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Destiny~君は私の運命の人~【スピンオフ】
第33話
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「……グスターヴァルっ」
これ以上開けられないくらいに大きく目を見開いた。
まさかそんな言葉を言われるとは思ってもみなかった。
嬉しさなのか恥ずかしさなのか分からないが、紅潮した頬が熱い。
知らない間に涙が出ていた。
「イアン……私を受け入れてほしい。……君が、欲しい」
続けられたグスターヴァルの言葉に、イアンは耳まで真っ赤に染まってしまった。
顔も頭も沸騰してしまったかと思うくらいに熱くなっている。
「あ、あのっ……グスターヴァル。それって、その、どういう……」
もしかしたら勘違いかもしれない。
そう思ったら聞かずにはいられなかった。
「どういう? そのままの意味だが……?」
すると先程までとは打って変わり、グスターヴァルは不思議そうな顔でこてんと首を傾げた。
「えっ、だから、その……えっと……」
そのままとは一体、とイアンは混乱していた。
先程のグスターヴァルの言葉を考えると、確かに元々はドラゴンなのだ。
どこまで知っていて話しているのか分からない。
しかし、『そのままの意味』というのは、やはり……。
(え、でもどうやって説明すればいいんだろう)
急に分からなくなりイアンも首を傾げた。
「えっと……エッチするってこと?」
恥ずかしくて顔を赤らめながらもなんとか言葉を考えて確認してみる。
「うむ。それはどういう意味だ?」
やはり分からないらしい。
グスターヴァルは難しそうな顔で聞いてきた。
「えっと……なんて説明すればいいんだろ。えっとだから……グスターヴァルでも分かる言葉?……ドラゴンでも分かる、言葉?」
ぶつぶつと考えながら呟く。
そもそもグスターヴァルがちゃんと言葉にしてくれれば良かったのに、と考えてしまう。
「あっ、交尾?……っ!」
ふと思いついた言葉に首を傾げ、人差し指を立てながら話したのだが、言った後でハッとすると顔を真っ赤にさせ、慌てて両手で顔を覆った。
「…………」
両手で顔を覆っているためグスターヴァルの顔を見ることができない。
そして何も反応がない。
もしかして違ったのだろうかと思い、更に恥ずかしくなってしまった。
「ごめっ、なんでもないっ!」
両手で顔を覆ったまま、真っ赤な顔で声を上げる。
「……イアン、間違っていない」
しかしすぐにグスターヴァルに両手を掴まれ顔を覗き込まれた。
「っ!」
目が合い、恥ずかしさで目が潤む。
「……イアン」
両手を掴んだまま、グスターヴァルはイアンの頬にキスをする。
「っ!」
思わずぎゅっと目を瞑り、口も閉じる。
「イアン」
構うことなくグスターヴァルはイアンの瞼、頬、そして唇にキスをしてきた。
「待って……」
先程グスターヴァルに『間違っていない』と言われた。つまりはそういうことだ。
そう思ったら急に体が硬くなり、イアンは緊張で動けなくなっていた。
「イアン」
尚もグスターヴァルはキスを続けてくる。
軽く唇を頬や唇に当ててきては、耳元で低く良い声で囁いてくる。
その度にぞくぞくと体が震える。
「あのっ、ま、待って……」
なんとか止めようと掴まれた手を動かそうと必死に抵抗してみるが、全く動かない。
「待たない」
更にグスターヴァルは淡々と答えた後、そのままイアンの耳の端をぺろりと舐める。
「ひゃっ!」
驚いて思わず声を上げてしまった。
キスはしたものの、まさかその先のことは全く考えていなかったイアンは、『なんでグスターヴァル、こんなにエッチなんだ』と心の中で必死に叫んでいた。
そんなことを考えているとは気が付いていないのか、グスターヴァルは掴んでいた手を離すと、今度はイアンのパジャマを脱がし始める。
「ちょっ!? 待ってってば、グスターヴァルっ!」
ボタンを外そうとするグスターヴァルの手を掴んで慌てて叫んだ。
「待たないと言っただろう」
しかし、あっさり返されそのままボタンを全て外されてしまう。
(ちょっとっ! なんでそんなに外すの上手くなってんだよっ!)
