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第4章 私はただ真面目に稼ぎたいだけなのに!
26 変化
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その後もアジュール商会といろいろとやり取りをして、カフェの共同経営者の件などで正式に契約を交わした。そうしてやっと美味しいアイスクリームから始まった一連の出来事はひとまず収束した。
私はただ美味しいアイスクリームを自分の部屋で作って、仲間内だけでひっそりと美味しく味わいたかっただけだったのに、なぜか大事になってしまった。
いや、「なぜか」ではない。これも全て私が自由に空を飛ぶために必要なことだと自分で選んだ結果でしかない。
理術のあり方、理術士のあり方を変えて、既存の価値観を破壊して、私の身の安全を確保するためなどいろいろと理由はあったが、空を飛ぶために今のところ最も必要なものが「お金」だった。
研究するにしても、学園内での地位を得るにも、権力を手に入れるにためにも、一番手っ取り早い方法が「お金」だ。
極論ではあるが、地位も権力もお金で買える。
地位と権力は学園への貢献によって与えられるものであるが、この貢献で最も手っ取り早くて分かりやすい方法が学園にお金を寄付することだ。
素晴らしい研究の成果を出すことが最も学園への貢献度としては高く評価されるが、それは一朝一夕でできることではない。
その研究成果を出すためにも研究しなければならず、研究するには研究資金というお金が必要であり、お金がなければ時間と労力をかけて補わなければならない。やはりお金が無ければ短期間で周囲に認められるような研究成果を出すことは不可能だ。
自分の身を守るためにも、身内の身を守るためにも、自由を手に入れるためにも、空を飛ぶためにも、私は地位と権力を手に入れなくてはならない。
そのためにどうしてもお金が必要だった。
孤児で平民の私にはお金しか手段がなかった。
頼れる家族も、後ろ楯となる有力者もいない私が自分の力だけで早急に地位と権力を手にするためには「お金」という手段に頼る以外に他に方法がない。
あのまま氷や氷菓を作ることを自分に禁じるだけで何もせず、残った少ない研究資金をやりくりして空を飛ぶ研究を研究室の中だけでひっそりと続けるだけでは早晩に研究もそれ以外のことも行き詰まっていただろう。
今回、私が動いたことでアジュール商会と関係を持つことができた。民間の商会だから学園内の後ろ楯としては弱くて使えないが、共同経営者という対等な協力関係を結べたことが大きい。
アジュール商会の急速冷却器と氷菓の開発部門の外部委託顧問という直接雇用される従業員ではなく、外部から臨時のアドバイザー役としての地位をアジュール商会内で与えられたことも大きな収穫だ。
これまでの私はただの孤児で平民で田舎者で、何も持っていない無一文の無力な小娘でしかなかった。
学園の認定理術師になったからといって、学園内ではまだ何の成果も結果も出していない、後ろ楯が何もない、資産も何も持っていない認定理術師という看板だけ力の無い弱い小娘でしかなかった。
それが変わる。
何も持たないただの無力な小娘ではなくなった。
カフェの共同経営者で外部委託顧問として、学園の外との繋がりを持ち、自分の力でお金を稼ぐ人間になった。
研究だけしかできない、資金を消費するだけで増やすことができない、誰かから融資を得ることもできない、そんな何もできない金喰い虫のような人間ではなく、一人前に自分で稼いで、いざとなれば頼ることができる先を持った人間に変わった。
私は本当ならそんなことができる人間ではない。
日々コツコツと地道に働き、その労働に見合った賃金を受け取り、身の丈に合った慎ましやかな生活を送るだけの人間だ。
真面目に働き、それ相応の対価をもらえたらそれだけで満足できる小者でしかない。
間違っても身の丈に合わない地位や権力を欲し、それらを得るためにカフェの経営や商品開発などで大金を稼ごうとする人間ではない。
コツコツと真面目に肉体労働せずに、完全に自分の身の丈以上のことをしている。完璧に無理をしている。
お金を稼ぐために経営や開発なんてしないで、のんびりと自分だけでこっそりと楽しめたらそれで満足できるような器の小さい人間だ。
