ゲームのシナリオライターは悪役令嬢になりましたので、シナリオを書き換えようと思います

暖夢 由

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王妃様の謝罪

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お母様にも食べるお菓子を聞き、2人が席に着くと、私は二人のスイーツとコーヒーを用意します。そしてキャロルにチーズタルトを焼くようにお願いして、席にスイーツを運びます。

「お待たせいたしました。こちらが王妃様の苺大福とプリンでございます。こちらはスフレチーズケーキでございます。どうぞ」

「まぁ!リリのそれはなに?チーズって聞こえた気がするけどチーズのお菓子なの?」

「そうよ。チーズのケーキなんて食べたことないでしょう?でもこれがすっごく美味しいの。一口食べさせてあげるわ」

王妃様が興味津々にお母様に質問しています。それにお母様がどや顔で答えています。本当に仲良しなんですね。

そんな和気あいあいと話ながらパクパクと食べすすめ、あっという間になくなってしまいました。

「あー、本当に美味しいわ。こんなお菓子他では味わえないわね。だってあの男爵家のなんて食べた瞬間にもう…うっ、って感じよ。うっ、よ。うっ!

リリに聞いてたから知ってはいたけど、それでもあんなにまずいだなんて予想できていなくってね。吐き出せるものなら吐き出したかったけど、あの場で吐き出すわけにもいかないじゃない。だから必死で呑み込んだわ。だから特にここのスイーツが美味しく感じたの。でもあれの後じゃなくってもここのスイーツはとびきり美味しいわね!」

王妃様……なんだか言葉にとげが混じっていますよ……

「ほんとにあそこのお菓子はまずいわね。初めて食べた時の衝撃は忘れられないわ。それなのにここでアルが審査するから食べるっていったときは一回蹴とばそうかと思ったわ。あんなまずいものをもう一度食べなくちゃいけないなんて。

でも何度食べてもダメね。まずいものはまずかったわ…」

お母様……審査は仕方ないと思いますが、お疲れ様でしたの一言です。

できれば私も食べたくはありません…

「それにしても、ジョンにも困ったものよね…ほんとにシルヴィアちゃんごめんなさいね…私たちが頼み込んで婚約してもらっているのはわかっているんだけど…それも時間の問題かしらね…

こんなに美味しいお菓子があんなにまずい菓子の盗作だなんて。それにあの令嬢がいじめられている?あの令嬢はどちらかといえばいじめる側のような雰囲気だったわ。それなのに公の場で呼び捨てにさせて、私が守ってるんですなんて。今回ばかりは本当に呆れてしまったわ……」

王妃様が私に謝られながら、愚痴を言うように、小さな声で囁かれていますわ。
なんだかその様子に可哀想になってしまいそうですが、言っている内容はなんともフォローすらできず……

「ねぇ、ララ。ララが息子の事を可愛いこともわかるけど、私たちも同じようにシルヴィアが可愛いのよ。だから王子が今のままならば前回の話はちゃんと通してもらうわ。今の王子と結婚してもシルヴィアが幸せになるとは到底思えないわ」

「わかってるわ。わかってるのよ、リリ。

私もシルヴィアちゃんのことが大好きなのよ。不幸にしていいなんて思ってないわ。

はぁ………どこであんなことになってしまったのかしら………」

お母様、そんなにはっきりと王妃様におっしゃるなんて思っても見ませんでした。

王妃様、、深い深いため息。なんとも申し上げられませんが……私がであった頃には王子はすでにあの形で出来上がっておりましたよ。
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