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これサダシリーズ1 【 これぞ我がサダメ 】
第12話 ただ世話をしただけなのに……。
しおりを挟む「そういえば、今度私が主催する音楽会だが、来月の初めごろになりそうだ。
盛大な会にするぞ。楽しみにしているといい」
ヘンデル皇太子が自信ありげに胸を張った。
「ハマル国の楽団が来るとか……?」
「ああ、我が国の腕利きの楽師も参加するぞ」
……そうだ、ハマル国の人が来るということは、直接ハマル国に来た星渡りの民のことを聞けるチャンスかも。
3月(ミュール)に亡くなったというエルシーという女性。
どんな人だったのか、人となりだけでも聞きたいな。
「あの、ヘンデル皇太子」
「なんだ、サダメ」
「音楽会が終わった後、ハマル国の方々と少しお話させてもらえませんか?」
「なに?」
突然のようにヘンデル皇太子の目が鋭く光った。
え、なに……?
「まさか、サダメ……! そなたはハマル国に行く気なのか!?」
「え?」
「それはいかん! それはだめだ! ハマル国には行かせない!」
「え、あの……」
「音楽会は中止だ! サダメは一切我が国の者以外と関わりを持つことはならん!」
えっ、なに?
急に手のひらを返したかのような不機嫌ぶり。
わたし、なにか変なこといった……?
ハマル国に行くなんてひと言も言ってないのに。
「アデル! これからサダメの警護を3倍にしろ!
サダメから決して目を離すな!」
な……っ!?
そ、そこまで!?
あまりの驚きに言葉が出てこない。
わたしのかわりにカリナさんが言ってくれた。
「恐れながら! そのようなことをサダメ様がお辛いだけでございます!
どうかお考え直し下さい!」
「そうですよ、兄上。
サダメ様はこれまでの星渡りの民のことをお知りになりたいだけです。当然のことではありませんか。
そうでなくとも、我々にサダメ様にあれこれいう権利はありません。
星渡りの民が自分の意志へ何処へ行こうともそれは自由です」
「なにをばかなことを言っている!
星渡りの民が暮らしてきたハマル国に1度でも足を踏み入れれば、あちらのほうが難儀がなく暮らしやすいに決まっておろう!
我が国に戻ってもらえる保証がどこにあるのだ!」
ヘンデル皇太子ががっしとわたしの両腕を掴んだ。
「サダメ! どうか、どこにも行かないで、このフェイデル国にいてくれ!
サダメはこの国に初めて渡ってきた星渡りの民なのだ。
この国の発展のために、我々を導いてくれ!」
「そ、そんな……」
「そなたの望むものはなんでもこの私が手に入れてやろう。
そなたさえいれば、これからはきっとハマル国とも対等に付き合えよう。
そなたが今ここにいることは、我々にとっては吉兆そのものなのだ……!」
い、痛い……。
ヘンデル皇太子の強く握るその手の強さが、なにか抗いがたいものを物語っている。
いったい、わたしになにをさせたいの……?
ひょっとして……、兵器や戦争だったらどうしよう……。
地球では液晶画面越しに見ていたニュース映像。
日本にいたときにはそれでも自分や家族が血を流すことにはならないと信じていたけど……。
ここでは、ウィル副団長がしたように、人が人を切ることが起こり得る。
「ここにいろ、サダメ! これは王家の、私の、命令だ!」
「兄上!」
「強制的に私の妃にしないだけ、ましに思ってもらうしかない!
私だとてサダメに嫌われたくはない!
