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しおりを挟むやにわに困ってショーケースを見た。タイミングが悪すぎる。定休日の前日で、しかも閉店間際のショーケースには、普通のケーキどころか残ったカットケーキを全て集めたところでワンホールにもならない。アンナはどうしようもなく、客にケーキ屋でケーキが買えない矛盾を正直に説明した。
「申し訳ありません、お客様」
「困ったわ。実はわたしの妹はここのケーキがすごく好きなのよ。カレンが昨日、乗馬クラブの小学生の部門で優勝したの。そのお祝いだったのよ」
「妹さんのためだったんですか」
自分にも年の離れた妹がいるために、アンナは強く客に同情した。
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