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第7話※R18
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静かな室内に、途切れ途切れに聞こえる荒い息づかいと漏れるような声が響く。
「ん……や、やめっ……」
自らの一番弱い場所をぎゅっと握られ、動かされる手を必死に止めようと海斗の手を掴むが全く効果はない。器用に動かされる指に集中力が奪われていく。
そして『やめて』と言いながらも気持ち良く感じてしまっている自分自身が恥ずかしくてたまらない。
先端から溢れる粘液と海斗の長い指が絡まり、いやらしい音が響いている。
羞恥で顔が今にも沸騰しそうな程に赤く火照っていた。両手で顔を覆う。
「優希の……もう、こんなになってる」
「ば、バカっ! 何言って……あっ……んっ」
とろりと潤んでいる先端を指先で抉る様に触れられ、優希は達してしまいそうになるのを懸命に堪えていた。
そんな優希を見下ろしながら、海斗は口の端を上げる。
「我慢しなくていい」
そう言うと、掴んでいた手を離し、ゆっくりと優希の両脚を広げる。
「ちょっ! 何っ!?」
「言ったろ? 我慢しなくていいって」
突然のことにぎょっとした優希は頭を持ち上げる。
しかし海斗は無表情のまま、勃ち上がっている優希のものを再び掴むと、スッと顔をそこに近付けた。
「わっ!! ちょっ、ダメだってばっ! ふ、風呂にも入ってないしっ」
何をされるのか一瞬で悟った優希は真っ赤な顔で慌てて上半身を起こすと、海斗の頭を両手で掴むように押さえ、必死に止める。
「あぁ。そうだったな」
にこりと笑い、一言だけそう言うと海斗は優希から離れた。
その反応に優希は安堵するとふぅっと息を吐き、海斗から顔を逸らした。
しかし次の瞬間、再び体がふわりと浮いて、再びぎょっとして声を上げる。
「わっ!?」
「風呂、入るんだろ?」
「え?」
優希は海斗によって抱き上げられていた。驚く優希を満面の笑みで見下ろす海斗。
一瞬何を言われたのかと呆然とする優希はただ海斗を見つめることしかできなかった。
「あっ! ちょっと、下ろしてっ」
先程見えた外の景色と小さな露天風呂を目の前にし、優希は頭がはっきりとしてきた途端にじたばたと暴れ出した。
「あぁ」
「え?」
しかし、あっさりと海斗は優希を下ろしたのだった。
すとんと床に足をついた優希は、海斗の態度に再び呆然としていた。一体何を考えているのか。
そして海斗は優希を気にすることなく、ゆっくりと歩き、カラカラと軽く音をさせながら透明なガラス戸を開ける。外へ出る為の引き戸になっているガラス戸だ。
そのガラス戸の向こうに露天風呂がある。両隣の部屋からは見えないようにきちんと部屋の端に沿って壁がある。上にも屋根が付いており、ベランダに露天風呂があるような光景だった。
しかし、さすがは老舗旅館である。露天風呂の周りには平らな石が敷き詰められていて、大浴場にある露天風呂を小さくしたような仕様にしてあった。
「なかなかいいな。ネットで見て、ここが一番良かったんだ」
露天風呂を覗きながら海斗は振り返ることなく、後ろにいる優希に向かって話し始めた。
「優希と一緒に入ろうと思って」
そう言って振り返る。
優希は既に海斗によって全裸にされていた。しかし、それを忘れているかのように呆然と立ち尽くしたまま海斗を見つめていたのだった。
「じゃあ、入ろうか」
「えっ」
にっこりと微笑むと、海斗は浴衣をスルスルと脱ぎ始めた。
海斗が帯を取った瞬間、優希は思わず顔を赤らめていた。いつも自分ばかり脱がされ、海斗の裸をまともに見たことはなかったのだ。そして海斗の肌が見えた。自分とは違う広い胸板。筋肉がしっかりと伺える腕。長い指。そして綺麗な長い脚……。
「わっ!」
思わず見惚れてしまっていたが、海斗が下着に手を掛けた瞬間、慌てて顔を逸らす。まるで体全部が心臓になってしまったかのように耳元で音が鳴っている。鼓動が速い。
「優希」
後ろを向いている優希に声を掛け、返事を待つことなく海斗は再び優希を抱き上げた。
「ちょっと!」
驚く優希を抱えたまま、海斗はゆっくりと湯船に片足を入れる。そしてもう片方も入れ、にっこりと優希に笑みを向けた。
