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第3章 私はただ静かに研究したいだけなのに!
18 感謝と謝罪と歓迎② 前菜
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5日後の夕方、研究室の扉がノックされた。
ライラに案内されて研究室へ入ってきたアヤタは流れるような動作で私の目の前に花束を差し出しながら口を開いた。
「夕食にお招きいただきありがとうございます。助手でしかない俺の歓迎会をしてくれるとは思っていませんでした。俺の歓迎会だから気を遣う必要は無いとのことでしたが、こちらをどうぞ。歓迎会を開いてくださるささやかなお礼です」
アヤタが差し出したのは薄い青色の可憐な花に白い小粒な花を添えただけの素朴で可愛らしい小さな花束だ。
爽やかな笑顔を浮かべながら花束を差し出すアヤタはとてもキザなことをしているのに、嫌味が全くない。あまりにも自然な動きだったから、反射的に花束を受け取ってしまった。
絶対にアヤタは女性に花束を渡し慣れている。それを確信してしまうようなソツのない渡し方だ。
相手に負担をかけず、遠慮させず、思わず自然と花束を受け取ってしまう。自然と喜ばせて相手を笑顔にしてしまう。
私は無意識のままに受け取って自然な笑顔を浮かべてしまった後に、お礼と挨拶を忘れていたことを思い出して慌てて表情を取り繕って上品な笑顔に変えて言葉を紡ぎ出した。
「あ、ありがとう、ございます……。大したおもてなしはできないけれど、精一杯歓迎の気持ちを込めました。私の研究室で開く内輪の2人だけの歓迎会だから、どうぞ気を楽にしてゆっくり食事を楽しんでいってくださいね」
私は受け取った花束をライラに渡して、席にアヤタを案内して互いに向かい合って椅子に座った。
いつも食卓に使っている真四角の木のテーブルに真っ白なテーブルクロスをかけて、真ん中にピンクの薔薇を一輪だけ飾っている。
テーブルの上にはスプーンとフォークとナイフと水が入った水差しと空のグラスしか置かれていない。
私はまだ未成年のため公式の場所ではあまりお酒を飲むことは推奨されていない。お酒を飲むことが禁止されているわけでも、罰則があるわけでもないが、お酒の提供は控えさせてもらった。
私がお酒を入手して研究室に持ち込んだ事が広まると、また根も葉もない噂が広まる危険性があるからだ。
アヤタには事前にそのことについては了承はいただいている。
アヤタは少し戸惑っている様子でテーブルの上を眺めながら何も口には出さずに席に大人しく座っている。
アヤタがそのような様子でいる原因をこちらは明確に把握している。
アヤタは料理が何も無い状態のテーブルに困惑しているのだ。
普通は客が席に着く前にテーブルの上に前菜からデザートまで全ての料理を大皿に盛り付けて並べておく。客や主人はそれを前菜から順に取り皿によそって食べていく。好きなものは多く食べ、嫌いなものは食べないこともできる。一種のバイキング形式がこの国の正式な食事形式だ。
客を招いての食事だとこの正式な食事形式で料理を提供することが常識だ。
一般家庭で品数がパンとスープの2品だけでもそのように料理をテーブルの上にあるだけ並べて多くの食べ物を見せて客に歓迎の意を表明する。
しかし、このテーブルでは小さ過ぎて提供する料理を全てテーブルに出しておくことはできなかった。料理だけでテーブルが一杯になり、人が食事するスペースがなくなってしまう。
それに客が来る前にテーブルの上に料理を並べていては、熱々の料理が冷めたり、冷たい料理が生暖かくなってしまう。
だから私はフレンチのフルコースを参考にして料理を1品ずつ給仕する方式を採用した。
「料理はこれから1品ずつ運んできます。テーブルが小さいので全ての料理がテーブルの上に載りきりませんでした。それに、料理はやっぱり出来立てを食べるのが一番美味しいですから」
私は苦肉の策であることをおくびにも出さないで、笑顔でアヤタに「料理をいっぱい用意している」「出来たての美味しさを味わって欲しい」からテーブルの上に料理を並べていないのだと説明した。
私の説明を聞いたアヤタは安堵の表情を浮かべたが、初めての形式にまだ戸惑いが残っているようだ。
私がそんな説明をしている合間にライラがお盆に前菜を載せて運んできてくれた。
前菜はポテトサラダだ。
マヨネーズなしのフレンチドレッシングで和えたシンプルなポテトサラダだ。