そんな大それたことを考えて、それを実行に移す勇気のある人間ではない。
私はそんなことができる人間では断じてない。
そのはずだった。
そんなできるはずがない、全然似合わない、完全に自分とは逸脱したことを成したのは、前世の彼女に影響されたからでもない。
前世の彼女もそんな行動力と決断力のある人ではなかった。
やはり自分の夢と誓いのためだ。
大切な夢と誓いがあったからできた。
夢と誓いを果たすためにはどうしてもやらなければならなかった。
どれだけ自分の身の丈に合わず、似合わないことでもやるしかなかった。
それが何とかできたということは私が変わることができた証だ。
でも、変わらないものもある。
絶対に変わりたくないこともある。
お金や地位や権力が与えてくる甘美な快楽や快感に満足して溺れて取り憑かれてしまえば、本来の目的を忘れてしまうかもしれない。
自分が何のためにお金や地位や権力を手に入れようとしたのか忘れてはいけない。それらはただの目的を果たすための道具でしかない。
その道具を手に入れることが目的に変わってしまったら、それこそが本末転倒になってしまう。
お金を得て、地位を得て、権力を得たら、学園内の権力争いに巻き込まれるようになるかもしれない。
学園内では大まかには学部ごとに分かれて権力争いをしている。
学園の資金は有限だ。その限りある資金を学部ごとに分けるときに、少しでも多く取り分を得ようと学部同士が争っている。
一個のパイの切り方で毎年熾烈な学部間での戦いが行われている。
自分で稼げて、学園の外にそれなりの居場所を手に入れることができたなら、権力争いに巻き込まれないように学園から距離を置けばいいという問題ではない。
学園の外に居場所が手に入ったのも、稼げるのも、学園で認定理術師の地位を得たからだ。その地位に伴う信用があるから、学園の外でも私のような何も持たない無力な小娘が真面目に相手にしてもらえている。
認定理術師という地位を失えば、他の全ても失うことになる。
私は学園に十分な貢献を示しながら、認定理術師として成果を出して、揺るがぬ立場を確立しなければならない。
もし、理術で誰もが使える飛行術を確立することができればその立場は完全に揺るがなくなる。
そうしたら、学園の権力争いから自由になれるかと言えばそうは問屋が卸さない。
そんな優秀な人間は貴族や国や他国から狙われることになる。
身を守るためにも、認定理術師としての立場が重要になる。
学園よりも強力な後ろ楯でも得ない限りは認定理術師としての立場をもっと必死に固めるしかない。
空を自由に飛ぶためには、それ以外のこともこなさなければ叶わない。
これから先ずっと面倒くさい地位や権力と関わっていかなくてはならない。
なかなか人生って甘くない。
前世の彼女の記憶があるから何でも上手く楽にできるということはない。
でも、彼女の記憶があるから、私は少し安心している。
彼女の記憶のおかげで、そう簡単にはお金や地位や権力に魅了されて本来の目的を忘れることはないと確信している。
彼女は変わらない。
彼女のあの青空への強い憧憬は変わらない。
彼女には空を自由に飛ぶ以上の強い欲求はない。
空を自由に飛ぶ以外に彼女の心が満たされることはない。
彼女はお金や地位や権力には何の魅力も感じない。彼女は金銭的に困ったことはなく、病院暮らしで社会との関わりも少なかったからそういうものに関心が無かった。
彼女が恋い焦がれるものは青空だけ。彼女が求めるものは空を飛ぶことだけ。彼女の願いは自由だけ。
彼女の強い想いの前にはお金や地位や権力の魅力など紙屑以下だ。
それらは手段にしかなり得ない。
そんなものでは彼女の心は満たせない。
私はお金や地位や権力の抗いがたい誘惑を無効化する御守りを持っている。
彼女が支えてくれる。
私の大切な夢と誓いが変わらないように。
彼女のおかげで私は自分が変わりたくないと望む部分まで変わってしまうかもしれないと恐れることはない。
変わらないでいられると自分を信じることができる。
彼女が私に何かを語りかけるわけでも、手助けしてくれるわけでもない。
それでも彼女は私の最強の守護者だ。
私が彼女を忘れない限り私は夢と誓いを忘れてしまうことはない。
それは私が記憶喪失にでもならないかぎりあり得ない。
彼女の記憶は私の一部だから。
忘れようとしても忘れることなど出来はしない。
