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 一瞬だけ氷が溶けたかのように笑うと、サイード様の熱い手が僕を包んだ。ぎゅっと竿を掴まれ、玉を握られ、気持ちのいいところを順繰りに刺激された。

「ひぃやぁっ、ああっ、はあっ、ああんっ!」
「ふん、その声で鳴くと男が喜ぶのか?」
「んあっ、はあっ、あっ、うんんっ」
「感じやすい奴だ」

 気が一気に真ん中に押し寄せる。サイード様の愛撫が、うますぎる……っ! 強さといい、触れ方といい、よっ、良すぎる……っ。乱暴かと思っていたのに、要所を心得ていて、押したり引いたり、ぐりぐりしたり、くるくるしたり、ああ、もう僕は、サイード様の意のままだ……!
 
「あっ、サイード様……っ、もうっ……!」
「ふん」

 臨界点に到達したとたん、僕の切先から白いものが放たれた。それがサイード様の手と僕の腹を汚し、僕は肩で息をしながら謝った。

「も……、はぁはあ……申し訳……」
「……」

 なんとか口を開いた。けれど、僕の気持ちはもうすっかりと放射と共に甘い快感の彼方にあって、じっと見降ろすサイード様がいつ怒りだすのではという恐怖とのはざまで、どうしようもなく震えた。もしかすると、僕の命は今夜もう、いや、これでもう終わりかもしれない……。サイード様を満足させると言ったのに、気持ちよくなっているのは僕のほう。それなのに僕は快楽に飲まれて、体を起こすことさえできないのだ……。自分の未熟さに泣きたくなる……。

「……ありません……はあ、はあ……サイード様のお手を汚してしまい……」

 サイード様が上から僕を見下ろしたまま、細く息を吐いた。そして、突然僕の腕を掴むと、ぐるりと僕を反転させた。そのままぐいっと腰を引かれ、足を開かされた。

「サ、サイードさま……?」

 次の瞬間、力み声とともに、下半身に強い刺激が走った。僕の中に、サ、サイード様が……!!

「ふんっ、ふん!」
「ぅあっ! いあぁっ!」
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