再び心の中で叫んでいた。
以前は服を着替えることもできなかったはずなのに、今では他人の服を脱がすことができるようになっているとは。
「やだってば……ね、ちょっと、グスターヴァルっ」
「さっき言っただろう? ずっと後悔していたと。私は、イアンに触れたくて、ずっと我慢していたんだ。もう……待てない」
嫌だと言って抵抗しても全く効き目がない。
それどころかグスターヴァルは強い口調でそう言うと、イアンをぐっと布団に押し付けてきた。
「……私に触れられるのは、そんなに嫌か?」
泣きそうになっているイアンを見下ろし、グスターヴァルは再び悲しそうな顔でじっと見下ろしてきた。
「……い、嫌じゃ、ない……でも、その……俺、初めてだし」
グスターヴァルの顔を見上げ、そんな顔をさせたくはないとなんとか言い訳を考える。
「……そうか。心配するな、私もだ」
「そんなわけないじゃんっ!」
きょとんとした顔でグスターヴァルに言われ、思わず叫んでしまった。
「どうしてだ? 私は300年ずっとドラゴンだったんだぞ? しかもドラゴンは私だけだった。相手もいない。どうしろと?」
しれっとした顔で言い返される。
「それはドラゴンだった間でしょっ! その前があるじゃんっ!」
「ふむ。その前と言っても記憶にないのだから同じだろう。たとえ同じ魂だとしても覚えていないのだから、そんなものは前世みたいなものだ。それに、この体はドラゴンから作られたものだぞ?」
必死に言い返してみたものの、再びしれっと返されてしまう。
ぐうの音も出ないというか、確かにその通りのため、何も言い返せなくなってしまった。
すると、じっと見つめながらグスターヴァルが聞いてきた。
「他に心配事は?」
「え? あ、えっと……グスターヴァル、初めてなら尚更どうやるのか分かってないんでしょ? だから、その、ちゃんと色々調べてから……」
「それは心配ない。事前に確認済みだ」
「えぇっ!」
良い言い訳ができたと思いきや、あっさりと返されぎょっとしてしまった。
まさか事前に調べていたとは……。
「他になければ続けるぞ」
そう言うと、グスターヴァルはイアンの鎖骨をぺろりと舐めてきた。
「ひゃあっ!……って、だからっ、ダメだってばっ。こういうのは、そのっ、ほら、もっとお互いを知ってからとかさ」
急に舐められて大声を上げると、イアンは慌ててグスターヴァルの肩を掴んで自分から引き離した。
「もっと? お互いのことを? なぜだ?」
じっと真剣な顔で見つめられる。
「や……だから、グスターヴァルのことは好きだけど、まだ早いっていうか……こういうのはもっと時間をかけて――」
「夫婦でも、互いのことを分かっていないことは多いんじゃないか? 場合によっては会ったこともない相手と、ということもあるぞ? 会う回数も、互いを知ることも重要ではない。互いのことをどれだけ想っているかだろう。私はイアンが好きだ。イアンも私のことを想ってくれているのだろう?」
必死に止めようとしたが、すぐにグスターヴァルに続けざまに言い返される。
「そ、それは、そうなんだけど……」
それ以上言い訳が見つからず、黙り込んでしまった。
すると、その反応をどうやら『受け入れた』とグスターヴァルは思ったようで、イアンの腰を掴むと再び体にキスをし始めた。
これ以上開けられないくらいに大きく目を見開いた。
まさかそんな言葉を言われるとは思ってもみなかった。
嬉しさなのか恥ずかしさなのか分からないが、紅潮した頬が熱い。
知らない間に涙が出ていた。
「イアン……私を受け入れてほしい。……君が、欲しい」
続けられたグスターヴァルの言葉に、イアンは耳まで真っ赤に染まってしまった。
顔も頭も沸騰してしまったかと思うくらいに熱くなっている。
「あ、あのっ……グスターヴァル。それって、その、どういう……」
もしかしたら勘違いかもしれない。
そう思ったら聞かずにはいられなかった。
「どういう? そのままの意味だが……?」
すると先程までとは打って変わり、グスターヴァルは不思議そうな顔でこてんと首を傾げた。
「えっ、だから、その……えっと……」
そのままとは一体、とイアンは混乱していた。
先程のグスターヴァルの言葉を考えると、確かに元々はドラゴンなのだ。
どこまで知っていて話しているのか分からない。
しかし、『そのままの意味』というのは、やはり……。
(え、でもどうやって説明すればいいんだろう)
急に分からなくなりイアンも首を傾げた。
「えっと……エッチするってこと?」
恥ずかしくて顔を赤らめながらもなんとか言葉を考えて確認してみる。
「うむ。それはどういう意味だ?」
やはり分からないらしい。
グスターヴァルは難しそうな顔で聞いてきた。
「えっと……なんて説明すればいいんだろ。えっとだから……グスターヴァルでも分かる言葉?……ドラゴンでも分かる、言葉?」
ぶつぶつと考えながら呟く。
そもそもグスターヴァルがちゃんと言葉にしてくれれば良かったのに、と考えてしまう。
「あっ、交尾?……っ!」
ふと思いついた言葉に首を傾げ、人差し指を立てながら話したのだが、言った後でハッとすると顔を真っ赤にさせ、慌てて両手で顔を覆った。
「…………」
両手で顔を覆っているためグスターヴァルの顔を見ることができない。
そして何も反応がない。
