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第6章『ペンダント』
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あれから1週間。
魔物は現れてはいるものの、大したこともなく平穏な日々を過ごしていた。
2人は村か町を探す為、3時間近く先の見えない程広がった荒野を歩き続けていた。所々に村の跡地のようなものを見かけたが人の気配は全くない――。
タクヤはこの荒れ果ててしまった村々のことを気にしてはいるのだが、今は違うことが気になっていた。
横を歩くイズミを見ると、何を考えているのか難しい顔をしている。
「イズミ? ……なんかさぁ、最近ますます暗くない?」
タクヤが気になっていることというのはイズミのことであった。ずっと黙り続けているイズミに思い切って声を掛けてみた。
「あぁ?」
しかし、次の瞬間には物凄い形相で睨まれるだけであった。
(……なんか最近イズミ恐い……)
どうもあれからイズミの様子がおかしい。あれからというのは、アンナの屋敷を出てからである。一体どうしたというのか、タクヤにはさっぱり分からなかった。日に日にピリピリとしてきているように感じる。タクヤがバカなことを言っても、聞こえていないのか無視しているのか、最近は何の反応もないのだ。ただでさえ、最近は何も起こらないので(不謹慎だが)つまらなく感じていたのにイズミも何の反応もないのでは退屈してしまう。
「イズミー」
「うるさい」
「まだ何も言ってないじゃんっ」
タクヤが何か言おうと声を掛けた途端、冷たく返されてしまい、タクヤは段々苛ついてきてしまった。
「もうっ、最近何か変だよイズミ。何かあったの?」
苛つきを抑えながらもう一度イズミを覗き込むようにして尋ねてみる。
「別に」
しかし、イズミは無表情にタクヤを見ることなく答える。
「そんなわけねぇじゃんっ。だって、最近イズミずっとピリピリしてんじゃんかっ。何もないわけないだろ? 俺が何言ってもいっつもシカトするし」
タクヤは強く言いながらも顔は今にも泣き出しそうになっていた。
「……ちょっと考え事してただけだ。……何もない。お前が心配することはない」
イズミは溜め息をつくと、漸くタクヤを見て何も悟られないように淡々と話した。
「ほんとに? ほんとにほんとに?」
タクヤはまだ心配そうにイズミをじっと覗き込む。
「うるせぇヤツだな。何もねぇよ」
イズミはタクヤを鬱陶しそうに睨み付ける。
「へへっ、良かったぁ。俺、もしかしたら嫌われちゃったのかと思ったよ。そっかぁ、へへっ。……あ、そうだっ! ねぇ、イズミの好きなタイプってどんなの?」
タクヤは睨み付けられながらも、漸くいつものイズミに戻ったと、本当に嬉しそうに顔を綻ばせる。そしてふと思い付いたようにイズミをじっと見つめる。
「は? タイプ? 何のだ?」
イズミは言われた意味が分からず、不思議そうにことんと首を傾げる。
「だからー、好きな人のタイプだって」
タクヤは少し顔を赤らめながらもムキになって話す。
「人? ……人じゃいないな」
「ええっ!? そうなの? そんなぁ。じゃあ俺のことも好きじゃないんだ……イズミ」
イズミにさらりと答えられてしまい、タクヤは悲しそうな顔をする。
「お前は人間じゃなくて猿だろが」
「何だとぉーっ!」
イズミがしれっとして話すのを顔を真っ赤にしながら怒る。
「もうっ、すぐ猿って言うっ。何で俺が猿なんだよ……って、あれ?」
タクヤは頬を膨らませながら怒るが、ふとあることに気が付いた。
「そっかぁっ! な~んだ、そっかそっか。へへっ」
タクヤは突然嬉しそうにニヤニヤとする。
