ゲームのシナリオライターは悪役令嬢になりましたので、シナリオを書き換えようと思います

暖夢 由

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外野がうるさい

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「お母様、お兄様の紳士教育を間違えたのではなくって?なんだかうじうじと。スパンと愛してるから俺と結婚してくれくらい言えないのかしら」

「そうね。みんなの前で話してるとは思えないほどぐだぐだとなんだか言い訳じみたことを言っているわね。これは反省会が必要ね!!アマリリスごめんなさいね。息子がこんなにもかっこよく言い切れないだなんて」

「まぁ、グレース。これはこれで可愛いじゃない。シルヴィアのことを気にかけてくれているのがわかるわ。それになんだか甘酸っぱくって自分たちの時の事を思い出すわぁ」

………………情報量が多すぎて、ちょっと処理できないのですが。ちょっと女性陣、その内緒話全て聞こえています!!


「んんっ!!だから、……その………

シルヴィア・サルゴレット令嬢。私はあなたを愛しています。あなたのことをこれからも大切にし、共に生きたいと思う。だから私と結婚してくれませんか!?そして将来はこの国でスイーツ店を経営したり、他のことにも挑戦したり、二人で公爵家を盛り上げてくれませんか!!」

「おぉぉっ!言ったな!!さっきまではちょっとなよなよしてて見ててどうかと思ったが、今のはなかなかよかったんじゃないか!シルヴィア、受けてやれよ!!」

………………外野がうるさい!小さいおっさんまで加勢するんじゃない!

「……………ルイス様、とてもありがたい申し出だと思います。ただ、私も公爵家の娘。結婚は私一人での問題ではございません。

お父様はどう思ってらっしゃいますの?」

そう、いくら私が傷物だとしても公爵家と言う名があるのならばまだ利用価値はあるのです。それをどう利用しようとするかによります。それなのに……

「シルヴィアさえ良ければいいんじゃないか?どちらにしてもこの国では店を管理してもらうなど今後も付き合いは続く。それに正直店の売上がよく、これ以上変なつながりを作らなくてもいい。
だが、シルヴィアが嫌なら断ればいい。家の為とかは気にしなくていいぞ!」

うん……元々この話は親まですでに通ってありますね。言っていることはまるで私を気遣うような内容ですが、話している顔はにやけまくっています。
絶対お父様もハリー様も知ってた!!

まぁ、別にルイス様が嫌いなわけでも苦手なわけでもないですが、あまり恋愛脳になっていないだけだと思います。
シナリオばかり考えていて、お馬鹿王子とは恋愛なんてありえませんでしたし、もちろんほかの男性なんてありませんでした。
でも実際いい結婚だとは思います。私がこの国で商売をし、あちらでお父様たちに商売をしてもらう。そしたらどちらの公爵家にも利があるのです。

「ルイス様。私は王子に婚約破棄された傷物であります。こちらの国にもその噂は広まってしまうでしょう。もしかしたらそのことでシナム公爵家のお名前に傷をつけてしまうかもしれません。もしそれでもいいのならば、どうぞよろしくお願いいたします」

「いい!!というか、そんな事を言う奴らが居たら私が抹消する!
それにシルヴィアは傷物なんかじゃない。婚約破棄だって王子の一方的な物だって知ってる!だから私が幸せにできるようにする。商売のことなんかはシルヴィアの方がきっと上手で頼ることも多いと思う。でも、他のことなら私にも頼ってほしい。婚約者として、ゆくゆくは夫として君を守らせてほしい。」

「はい。これからよろしくお願いいたします……」

周りからは拍手が起こります。

ルイス様、一つだけ我儘を言わせてもらうならば、こんな場での申し出はやめてほしかった…
だって私は両手に自分の母親と婚約者の母親と腕にもその妹の手を重ねているんのです。普通婚約者との手を繋いでいる場面ではありませんか……まあ、いいのですが。
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