本当ならマヨネーズを作りたかったが、新鮮な卵が手に入らなかった。
孤児院の村でなら産み立ての新鮮な卵を手に入れることはできたが、マヨネーズを作ったことは無かった。
マヨネーズはただの調味料でそのままでは食べられない。卵を使ってマヨネーズを作るよりも、もっと腹持ちの良い料理を作る方が優先されていた。
村で作れなかったマヨネーズをこの機会に作ってみようと思ったが、いつ産み落とされたか分からない卵しか手に入れられず、マヨネーズ作りはやむ無く断念するしかなかった。古い卵を使って食中毒になってしまったら大変だ。
急遽変更して作ったフレンチドレッシングのポテトサラダは茹でた芋を形が残るくらいに軽く潰して、そこに赤や緑や黄などの色とりどりの下茹でした野菜や固ゆでにして潰した卵を混ぜている。
そこにオリーブオイルに似た植物性の油とレモンに似た酸味が強い柑橘の絞り汁と塩とパセリや胡椒に似た味の数種類のハーブを刻んで入れて混ぜ合わせて作った特製のフレンチドレッシングを使って和えている。
完成したポテトサラダはとても色鮮やかで綺麗だ。下に生で食べられる緑の葉を敷いて、その上に盛り付けている。手作りした鶏ハムも横に添えている。
この世界ではあまり生の野菜は食べられていない。この世界の生の野菜はえぐみや苦味が強くて生食で美味しくは食べられないものが多い。
数少ない生で食べられる野菜をサラダで食べる時は塩をかけるだけ。
サラダを食べること自体があまりないからドレッシングがまだ作られていないようだ。
このフレンチドレッシングのポテトサラダはライラの口には合ったのだが、アヤタの口に合うだろうか?
「前菜のポテトサラダと鶏ハムでございます」
ライラは皿を置き、水をグラスに注いで料理名を告げて離れていった。
次の料理の準備があるから、ずっと傍に控えてはいられない。
「ポテトサラダ?鶏ハム?初めて見る料理です。それにとても綺麗な盛り付けですね」
この世界で私はハムは豚肉で作られたハムしか見たことも食べたこともない。
アヤタも私と同じだったようだ。
料理は大皿に盛り付けるときはそれなりに綺麗に美味しそうに盛り付けられているが、それを自分の取り皿によそう時はそれほど盛りつけを気にしない。
適当に食べたい量だけを大皿から取るだけで、取り皿の料理の見た目は山盛りか小盛りか大盛りかの違いくらいしかない。
自分の取り皿の料理が綺麗に盛り付けられている状態で目の前にあるというのは珍しい光景だろう。
「おかわりはありますので、お口に合えば遠慮なく言ってくださいね。眺めているだけでなく、どうぞ召し上がってください」
アヤタは初めて見る料理を興味深そうに観察していたが、私の言葉でフォークを手に持った。
そして、最初に鶏ハムを1枚口に運んだ。
その動作に得体の知れない物を食べるという恐れや不安は感じられない。
鶏ハムを咀嚼して飲み込んだアヤタは「なるほど」と言うような納得したような表情を浮かべた。
鶏ハムの味は鶏で作ったハムというアヤタの想像通りの味だったのかもしれない。
次に鶏ハムよりも慎重な手つきでポテトサラダをフォークに載せて口に運んだ。
ポテトサラダを口に入れた瞬間にアヤタの表情に驚きの表情が受かんで、飲み込んだ後にアヤタが純粋な喜びを込めた笑顔を浮かべて感想を述べてくれた。
「このサラダは色鮮やかなだけでなく美味しいですね。色々な種類の野菜を使っているけれど、味の調和がとれている。この酸味のあるソースが全ての素材を繋いでいるようですが、このソースは何ですか?」
「このサラダを和えているものはドレッシングと言います。植物性の油と柑橘系の果物の果汁と塩と数種類のハーブを混ぜ合わせて作りました。アヤタのお口に合ったようで良かったです」
「このソース、ではなくて、ドレッシングには油が使われているのですか!?油が入っているのなら、もっと脂っこくてくどい味になりそうなのに、こんなにあっさりと爽やかな味になるなんて不思議ですね?」
「油でも植物性のものならそれほど脂っこくはなりませんよ。ラードやバターなどの動物性の油は冷めると白く固まってとても脂っこくてドレッシングには使えません」
私とアヤタは料理談義でそれなりに場が盛り上がった。
アヤタは色々な地域の料理を食べたことがあるらしく、自分がこれまで食べたことのある料理の記憶について面白可笑しく話してくれた。
本当ならば主催者の私が積極的に話題をふって盛り上げねばならないのだが、不慣れで緊張している私を気遣ってアヤタが話題をふって、私の負担を軽くしてくれていたようだ。