「お前、気持ち悪い……。どっか行け」
ニヤついているタクヤを見て、イズミは本気で気持ち悪そうにタクヤから離れる。
「ちょっとっ! なに離れてんだよっ!」
イズミが自分から離れていくのをムッとしながら近づく。
「寄るなっ、虫っ」
イズミはぎょっとした顔をして更に逃げるようにして離れる。
「誰が虫だっ! 猿よりひどいじゃんっ!」
タクヤも負けじと近づいた。
「お前なんか虫で十分だっ。寄るんじゃねぇ」
そう言ってイズミは走って逃げ出した。
「なんだとぉーっ! ちっくしょー、俺のが速いもんねっ」
タクヤも怒りながら本気で追いかける。
「ほぉ~らっ、俺のが速いっ。え~い、こうしてやるっ」
タクヤはイズミに追い付くなり後ろからぎゅっと抱き締める。
「てめっ! 何しやがるっ、放せっ! このバカっ、アホ、猿、すっとこどっ――」
イズミがタクヤの腕を剥がそうと暴れ怒鳴るが、最後まで言う前にタクヤは後ろからイズミの頬にキスをした。
「っ!? ……このっ!」
イズミは顔を真っ赤にして動揺しながら腕を振り上げる。
「へへんっ、俺のこと馬鹿にした罰だからねっ。イズミちゃんのほっぺ2回目ゲットっ!」
タクヤはイズミに殴られる前に離れ、少し前まで走るとイズミを振り返り、ニヤリと笑いピースをしてみせた。
そしてもう一度前を向き、満足げに歩き始めた。
しかし、少し歩いた所でタクヤの頭を何かが直撃した。
「いってぇー……。何すんだよっ」
そう言ってタクヤは振り返りイズミを睨むと、自分の頭に当たった物を確認しようと下を見た。
そこには大きめのボールのような物が転がっていた。
拾ってみると、それは軽いビニールでできたボールであった。
「イズミ……こんなもん一体どっから出したんだよ……。○次元ポケットかよ」
タクヤは半分呆れたような表情でイズミを見る。
「あ? そこに転がってたんだよ……」
イズミはまだ怒っているのかムッとした表情で答える。
「おにーちゃーんっ、それ投げてーっ」
突然、イズミよりもっと後ろの方から少年のような声がした。
2人は声の方向を同時に見た。
そこには、壊れた建物の横から10歳くらいの少年がこちらに向かって手を振っているのが見えた。
「おーっ、何だ、これお前のかー?」
タクヤも少年に向かってボールを掲げながら大声で叫んだ。
「うんっ、そうだよーっ」
少年は手を振りながらそう答える。
「そっか。よぉーし、いくぞーっ」
タクヤはそう言うと、ボールを片手で持ち、少年に向かって思い切り投げた。ボールは高く上がったかと思うと、丁度良く少年の所へと落ちていった。
「ありがとーっ、おにーちゃんっ」
少年はボールを上手くキャッチすると、タクヤに向かって大きく手を振った。そして、そのまま建物の向こうへと走って行ってしまった。
「近くに村か町があんのかな? ……行ってみる? イズミ」
タクヤはイズミに近づき、声を掛けた。
「…………」
イズミは先程のことをまだ気にしているのか、嫌そうな顔でタクヤを見る。
「何だよっ。もう何もしないったらっ」
タクヤはイズミが自分を警戒していることに気付き、慌てて誤解を解こうと必死になる。
「…………」
「もうっ、ほんとだったらっ。約束するっ」
まだ自分を信用していないような目付きで見てくるイズミに、半分怒ったような口調で言い聞かす。
「俺の半径1メートル以内には近付くなよ」
「もう……信用ねぇなぁ」
「当たり前だ」
「ちぇっ……」
イズミに冷たく言い返され、タクヤは頬を膨らませながらも落ち込んだ。
2人はとりあえず少年が走り去った方向に歩いて行った。
村の跡地を通り過ぎ、しばらく歩くと小さな村が見えてきた。
「村だっ」
タクヤはそう叫ぶと、そのまま村に向かって走り出した。
