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第7章 私はただ自由に空が飛びたいだけなのに
4 奇襲① 油断
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自称両親連中の背後にいる黒幕が判明してからはより一層モヤモヤとした気持ちと消化できない嫌な予感を抱え込みながらも、表向きは何も変わらずに日々を過ごしていた。
心の奥底でこの予感が外れることを祈っていたが、その嫌な予感は外れてはくれなかった。
その日は朝からしとしとと冷たい雨が降っていた。
明け方から降り始めていたようで、起きたときから空は薄暗く、空気を肌寒くするような雨が降っている。空には雨がすぐに止みそうには見えない程にどんよりとした暗い雲が空一面を覆い、一日中雨が降り続くことが予想された。
今日は都市の外で長距離飛行実験の予定だったが、雨天中止にするしかない。
すぐにアヤタへ実験中止と本日は休みにして自由に過ごすようにという伝言を送る。
寝起きから予定変更を余儀なくされてしまい、あまり良い一日の始まりとは言えなかった。
しかし、久しぶりにぽっかりと何の予定も入っていない時間が生まれた。
せっかくだから私も仕事を休みにして部屋でのんびりと過ごすことにしよう。
そうして仕事とは関係のない本を読んだり、ライラとのんびりランチを食べたりと微睡むような優しくて穏やかで気持ちのいい時間を過ごしていた。
だが、ライラと楽しくお茶をしているとき、突然扉が外からノックされたことで微睡みの時間は強制的に終了させられてしまう。
寝てはいなかったが、気を抜いてのんびりとリラックスしていた時間を邪魔されたことでほんの少し不愉快な気分にさせられる。
気持ち良く熟睡していたのに他人に無理矢理叩き起こされたかのような不快感を覚える。
すぐに仕事モードに切り替わったライラが部屋の扉を開けて訪問者の対応をしているが、その空気から単なる手紙の受け渡しや単純な伝言ではないことが感じられる。
私は不快感と不機嫌さを押し込めて、腑抜けていた自分に活を入れてライラからの連絡を待つ。
それほど待つことなく、ライラが困惑の表情を浮かべて躊躇しながら私へ伝言を伝える。
「……門からの伝言なのですが、ルリエラ様のご両親が門前に訪問されているようです……」
「自称両親連中は門前払いするように伝えているのになぜこちらに伝令が来たの?」
自称両親連中は偽物扱いで問答無用で私へと取り次ぎはしないで門前払いすることになっている。それなのになぜ取り次ぎの伝令が来たのかと私は不思議に思い首を傾げる。
「そ、それが、これまでの方達とは違い、今まで来たことのない初めての人達らしく……」
ライラは全てを伝えることが出来ずに言い淀んでいる。
「──今度は別の人間を新しく送り込んできたの!?……でも、対応はこれまでと同じで構わないから。自称両親や親族は全員偽物と見做しての対応で今のところ何の問題も無いからね」
「そ、それが、本物らしいのです!」
「どういうこと?」
「訪問者は自分たちが本物のルリエラ様の産みの親という証拠を持ってきているそうです……」
「その証拠って何?」
「それが、『本人以外には言うつもりも見せるつもりも無い』と言い張って門番では確認できないみたいです」
「………私が直接会って確認するしかないか……。分かった、門前払いせずに待合室に案内してもらって。すぐに支度する」
ライラは伝言役に私の指示を伝えて、すぐに私の支度を手伝ってくれた。
私は大急ぎで着替えながら束の間の平和な時間はこの時に終了したことを悟った。
しかし、どうして自称両親連中というのは揃いもそろって非常識で礼儀知らずな人間ばかりなのだろうか。
なぜ、事前連絡をしないのか?
家族間であるならば仕方ないということで済ませられるかもしれないが、今現在の彼等と私の間には何の繋がりも関係も無い。
家族ならアポなし訪問は許されて当たり前だから?
家族だから許されるという無意識な傲慢さ故か?
それとも意識してまずは家族としての形から入ろうとしてわざと家族のように振る舞っているのか?
