ゲームのシナリオライターは悪役令嬢になりましたので、シナリオを書き換えようと思います

暖夢 由

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ヒロインとの出会い

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とりあえずヒロインを拝んだ足でアリーナへ向かう。そこで入学式が行われます。
弟たちの入学式を私たちは観客席で見守る。そして、生徒会長である王子が歓迎の挨拶を述べています。
どうして王子が生徒会長であるかというと優秀だから!でもなく、人望があるから!でもなく、ただただ、自分が生徒会長にふさわしいと切々と唱えたらしい。それをモンチート・アダンとワンズ・クローディルが補助するという形になっている。ただ、学園側がそれだけでは了承せず、才女と言われるクロエ・ダルシア伯爵令嬢を副会長に据えた。クロエ様の気苦労を考えると学園側を恨んでいるのではないかと思うけど、だからこそ、目立った暴走は起きずにすんでいる。


そんなことを考えているといつの間にか入学式は終わり、教室に戻ることになった。
同じ学年には5クラスあり、基本的に交流はない。成績・素行を点数化し、クラス分けをしている。そういえばヒロインはどのクラスだったかな。

そんなことも思ったが、同じクラスに転入者の報告はなく、淡々と一日が過ぎ、2か月が過ぎていった。

そういえば入学してから一度も王子ともあっていない。だからこそか、とても平和だ……

でもこんな平和な日常って突然崩れるものよね……
お友達と食堂に向かう途中、角を曲がろうとしたら急に前からなにかが飛び出して、ぶつかってきてそのぶつかった側が倒れたの。
いった!!

「きゃー!」

周りの女生徒たちが声を上げているわ。
でもその声よりも目の前の女生徒の頭が気になるわ。
ピンク色の頭…ヒロインね。

「す、すみません……すみません……」

なんだか脅えるようにそうつぶやくヒロインに、とりあえず立つように手を差し伸べると

「ナターシャ、大丈夫か?」

ヒロインの後ろから金髪頭が目に入った。
あら、なんだか久しぶりに見たわ。お馬鹿王子。

「シルヴィア、ナターシャになにをした!?」

あー、そう言えば、『悪役令嬢がヒロインのマナーについて注意しているところに王子たちがたまたま出くわすシーン』の時の王子のセリフはこんなんだった。そしていじめをしているのも悪役令嬢だと決めつけるようになるのよね。モンチート・アダンとキジュール・ローランド、ワンズ・クローディルが王子と一緒になって悪役令嬢の仕業と決めつけ責めるようになるってやつね!
ヒロインの手を取り、大事そうに立ち上がらせている王子がいる。

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