時と共に薄れてはいっても、私の中から消え去ることは無い。
だから、私は変わることを怯えずに夢と誓いに向かって変わり続けることができる。
私の夢と誓いを果たすために。
この変化をきっと成長と呼ぶのだろう。
私はただ美味しいアイスクリームを自分の部屋で作って、仲間内だけでひっそりと美味しく味わいたかっただけだったのに、なぜか大事になってしまった。
いや、「なぜか」ではない。これも全て私が自由に空を飛ぶために必要なことだと自分で選んだ結果でしかない。
理術のあり方、理術士のあり方を変えて、既存の価値観を破壊して、私の身の安全を確保するためなどいろいろと理由はあったが、空を飛ぶために今のところ最も必要なものが「お金」だった。
研究するにしても、学園内での地位を得るにも、権力を手に入れるにためにも、一番手っ取り早い方法が「お金」だ。
極論ではあるが、地位も権力もお金で買える。
地位と権力は学園への貢献によって与えられるものであるが、この貢献で最も手っ取り早くて分かりやすい方法が学園にお金を寄付することだ。
素晴らしい研究の成果を出すことが最も学園への貢献度としては高く評価されるが、それは一朝一夕でできることではない。
その研究成果を出すためにも研究しなければならず、研究するには研究資金というお金が必要であり、お金がなければ時間と労力をかけて補わなければならない。やはりお金が無ければ短期間で周囲に認められるような研究成果を出すことは不可能だ。
自分の身を守るためにも、身内の身を守るためにも、自由を手に入れるためにも、空を飛ぶためにも、私は地位と権力を手に入れなくてはならない。
そのためにどうしてもお金が必要だった。
孤児で平民の私にはお金しか手段がなかった。
頼れる家族も、後ろ楯となる有力者もいない私が自分の力だけで早急に地位と権力を手にするためには「お金」という手段に頼る以外に他に方法がない。
あのまま氷や氷菓を作ることを自分に禁じるだけで何もせず、残った少ない研究資金をやりくりして空を飛ぶ研究を研究室の中だけでひっそりと続けるだけでは早晩に研究もそれ以外のことも行き詰まっていただろう。
今回、私が動いたことでアジュール商会と関係を持つことができた。民間の商会だから学園内の後ろ楯としては弱くて使えないが、共同経営者という対等な協力関係を結べたことが大きい。
アジュール商会の急速冷却器と氷菓の開発部門の外部委託顧問という直接雇用される従業員ではなく、外部から臨時のアドバイザー役としての地位をアジュール商会内で与えられたことも大きな収穫だ。
これまでの私はただの孤児で平民で田舎者で、何も持っていない無一文の無力な小娘でしかなかった。
学園の認定理術師になったからといって、学園内ではまだ何の成果も結果も出していない、後ろ楯が何もない、資産も何も持っていない認定理術師という看板だけ力の無い弱い小娘でしかなかった。
それが変わる。
何も持たないただの無力な小娘ではなくなった。
カフェの共同経営者で外部委託顧問として、学園の外との繋がりを持ち、自分の力でお金を稼ぐ人間になった。
研究だけしかできない、資金を消費するだけで増やすことができない、誰かから融資を得ることもできない、そんな何もできない金喰い虫のような人間ではなく、一人前に自分で稼いで、いざとなれば頼ることができる先を持った人間に変わった。
私は本当ならそんなことができる人間ではない。
日々コツコツと地道に働き、その労働に見合った賃金を受け取り、身の丈に合った慎ましやかな生活を送るだけの人間だ。
真面目に働き、それ相応の対価をもらえたらそれだけで満足できる小者でしかない。
間違っても身の丈に合わない地位や権力を欲し、それらを得るためにカフェの経営や商品開発などで大金を稼ごうとする人間ではない。
コツコツと真面目に肉体労働せずに、完全に自分の身の丈以上のことをしている。完璧に無理をしている。
お金を稼ぐために経営や開発なんてしないで、のんびりと自分だけでこっそりと楽しめたらそれで満足できるような器の小さい人間だ。
そんな大それたことを考えて、それを実行に移す勇気のある人間ではない。
私はそんなことができる人間では断じてない。
そのはずだった。
そんなできるはずがない、全然似合わない、完全に自分とは逸脱したことを成したのは、前世の彼女に影響されたからでもない。
