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第5章 私はただ青い色が好きなだけなのに!
1 好き
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アジュール商会と契約を結んでから数ヶ月が経った。
その間は何の問題も無く、とても順調に研究を進めることができた。
ガイボーンも前回の会議での失態以降大人しくなり、露骨に絡んでくることがなくなり、とても平和だ。
急速冷却機と氷菓の開発は案だけをいくつか提供し、その試作品作りはアジュール商会の開発部門に任せることができるので、それほどの時間や労力は取られていない。
お陰で空を飛ぶ研究に専念することができている。
今日は久しぶりのジュリアーナとの会談の日だ。
相手に失礼の無いようにいつもよりも身嗜みを整えなければならない。
認定理術師として常に恥ずかしくない装いを心掛けるようになったが、やはり研究に没頭するとそういうことはおざなりになってしまう。
今日は久々の会談ということでライラが気合いを入れて準備をしてくれている。
この部屋には大きな鏡は無い。
全身が映る姿見も上半身が映る鏡台も置いていない。
この世界では鏡はとても高価で貴重なものだ。
大きくて立派な鏡はそれだけで芸術品や美術品、宝飾品並みの価値がある。
鏡は贅沢品であり、かなりのお金持ちでなければ買うことはできない。
研究には無用の長物なので、今後も買う予定は無い。
そんなものを買うお金があるのなら、そのお金で研究をする。
ここには小さな手鏡が一つあるだけだ。それで十分に用は足りている。お洒落に現を抜かしている暇は無い。
私がこの世界で初めて鏡で自分の顔を見たのは、学園都市へ来る前の領主の館に滞在していたときだった。
片手では持てないほどに非常に重たい手鏡を両手で持って初めて自分の顔を見た。
あまり質の良い鏡ではなく、少し霞んでぼやけて歪んでいたが、それでも自分の顔をはっきりと正確に見ることができた。
その時にやっと自分の瞳の色が青い色をしているのだとはっきりと自覚した。
孤児院に居た頃は鏡なんて見たことはない。
井戸から汲み上げて桶や水甕に貯めた水の水面か、真冬に地面の水溜まりが凍ってできた氷の表面くらいでしか自分の姿を見たことはなかった。
だから、私は子どもの頃は自分の瞳の色を正確には知らなかった。
水面や氷に映った形でなんとなく顔つきは分かったが、底が透けてしまって他の色で染まっていたから、映っている自分の瞳の色までははっきりとは分からなかった。
自分の瞳の色が青い色ということだけは辛うじて知ってはいたが、それも他人から教えられたから知っていたのであって、自分で自分の瞳の色をはっきりと見たことはなかった。
だから、自分の瞳の色が青い色だということは知ってはいてもあまり実感が無かった。
私は手鏡を持ってライラが髪を結ってくれているのを眺めていると、満足げなライラから声を掛けられた。
「ルリエラ様、リボンはどれを使いましょうか?ルリエラ様は何色がお好きですか?」
以前は髪型は簡単な三つ編みにしかしていなかったが、今ではライラが色々な複雑な形に結い上げてくれるようになった。
ライラは器用だから、色々な髪の結い方に挑戦して腕がどんどん上がっていき、今ではどんなに複雑な髪型でも結えるようになっている。私自身の腕前は三つ編みが限界なのは変わらない。
今日は髪をいくつかに分けて三つ編みにしてからお団子のように纏めているようだ。
最後に仕上げとしてお団子を囲う飾りのリボンをどれにするかとライラに聞かれている。
「どれでもいいよ。ライラが私に似合うと思うリボンを選んで」
ライラに信頼して任せるという笑顔を浮かべてライラに丸投げした。
ライラは私に任されたことが嬉しいようで、すぐにいくつかのリボンを手に取り、真剣に悩みながら私の髪に再び集中し始めた。
そんなライラを見ながら、私は顔には出さないで内心ほっとしている。
ライラの質問に答えずに済んだから。
私は自分の好きな色を人に教えたくない。それを人に言って、その反応を見るのが苦手だ。
私は青い色が好きだ。
でも、自分の瞳の色が青い色だからという理由で青い色が好きなわけではない。