「そこまで熱くないから」
そう言ってゆっくりと優希を抱えたまましゃがみ、そのまま腰を下ろす。
「っ!?」
優希は海斗が何を言ったのかすぐには分からなかったが、体に感じたお湯の感触とその熱さで、自分が置かれている状況を理解したのだった。
「この体勢も悪くはないけど……優希、俺に跨って?」
「は?」
真顔で言われ、優希は思い切り嫌な顔を海斗に向ける。
今、一緒に入っていると考えるだけでも恥ずかしいのに、この上自分にそんな恥ずかしい格好をしろと言っているのかと、珍しくすぐに言葉の意味を理解した優希は海斗を思い切り睨み付けたのだった。
「まぁ、後ろ向きでもいいけどな。優希を後ろから抱きしめるのも好きだし」
「ふざけんなっ。誰がやるかっ」
「分かってないな、優希」
声を上げ、横を向いてしまった優希に、海斗は軽く溜め息をつくと、抱えていた優希の両脚を自分の脚と同じ方向に向かせるようにぐいっと移動させ、もう片方の手で優希の肩を前から抱くようにして向きを変えさせる。
いつの間にか海斗の膝の上に座るような形になってしまっていた。
「わっ!」
あっさりと海斗に後ろから抱きしめられ、顔を真っ赤にさせながら慌てる。
じたばたと動いてみるが、全く効果はない。それどころか、動いたことで後ろに何かが当たる感触を感じてしまった。
「っ!?」
思わず顔から湯気でも出そうな程に熱くなってしまった。
お湯でよくは分からないが、硬い何かが確かに自分の後ろに当たっている。
「優希が動くから」
「ま、待って! む、無理っ」
「大丈夫。いくらなんでもそんな無理はさせないから。慣らさないと。でも、優希も俺の触って?」
「ばっ……そんなん、できる訳――!?」
前を向いたまま真っ赤な顔で声を上げた優希であったが、最後まで言い終わる前に海斗によって自分の右手を後ろに持っていかれた。そして何かに触れた瞬間、それが何かをすぐに悟った優希は思わず後ろを振り返る。
「んんっ……」
しかし、振り返った瞬間に海斗の唇で優希の口が塞がれる。片方の手で頭をぐっと押さえつけられ、離れることはできない。
「ぅ……ん……」
右手は海斗のものを握らされ、口の中は舌が絡み付いてきて蕩けてしまいそうになっていた。
優希の思考は既に飛んでしまいそうになっていた。
お湯のせいなのか、恥ずかしさなのか、それとも別の理由なのか。体がどんどん熱を帯びていくのを感じていた。
長い濃厚なキスに、優希は自分でも信じられないような行動を取っていた。一体何が自分をそうさせたのかは分からない。環境のせいなのか、気持ちが昂ってしまったからなのか、自分では気が付いていなかった猫たちへの嫉妬と海斗への独占欲のせいだったのか……。
体の向きを変え、海斗を跨ぐ様に両膝は海斗の脚を挟み、そして体を海斗に寄せ、貪るようにお互いの舌を絡め合っていた。
海斗は優希の細い腰を抱えるように両手で掴み、優希は海斗の首にしがみつく様に抱きついていた。
「ふっ……んっ……か……いと……」
舌を絡めながら声が漏れる。優希の甘い声に海斗は一瞬理性が飛びそうになっていた。ぐっと堪え、優希の唇から離れる。そして、
「優希……好きだよ」
と、ぼそりと呟くと、海斗は再び優希の乳首へと唇を移動させる。唇で摘まむようにして触れ、軽くなぞるように舐める。
「あっ……海斗……」
いつものような嫌がる素振りを全く見せない優希に、海斗はゆっくりと左手を移動させ、優希の後ろの溝に沿ってその小さな穴に指先で触れる。
「あっ! ちょっ、ダメだって!」
ぼーっとしていた優希であったが、やっと意識がハッキリしたのか、再び真っ赤な顔で声を上げ、慌てて海斗の手を掴んだ。
「ダメだよ。離してあげない。今日は最後までする」
「っ!!」
掴んだ手をあっさり振り払われ、後ろの小さな穴の中に深く指が入ってきたのを感じた。驚きと痛みで顔が歪む。
「痛いか?」
「やだってば」
少し涙目になりながら海斗を見下ろす優希であったが、海斗の長い指が容赦なく優希の中を掻き回していた。お湯で濡れているそこはあっさり海斗を受け入れている。探すように、そして広げるように指が動いているのが分かる。
「優しくするから」
「やだ……痛いし、恥ずかし……」