だが、こうでもしなければ国大陸の均衡は守れないのだ……!」
ヘンデル皇太子が青い瞳でじっとわたしを見つめる。
人を支配に置こうというその雰囲気をたっぷり残して、ヘンデル皇太子は庭を去っていった。
掴まれたところが痛い……。
さっきまで笑い声が聞こえていた庭なのに。
今はお葬式みたいにみんな下を向いて沈黙してしまった……。
すかさず、アデル団長がフォローをしてくれた。
「兄上の話はお聞き流し下さい。
サダメ様はどこへ行かれようとなにをなされようと自由です。
私はサダメ様の味方ですから」
「わたくしもですわ、サダメ様」
「ぼぼ、僕もですよ、テテ、テイ様」
「は、はい……」
そういわれても、あの権幕を見る限り、ハマル国を調べるとか国外の人に会うとか、ちょっと難しそう……。
リンデル皇太子が気をつかわし気に口を開いた。
「兄上は、この国の行く末を案じておられるのです……。
正直に申しまして父上はアレンデル国王陛下に比べて王の器に足りないと申しますか、ちょっと頼りにならないのは事実で……。
自分の父を悪くいうのはちょっと心苦しいのですが、それは俺らも思っていたことで……」
ヒューデル皇太子が心配そうに兄の様子を見つめている。
「もしもアレンデル国王陛下が亡くなられたら、あのホーリーを受け継ぐ皇太子がいません。
兄上には2人の皇太子妃がいますが子どもにはいまだ恵まず、気ばかりが焦っているのです……。
父上や家臣たちからも早く子をとせきたてられていますし、それでサダメ様にはつい、あのような態度を取ってしまうんだと思います……」
唐突なため息とともに帯同していたノーマンさんが腕組みしながら息を吐いた。
「こう言っちゃあなんですが、俺もあのホーリーを見るまでは、そこまでとは思っていなかったんですが……。
実物を見ると、焦る気持ちがわかります……」
そういわれて見に行くと、確かに15本の内たった1本だけ、柊の木が部分的にくすんだように枯れかけているように見える。
色は黄色味を帯び、カサカサと水分がない。
これだけの不思議なまでにすがすがしい環境にありながら、不自然なほどに元気がなかった。
アデル団長とエーデル皇太子を見ると、顔を曇っている。
……そうか、王家の人が亡くなるって、本当に国や国民にとって一大事なんだ……?
この樹の状態が、今のアレンデル国王の状態っていうこと。
だとしたら、アレンデル国王の命は……。
……でも、もし、これが少しでも改善できたら……?
せめて、王家の中の誰かの子どもが生まれるまで、アレンデル国王が生きていてくれたら……。
それって、この国のためになるよね……?
「あの……、もう1度アレンデル国王様に会わせてもらえますか?」
***
アデル団長の許しをもらって会いに行くと、アレンデル国王は目を開けて、しかも食事の最中だった。
アデル団長が少し顔を緩める。
「先日教えて頂いたスムージーを飲むようになってから少し顔色が良くなったのですよ」
とはいえ、寝たままのアレンデル国王の口元に、世話役の従者が少しずつスムージーをスプーンで口に運んでいる。
……これって、ちょっと危ないかも……!
「あ、あの……! そのままじゃダメです。
飲み込む筋力や体力が落ちていたら、誤嚥性肺炎を起こしてしまうかもしれません」
「え、ゴエン……?」
「あ、あの、ちょっと代わってもいいですか?」
思わず見ていられなくて、手を出す。
腎臓を悪くしたおじいちゃんのサポートや、体力を落としてから亡くなるまでのケアを思い出す。
水や食べものが気管に入ることで感染症を起こして肺炎になる可能性がある。
病人でもできる限り口になにか入れるときは、正しい姿勢で食べさせること。
これ大事。
「液体であっても、むせたりしないようにこうして体を起こしてあげてください。
背中にはクッションを。
それと、水分はこまめに飲んでいますか?
それでは少なすぎます。
トイレが増える?
むくみが増える?
けれど、水を飲まないと、身体から塩分が排出されません。
お水は取りすぎても不足してもだめです。
まずは1.5リットルから2リットルくらいを目安にしてみましょう。
状況をみて、減らしたり増やしたり調整しましょう」
ここには現代のような医者も検査機器も薬もない。
そしてわたしも医者でもなんでもない。
でも、大事な家族を看取ってきた経験を活かせるなら、少しでも役に立ちたい。
わたしは記憶の限り、おじいちゃんにやってあげたことを説明し、実演して見せた。
「病人だからといって寝たきりになってはますます体力と気力が落ちてしまいます。
今日から少し歩いたり、体を動かしたりしてみましょう。
なれたら筋トレもやってみるといいですよ。
運動療法は腎臓病にも効果があると言われています。
お風呂はどうされていますか?
……うん、うん。では、脚だけ温める足湯を取り入れてみましょう。
逆に全身浴は体の負担になる可能性がありますから、あまり長くかけずに短時間で。
足湯をしたあとは、ツボをマッサージしてみましょう。
腎臓を活性化するツボというのがあるんです。
それから、腎臓のある背中と腰の間辺りは冷やさないように。
できれはテレピン油でシップをしたいんですが……。
あ、ある? じゃあそれを温めてください。
やり方を見せますから……」
始めは戸惑っていた従者たちも、アデル団長の許しもあって徐々に対応してくれた。
「食事は今のところスムージーだけですか?