お互いに家族として認識も認知もしていない間柄なのに。
もうこれは自称両親からの奇襲による先制攻撃でしかない。
こちらに事前に何も知らせないことで相手に何の準備もさせない。事前に情報を集めて対策させない。
油断しているところに突然の知らせで動揺させ、先制攻撃により先手側の彼等が有利に事を運ぼうとしている。
相手への配慮や気遣いは一切ない。
もうこれは仕掛けてきた相手を「敵」認定して対処しても問題無いだろう。
しかし、初対面で明らかに相手を偽物と疑い露骨に警戒をするのは失礼になってしまう。事情があっても、マナーや礼儀を忘れて自分が礼を失する振る舞いをすることを正当化しては非常識で礼儀知らずな彼等と同じ人間に堕ちてしまう。
私は改めてより一層気を引き締め、猜疑心と警戒心と敵対心を必死に抑えつつ奇襲攻撃を仕掛けてきた敵が待つ待合室へ向かった。
ライラが待合室の扉を開けて私が中に入った瞬間、
「──会いたかったわ!マルグリット‼」
そう叫びながら見知らぬ初対面の女が知らない名前を呼んでいきなり抱きついてきた。
あまりにも非常識過ぎる予想外の出来事に私は避けることができなかった。
知らない女に抱きしめられた時、反射的に私の全身に怖気が走る。
まるで変質者の男にいきなり抱きつかれて襲われているかのような生理的な嫌悪感と拒否感に襲われた。
あまりの気持ち悪さと恐ろしさに女を振り払うこともできず、私は身を固くして女にされるがまま耐えることしかできない。
そんな私の様子などお構いなしに女は抱きつきながら一人で意味不明なことを涙声で喋り続けている。
私は救いを求めて辺りを見渡すと、椅子に座っている女の連れと思しき男と目が合った。
だが、男は必死に救いを求める私の視線を無視して嬉しそうに女の傍若無人な振る舞いを黙って眺めているだけ。
女の奇行を咎めることも止めることもしない。
私は奇襲攻撃を仕掛けてくる敵に対する自分の警戒が全然足りていなかったことを心から反省した。
心の奥底でこの予感が外れることを祈っていたが、その嫌な予感は外れてはくれなかった。
その日は朝からしとしとと冷たい雨が降っていた。
明け方から降り始めていたようで、起きたときから空は薄暗く、空気を肌寒くするような雨が降っている。空には雨がすぐに止みそうには見えない程にどんよりとした暗い雲が空一面を覆い、一日中雨が降り続くことが予想された。
今日は都市の外で長距離飛行実験の予定だったが、雨天中止にするしかない。
すぐにアヤタへ実験中止と本日は休みにして自由に過ごすようにという伝言を送る。
寝起きから予定変更を余儀なくされてしまい、あまり良い一日の始まりとは言えなかった。
しかし、久しぶりにぽっかりと何の予定も入っていない時間が生まれた。
せっかくだから私も仕事を休みにして部屋でのんびりと過ごすことにしよう。
そうして仕事とは関係のない本を読んだり、ライラとのんびりランチを食べたりと微睡むような優しくて穏やかで気持ちのいい時間を過ごしていた。
だが、ライラと楽しくお茶をしているとき、突然扉が外からノックされたことで微睡みの時間は強制的に終了させられてしまう。
寝てはいなかったが、気を抜いてのんびりとリラックスしていた時間を邪魔されたことでほんの少し不愉快な気分にさせられる。
気持ち良く熟睡していたのに他人に無理矢理叩き起こされたかのような不快感を覚える。
すぐに仕事モードに切り替わったライラが部屋の扉を開けて訪問者の対応をしているが、その空気から単なる手紙の受け渡しや単純な伝言ではないことが感じられる。
私は不快感と不機嫌さを押し込めて、腑抜けていた自分に活を入れてライラからの連絡を待つ。
それほど待つことなく、ライラが困惑の表情を浮かべて躊躇しながら私へ伝言を伝える。
「……門からの伝言なのですが、ルリエラ様のご両親が門前に訪問されているようです……」