今までになく優しい表情で優希を見上げる海斗を、優希は涙目のまま赤く火照った顔で見下ろした。
しかし、そのなんとも言えない艶っぽい表情に、海斗の最後の理性が飛んでしまったのだった。
「っ!!……優希、煽るなよ」
「ひゃぁああっ!」
まだ慣らされていないそこに無理矢理突き上げられ、悲鳴に近い声を上げる。
「優希が悪い。優しくしようと思ったのに……もう、限界」
普段の海斗からは想像もつかないくらいに余裕がない。優希の腰を両手で掴み、激しく揺さぶる。
湯船の中、お湯がバシャバシャと弾け、大きな波を作っていた。
優希は必死に海斗に掴まることしかできなかった。自分の中に何度も打ちつけられ、苦しさと痛み、そして快感を伴って何度も中に痺れを感じていた。お湯の温かさなのか海斗の体温なのか分からない。しかし、繋がった部分から熱を感じ、そして全身にその熱が回っているかのようであった。
「……はぁっ……ふっ……んんっ」
「優希。声、我慢しなくていいよ」
漏れそうになる声を堪えるようにしている優希に、海斗が優しく声を掛ける。
しかし、今の優希にはその言葉を聞く余裕などなかった。
まだきつい中を容赦なく擦られる。ひくひくと痙攣する。
痛い筈なのにおかしくなってしまいそうな快感に支配される。
「や……ぁ、か……い……と……」
「優希。好きだ、好きだよ……」
繋がった部分を抜くことなく、海斗はぎゅっと強く優希を抱き締めた。
そして、涙で潤んだ優希の目元に軽く唇を当てる。
「ん……海斗……」
まるで自分から欲するように、優希は海斗の顔を両手で掴み、海斗の口元へと自分の唇を当てる。
「う……んっ」
重なり合う唇。軽く触れ合ったかと思うと、すぐにお互いの舌を絡め、深く口づける。
優希は海斗の首に両腕を巻きつけるようにしてしがみ付き、海斗は優しく優希の頭をそっと撫でる。
お湯が弾む音とふたりの絡まり合う舌、そして唾液の音だけが聞こえていた。
何度も何度もまだ足りないといったように口づけを交わす。
そして、ふと唇が離れた瞬間、再び海斗は優希の腰を掴み、ぐっと自分のものを優希の奥へと入れ、更に激しく揺さぶった。
「んんっ……あっ……あぁっ!」
突然のことに追いつけないでいる優希は、我慢していた声を漏らした。
そして――。
「ん……や、やめっ……」
自らの一番弱い場所をぎゅっと握られ、動かされる手を必死に止めようと海斗の手を掴むが全く効果はない。器用に動かされる指に集中力が奪われていく。
そして『やめて』と言いながらも気持ち良く感じてしまっている自分自身が恥ずかしくてたまらない。
先端から溢れる粘液と海斗の長い指が絡まり、いやらしい音が響いている。
羞恥で顔が今にも沸騰しそうな程に赤く火照っていた。両手で顔を覆う。
「優希の……もう、こんなになってる」
「ば、バカっ! 何言って……あっ……んっ」
とろりと潤んでいる先端を指先で抉る様に触れられ、優希は達してしまいそうになるのを懸命に堪えていた。
そんな優希を見下ろしながら、海斗は口の端を上げる。
「我慢しなくていい」
そう言うと、掴んでいた手を離し、ゆっくりと優希の両脚を広げる。
「ちょっ! 何っ!?」
「言ったろ? 我慢しなくていいって」
突然のことにぎょっとした優希は頭を持ち上げる。
しかし海斗は無表情のまま、勃ち上がっている優希のものを再び掴むと、スッと顔をそこに近付けた。
「わっ!! ちょっ、ダメだってばっ! ふ、風呂にも入ってないしっ」
何をされるのか一瞬で悟った優希は真っ赤な顔で慌てて上半身を起こすと、海斗の頭を両手で掴むように押さえ、必死に止める。
「あぁ。そうだったな」
にこりと笑い、一言だけそう言うと海斗は優希から離れた。
その反応に優希は安堵するとふぅっと息を吐き、海斗から顔を逸らした。
しかし次の瞬間、再び体がふわりと浮いて、再びぎょっとして声を上げる。
「わっ!?」
「風呂、入るんだろ?」
「え?」
優希は海斗によって抱き上げられていた。驚く優希を満面の笑みで見下ろす海斗。
一瞬何を言われたのかと呆然とする優希はただ海斗を見つめることしかできなかった。
「あっ! ちょっと、下ろしてっ」
先程見えた外の景色と小さな露天風呂を目の前にし、優希は頭がはっきりとしてきた途端にじたばたと暴れ出した。
「あぁ」
「え?」
