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 突然の挿入に僕はうろたえ驚き、そして強引な摩擦にひるみ痛みに悶えた。いつの間にか、サイード様の熱い手が僕の腰をがっしりと掴み、僕の奥へ奥へと侵入してくる。熱い……っ!

「ふっ、うっ、うんっ、うんんっ」
「うあっ、んっあっ、ああっ、はあっ」

 そのまま激しい運動は僕の中を前後して、次第に快感に塗り替わっていく。ああ……っ、やばい、きもち……いい……。

「うあぁん……っ、はぁん、あっ」
「ふん、んっ、んっ、はあ……」

 互いに快楽のストロークに入って、甘いため息がこぼれる。サイード様が感じている……。それがわかると、僕の心に温かい喜びの火が灯った。ああ、ああ……このまま一緒に、この愛の摩擦を熱さを、共に……!

「ふっ、うんっ、ふんっ、んんっ」
「ふわあっ、あああっ、んあぁ、ああっ」

 心地いい愛の刺激がとめどなくいったり来たり。僕はもう歯止めのきかない車輪みたいに体中の血が巡っていて、口からはだらしなくよだれが垂れていた。ああ、お願い、そろそろ、もう……っ!
 そのとき、サイード様の低いつぶやきが一言。

「いくぞ」

 ――ぐぬっ!
 
「あぃんっ、んんん!」
「う、ううっ!」

 深く突き刺さったところで熱いものが中に放たれた。ああ……っ! 頂点に達した僕も同時にシーツにたくさん放出していた。
 ……さ、さいこうだ……。
 痺れる快楽の中で、僕は確信していた。サイード様とは相性がいい。きっと、僕たちはうまくやっていける……。

 ――ぐるんっ。

 快感の余韻に浸っていたら、突然体をまた反転させられた。見上げれば、桜色に染まったサイード様の麗しい顔が、怒ったふうに僕を見下ろしていた。

「珍妙な奴め……」

 サ、サイード様……。
 美しい顔の怒気は凄みがある。僕が感じた直観がは間違いだったのだろうか……? ついさっき宿ったばかりの確信が揺らぎ、一瞬でもう自信が失せていた。冷たく刺す視線を前に背筋が寒くなってまた震えが来た。ぼ、僕、殺される……?
 次の瞬間、サイード様が僕の両足を手に掛け、ぐいっと局部をさらした。かと思うと、熱い刺激が再び僕の中に入ってきた。

「はぁっん……っ!」
「おかしな奴め……! 尻の穴を突かれてこれほど喜ぶとは……!」
「んあっ、はっ、イ、サン、さ……っ、ああっ!」

 サイード様猛った竿は僕の中でぐいぐいと暴れている。あっという間に快楽の波に押し流され、早々にため息がこぼれた。
 眉をしかめながら、紅い顔をして僕を突くサイード様。美しいお顔……。肌からダイヤモンドのように汗がこぼれる。かすかに開いた形のいい唇から、熱い息が漏れて聞こえる。ああ……。こんなきれいな人に見つめられて死ぬなら、それも悪くない。これが僕のシェフテリィーとしての最後の務めだ。
 ――ぬっちゅ……!
 サイード様の猛りが僕の中で破裂した。僕もサイード様の果てる顔を見つめて、快楽とまどろみに体をゆだねた。
 そのあと何度も来ては去っていく快楽の潮に、僕はいつしかすべてを奪われ、気を失ってしまった……。――

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