回復してきても、食事には注意が必要です。
弱ってしまった腎機能はすぐには回復しないといわれていますので、たんぱく質は少なめにしてください。
スムージーは継続しつつ、塩分控えめ、炭水化物で必須カロリーは落とさない感じで。
様子を見ながらたんぱく質の量は加減していきましょう。
もちろん、消化しやすく体に負担の少ない料理です」
いつの間にか王宮侍医も来て、そのほかのいろいろの人たちにも同じ手順や方法を繰り返し伝えた。
翌日から、わたしも看護に参加させてもらった。
口を出し手を出した以上、もう放っては置けない。
おじいちゃんをサポートしていたときのように、食事の介助、運動のサポート、足湯の準備、マッサージ、背中の温シップ、従者の人たちと交代交代で行う。
星渡りの民にそんなことはさせられないとか、結婚前の女性に男性の肌を触らせるなんて、とかはじめは言われたけれど、そんなの人の命り重さに比べたらどうということはない。
だいたい現代日本では未婚の看護師さんだってたくさんいる。
このあたりが、中世って保守的なのかなって思うよね。
「アデル団長、ちょっとここを支えてくれませんか?」
「はい」
ほとんどアレンデル国王の部屋につきっきりになったわたしの警護は、このところ毎日アデル団長がついている。
やっぱり、心配なんだね……。
「テ、テテイ様」
「あ、エーデル皇太子、いらっしゃい」
エーデル皇太子もちょくちょく顔を出しに来る。
「ぼぼ僕も、なな、なにかお手伝いを、さ、させてください」
「わあ、うれしい。アレンデル国王様、エーデル皇太子が来てくれましたよ」
話しかけると、アレンデル国王はわずかにほほ笑む。
これまで気力を失っていたのか、眠っているかただぼうっと遠くを見ているだけだったのに。
やっぱり、家族の力は偉大だね。
「じゃあ、部屋の中をまず1周歩いてみましょう。
それでどんな様子か見ながら、あと何回か歩き回ってみましょう。
まず、窓の方からですよ」
ベッドの天蓋の裏側だけ見ていた世界が、窓の外、いろんな人の動き表情と変わるだけで、人の気持ちはがらりと変わる。
逆を返せば、病気だからと言ってこもってしまうと、ますます病気になってしまうのだ。
「そのうちきっと、外へも歩いて行けますよ」
「ぼぼ、僕のく訓練を、またみみみ見に来てくれますか?」
「……ああ……」
ぼそっとだけど、はじめてアレンデル国王がしゃべった。
エーデル皇太子の顔にも、アデル団長の顔にも、ぱあっと光が差した。
まさにそう。
病は気からだね。
アレンデル国王の看護をするかたわら、わたしは救護院を訪ねた。
トビアスさんに案内を頼み、エルビスさんを訪ねると、すでにスムージーの効果がある程度実証されていた。
「サダメ様、これまでスムージーを摂取した患者のほとんどが回復傾向にあります。
これがその記録です」
エルビスさんが詳しく記したカルテ。
摂取した日から毎日毎日、細かく様子が記されている。
エルビスさんて几帳面な性格なんだなぁ。
「エルビスさん、ありがとうございます。
とても貴重な臨床データだと思います」
わたしはアレンデル国王の看護でも行ってるあれこれをエルビスさんに伝え、つづけて検証してもらうことにした。
わたしの経験が役に立ちそうでよかった……。
もしこの国の食事がしょっぱすぎるじゃなくて甘すぎるとかだったら、わたしにはどうしようもない。
だって、糖尿病のケアなんてやったことないから知らないもん。
帰ろうとしたら、子どもたちにリンゴのウサギと白鳥をせがまれた。
欲しがる子には全員に作ってあげた。
ついでにリンゴの口をつくって見せたら、死人の口みたいだって大うけだった。
でも、そこはやっぱり死人のせいか、子どもたちがリンゴの口を片手に追いかけまわし合いをしながら、食ってやる~とから呪ってやるぞ~とか叫んでいるので、やっぱり、これはハロウィン向きだね。
この世界に死者の祭りがあるかどうかは今のところ不明だけど。
***
アレンデル国王の看護を始めて半月。
その日は突然訪れた。
王宮に呼ばれて行ってみると、謁見の部屋の王座に座っていたのは、――なんとアレンデル国王だった!
「よく来てくだされました、サダメ様……!