しかし、あっさりと海斗は優希を下ろしたのだった。
すとんと床に足をついた優希は、海斗の態度に再び呆然としていた。一体何を考えているのか。
そして海斗は優希を気にすることなく、ゆっくりと歩き、カラカラと軽く音をさせながら透明なガラス戸を開ける。外へ出る為の引き戸になっているガラス戸だ。
そのガラス戸の向こうに露天風呂がある。両隣の部屋からは見えないようにきちんと部屋の端に沿って壁がある。上にも屋根が付いており、ベランダに露天風呂があるような光景だった。
しかし、さすがは老舗旅館である。露天風呂の周りには平らな石が敷き詰められていて、大浴場にある露天風呂を小さくしたような仕様にしてあった。
「なかなかいいな。ネットで見て、ここが一番良かったんだ」
露天風呂を覗きながら海斗は振り返ることなく、後ろにいる優希に向かって話し始めた。
「優希と一緒に入ろうと思って」
そう言って振り返る。
優希は既に海斗によって全裸にされていた。しかし、それを忘れているかのように呆然と立ち尽くしたまま海斗を見つめていたのだった。
「じゃあ、入ろうか」
「えっ」
にっこりと微笑むと、海斗は浴衣をスルスルと脱ぎ始めた。
海斗が帯を取った瞬間、優希は思わず顔を赤らめていた。いつも自分ばかり脱がされ、海斗の裸をまともに見たことはなかったのだ。そして海斗の肌が見えた。自分とは違う広い胸板。筋肉がしっかりと伺える腕。長い指。そして綺麗な長い脚……。
「わっ!」
思わず見惚れてしまっていたが、海斗が下着に手を掛けた瞬間、慌てて顔を逸らす。まるで体全部が心臓になってしまったかのように耳元で音が鳴っている。鼓動が速い。
「優希」
後ろを向いている優希に声を掛け、返事を待つことなく海斗は再び優希を抱き上げた。
「ちょっと!」
驚く優希を抱えたまま、海斗はゆっくりと湯船に片足を入れる。そしてもう片方も入れ、にっこりと優希に笑みを向けた。
「そこまで熱くないから」
そう言ってゆっくりと優希を抱えたまましゃがみ、そのまま腰を下ろす。
「っ!?」
優希は海斗が何を言ったのかすぐには分からなかったが、体に感じたお湯の感触とその熱さで、自分が置かれている状況を理解したのだった。
「この体勢も悪くはないけど……優希、俺に跨って?」
「は?」
真顔で言われ、優希は思い切り嫌な顔を海斗に向ける。
今、一緒に入っていると考えるだけでも恥ずかしいのに、この上自分にそんな恥ずかしい格好をしろと言っているのかと、珍しくすぐに言葉の意味を理解した優希は海斗を思い切り睨み付けたのだった。
「まぁ、後ろ向きでもいいけどな。優希を後ろから抱きしめるのも好きだし」
「ふざけんなっ。誰がやるかっ」
「分かってないな、優希」
声を上げ、横を向いてしまった優希に、海斗は軽く溜め息をつくと、抱えていた優希の両脚を自分の脚と同じ方向に向かせるようにぐいっと移動させ、もう片方の手で優希の肩を前から抱くようにして向きを変えさせる。
いつの間にか海斗の膝の上に座るような形になってしまっていた。
「わっ!」
あっさりと海斗に後ろから抱きしめられ、顔を真っ赤にさせながら慌てる。
じたばたと動いてみるが、全く効果はない。それどころか、動いたことで後ろに何かが当たる感触を感じてしまった。
「っ!?」
思わず顔から湯気でも出そうな程に熱くなってしまった。
お湯でよくは分からないが、硬い何かが確かに自分の後ろに当たっている。
「優希が動くから」
「ま、待って! む、無理っ」
「大丈夫。いくらなんでもそんな無理はさせないから。慣らさないと。でも、優希も俺の触って?」
「ばっ……そんなん、できる訳――!?」
前を向いたまま真っ赤な顔で声を上げた優希であったが、最後まで言い終わる前に海斗によって自分の右手を後ろに持っていかれた。そして何かに触れた瞬間、それが何かをすぐに悟った優希は思わず後ろを振り返る。
「んんっ……」
しかし、振り返った瞬間に海斗の唇で優希の口が塞がれる。片方の手で頭をぐっと押さえつけられ、離れることはできない。
「ぅ……ん……」
右手は海斗のものを握らされ、口の中は舌が絡み付いてきて蕩けてしまいそうになっていた。
優希の思考は既に飛んでしまいそうになっていた。