「ったく、ガキが……」
嬉しそうに走っていくタクヤの後ろ姿を見て、イズミは大きく溜め息をついた。
魔物は現れてはいるものの、大したこともなく平穏な日々を過ごしていた。
2人は村か町を探す為、3時間近く先の見えない程広がった荒野を歩き続けていた。所々に村の跡地のようなものを見かけたが人の気配は全くない――。
タクヤはこの荒れ果ててしまった村々のことを気にしてはいるのだが、今は違うことが気になっていた。
横を歩くイズミを見ると、何を考えているのか難しい顔をしている。
「イズミ? ……なんかさぁ、最近ますます暗くない?」
タクヤが気になっていることというのはイズミのことであった。ずっと黙り続けているイズミに思い切って声を掛けてみた。
「あぁ?」
しかし、次の瞬間には物凄い形相で睨まれるだけであった。
(……なんか最近イズミ恐い……)
どうもあれからイズミの様子がおかしい。あれからというのは、アンナの屋敷を出てからである。一体どうしたというのか、タクヤにはさっぱり分からなかった。日に日にピリピリとしてきているように感じる。タクヤがバカなことを言っても、聞こえていないのか無視しているのか、最近は何の反応もないのだ。ただでさえ、最近は何も起こらないので(不謹慎だが)つまらなく感じていたのにイズミも何の反応もないのでは退屈してしまう。
「イズミー」
「うるさい」
「まだ何も言ってないじゃんっ」
タクヤが何か言おうと声を掛けた途端、冷たく返されてしまい、タクヤは段々苛ついてきてしまった。
「もうっ、最近何か変だよイズミ。何かあったの?」
苛つきを抑えながらもう一度イズミを覗き込むようにして尋ねてみる。
「別に」
しかし、イズミは無表情にタクヤを見ることなく答える。
「そんなわけねぇじゃんっ。だって、最近イズミずっとピリピリしてんじゃんかっ。何もないわけないだろ? 俺が何言ってもいっつもシカトするし」
タクヤは強く言いながらも顔は今にも泣き出しそうになっていた。
「……ちょっと考え事してただけだ。……何もない。お前が心配することはない」
イズミは溜め息をつくと、漸くタクヤを見て何も悟られないように淡々と話した。
「ほんとに? ほんとにほんとに?」
タクヤはまだ心配そうにイズミをじっと覗き込む。
「うるせぇヤツだな。何もねぇよ」
イズミはタクヤを鬱陶しそうに睨み付ける。
「へへっ、良かったぁ。俺、もしかしたら嫌われちゃったのかと思ったよ。そっかぁ、へへっ。……あ、そうだっ! ねぇ、イズミの好きなタイプってどんなの?」
タクヤは睨み付けられながらも、漸くいつものイズミに戻ったと、本当に嬉しそうに顔を綻ばせる。そしてふと思い付いたようにイズミをじっと見つめる。
「は? タイプ? 何のだ?」
イズミは言われた意味が分からず、不思議そうにことんと首を傾げる。
「だからー、好きな人のタイプだって」
タクヤは少し顔を赤らめながらもムキになって話す。
「人? ……人じゃいないな」
「ええっ!? そうなの? そんなぁ。じゃあ俺のことも好きじゃないんだ……イズミ」
イズミにさらりと答えられてしまい、タクヤは悲しそうな顔をする。
「お前は人間じゃなくて猿だろが」
「何だとぉーっ!」
イズミがしれっとして話すのを顔を真っ赤にしながら怒る。
「もうっ、すぐ猿って言うっ。何で俺が猿なんだよ……って、あれ?」
タクヤは頬を膨らませながら怒るが、ふとあることに気が付いた。
「そっかぁっ! な~んだ、そっかそっか。へへっ」
タクヤは突然嬉しそうにニヤニヤとする。
「お前、気持ち悪い……。どっか行け」
ニヤついているタクヤを見て、イズミは本気で気持ち悪そうにタクヤから離れる。
「ちょっとっ! なに離れてんだよっ!」
