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現実
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………………………現実だった……………
目が覚めてもフリフリのお嬢様が寝るようなベッドの上で、ネグリジェのような服を着てる。どう考えてもここは日本ではない。
そう思って、鏡の前に行くとゲームで見たまんまの公爵令嬢がそこには立っていた。
……………いつも思ってたけど公爵令嬢って綺麗よね…
あんな可愛い系の男爵令嬢よりも私の好みは公爵令嬢だった。そして鏡で見ても綺麗……
鏡の中の自分を見て綺麗なんて言ってるとナルシストになっちゃう。いけないいけない。
取り合えず、現状を整理しよう。
私はシルヴィア・サルゴレット公爵令嬢であり、きっと悪役令嬢だ。2歳上の王子とは婚約者候補として10歳から交流を始め、16歳の私の誕生日を待って、正式な婚約を行った。仲が良好とは言えなかった私たちだけど、周りから押し切られる形で婚約が決まった。お世辞にも王太子の器ではないボンボン王子に、王妃教育をほぼ終えている公爵令嬢をあてがったというシナリオだ。
ちょっとだけ王子の性格を思い出すと、王たるもの自分の意見をしっかりと持つべきである。王たるもの周りの意見も聞くべきである。王たるもの力ないものは守るべきである。という王たるものの教育を曲がったほうにまっすぐ受け入れてしまった王太子は自分の意見を強く持ち、自分の意見に賛同する周りの声に大きく同調し、自分の庇護下に置いたものは尊重されるべきであると考えてしまうようになった。
それがいい方向に進めばいいが、そうでない方向に進むことが7、、いや8割でそれを窘めるために、すでに王妃教育がほぼ終えている公爵令嬢が押し付けられたのだ。でも、こんな性格の王子が公爵令嬢の言うことなど聞くわけもない。それでも周りからは嗜めるように言われ、板挟みの状態で渋々注意すると「王子である私に意見するとは何様か」と怒られる始末。そのうちに王子の周りには自分と同じ意見のものしか寄り付かなくなり、まともな教育を行われた公爵令嬢と仲良くなれるわけなんてなかった。
それでも15歳から通い始める高等教育機関は18歳で卒業となる。要するに今年の冬をもって第1王子は卒業するはず。そしてその卒業披露パーティーで婚約破棄をつきつけられる。
今はまだ今年の入学式が終わっておらず、男爵令嬢もまだ入学していない。今年の入学式と同時に私たちも今年度が始まる。それと同時に男爵令嬢も私と同じ学年に入学してくるはずだ。
男爵が平民に生ませた子どもで、母親がなくなったので男爵が引き取ったというなんともありきたりなシナリオだった。そして、16歳で編入してくる。
平民として育ったヒロインは貴族としての振る舞いが出来ず、それが元で女生徒の友達を作ることが出来ず寂しく思う。そんな時に王子と出会い、涙を拭ったその様子に『王たるもの力ないものは守るべき』の教えが頭をよぎり、話しを聞くことになる。そして人目を憚らずヒロインをそばに置き、自分の庇護下にあると公言するようになった。その様に公爵令嬢は苦言を呈すも、それを機にヒロインが公爵令嬢にいじめられたと騒ぐようになる。爵位の高い公爵令嬢にいじめられる可哀想なヒロインにどんどんのめりこむ王子はこれこそが真実の愛だと考え、卒業披露パーティーで婚約破棄を言い渡し、あらたに男爵令嬢との婚約を宣言する。
失意のどん底で公爵令嬢は家に帰り、そのことを父である公爵に報告すると「男爵令嬢をいじめて婚約破棄されるとはなんたる恥さらし。私にはこんな娘はいなかった。今後死ぬまで修道院で暮らすといい」と修道院へ送られてしまうという内容。
目が覚めてもフリフリのお嬢様が寝るようなベッドの上で、ネグリジェのような服を着てる。どう考えてもここは日本ではない。
そう思って、鏡の前に行くとゲームで見たまんまの公爵令嬢がそこには立っていた。
……………いつも思ってたけど公爵令嬢って綺麗よね…
あんな可愛い系の男爵令嬢よりも私の好みは公爵令嬢だった。そして鏡で見ても綺麗……
鏡の中の自分を見て綺麗なんて言ってるとナルシストになっちゃう。いけないいけない。
取り合えず、現状を整理しよう。
私はシルヴィア・サルゴレット公爵令嬢であり、きっと悪役令嬢だ。2歳上の王子とは婚約者候補として10歳から交流を始め、16歳の私の誕生日を待って、正式な婚約を行った。仲が良好とは言えなかった私たちだけど、周りから押し切られる形で婚約が決まった。お世辞にも王太子の器ではないボンボン王子に、王妃教育をほぼ終えている公爵令嬢をあてがったというシナリオだ。
ちょっとだけ王子の性格を思い出すと、王たるもの自分の意見をしっかりと持つべきである。王たるもの周りの意見も聞くべきである。王たるもの力ないものは守るべきである。という王たるものの教育を曲がったほうにまっすぐ受け入れてしまった王太子は自分の意見を強く持ち、自分の意見に賛同する周りの声に大きく同調し、自分の庇護下に置いたものは尊重されるべきであると考えてしまうようになった。
それがいい方向に進めばいいが、そうでない方向に進むことが7、、いや8割でそれを窘めるために、すでに王妃教育がほぼ終えている公爵令嬢が押し付けられたのだ。でも、こんな性格の王子が公爵令嬢の言うことなど聞くわけもない。それでも周りからは嗜めるように言われ、板挟みの状態で渋々注意すると「王子である私に意見するとは何様か」と怒られる始末。そのうちに王子の周りには自分と同じ意見のものしか寄り付かなくなり、まともな教育を行われた公爵令嬢と仲良くなれるわけなんてなかった。
それでも15歳から通い始める高等教育機関は18歳で卒業となる。要するに今年の冬をもって第1王子は卒業するはず。そしてその卒業披露パーティーで婚約破棄をつきつけられる。
今はまだ今年の入学式が終わっておらず、男爵令嬢もまだ入学していない。今年の入学式と同時に私たちも今年度が始まる。それと同時に男爵令嬢も私と同じ学年に入学してくるはずだ。
男爵が平民に生ませた子どもで、母親がなくなったので男爵が引き取ったというなんともありきたりなシナリオだった。そして、16歳で編入してくる。
平民として育ったヒロインは貴族としての振る舞いが出来ず、それが元で女生徒の友達を作ることが出来ず寂しく思う。そんな時に王子と出会い、涙を拭ったその様子に『王たるもの力ないものは守るべき』の教えが頭をよぎり、話しを聞くことになる。そして人目を憚らずヒロインをそばに置き、自分の庇護下にあると公言するようになった。その様に公爵令嬢は苦言を呈すも、それを機にヒロインが公爵令嬢にいじめられたと騒ぐようになる。爵位の高い公爵令嬢にいじめられる可哀想なヒロインにどんどんのめりこむ王子はこれこそが真実の愛だと考え、卒業披露パーティーで婚約破棄を言い渡し、あらたに男爵令嬢との婚約を宣言する。
失意のどん底で公爵令嬢は家に帰り、そのことを父である公爵に報告すると「男爵令嬢をいじめて婚約破棄されるとはなんたる恥さらし。私にはこんな娘はいなかった。今後死ぬまで修道院で暮らすといい」と修道院へ送られてしまうという内容。
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