ゲームのシナリオライターは悪役令嬢になりましたので、シナリオを書き換えようと思います

暖夢 由

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男爵の評価

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「それでは私から失礼致しましますわ。

私も侯爵夫妻と夫と同じ意見であります。これらは盗作にはあたりません。

見た目、味、名前。何もかもが違うこれらをどうしてわざわざ結び付けようとするのか。言いがかりでしかないように思います。男爵家の番になりましたらぜひ盗作と主張する理由を明確にして頂きたいと思います。以上ですわ」

お母様がとても簡潔に意見を述べられました。男爵を見つめ、微笑みながらそう言っておりますが、男爵は笑えておりません。

王子の意見の時はとても元気だったのに、今はなんだか青くなってしまっている気がします。

「よろしい。では次、男爵。評価をどうぞ」

遂に男爵の番です。なんと言い切るのか、とても楽しみですね。

「……これは間違いなくわが家の商品の盗作であります。わが家が商品を出すようになった後にこの店はオープンしました。

見た目だって、このナタロンにそっくりです。それをごまかすようにこうやって絵なんて描いていますが、これがなければそっくりではありませんか!それにナタロアだってカップが一緒ならば見分けはつきません!ナタマルだってそうです!我が娘が必死に考えた商品をこのように勝手に売り出すなど我慢なりません!慰謝料を請求いたします!!」

話し出す前は気まずそうにしていた男爵でしたが、話しているうちにヒートアップしてきたのか捲し立ててきました。赤い顔でテーブルをダンッと叩き、慰謝料を請求すると怒鳴っています。しかし、皆さんが聞きたいことがお話されていないように感じます…

「男爵、一つ質問をいいですか?
この味の違いについてはどのように説明するつもりで?」

侯爵様が赤い顔で興奮している男爵に、そう聞きます。
そう皆さんが聞きたい内容はそこです!!全員が全員味に違いがあると言っていましたが、その点は逃げられると思ったのでしょうか。

「あ、味に関しては、た、食べてみなければわかりません!!
商品は見た目で買う人も多い!それなのにこんなに見た目が似通っているなんて業務妨害でしかありえません!!」

「………それは顔がついていたりカップが違うならば違うものと判断できるのでは?」

「そ、それは!………………」

公爵夫人が心底不思議そうに尋ねると、男爵は言い返すことが出来ず、つまってしまいました。だってその通りですものね。

実際男爵は食べてみないとわからないとわかっていたからこそ、お茶菓子にと試食も無しに売り出していた。だから見た目こそが大事だと思っているのでしょう。ですが、それだけで言うのであれば、当店の商品と男爵家の商品は明らかに見た目で判断できます。そこをつかれてしまうともう反論できなくなってしまったのでしょうね。

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