?あんな奴が婚約者なのか!!」

レオナルドが怒っています。
でもそう言われても私も初めて会いました。
今初めてあんな奴だと知ったのです。
それに知ったところでどうにもなりません。お父様が決めてきた婚約者ですもの。

「そうみたいね。初めてお会いしたのでどんな方なのかはよくわかりませんが、とりあえずああいう一面もありそうね」

「ちょっとなんでそんなに落ち着いてるの?言い返せばよかったのに!大体婚約者の妹に言われた悪い情報を鵜呑みにして文句を言いに来る婚約者ってなんなの?
それにマリアの妹って、その……」

「シンディ。ありがとう。でもいいの。家にいったら私は居なくて妹がいるんだもん。仲良くなってしまうのも無理はないわ。それにナディアも悪い子ではないのよ。小さい頃のことがきっと今でも忘れられないのよ」

シンディが心配してくれます。
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