お湯のせいなのか、恥ずかしさなのか、それとも別の理由なのか。体がどんどん熱を帯びていくのを感じていた。
長い濃厚なキスに、優希は自分でも信じられないような行動を取っていた。一体何が自分をそうさせたのかは分からない。環境のせいなのか、気持ちが昂ってしまったからなのか、自分では気が付いていなかった猫たちへの嫉妬と海斗への独占欲のせいだったのか……。
体の向きを変え、海斗を跨ぐ様に両膝は海斗の脚を挟み、そして体を海斗に寄せ、貪るようにお互いの舌を絡め合っていた。
海斗は優希の細い腰を抱えるように両手で掴み、優希は海斗の首にしがみつく様に抱きついていた。
「ふっ……んっ……か……いと……」
舌を絡めながら声が漏れる。優希の甘い声に海斗は一瞬理性が飛びそうになっていた。ぐっと堪え、優希の唇から離れる。そして、
「優希……好きだよ」
と、ぼそりと呟くと、海斗は再び優希の乳首へと唇を移動させる。唇で摘まむようにして触れ、軽くなぞるように舐める。
「あっ……海斗……」
いつものような嫌がる素振りを全く見せない優希に、海斗はゆっくりと左手を移動させ、優希の後ろの溝に沿ってその小さな穴に指先で触れる。
「あっ! ちょっ、ダメだって!」
ぼーっとしていた優希であったが、やっと意識がハッキリしたのか、再び真っ赤な顔で声を上げ、慌てて海斗の手を掴んだ。
「ダメだよ。離してあげない。今日は最後までする」
「っ!!」
掴んだ手をあっさり振り払われ、後ろの小さな穴の中に深く指が入ってきたのを感じた。驚きと痛みで顔が歪む。
「痛いか?」
「やだってば」
少し涙目になりながら海斗を見下ろす優希であったが、海斗の長い指が容赦なく優希の中を掻き回していた。お湯で濡れているそこはあっさり海斗を受け入れている。探すように、そして広げるように指が動いているのが分かる。
「優しくするから」
「やだ……痛いし、恥ずかし……」
今までになく優しい表情で優希を見上げる海斗を、優希は涙目のまま赤く火照った顔で見下ろした。
しかし、そのなんとも言えない艶っぽい表情に、海斗の最後の理性が飛んでしまったのだった。
「っ!!……優希、煽るなよ」
「ひゃぁああっ!」
まだ慣らされていないそこに無理矢理突き上げられ、悲鳴に近い声を上げる。
「優希が悪い。優しくしようと思ったのに……もう、限界」
普段の海斗からは想像もつかないくらいに余裕がない。優希の腰を両手で掴み、激しく揺さぶる。
湯船の中、お湯がバシャバシャと弾け、大きな波を作っていた。
優希は必死に海斗に掴まることしかできなかった。自分の中に何度も打ちつけられ、苦しさと痛み、そして快感を伴って何度も中に痺れを感じていた。お湯の温かさなのか海斗の体温なのか分からない。しかし、繋がった部分から熱を感じ、そして全身にその熱が回っているかのようであった。
「……はぁっ……ふっ……んんっ」
「優希。声、我慢しなくていいよ」
漏れそうになる声を堪えるようにしている優希に、海斗が優しく声を掛ける。
しかし、今の優希にはその言葉を聞く余裕などなかった。
まだきつい中を容赦なく擦られる。ひくひくと痙攣する。
痛い筈なのにおかしくなってしまいそうな快感に支配される。
「や……ぁ、か……い……と……」
「優希。好きだ、好きだよ……」
繋がった部分を抜くことなく、海斗はぎゅっと強く優希を抱き締めた。
そして、涙で潤んだ優希の目元に軽く唇を当てる。
「ん……海斗……」
まるで自分から欲するように、優希は海斗の顔を両手で掴み、海斗の口元へと自分の唇を当てる。
「う……んっ」
重なり合う唇。軽く触れ合ったかと思うと、すぐにお互いの舌を絡め、深く口づける。
優希は海斗の首に両腕を巻きつけるようにしてしがみ付き、海斗は優しく優希の頭をそっと撫でる。
お湯が弾む音とふたりの絡まり合う舌、そして唾液の音だけが聞こえていた。
何度も何度もまだ足りないといったように口づけを交わす。
そして、ふと唇が離れた瞬間、再び海斗は優希の腰を掴み、ぐっと自分のものを優希の奥へと入れ、更に激しく揺さぶった。
「んんっ……あっ……あぁっ!」
突然のことに追いつけないでいる優希は、我慢していた声を漏らした。
そして――。
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