もしかして違ったのだろうかと思い、更に恥ずかしくなってしまった。
「ごめっ、なんでもないっ!」
両手で顔を覆ったまま、真っ赤な顔で声を上げる。
「……イアン、間違っていない」
しかしすぐにグスターヴァルに両手を掴まれ顔を覗き込まれた。
「っ!」
目が合い、恥ずかしさで目が潤む。
「……イアン」
両手を掴んだまま、グスターヴァルはイアンの頬にキスをする。
「っ!」
思わずぎゅっと目を瞑り、口も閉じる。
「イアン」
構うことなくグスターヴァルはイアンの瞼、頬、そして唇にキスをしてきた。
「待って……」
先程グスターヴァルに『間違っていない』と言われた。つまりはそういうことだ。
そう思ったら急に体が硬くなり、イアンは緊張で動けなくなっていた。
「イアン」
尚もグスターヴァルはキスを続けてくる。
軽く唇を頬や唇に当ててきては、耳元で低く良い声で囁いてくる。
その度にぞくぞくと体が震える。
「あのっ、ま、待って……」
なんとか止めようと掴まれた手を動かそうと必死に抵抗してみるが、全く動かない。
「待たない」
更にグスターヴァルは淡々と答えた後、そのままイアンの耳の端をぺろりと舐める。
「ひゃっ!」
驚いて思わず声を上げてしまった。
キスはしたものの、まさかその先のことは全く考えていなかったイアンは、『なんでグスターヴァル、こんなにエッチなんだ』と心の中で必死に叫んでいた。
そんなことを考えているとは気が付いていないのか、グスターヴァルは掴んでいた手を離すと、今度はイアンのパジャマを脱がし始める。
「ちょっ!? 待ってってば、グスターヴァルっ!」
ボタンを外そうとするグスターヴァルの手を掴んで慌てて叫んだ。
「待たないと言っただろう」
しかし、あっさり返されそのままボタンを全て外されてしまう。
(ちょっとっ! なんでそんなに外すの上手くなってんだよっ!)
再び心の中で叫んでいた。
以前は服を着替えることもできなかったはずなのに、今では他人の服を脱がすことができるようになっているとは。
「やだってば……ね、ちょっと、グスターヴァルっ」
「さっき言っただろう? ずっと後悔していたと。私は、イアンに触れたくて、ずっと我慢していたんだ。もう……待てない」
嫌だと言って抵抗しても全く効き目がない。
それどころかグスターヴァルは強い口調でそう言うと、イアンをぐっと布団に押し付けてきた。
「……私に触れられるのは、そんなに嫌か?」
泣きそうになっているイアンを見下ろし、グスターヴァルは再び悲しそうな顔でじっと見下ろしてきた。
「……い、嫌じゃ、ない……でも、その……俺、初めてだし」
グスターヴァルの顔を見上げ、そんな顔をさせたくはないとなんとか言い訳を考える。
「……そうか。心配するな、私もだ」
「そんなわけないじゃんっ!」
きょとんとした顔でグスターヴァルに言われ、思わず叫んでしまった。
「どうしてだ? 私は300年ずっとドラゴンだったんだぞ? しかもドラゴンは私だけだった。相手もいない。どうしろと?」
しれっとした顔で言い返される。
「それはドラゴンだった間でしょっ! その前があるじゃんっ!」
「ふむ。その前と言っても記憶にないのだから同じだろう。たとえ同じ魂だとしても覚えていないのだから、そんなものは前世みたいなものだ。それに、この体はドラゴンから作られたものだぞ?」
必死に言い返してみたものの、再びしれっと返されてしまう。
ぐうの音も出ないというか、確かにその通りのため、何も言い返せなくなってしまった。
すると、じっと見つめながらグスターヴァルが聞いてきた。
「他に心配事は?」
「え? あ、えっと……グスターヴァル、初めてなら尚更どうやるのか分かってないんでしょ? だから、その、ちゃんと色々調べてから……」
「それは心配ない。事前に確認済みだ」
「えぇっ!」
良い言い訳ができたと思いきや、あっさりと返されぎょっとしてしまった。
まさか事前に調べていたとは……。
「他になければ続けるぞ」
そう言うと、グスターヴァルはイアンの鎖骨をぺろりと舐めてきた。
「ひゃあっ!……って、だからっ、ダメだってばっ。こういうのは、そのっ、ほら、もっとお互いを知ってからとかさ」
急に舐められて大声を上げると、イアンは慌ててグスターヴァルの肩を掴んで自分から引き離した。
「もっと? お互いのことを? なぜだ?」
じっと真剣な顔で見つめられる。
「や……だから、グスターヴァルのことは好きだけど、まだ早いっていうか……こういうのはもっと時間をかけて――」
「夫婦でも、互いのことを分かっていないことは多いんじゃないか? 場合によっては会ったこともない相手と、ということもあるぞ? 会う回数も、互いを知ることも重要ではない。互いのことをどれだけ想っているかだろう。私はイアンが好きだ。イアンも私のことを想ってくれているのだろう?」
必死に止めようとしたが、すぐにグスターヴァルに続けざまに言い返される。
「そ、それは、そうなんだけど……」
それ以上言い訳が見つからず、黙り込んでしまった。
すると、その反応をどうやら『受け入れた』とグスターヴァルは思ったようで、イアンの腰を掴むと再び体にキスをし始めた。
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