「自称両親連中は門前払いするように伝えているのになぜこちらに伝令が来たの?」
自称両親連中は偽物扱いで問答無用で私へと取り次ぎはしないで門前払いすることになっている。それなのになぜ取り次ぎの伝令が来たのかと私は不思議に思い首を傾げる。
「そ、それが、これまでの方達とは違い、今まで来たことのない初めての人達らしく……」
ライラは全てを伝えることが出来ずに言い淀んでいる。
「──今度は別の人間を新しく送り込んできたの!?……でも、対応はこれまでと同じで構わないから。自称両親や親族は全員偽物と見做しての対応で今のところ何の問題も無いからね」
「そ、それが、本物らしいのです!」
「どういうこと?」
「訪問者は自分たちが本物のルリエラ様の産みの親という証拠を持ってきているそうです……」
「その証拠って何?」
「それが、『本人以外には言うつもりも見せるつもりも無い』と言い張って門番では確認できないみたいです」
「………私が直接会って確認するしかないか……。分かった、門前払いせずに待合室に案内してもらって。すぐに支度する」
ライラは伝言役に私の指示を伝えて、すぐに私の支度を手伝ってくれた。
私は大急ぎで着替えながら束の間の平和な時間はこの時に終了したことを悟った。
しかし、どうして自称両親連中というのは揃いもそろって非常識で礼儀知らずな人間ばかりなのだろうか。
なぜ、事前連絡をしないのか?
家族間であるならば仕方ないということで済ませられるかもしれないが、今現在の彼等と私の間には何の繋がりも関係も無い。
家族ならアポなし訪問は許されて当たり前だから?
家族だから許されるという無意識な傲慢さ故か?
それとも意識してまずは家族としての形から入ろうとしてわざと家族のように振る舞っているのか?
お互いに家族として認識も認知もしていない間柄なのに。
もうこれは自称両親からの奇襲による先制攻撃でしかない。
こちらに事前に何も知らせないことで相手に何の準備もさせない。事前に情報を集めて対策させない。
油断しているところに突然の知らせで動揺させ、先制攻撃により先手側の彼等が有利に事を運ぼうとしている。
相手への配慮や気遣いは一切ない。
もうこれは仕掛けてきた相手を「敵」認定して対処しても問題無いだろう。
しかし、初対面で明らかに相手を偽物と疑い露骨に警戒をするのは失礼になってしまう。事情があっても、マナーや礼儀を忘れて自分が礼を失する振る舞いをすることを正当化しては非常識で礼儀知らずな彼等と同じ人間に堕ちてしまう。
私は改めてより一層気を引き締め、猜疑心と警戒心と敵対心を必死に抑えつつ奇襲攻撃を仕掛けてきた敵が待つ待合室へ向かった。
ライラが待合室の扉を開けて私が中に入った瞬間、
「──会いたかったわ!マルグリット‼」
そう叫びながら見知らぬ初対面の女が知らない名前を呼んでいきなり抱きついてきた。
あまりにも非常識過ぎる予想外の出来事に私は避けることができなかった。
知らない女に抱きしめられた時、反射的に私の全身に怖気が走る。
まるで変質者の男にいきなり抱きつかれて襲われているかのような生理的な嫌悪感と拒否感に襲われた。
あまりの気持ち悪さと恐ろしさに女を振り払うこともできず、私は身を固くして女にされるがまま耐えることしかできない。
そんな私の様子などお構いなしに女は抱きつきながら一人で意味不明なことを涙声で喋り続けている。
私は救いを求めて辺りを見渡すと、椅子に座っている女の連れと思しき男と目が合った。
だが、男は必死に救いを求める私の視線を無視して嬉しそうに女の傍若無人な振る舞いを黙って眺めているだけ。
女の奇行を咎めることも止めることもしない。
私は奇襲攻撃を仕掛けてくる敵に対する自分の警戒が全然足りていなかったことを心から反省した。
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