待ち焦がれてラブ・バージン 職なしパテシエールと訳あり御曹司の甘くおかしなプライマリー

（27）

　怒りと戸惑いと、どこか足元の浮くような奇妙な感覚を覚えた。アンナは心を静めようと必死だった。このままジェイダンの思惑に流されてしまうそうだったからだ。確かめるようにアンナはゆっくりと丁寧にいった。

「あなたの申し出は断るわ。というより受けなければならない理由はあたしにはないはずよ」
「君は僕にお菓子をご馳走するといったじゃないか。その約束は、ほら」