私が「青い色が好き」と言うと、それを聞いた他人は「ああ、自分の瞳と同じ色が好きなんだね」と訳知り顔で言って勝手に納得してしまう。
勝手に決めつけないでほしい。
自分で自分の瞳なんて見られないのだから、そんなものは関係ないってなぜ分からないのかと腹が立つ。
私が一番好きな青い色は吸い込まれそうな程に深く濃い青。一番暑い季節で一番日差しの強い時間帯に雲一つ無いほどに晴れた空の色。空に吸い込まれてしまうと錯覚してしまうくらいに深い深い濃厚な青。
私がそんな青い色が好きだと言うと、また訳知り顔で納得されてしまう。
私の瞳の色はときどき光の加減でそのような深くて吸い込まれそうな濃い青い色に見えることがあるそうだ。
普段はちょっと濃いめの明るい青色だ。今、鏡に映っている私の瞳の色はそれだ。
私の好きな青い色とは少し違う。
私はまだ自分の瞳がそのような深い青い色をしているのは見たことがない。鏡を持っているときに自分の瞳がそのように見えたことはない。光の加減の問題なのだろう。
だから、村にいた頃の私は自分の一番好きな青色はこの世界では空以外では見たことがなかった。
自分の瞳の色とは関係なく青い色が好きなだけだと訳知り顔の相手を否定すると、「それならなぜ青い色が好きなの?」と聞かれる。
好きに理由なんて無い。
好きなものを見ると心が踊る。心が弾む。心が浮き立つ。
目が惹き付けられて離せなくなる。
綺麗だと感動する。
心に一番届いて響く。
だから好きなのだと分かる。
そうなるから好きなんだ。
気付いたら好きになっているのだから、どうして好きなのかなんて説明はできない。
自分の瞳の色だから好きというのは、まるでナルシストみたいだ。
私が自分の瞳を飽きることなく眺めて綺麗だと感動している自分大好き人間みたいで恥ずかしい。
でも、好きな理由を説明できない。
自分の瞳と同じ色だから好きというわけではないと自分は分かっているけど、他人に上手く説明できないから結局何を言っても勘違いされたままになる。
だから、自分の好きな色を私は誰にも教えない。
そんな訳だから仕方がない。
ライラが繊細なレース製の真っ白なリボンを選んで私の髪に結んでくれているのを見ながら、鮮やかな青いリボンに目がいってしまうことは不可抗力だ。
その間は何の問題も無く、とても順調に研究を進めることができた。
ガイボーンも前回の会議での失態以降大人しくなり、露骨に絡んでくることがなくなり、とても平和だ。
急速冷却機と氷菓の開発は案だけをいくつか提供し、その試作品作りはアジュール商会の開発部門に任せることができるので、それほどの時間や労力は取られていない。
お陰で空を飛ぶ研究に専念することができている。
今日は久しぶりのジュリアーナとの会談の日だ。
相手に失礼の無いようにいつもよりも身嗜みを整えなければならない。
認定理術師として常に恥ずかしくない装いを心掛けるようになったが、やはり研究に没頭するとそういうことはおざなりになってしまう。
今日は久々の会談ということでライラが気合いを入れて準備をしてくれている。
この部屋には大きな鏡は無い。
全身が映る姿見も上半身が映る鏡台も置いていない。
この世界では鏡はとても高価で貴重なものだ。
大きくて立派な鏡はそれだけで芸術品や美術品、宝飾品並みの価値がある。
鏡は贅沢品であり、かなりのお金持ちでなければ買うことはできない。
研究には無用の長物なので、今後も買う予定は無い。
そんなものを買うお金があるのなら、そのお金で研究をする。
ここには小さな手鏡が一つあるだけだ。それで十分に用は足りている。お洒落に現を抜かしている暇は無い。
私がこの世界で初めて鏡で自分の顔を見たのは、学園都市へ来る前の領主の館に滞在していたときだった。
片手では持てないほどに非常に重たい手鏡を両手で持って初めて自分の顔を見た。
あまり質の良い鏡ではなく、少し霞んでぼやけて歪んでいたが、それでも自分の顔をはっきりと正確に見ることができた。
その時にやっと自分の瞳の色が青い色をしているのだとはっきりと自覚した。
孤児院に居た頃は鏡なんて見たことはない。
井戸から汲み上げて桶や水甕に貯めた水の水面か、真冬に地面の水溜まりが凍ってできた氷の表面くらいでしか自分の姿を見たことはなかった。
