【完】こじらせ女子は乙女ゲームの中で人知れず感じてきた生きづらさから解き放たれる

国府知里

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#75、 水色の輝石のチャーム

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「ナナエ様、廉価版の売れ行きもなかなかですよ」

 アトラ棟でツイファー教授と勉強しているところに、ホレイシオが報告にやってきた。

「おっと、タイミングが悪かったでしょうか」
「構いませんよ。今ちょうど切りのいいところでした。
 わしは席を外しましょう」

 ツイファーが出ていくと、ホレイシオはぱっと紙を広げて見せた。
 そこに書かれているのは、Eドミノの販売戦略とスケジュールだった。

「光の性能はないにしても、貴族が遊んでいるドミノと同じものが廉価で手に入るということで、注文がかなり入っています。
 ごく簡単な曲を例にしたドミノの並べ方を書いた遊び方の指南書をつけたおかげで、音楽教育に縁遠かった庶民にも親しみやすいと感じられているようです」
「それはよかったですわ」
「貴族の間では、組曲水上の音楽と、歓喜の歌セットは人気を二分しています。
 予想通り国歌セットはそれほど伸びていませんが、代わりに国歌の並べ方指南書が売れています。
 あと、余談ですが、巷では足音を立ててドミノを倒さないようにと厚手のムートン靴が売れているそうですよ!」
「あら、そこまでは気がつきませんでしたわ。
 でしたら消音魔法を施したEドミノ公認のムートン靴があってもいいかもしれませんね」
「あはは、なるほど!」
「冗談ですわ。でも、そこまで熱心にEドミノ倒しを楽しんで下さっているのはありがたいことですわ」
「このまま一時のブームではなく、長く国民に愛されるものになっていくように仕掛けていきたいと思います。
 次の計画は、Eドミノが一通り浸透した後に開催するEドミノ倒し大会です。
 始めは小規模な集まりを大会と称して行おうと考えています」
「そうですわね。みんなせっかく丹精込めて並べたEドミノを多くの人に見てほしいと思うのは当然ですもの」

 すると、側に控えていたセレンディアスが考えるようにつぶやく。

「ドミノの並べ方積み方で見せる立体造形、色で作るモザイクアート、音で作る曲、そして光で作る演出。
 少なくともこの四つの観点から評価するといった指標があってもいいですね。
 評価の基準となるものがあったほうが、人はより高みを目指そうと努力しますから」
「なるほど、そのとおりだわ、セレンディアス」
「公認のEドミノ倒し大会が開催されるまでには、こうした芸術的評価を判断する評価員を用意するといいのではないでしょうか?」
「評価員、たしかにそうね。
 ホレイシオ様、ふさわしそうな方は思いあたるでしょうか?」

 ホレイシオが苦笑した。

「いやいや……。
 おふたりには恐れ入りました。
 なるほど、評価の指標と評価員ですね。
 僕が魔法省で役員たちと長々会議をしても得られないような発想が次から次へと。
 わかりました、早速父とも相談して候補者を選出してみます」

「ありがとうございます!」

 奈々江はぐるりと頭を巡らせた。

「立体造形はそうね……、建築家や都市のデザインをなさっているような方、音楽はもちろん音楽家、モザイクアートは立体造形とも重なる部分もあると思うけれど芸術家の方、光は……。光はどんな方に評価してもらうべきかしら?」

 セレンディアスが軽く腕組みをする。

「そうですね……。光自体が魔法なのですからはやり魔導士やアカデミーで教えているような方でしょうか?」
「だとすれば、そのトップに君臨しているのはホレイシオのお父様であるバトン公爵ね」

 奈々江とセレンディアスが一緒になって顔を向けると、ホレイシオが少し驚いたようにまばたきをした。

「あの、無論父は喜んでお受けすると思うのですが、大切な方をお忘れでは?」
「……はっ、そ、そうでしたわね! 国王陛下にも評価員に入っていただかなくては」

 奈々江がいうと、セレンディアスがやや口をゆがめた。

「……それに、ユーディリア陛下もなにかと口を出して来そうですが……」
「そ、そうよね……。えっと、国王陛下には評価員長、ユーディリア様には特別評価員になってもらうのはどうかしら?」
「そうでございますね」