イズミが自分から離れていくのをムッとしながら近づく。
「寄るなっ、虫っ」
イズミはぎょっとした顔をして更に逃げるようにして離れる。
「誰が虫だっ! 猿よりひどいじゃんっ!」
タクヤも負けじと近づいた。
「お前なんか虫で十分だっ。寄るんじゃねぇ」
そう言ってイズミは走って逃げ出した。
「なんだとぉーっ! ちっくしょー、俺のが速いもんねっ」
タクヤも怒りながら本気で追いかける。
「ほぉ~らっ、俺のが速いっ。え~い、こうしてやるっ」
タクヤはイズミに追い付くなり後ろからぎゅっと抱き締める。
「てめっ! 何しやがるっ、放せっ! このバカっ、アホ、猿、すっとこどっ――」
イズミがタクヤの腕を剥がそうと暴れ怒鳴るが、最後まで言う前にタクヤは後ろからイズミの頬にキスをした。
「っ!? ……このっ!」
イズミは顔を真っ赤にして動揺しながら腕を振り上げる。
「へへんっ、俺のこと馬鹿にした罰だからねっ。イズミちゃんのほっぺ2回目ゲットっ!」
タクヤはイズミに殴られる前に離れ、少し前まで走るとイズミを振り返り、ニヤリと笑いピースをしてみせた。
そしてもう一度前を向き、満足げに歩き始めた。
しかし、少し歩いた所でタクヤの頭を何かが直撃した。
「いってぇー……。何すんだよっ」
そう言ってタクヤは振り返りイズミを睨むと、自分の頭に当たった物を確認しようと下を見た。
そこには大きめのボールのような物が転がっていた。
拾ってみると、それは軽いビニールでできたボールであった。
「イズミ……こんなもん一体どっから出したんだよ……。○次元ポケットかよ」
タクヤは半分呆れたような表情でイズミを見る。
「あ? そこに転がってたんだよ……」
イズミはまだ怒っているのかムッとした表情で答える。
「おにーちゃーんっ、それ投げてーっ」
突然、イズミよりもっと後ろの方から少年のような声がした。
2人は声の方向を同時に見た。
そこには、壊れた建物の横から10歳くらいの少年がこちらに向かって手を振っているのが見えた。
「おーっ、何だ、これお前のかー?」
タクヤも少年に向かってボールを掲げながら大声で叫んだ。
「うんっ、そうだよーっ」
少年は手を振りながらそう答える。
「そっか。よぉーし、いくぞーっ」
タクヤはそう言うと、ボールを片手で持ち、少年に向かって思い切り投げた。ボールは高く上がったかと思うと、丁度良く少年の所へと落ちていった。
「ありがとーっ、おにーちゃんっ」
少年はボールを上手くキャッチすると、タクヤに向かって大きく手を振った。そして、そのまま建物の向こうへと走って行ってしまった。
「近くに村か町があんのかな? ……行ってみる? イズミ」
タクヤはイズミに近づき、声を掛けた。
「…………」
イズミは先程のことをまだ気にしているのか、嫌そうな顔でタクヤを見る。
「何だよっ。もう何もしないったらっ」
タクヤはイズミが自分を警戒していることに気付き、慌てて誤解を解こうと必死になる。
「…………」
「もうっ、ほんとだったらっ。約束するっ」
まだ自分を信用していないような目付きで見てくるイズミに、半分怒ったような口調で言い聞かす。
「俺の半径1メートル以内には近付くなよ」
「もう……信用ねぇなぁ」
「当たり前だ」
「ちぇっ……」
イズミに冷たく言い返され、タクヤは頬を膨らませながらも落ち込んだ。
2人はとりあえず少年が走り去った方向に歩いて行った。
村の跡地を通り過ぎ、しばらく歩くと小さな村が見えてきた。
「村だっ」
タクヤはそう叫ぶと、そのまま村に向かって走り出した。
「ったく、ガキが……」
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