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 その顔はどこまでが本気なのか少しもわからなかった。
 翌日、ジェイダンはベンによって戸川メディアックス出版社の新調された社長室に引きずり出されていた。昨日の酒がまだ残っている。楽しく飲む酒ならジェイダンはかなり強い。しかし昨日は悪酔いをしたのだろう。わかっていたことだったが、ただでさえ高いジェイダンのストレス指数は、オフィスに現れた顔ぶれを見てさらに上がった。父正敏と、伯父直利、ロビンとベンが歳背格好はばらばらなのに、一様に同じ顔をしていた。こんな生活をしていたら確実に寿命が短くなるだろう、と確信する。ジェイダンは頭痛薬を水で流し込むと四人が待つソファに向かった。

「こんな朝早くから、みなさんおそろいで」
「誰のために集ったと思っているんだ」

 ダークグレーのスリーピーススーツに身を包んだ正敏は感情を抑えた、こわばった顔をしていた。

「自分がどんな振る舞いをしたのかわかっているんだろうな」

 ジェイダンはすぐに切り替えした。

「僕はわかっていますよ。父さんも僕にした振る舞いがどんなだったか、わかっていらっしゃるんでしょうね?」

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