 奈々江とセレンディアスがうなづき合っていると、ホレイシオがまた苦笑した。
 今度は声を立てて笑う。

「本当に、おふたりはいいコンビですね。
 でも僕が言ったのは、国王陛下でも第二王妃陛下でもありませんよ。
 ナナエ様ご自身の事です」
「わたし?」
「そうですよ。Eドミノの製作したご本人なのですから」
「わたしはいいのです。わたしの芸術的感性なんてたいしたものではありませんので、評価員には向きませんわ。
 わたしよりもラリッサやメローナのほうがずっといい評価の言葉を述べると思います」

 水を向けられたふたりの侍女が、確かにとはいわないまでも否定はしないという表情を醸した。
 セレンディアスもが少し首をかしげた。

「そうでございますね。ドミノの色ひとつとっても、ナナエ様はライラック色とラベンダー色の違いすらもいまいちお分かりではありませんから、確かに芸術的な評価は他の方にお譲りした方がよろしいかと」
「セレンディアスのいう通りだわ」

 ホレイシオがまた笑った。

 「わかりました。では、それも踏まえて父に相談してみます。
 近いうちに候補者をリストにして持って参りますね」
「ホレイシオ様、お手数をおかけいたしますわ。
 でも、ホレイシオ様にEドミノに関わっていただけて本当によかったですわ。
 いつもいつも本当に頼りにしていますの」

 奈々江がいうと、ホレイシオは突然ぴたりと立ち止まるようにまじめな顔をした。

「それは本当でしょうか?」
「え?」

 聞き返すと、ホレイシオがじっと見つめてくる。

「本当ですわ。だって、わたしやセレンディアスはEドミノをつくることに関しては主立っていますけれど、それを広く知らしめるための知恵もつてもございませんもの。
 今だから申しますけれど、そうした販売に関してブランシュお兄様を頼りたくなかったのですわ。
 あのときはブランシュお兄様と喧嘩していたので」
「そうだったのですか」
「それに、ブランシュお兄様に任せていたら、きっといわゆる殿様商売のようになっていたと思いますわ。
 売り出し方やデモンストレーション、廉価版へのマイナーチェンジ、それに価格の設定や工夫。
 わたしの意見だけでなく、Eドミノに関わる人たちの意見をまとめて、このようにスムーズに事を運んで頂けたのは、なににおいてもホレイシオ様のお陰だと思っておりますわ」

 ふっとホレイシオが目を細めた。

「それを聞いて、ナナエ様にとって僕にも存在価値があるとわかって嬉しいですね」
「まあ、そんな。ホレイシオ様はEドミノを振興していくためにかけがえのない方ですわ。
 これからもずっと、一緒に仕事させていただきたいと思っていますわ」
「そうですか……。そういっていただけて、僕も踏ん切りがつきました」
「はい?」

 ホレイシオがおもむろにポケットから何かを取り出した。
 奈々江の前までくると、小さな箱をぱっと開いた。
 中には、水色の輝石で作られた小さな羽根のチャームがあった。

「ナナエ様にこれを。どうか、親交のあかしに受け取ってください」
「これは……」

 ふと奈々江の脳裏に"恋プレ"の設定が呼び起こされた。
 これは、ホレイシオルートのイベントで主人公に贈られるプレゼントだ。
 ホレイシオはくすっと笑って、セレンディアスをちらりと見た。

「ブレスレットを差し上げると約束していましたよね。
 でも、どう頑張ったところでセレンディアスくんの魔力と性能を上回るものは作れないので苦心していたのです。
 それに、Eドミノを製作するおふたりを見て、本当によい相性なのだとわかってしまったのですから、どうやったらおふたりの仲に割って入れるかとあれこれ思いを巡らせていたのですが、これもまたとんと無理なのだと理解するにいたりました」
「あら……」