だから、私は子どもの頃は自分の瞳の色を正確には知らなかった。
水面や氷に映った形でなんとなく顔つきは分かったが、底が透けてしまって他の色で染まっていたから、映っている自分の瞳の色までははっきりとは分からなかった。
自分の瞳の色が青い色ということだけは辛うじて知ってはいたが、それも他人から教えられたから知っていたのであって、自分で自分の瞳の色をはっきりと見たことはなかった。
だから、自分の瞳の色が青い色だということは知ってはいてもあまり実感が無かった。
私は手鏡を持ってライラが髪を結ってくれているのを眺めていると、満足げなライラから声を掛けられた。
「ルリエラ様、リボンはどれを使いましょうか?ルリエラ様は何色がお好きですか?」
以前は髪型は簡単な三つ編みにしかしていなかったが、今ではライラが色々な複雑な形に結い上げてくれるようになった。
ライラは器用だから、色々な髪の結い方に挑戦して腕がどんどん上がっていき、今ではどんなに複雑な髪型でも結えるようになっている。私自身の腕前は三つ編みが限界なのは変わらない。
今日は髪をいくつかに分けて三つ編みにしてからお団子のように纏めているようだ。
最後に仕上げとしてお団子を囲う飾りのリボンをどれにするかとライラに聞かれている。
「どれでもいいよ。ライラが私に似合うと思うリボンを選んで」
ライラに信頼して任せるという笑顔を浮かべてライラに丸投げした。
ライラは私に任されたことが嬉しいようで、すぐにいくつかのリボンを手に取り、真剣に悩みながら私の髪に再び集中し始めた。
そんなライラを見ながら、私は顔には出さないで内心ほっとしている。
ライラの質問に答えずに済んだから。
私は自分の好きな色を人に教えたくない。それを人に言って、その反応を見るのが苦手だ。
私は青い色が好きだ。
でも、自分の瞳の色が青い色だからという理由で青い色が好きなわけではない。
私が「青い色が好き」と言うと、それを聞いた他人は「ああ、自分の瞳と同じ色が好きなんだね」と訳知り顔で言って勝手に納得してしまう。
勝手に決めつけないでほしい。
自分で自分の瞳なんて見られないのだから、そんなものは関係ないってなぜ分からないのかと腹が立つ。
私が一番好きな青い色は吸い込まれそうな程に深く濃い青。一番暑い季節で一番日差しの強い時間帯に雲一つ無いほどに晴れた空の色。空に吸い込まれてしまうと錯覚してしまうくらいに深い深い濃厚な青。
私がそんな青い色が好きだと言うと、また訳知り顔で納得されてしまう。
私の瞳の色はときどき光の加減でそのような深くて吸い込まれそうな濃い青い色に見えることがあるそうだ。
普段はちょっと濃いめの明るい青色だ。今、鏡に映っている私の瞳の色はそれだ。
私の好きな青い色とは少し違う。
私はまだ自分の瞳がそのような深い青い色をしているのは見たことがない。鏡を持っているときに自分の瞳がそのように見えたことはない。光の加減の問題なのだろう。
だから、村にいた頃の私は自分の一番好きな青色はこの世界では空以外では見たことがなかった。
自分の瞳の色とは関係なく青い色が好きなだけだと訳知り顔の相手を否定すると、「それならなぜ青い色が好きなの?」と聞かれる。
好きに理由なんて無い。
好きなものを見ると心が踊る。心が弾む。心が浮き立つ。
目が惹き付けられて離せなくなる。
綺麗だと感動する。
心に一番届いて響く。
だから好きなのだと分かる。
そうなるから好きなんだ。
気付いたら好きになっているのだから、どうして好きなのかなんて説明はできない。
自分の瞳の色だから好きというのは、まるでナルシストみたいだ。
私が自分の瞳を飽きることなく眺めて綺麗だと感動している自分大好き人間みたいで恥ずかしい。
でも、好きな理由を説明できない。
自分の瞳と同じ色だから好きというわけではないと自分は分かっているけど、他人に上手く説明できないから結局何を言っても勘違いされたままになる。
だから、自分の好きな色を私は誰にも教えない。
そんな訳だから仕方がない。
ライラが繊細なレース製の真っ白なリボンを選んで私の髪に結んでくれているのを見ながら、鮮やかな青いリボンに目がいってしまうことは不可抗力だ。
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