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しおりを挟むジョシュアはナティシアが閉じ込められ、二度と会えなくなるかもしれないと感じたとき、悪評を気にするよりもまず救出することを優先した。
無理にでもナティシアを診察させ、王宮での再検査、もしくは治療を理由に初めから必ず連れ帰る手はずだったのだ。
侍医とクライブには伝えていた為、問題なく連れ出すことができた。
ただ一つ予想外だったことは侍医がナティシアの身体に興味を持ってしまったこと。
侍医曰く、本来なら公爵に言った通り瘦せ細っているナティシアの身体は免疫が落ち、病気になっていてもおかしくない状況なのだそう。だが、ナティシアは痩せ細ってしまってはいるものの、その身体は健康そのものであり、なぜか肌艶も髪艶もよいのだという。
ナティシアの身体には秘密があるのではないかと興味を持ち、ぜひ検査をさせてほしいと言ってきたのだ。
何よりもゆっくりとナティシアに身体を休ませたかったジョシュアは即座に断った。
だがアーネイスの話をしたところ、池に行きたいとのことで二人で池に足を運ぶことになったのだ。
「私がやりたくてやったことです。本来ならこんな強制的な方法ではなくあなたを招きたかった。
ですが、どんな方法であれナティシアの無事な姿を見ることができて本当によかった。
ナティシア、一つだけ聞きたいことがあります。あなたにとってはこの選択を強いること自体、苦痛かもしれません。ですが今聞かなければならないのです。
あなたの父、マックス・アクアンティ公爵はこれから茨の道を歩くことになるかもしれません。
ですがもしあなたが恩赦を望むのなら…」
ジョシュアの言葉を遮るようにナティシアが彼の腕の裾を握り引っ張った。
ジョシュアがナティシアに目を向けると、さらさらと書いたノートを見せた。
『気遣ってくれてありがとうございます。
私もまた王太子殿下にお目にかかれて本当に嬉しく思います。最悪の場合、もう外には出れないのではないかと思っていたので。
父のことですが、私は恩赦は望みません。
ぶっ潰して頂いてよろしいでしょうか』
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