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第3章 私はただ静かに研究したいだけなのに!
2 スカートとズボンとワンピース①
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部屋の問題が片付いたので、次は服装の問題を解決しなければならない。
今の服装では人前で理術を披露できない。
相手と距離があり、垂直移動だけならば下着が見える心配はないが、そんなに都合のいい時ばかりではないだろうし、垂直移動だけでなく平行移動もしたいと思っているので、やはり今の服装のままというわけにはいかない。
私の服装は上流階級の女性の一般的な格好だ。
レースやフリルが付いているシャツ、上下一揃いのスカートとジャケットとベスト。それに革製のヒールが少しだけある靴。そして、認定理術師のケープを羽織っている。
スカートの丈はふくらはぎが隠れるくらいだ。完全に足首まで隠さなければならないという風習はこの国には無い。
子どもの頃は膝下くらいの長さが一般的だが、大人になるとふくらはぎを隠すくらいの長さになる。
スカートの長さは上流階級で裕福な女性ほど長くなっていく。
貴族で自分で家事などをしない女性のスカート丈は足首まで隠れるほどの長さだ。
スカートの長さは貧富の差や身分や階級の違いで変わっていて、大人の女性であるならば子どものスカート丈よりも長ければそれほど周囲から文句は言われない。
女性として絶対に守らなければならないのは「生足を見せない」ということだ。
大人の女性は人前では靴下やストッキングを必ず着用して、生足を晒すのは入浴中とベッドの上だけ。
靴を生足で直に履いている女性は娼婦だけであり、生足を人前で晒し出すというのはベッドへのお誘いをしている行為と受け取られる。
もちろん、生足以上に下着を人目に晒す行為は娼婦でもしない。
下着を露出して他人に見せるようなことをした場合は娼婦以下の存在、痴女と見なされても文句は言えない。
スカートの下はかぼちゃパンツのような下着を穿いている。
ウエストは紐かボタンで留めているが、ずれ落ちる心配があるので、太股で締め付けて下着がずれ落ちないようにしている。
お尻の部分が膨らんでいて、太股で絞られた形をしているので、まさにかぼちゃパンツの形だ。
太股の裾部分には紐に繋がれた靴下留めが付いていて、そこで靴下がずれ落ちないように靴下を挟んで留めている。
このかぼちゃパンツはガーターベルトの役割も一緒に担っている。
ゴムのような伸縮性の高い素材がこの国には無いので、本当に簡単に下着も靴下も簡単にずり落ちてしまう。
私がスカートのまま空を飛び、スカートの中の下着と生足を人前で晒した場合何と言われるだろうか。
「まるで娼婦のようだ」「男を誘う阿婆擦れだ」「なんて破廉恥なことを」「いかがわしい女だ」「ふしだらで穢らわしい」などなどの悪口のオンパレードが並ぶことになる。
絶対に今のままの格好で空を飛ぶことはできない。社会的な死が待っている。
それならズボンを穿けば問題解決!とは簡単にはいかない。
この国では女性の服装はスカートと決まっている。
法律で決められているわけではないので、ズボンを女性が穿いても罰せられることはないが、かなりの奇行をしているように見られてしまう。
男装しているということで、目立ってしまうことは避けられない。周囲から浮いてかなりの注目を浴びてしまう。悪目立ちしている姿が目に浮かぶ。
「なんてはしたない格好をしているのか」「女がズボンを履くなんてみっともない」「常識が無いのか」「男勝りな女だ」と面白おかしく話されて笑い者にされるだろう。
そのままの男物のズボンを穿けば解決する問題ではない。
一番簡単な問題解決としては、スカートの下にズボンを穿くことだ。
普通に日常生活を過ごしているときは今まで通りの格好に見える。突然空を飛ぶことになってもズボンを穿いているなら下着も生足も見られる心配はない。
わざわざスカートの下にズボンを穿いていると文句を言う人間もいないだろう。他人がスカートの下に何を着用しているかという話をするのはひどくいかがわしく破廉恥でその人の品性を疑われる。
自分の品性を貶めてまで、私がスカートの下にズボンを穿いていることを批難する人はいないと思いたい。
そんな品性下劣な人がいたとしても、そんな人は無視して問題なし。
そういうわけで、ライラに男物の中古のズボンを用意してもらった。
庶民の男性のズボンはゆったりとだぼっとした幅広で裾も広がっていてまったく締め付けない足首丈の長ズボンだ。ウエストもゆったりとさせて、サスペンダーで吊り下げている男性も多い。男の子しか膝丈の半ズボンは履かない。
上流階級の男性のズボンはぴったりと自分の足に張り付くような細身で裾もしっかりと閉じられた足首丈の長ズボンだ。オーダーメイドで自分の体に合わせることができるから自分のサイズぴったりに仕立てられる。
ライラはそれなりに質の良い中古品で、上流階級の細身のズボンだが多少手直しすればすぐに女の私でも穿けそうなものを見つけてきてくれた。
かぼちゃパンツだとズボンの下が少しごわついてしまうが、押さえつければ穿けないことはない。下着の改良は後にして、まずはズボンを穿いてみる。
上は女性用のレースとフリルがついた上品な白いシャツで、その下にズボンを穿いて、ズボンの上からスカートを穿く。
腰回りがとても分厚くなった。
スカートとズボンの重ね着は思った以上に着心地が悪い。
重くて動き難くて暑くて衣擦れも悪くて違和感が半端無い。
厚目のデニムのズボンとデニムのスカートを同時に穿いている気分だ。両方ともウエストはゴムではなくボタンで同じ位置で留めている状態。
