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妖精の名前
しおりを挟む「…とりあえず聞くだけ聞いてあげる。なにをして欲しいの?」
私がそういうとぱぁぁぁ!!とおじさん妖精の周りが光り始めた。
嬉しいとそうなるのね……
「シルヴィア、光ってるよ」
「そうですね…嬉しいようです…」
「俺に栄養のつくものをくれ!」
……はぁ……
「ルイス様、妖精の栄養となるものはなんですか?」
私がそんなこと知るわけありません。妖精の本なんて読んだことありませんし、今までまともに信じてもいなかったのです。だから詳しそうな人に聞いてみることにします。
「え?栄養?……いや、僕が読んでた文献にはそんなこと載ってなかったな…なによりも妖精って何か食べるの?」
「あなたなに食べるの?」
ルイス様が知らないことを私が知るわけありません。
だから直接本人に聞くのに。
「俺は特に食べるものはない!花に乗ればその養分をもらえるし、綺麗な池に行けば英気を養える。俺はすごいんだ!!」
そう。とてもすごいですね
「ええ、とても素晴らしいですわ。おかげさまで冷やかしということがよくわかりました。それではごきげんよう。さぁ、ルイス様早く行きましょう!!」
「違う!!ちがうんだ!!もう、俺の話をきけぇー!!」
またまばゆく光輝いています。
………まぁ、困っているようですしちゃんと話を聞きましょう。いくら私の大切な夢が壊されたかと言ってもこの方にあたっても仕方ありませんね…
「………ふぅ。ではわかりやすいように話していただけませんか?それに私はむすめではなく、シルヴィアです。あなたのお名前をお伺いしても?」
私がきちんと話をしようとしていることに安堵したのか光が落ち着いてきます。
「お、俺の名前はぴょん吉。もうむすめって言わない。だから俺の話を聞いてくれ」
……ぴょん吉?……へんな名前……というか、やけに日本的な気がする。
それにウサギのぴょん吉………ぴょんきち……カエルか!…………
あーーーーー!!!
イラストレーターが原稿の端っこにいたずら書きするキャラクター!!
そう言えばイラストレーターがウサギが好きで、羽を生やして、飛んで、そんでたまに憎たらしい顔させてた!!
え???やっぱりゲームが続いてる?
え??なんのシーン??
「俺たち妖精は昔からいろんな場所に住んでたんだ。人間と協力して植物を育てて、幸せに暮らしてた。なのにどんどん俺たちを見える人間が少なくなってきて、今では俺たちを見える人間を探す方が難しい。人間と暮らしてるときは一緒に育ててる果物や野菜の上で遊べばそれだけで元気だったんだ。でも今はどんどん力がなくなっていってる。
俺たちが人間から見れないのは人間側のせいもあるけど俺たちの力が弱くなってるせいでもある。でもどうにかしないとどんどん仲間が少なくなってしまうんだ。だから俺たちに栄養のあるものを探してほしい」
うーん……想像以上に重たい話だった。
こんなにお笑いのノリで出てきてこの内容は反則だと思います……
そして私は話がわかったけど、ルイス様はひたすら私を見ている。
だから今の内容をそのままルイス様にも伝えてみました。
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