待ち焦がれてラブ・バージン 職なしパテシエールと訳あり御曹司の甘くおかしなプライマリー

（121）

　アンナがそれだけお菓子作りに情熱を傾けており、そしてその情熱に堪えうるだけの知識と経験がルネにあることも認めよう。
　それが太った年寄りの醜いフランス人ならこれほど気をやんだりするまい。問題は相手がフランス料理会の貴公子ルネ・ヴィアールということだ。
　ジェイダンが知っているアンナはその若さのせいか純粋さのせいかそれとも両方なのか、ひどく恋愛ゲームに不得手ですぐに男性にリーチをかけられてしまう。
　それはすでにジェイダン自らで実証済みだ。ルネが母国から遠く離れた異国で浮き足立ちまぎれにアンナを誘惑でもしたら堪らない。

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