その時の私はアヤタがふってくれた話題に乗っかるだけで精一杯で、アヤタの気遣いに気付いたのは歓迎会が終わった後だった。
ライラに案内されて研究室へ入ってきたアヤタは流れるような動作で私の目の前に花束を差し出しながら口を開いた。
「夕食にお招きいただきありがとうございます。助手でしかない俺の歓迎会をしてくれるとは思っていませんでした。俺の歓迎会だから気を遣う必要は無いとのことでしたが、こちらをどうぞ。歓迎会を開いてくださるささやかなお礼です」
アヤタが差し出したのは薄い青色の可憐な花に白い小粒な花を添えただけの素朴で可愛らしい小さな花束だ。
爽やかな笑顔を浮かべながら花束を差し出すアヤタはとてもキザなことをしているのに、嫌味が全くない。あまりにも自然な動きだったから、反射的に花束を受け取ってしまった。
絶対にアヤタは女性に花束を渡し慣れている。それを確信してしまうようなソツのない渡し方だ。
相手に負担をかけず、遠慮させず、思わず自然と花束を受け取ってしまう。自然と喜ばせて相手を笑顔にしてしまう。
私は無意識のままに受け取って自然な笑顔を浮かべてしまった後に、お礼と挨拶を忘れていたことを思い出して慌てて表情を取り繕って上品な笑顔に変えて言葉を紡ぎ出した。
「あ、ありがとう、ございます……。大したおもてなしはできないけれど、精一杯歓迎の気持ちを込めました。私の研究室で開く内輪の2人だけの歓迎会だから、どうぞ気を楽にしてゆっくり食事を楽しんでいってくださいね」
私は受け取った花束をライラに渡して、席にアヤタを案内して互いに向かい合って椅子に座った。
いつも食卓に使っている真四角の木のテーブルに真っ白なテーブルクロスをかけて、真ん中にピンクの薔薇を一輪だけ飾っている。
テーブルの上にはスプーンとフォークとナイフと水が入った水差しと空のグラスしか置かれていない。
私はまだ未成年のため公式の場所ではあまりお酒を飲むことは推奨されていない。お酒を飲むことが禁止されているわけでも、罰則があるわけでもないが、お酒の提供は控えさせてもらった。
私がお酒を入手して研究室に持ち込んだ事が広まると、また根も葉もない噂が広まる危険性があるからだ。
アヤタには事前にそのことについては了承はいただいている。
アヤタは少し戸惑っている様子でテーブルの上を眺めながら何も口には出さずに席に大人しく座っている。
アヤタがそのような様子でいる原因をこちらは明確に把握している。
アヤタは料理が何も無い状態のテーブルに困惑しているのだ。
普通は客が席に着く前にテーブルの上に前菜からデザートまで全ての料理を大皿に盛り付けて並べておく。客や主人はそれを前菜から順に取り皿によそって食べていく。好きなものは多く食べ、嫌いなものは食べないこともできる。一種のバイキング形式がこの国の正式な食事形式だ。
客を招いての食事だとこの正式な食事形式で料理を提供することが常識だ。
一般家庭で品数がパンとスープの2品だけでもそのように料理をテーブルの上にあるだけ並べて多くの食べ物を見せて客に歓迎の意を表明する。
しかし、このテーブルでは小さ過ぎて提供する料理を全てテーブルに出しておくことはできなかった。料理だけでテーブルが一杯になり、人が食事するスペースがなくなってしまう。
それに客が来る前にテーブルの上に料理を並べていては、熱々の料理が冷めたり、冷たい料理が生暖かくなってしまう。
だから私はフレンチのフルコースを参考にして料理を1品ずつ給仕する方式を採用した。
「料理はこれから1品ずつ運んできます。テーブルが小さいので全ての料理がテーブルの上に載りきりませんでした。それに、料理はやっぱり出来立てを食べるのが一番美味しいですから」
私は苦肉の策であることをおくびにも出さないで、笑顔でアヤタに「料理をいっぱい用意している」「出来たての美味しさを味わって欲しい」からテーブルの上に料理を並べていないのだと説明した。
私の説明を聞いたアヤタは安堵の表情を浮かべたが、初めての形式にまだ戸惑いが残っているようだ。
私がそんな説明をしている合間にライラがお盆に前菜を載せて運んできてくれた。
前菜はポテトサラダだ。
マヨネーズなしのフレンチドレッシングで和えたシンプルなポテトサラダだ。
本当ならマヨネーズを作りたかったが、新鮮な卵が手に入らなかった。
孤児院の村でなら産み立ての新鮮な卵を手に入れることはできたが、マヨネーズを作ったことは無かった。
マヨネーズはただの調味料でそのままでは食べられない。卵を使ってマヨネーズを作るよりも、もっと腹持ちの良い料理を作る方が優先されていた。