前世の彼女もそんな行動力と決断力のある人ではなかった。
やはり自分の夢と誓いのためだ。
大切な夢と誓いがあったからできた。
夢と誓いを果たすためにはどうしてもやらなければならなかった。
どれだけ自分の身の丈に合わず、似合わないことでもやるしかなかった。
それが何とかできたということは私が変わることができた証だ。
でも、変わらないものもある。
絶対に変わりたくないこともある。
お金や地位や権力が与えてくる甘美な快楽や快感に満足して溺れて取り憑かれてしまえば、本来の目的を忘れてしまうかもしれない。
自分が何のためにお金や地位や権力を手に入れようとしたのか忘れてはいけない。それらはただの目的を果たすための道具でしかない。
その道具を手に入れることが目的に変わってしまったら、それこそが本末転倒になってしまう。
お金を得て、地位を得て、権力を得たら、学園内の権力争いに巻き込まれるようになるかもしれない。
学園内では大まかには学部ごとに分かれて権力争いをしている。
学園の資金は有限だ。その限りある資金を学部ごとに分けるときに、少しでも多く取り分を得ようと学部同士が争っている。
一個のパイの切り方で毎年熾烈な学部間での戦いが行われている。
自分で稼げて、学園の外にそれなりの居場所を手に入れることができたなら、権力争いに巻き込まれないように学園から距離を置けばいいという問題ではない。
学園の外に居場所が手に入ったのも、稼げるのも、学園で認定理術師の地位を得たからだ。その地位に伴う信用があるから、学園の外でも私のような何も持たない無力な小娘が真面目に相手にしてもらえている。
認定理術師という地位を失えば、他の全ても失うことになる。
私は学園に十分な貢献を示しながら、認定理術師として成果を出して、揺るがぬ立場を確立しなければならない。
もし、理術で誰もが使える飛行術を確立することができればその立場は完全に揺るがなくなる。
そうしたら、学園の権力争いから自由になれるかと言えばそうは問屋が卸さない。
そんな優秀な人間は貴族や国や他国から狙われることになる。
身を守るためにも、認定理術師としての立場が重要になる。
学園よりも強力な後ろ楯でも得ない限りは認定理術師としての立場をもっと必死に固めるしかない。
空を自由に飛ぶためには、それ以外のこともこなさなければ叶わない。
これから先ずっと面倒くさい地位や権力と関わっていかなくてはならない。
なかなか人生って甘くない。
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でも、彼女の記憶があるから、私は少し安心している。
彼女の記憶のおかげで、そう簡単にはお金や地位や権力に魅了されて本来の目的を忘れることはないと確信している。
彼女は変わらない。
彼女のあの青空への強い憧憬は変わらない。
彼女には空を自由に飛ぶ以上の強い欲求はない。
空を自由に飛ぶ以外に彼女の心が満たされることはない。
彼女はお金や地位や権力には何の魅力も感じない。彼女は金銭的に困ったことはなく、病院暮らしで社会との関わりも少なかったからそういうものに関心が無かった。
彼女が恋い焦がれるものは青空だけ。彼女が求めるものは空を飛ぶことだけ。彼女の願いは自由だけ。
彼女の強い想いの前にはお金や地位や権力の魅力など紙屑以下だ。
それらは手段にしかなり得ない。
そんなものでは彼女の心は満たせない。
私はお金や地位や権力の抗いがたい誘惑を無効化する御守りを持っている。
彼女が支えてくれる。
私の大切な夢と誓いが変わらないように。
彼女のおかげで私は自分が変わりたくないと望む部分まで変わってしまうかもしれないと恐れることはない。
変わらないでいられると自分を信じることができる。
彼女が私に何かを語りかけるわけでも、手助けしてくれるわけでもない。
それでも彼女は私の最強の守護者だ。
私が彼女を忘れない限り私は夢と誓いを忘れてしまうことはない。
それは私が記憶喪失にでもならないかぎりあり得ない。
彼女の記憶は私の一部だから。
忘れようとしても忘れることなど出来はしない。
時と共に薄れてはいっても、私の中から消え去ることは無い。
だから、私は変わることを怯えずに夢と誓いに向かって変わり続けることができる。
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