「ナナエ様がセレンディアスくんを重用しているわけも、セレンディアスくんがナナエ様を主として心から仕えていることもよくわかりました。
 おふたりのコンビネーションがなければ、Eドミノの完成はもっと困難なものになっていたでしょう」
「ええ、まったくそのとおりですわ」
「だから、まったく悔しい心持でしたが、僕では決してセレンディアスくんのかわりにはなれないのだとわかってしまったわけです。
 しかし、運よくEドミノにおいてはナナエ様の信頼を得ることに成功したわけですから、これを今後に生かさぬ手はありませんよね。
 このチャームは水の性質を持つ魔石で、風のモチーフである羽を作りました。
 風の魔力であるナナエ様とセレンディアスくんの力を応援するというつもりで作らせていただいたのです。
 どうか、ブレスレットにこのチャームをつけさせてはいただけませんか?」
「ホレイシオ様……」
「わかっております。僕では側近としても婚約者候補としても役には足りていないのだと。
 でも、仕事仲間としてなら、こうしてお側においてくださいますよね?」
「それは……、ええ、もちろんそうあっていただきたいと思っていますわ」

 どこか晴れやかな目をしたホレイシオに向かって、奈々江はそっとブレスレットの付いた手を差し出した。
 ホレイシオがそのブレスレットのチェーンに、自らのチャームを取り付けた。
 そのとたん、なにか引力に導かれるように腕が伸びた。

 (あら、魔力感度の低いわたしでも、なにか力を感じるわ……。
 あれ、でも、もう大丈夫みたい)

 セレンディアスが注意深そうにブレスレットを見つめる。

「ほう……。さすがはエレンデュラ王国魔術研究所室長の魔法アイテムですね。
 もっと魔力が反発しあうと思ったのに、すぐになじみました」
「お誉めの言葉をありがとう、セレンディアスくん。
 ここへ来るたびに君の魔力を観察したかいがあったよ。
 実は、僕は魔力波を調整したりするのが得意でね。
 今は中止しているけれど、ナナエ様がお望みならばすぐにでも、太陽のエレスチャルを分離できるくらいには研究を進めているんだよ」
「そうでしたか……! やはり、さすがです」

 セレンディアスに純粋な驚きと感心が浮かぶ。
 この瞬間から、ホレイシオもセレンディアスも互いにけん制し合う雰囲気は薄れた。
 ホレイシオにはまだ話していないが、これも太陽のエレスチャルを外したおかげで、奈々江への執着が薄れているせいもあるだろう。
 ホレイシオもいった通り今後は仕事仲間として関係を良好に保っていけたらいい。
 奈々江は微笑みを浮かべてお礼をいった。

「すてきなチャーム、ありがたく頂戴いたしますわ。
 ホレイシオ様、これからもどうぞよろしくお願いいたします」
「はい、よろしくお願いいたします」  

 奈々江の手首に新たなるチャームがついているというニュースは瞬く間にエレンデュラ王国の社交界に広がった。
 にわかに幼馴染との噂が立ち上がるが、奈々江の婚約者候補は、王族に最も近い面々からという制約は変わってはいない。
 ゆえに、ホレイシオが婚約者候補となることはなく、奈々江もそれを肯定したことはない。
 しかし、その他の婚約者候補たちが贈っても贈っても指輪ひとつつけてもらえないのに、婚約者候補ですらないホレイシオが贈り物を身につけてもらえたというのは、なかなかどうして心地いいものではない。
 くわえて、Eドミノについてかなり深くかかわっているとなれば、男たちの嫉妬を集めてしまうのは無理からぬことだった。
 ついにはブランシュまでもが、なんどとなく奈々江の気持ちを確かめにきたほどだった。
 当然、ファスタンも奈々江の婚約者候補選びの進み具合には注意を向けてはいたのだが、幸いこれに対してはクレアが防波堤になってくれていた。
 ライスの一件以降、クレアのお眼鏡にかなわなければ、決して婚約者として認めないという約束だ。
 そんなわけで、いろいろ外野は騒がしいながらも奈々江は穏やかに過ごしていられたのだった。
 あとは、なにを置いてもグレナンデスがどう動いてくれるかというその一点だ。

 

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