ゲームのシナリオライターは悪役令嬢になりましたので、シナリオを書き換えようと思います

暖夢 由

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アン!?あなたも……

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妖精と言うのはこの国ではずっと信じられていたもので、それに出会えるなんてきっと嬉しいでしょうね。
そしてグレース様においでと言われたら、素直にその手のひらにぴょん吉が座りました。
こいつ……男だな………
綺麗なグレース様においでと言われれば素直にそれに従うなんて………

ふとルイス様を見ると驚いた顔をしています。
そりゃああれだけ避けられましたからね……

「本当に可愛らしいわ。とても可愛い。小さいウサギみたいね。なんだかぬいぐるみにしたら反響が大きそうね。」

アンが冷静に分析をしています。
確かに!ぬいぐるみなら声も聞こえない見た目だけ!!とても可愛い気がします!!

そしてハリー様も私の許可をとって手を握ります。

「おおっ、これが妖精か!なんと思った以上に小さいのだな。グレース、私の手にも乗せてくれ!!」

ハリー様がグレース様にそのようにおっしゃいますが………
グレース様がハリー様の手に移そうと手を傾けるとぴょん吉が飛び立ちました。
まったく!!

「あっ、おい、飛んでしまったぞ、おいでおいで。
………グレースの手には大人しく乗っていたのになぜ飛んで行ってしまったのだ……」

ハリー様…………きっと男だからです

「俺はおっさんはいやだ!!シルヴィア、ちゃんと伝えろ!!」

私にはなにも聞こえていません………

「お父様、妖精がおっさんは嫌なのだそうですわ」

ん???
その声に驚いて隣を見るとアンがそう言っています。

「なんだそれは!そんなことで妖精が動くわけないだろう!」

「でも妖精がそのように言っています。ねぇ?」

「シルヴィア、このお姉ちゃんには俺の声が聞こえてるぞ!それにちゃんと伝えてくれてる!なんていい娘なんだ!」

驚いたことにアンにはぴょん吉の声が聞こえているのです。

私が驚いた顔で見ているとアンはぴょうん吉に手を伸ばして、手の中でよしよしするように撫でています。


「アン、………その………声に違和感はないの?」

「声?あぁ、この子の?んーーまぁ、本当はもっと可愛い声の方がいいですよ。でも見た目がとっても可愛いですもの」

そう言って笑っています。
なんて心が広いのでしょう。私はこの声のこの話し方に抵抗しか感じなかったのに、もう受け止めているなんて。
私もアンを見習わなければなりませんね!

「シルヴィア、ほら、可愛いんだとよ?俺はとっても可愛いんだぞ?お前ももっと俺を可愛がっていいんだぞ?」

………………やっぱり私は見習えそうにありません………
正直、、すごくむかつきます!

「なんでアンには声が聞こえるんだ?」

ルイス様がおどいた声でアンと私を見ています。
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