待ち焦がれてラブ・バージン 職なしパテシエールと訳あり御曹司の甘くおかしなプライマリー

（6）

　ジェイダンは密かに、一旦縮まりかけたと思われたあたりの距離が再び広がってしまったように感じさせるアンナの言葉遣いを改めて欲しかった。だがそれも明日になれば自然と払拭されるだろうとジェイダンは思った。
　クラッチバッグを持ったアンナは下階へ降りた。

「ジェイダンはきっと私の運転を信用していないわね。わたしは高速も都内もそれほど苦労はしないのに」