ご覧下さい。我が足でここまで歩いてくることができたのです……!」
「アレンデル国王様……すごいです! 今日は一段と顔色もいいみたいですね」
そのとき、アレンデル国王の後ろから司教の帽子をかぶった老人が前に出てきた。
「私共、教会からも御礼申し上げます。
アレンデル国王陛下に神のご加護をと祈っても、ずっと祈りが届かず歯がゆい思いをしておりました。
このところ、星渡りのお方であらせられるカワイサダメ様がアレンデル国王陛下のお側でつきっきりで看病なさっていると聞き、これはなにかの吉兆ではないかと思い、もう1度神のご加護を祈ったところ、今度こそ通じたのです」
「ああ、もはや生きることをあきらめていた私なのに、今はこうして息をしているだけで胸が震えるように感動しています。
私に託されたホーリーも今やすっかり青々しく息を吹き返しております」
「えっ、柊の木も……!? す、すごい……。神のご加護ってすごいんですね……!」
アレンデル国王がゆっくりとだが、確かな足取りで壇上から降りてきた。
わたしの前にたつと、ゆったりと腰を折り膝をつく。
胸に手を当て、敬虔な面持ちを浮かべた。
「カワイサダメ様。フェイデル国王として、改めて我が国へのお渡りを感謝御礼申し上げます。
この度は私のみならず、健康に思い悩む多くの民に生きる力と叡知をお与えくださったこと、国を代表して心より感謝いたしております。
どうぞ、末永くこの国にとどまり、これからも我らをお導きお助け下さいますようお願い申し上げます」
「……あの、今回のことはたまたまですから……。
あの、それより、いいんですか?」
「いいとは?」
「健康になったら、したかったことがたくさんあるんじゃないですか?
家族と過ごしたり、思いっきり体を動かして汗をかいたり。
あっ、食べものは少し注意してくださいね。
まだ本調子じゃないかもしれないので」
「……ハハハ……!」
アレンデル国王が色艶とハリを取り戻した頬を盛り上げて笑った。
「あなた様はなんと気持ちのいい人でしょうか……!」
「えっ……?」
と言われましても……。
本当にたまたま知っていた疾患の家庭の医学が役に立っただけで。
あ、でもあえて言うなら、これは全部おじいちゃんのお陰かな。
アレンデル国王の笑い声に、まわりも安堵したような明るい雰囲気が満ちる。
みんな本当に心配していたんだもんね。
ふと、人影の後ろにイシューデル次期国王が居心地悪そうに立っていた。
……出来の悪い国王様ね。
トマスさんが名指ししないまでも誰のことを言っているのかが今ではよくわかる。
目が合うと、突然なにやらへこへこと媚びるような笑顔が送られてきた。
……まあ、いいか。
その少し離れたところから、つかつかとやってきたのはヘンデル皇太子だった。
「サダメ……様、あの時はわるかった。いや、申し訳ありませんでした……」
「いやー……あの、今さら敬語とかちょっとなんか変な感じなので、いつも通りでいいですよ」
「そ、そうか! とにかく、いろいろとすまぬ!
だが、これからもフェイデル国の守り神として、この国にいて欲しいのは、我らだけでなく国民全ての願いなのだ。
救護院でのことは我らの耳にも入っているし、ハマル国との不当な取引ももうやめた……!
この国にはこれからもサダメが必要なのだ……!」
「あの、前回言いそびれてしまいましたけど、わたし1度もハマル国へ引越したいなんて言ってませんから。
これまでの星渡りの民がどんな人でなにを残してどう死んでいったのかを知ることは、わたしにとっては大事なことなんです。
もう地球に帰れない以上、この大陸のどこかに腰を据えなくてはならないことは明らかですし、縁あってここにきたわけですから、できればこの国にお世話になりたいと思っています。
城下町のトビアスさんやエルビスさんに出合ったことから始まり、カリナさんや侍女の皆さん、アデル団長やエーデル皇太子や王兵団のみなさんには、右も左もわからないときからいろいろとお世話になっていますし感謝もしています。
でも、以前のようにあんまりがんじがらめにされるとこちらも辛いんです。
わたしにとってはまだまだ分からないことだらけで、不安もありますし、対処にも困ります。
でも、できる限り、互い友好的な態度で、建設的な関係を築いて行ければと思っているので、そのようにお願いできませんか?」
「そ、そうであるな……! わかった、これからはよき友人としてつきあっていこう!」
「はい」
「……それで、もしよければだが、私の第3妃の席がまだ空いておるのだが……」
「あ、それは結構で~す」
「ぬあっ! 私はまだあきらめんぞ!」
ぬあって。
ずっと気になっていたけど。
なんじゃそりゃ。口癖? ネタなの?
でも、まあ、よかった。
すっきりと謝ってくれたから、きっと心根は悪い人じゃないんだね。
そうわかって、ホッとした。
周りを見たら、みんなそれぞれ口元を押さえてくすくす笑いをしていた。
あ、なんだ。
ヘンデル皇太子って、こういう立ち位置の人だったのね。
*お知らせ* 本作品はアプリでご覧いただいたほうがスムーズなのでお勧めです。便利な「しおり」機能をご利用いただくとより読みやすいです。さらに本作を「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届きますので、こちらもぜひご活用ください。
丹斗大巴(マイページリンク)で公開中。
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