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しおりを挟むこれ以上は話しても無駄だと思っていたところに騒ぎを聞きつけた近衛騎士がやってきた。
事情を聞いた近衛騎士は静かに2人を乗せてきた馬車に押しこんだ。
「大変申し訳ございません。
招待客以外の方のご参加はできません。
ただちにおかえりください。
それから本日のことは公爵に厳重に抗議させていただきますので」
「ちょ、ちょっとやめてよ!誤解を解かずには帰れないのよ!
ちゃんと誤解だったってわかればお父様も理解してくださるはずなの。だからお願い。王太子殿下に会わせて。ね?」
グレースは先ほどまでの門番への態度とはまるで違い、媚びを売るように上目遣いで騎士に対して話しかけるが、その効果は全く見られなかった。
グレースたちへの返答はなく、静かに扉は閉じられ、外から厳重に鍵をかけられてしまった。御者に対して途中で決して鍵をあけないように念を押し、もし返ってくることがあれば不敬罪とみなし、御者に対しても罰を与えると言われ、グライアンスとグレースがどれだけ喚こうと馬車は止まることはなく、公爵家に戻ってしまった。
グライアンスとグレースがどうしようかと悩みながら家に入ると同時に馬車が止まる音が聞こえる。
今日は一日出かけているはずのマックスが戻ってきてしまったのだ。
2人はそのまま執務室に呼ばれ、王家から抗議が入り、厳重注意を受けたと伝えられた。
「グライアンス、私はあの時確かにナティシアの準備をするように伝えたはずだ。グレースもその場にいたんだからわかっているはずだ。それなのに門番に招待状が間違いだ、自分が来たのだから入れろだのと喚いたらしいな。
お前たちはいつから私の言葉を覆せるほど偉くなったんだ?何より王家の意向に逆らえるほどに偉くなったのだ?」
「あなた、、私たちはそんなつもりではなくて……」
「そうよお父様。私たちは間違いでナティシアが行くなんてことになったら公爵家にとっても恥になってしまうと思って。そうならないためにも間違いを正しに行かなくちゃと思ったの。王太子殿下にさえ会えれば間違いだったってわかると思って。
私たちは公爵家のためを思って「何が公爵家のためだ。私がどれだけ恥ずかしい思いをしたと思っている!?
お前たち2人は3ヶ月の謹慎だ。部屋から出ることは許さない。食事も部屋でとるように。
本来は領地での謹慎としたいが、王家からの意向もあるため今回は軽い処分でしかないが、これ以上恥をかかせるようなことがあるならその時はそれ相応の処分が下ること覚えていなさい」
そんな!!どうして私たちが!!」
グレースの言葉は聞く必要もないとばかりに執事が呼ばれ、2人は執務室から追い出され、すぐに部屋に押し込まれることになった。
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