村で作れなかったマヨネーズをこの機会に作ってみようと思ったが、いつ産み落とされたか分からない卵しか手に入れられず、マヨネーズ作りはやむ無く断念するしかなかった。古い卵を使って食中毒になってしまったら大変だ。
急遽変更して作ったフレンチドレッシングのポテトサラダは茹でた芋を形が残るくらいに軽く潰して、そこに赤や緑や黄などの色とりどりの下茹でした野菜や固ゆでにして潰した卵を混ぜている。
そこにオリーブオイルに似た植物性の油とレモンに似た酸味が強い柑橘の絞り汁と塩とパセリや胡椒に似た味の数種類のハーブを刻んで入れて混ぜ合わせて作った特製のフレンチドレッシングを使って和えている。
完成したポテトサラダはとても色鮮やかで綺麗だ。下に生で食べられる緑の葉を敷いて、その上に盛り付けている。手作りした鶏ハムも横に添えている。
この世界ではあまり生の野菜は食べられていない。この世界の生の野菜はえぐみや苦味が強くて生食で美味しくは食べられないものが多い。
数少ない生で食べられる野菜をサラダで食べる時は塩をかけるだけ。
サラダを食べること自体があまりないからドレッシングがまだ作られていないようだ。
このフレンチドレッシングのポテトサラダはライラの口には合ったのだが、アヤタの口に合うだろうか?
「前菜のポテトサラダと鶏ハムでございます」
ライラは皿を置き、水をグラスに注いで料理名を告げて離れていった。
次の料理の準備があるから、ずっと傍に控えてはいられない。
「ポテトサラダ?鶏ハム?初めて見る料理です。それにとても綺麗な盛り付けですね」
この世界で私はハムは豚肉で作られたハムしか見たことも食べたこともない。
アヤタも私と同じだったようだ。
料理は大皿に盛り付けるときはそれなりに綺麗に美味しそうに盛り付けられているが、それを自分の取り皿によそう時はそれほど盛りつけを気にしない。
適当に食べたい量だけを大皿から取るだけで、取り皿の料理の見た目は山盛りか小盛りか大盛りかの違いくらいしかない。
自分の取り皿の料理が綺麗に盛り付けられている状態で目の前にあるというのは珍しい光景だろう。
「おかわりはありますので、お口に合えば遠慮なく言ってくださいね。眺めているだけでなく、どうぞ召し上がってください」
アヤタは初めて見る料理を興味深そうに観察していたが、私の言葉でフォークを手に持った。
そして、最初に鶏ハムを1枚口に運んだ。
その動作に得体の知れない物を食べるという恐れや不安は感じられない。
鶏ハムを咀嚼して飲み込んだアヤタは「なるほど」と言うような納得したような表情を浮かべた。
鶏ハムの味は鶏で作ったハムというアヤタの想像通りの味だったのかもしれない。
次に鶏ハムよりも慎重な手つきでポテトサラダをフォークに載せて口に運んだ。
ポテトサラダを口に入れた瞬間にアヤタの表情に驚きの表情が受かんで、飲み込んだ後にアヤタが純粋な喜びを込めた笑顔を浮かべて感想を述べてくれた。
「このサラダは色鮮やかなだけでなく美味しいですね。色々な種類の野菜を使っているけれど、味の調和がとれている。この酸味のあるソースが全ての素材を繋いでいるようですが、このソースは何ですか?」
「このサラダを和えているものはドレッシングと言います。植物性の油と柑橘系の果物の果汁と塩と数種類のハーブを混ぜ合わせて作りました。アヤタのお口に合ったようで良かったです」
「このソース、ではなくて、ドレッシングには油が使われているのですか!?油が入っているのなら、もっと脂っこくてくどい味になりそうなのに、こんなにあっさりと爽やかな味になるなんて不思議ですね?」
「油でも植物性のものならそれほど脂っこくはなりませんよ。ラードやバターなどの動物性の油は冷めると白く固まってとても脂っこくてドレッシングには使えません」
私とアヤタは料理談義でそれなりに場が盛り上がった。
アヤタは色々な地域の料理を食べたことがあるらしく、自分がこれまで食べたことのある料理の記憶について面白可笑しく話してくれた。
本当ならば主催者の私が積極的に話題をふって盛り上げねばならないのだが、不慣れで緊張している私を気遣ってアヤタが話題をふって、私の負担を軽くしてくれていたようだ。
その時の私はアヤタがふってくれた話題に乗っかるだけで精一杯で、アヤタの気遣いに気付いたのは歓迎会が終わった後だった。
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