ちょっとこの服装は耐え難い。
特別な日に一時のことなら我慢して着用することも考えるが、毎日日常的にこの格好をするのはちょっと辛い。
スカートの下にズボンを穿くという一番簡単な解決策は却下せざるをえない。
私とライラは二人で頭を突き合わせてスカートとズボンを眺めて頭をひねって考え込んだ。
今の服装では人前で理術を披露できない。
相手と距離があり、垂直移動だけならば下着が見える心配はないが、そんなに都合のいい時ばかりではないだろうし、垂直移動だけでなく平行移動もしたいと思っているので、やはり今の服装のままというわけにはいかない。
私の服装は上流階級の女性の一般的な格好だ。
レースやフリルが付いているシャツ、上下一揃いのスカートとジャケットとベスト。それに革製のヒールが少しだけある靴。そして、認定理術師のケープを羽織っている。
スカートの丈はふくらはぎが隠れるくらいだ。完全に足首まで隠さなければならないという風習はこの国には無い。
子どもの頃は膝下くらいの長さが一般的だが、大人になるとふくらはぎを隠すくらいの長さになる。
スカートの長さは上流階級で裕福な女性ほど長くなっていく。
貴族で自分で家事などをしない女性のスカート丈は足首まで隠れるほどの長さだ。
スカートの長さは貧富の差や身分や階級の違いで変わっていて、大人の女性であるならば子どものスカート丈よりも長ければそれほど周囲から文句は言われない。
女性として絶対に守らなければならないのは「生足を見せない」ということだ。
大人の女性は人前では靴下やストッキングを必ず着用して、生足を晒すのは入浴中とベッドの上だけ。
靴を生足で直に履いている女性は娼婦だけであり、生足を人前で晒し出すというのはベッドへのお誘いをしている行為と受け取られる。
もちろん、生足以上に下着を人目に晒す行為は娼婦でもしない。
下着を露出して他人に見せるようなことをした場合は娼婦以下の存在、痴女と見なされても文句は言えない。
スカートの下はかぼちゃパンツのような下着を穿いている。
ウエストは紐かボタンで留めているが、ずれ落ちる心配があるので、太股で締め付けて下着がずれ落ちないようにしている。
お尻の部分が膨らんでいて、太股で絞られた形をしているので、まさにかぼちゃパンツの形だ。
太股の裾部分には紐に繋がれた靴下留めが付いていて、そこで靴下がずれ落ちないように靴下を挟んで留めている。
このかぼちゃパンツはガーターベルトの役割も一緒に担っている。
ゴムのような伸縮性の高い素材がこの国には無いので、本当に簡単に下着も靴下も簡単にずり落ちてしまう。
私がスカートのまま空を飛び、スカートの中の下着と生足を人前で晒した場合何と言われるだろうか。
「まるで娼婦のようだ」「男を誘う阿婆擦れだ」「なんて破廉恥なことを」「いかがわしい女だ」「ふしだらで穢らわしい」などなどの悪口のオンパレードが並ぶことになる。
絶対に今のままの格好で空を飛ぶことはできない。社会的な死が待っている。
それならズボンを穿けば問題解決!とは簡単にはいかない。
この国では女性の服装はスカートと決まっている。
法律で決められているわけではないので、ズボンを女性が穿いても罰せられることはないが、かなりの奇行をしているように見られてしまう。
男装しているということで、目立ってしまうことは避けられない。周囲から浮いてかなりの注目を浴びてしまう。悪目立ちしている姿が目に浮かぶ。
「なんてはしたない格好をしているのか」「女がズボンを履くなんてみっともない」「常識が無いのか」「男勝りな女だ」と面白おかしく話されて笑い者にされるだろう。
そのままの男物のズボンを穿けば解決する問題ではない。
一番簡単な問題解決としては、スカートの下にズボンを穿くことだ。
普通に日常生活を過ごしているときは今まで通りの格好に見える。突然空を飛ぶことになってもズボンを穿いているなら下着も生足も見られる心配はない。
わざわざスカートの下にズボンを穿いていると文句を言う人間もいないだろう。他人がスカートの下に何を着用しているかという話をするのはひどくいかがわしく破廉恥でその人の品性を疑われる。
自分の品性を貶めてまで、私がスカートの下にズボンを穿いていることを批難する人はいないと思いたい。
そんな品性下劣な人がいたとしても、そんな人は無視して問題なし。
そういうわけで、ライラに男物の中古のズボンを用意してもらった。
庶民の男性のズボンはゆったりとだぼっとした幅広で裾も広がっていてまったく締め付けない足首丈の長ズボンだ。ウエストもゆったりとさせて、サスペンダーで吊り下げている男性も多い。男の子しか膝丈の半ズボンは履かない。
上流階級の男性のズボンはぴったりと自分の足に張り付くような細身で裾もしっかりと閉じられた足首丈の長ズボンだ。オーダーメイドで自分の体に合わせることができるから自分のサイズぴったりに仕立てられる。
ライラはそれなりに質の良い中古品で、上流階級の細身のズボンだが多少手直しすればすぐに女の私でも穿けそうなものを見つけてきてくれた。
かぼちゃパンツだとズボンの下が少しごわついてしまうが、押さえつければ穿けないことはない。下着の改良は後にして、まずはズボンを穿いてみる。
上は女性用のレースとフリルがついた上品な白いシャツで、その下にズボンを穿いて、ズボンの上からスカートを穿く。
腰回りがとても分厚くなった。
スカートとズボンの重ね着は思った以上に着心地が悪い。
重くて動き難くて暑くて衣擦れも悪くて違和感が半端無い。
厚目のデニムのズボンとデニムのスカートを同時に穿いている気分だ。両方ともウエストはゴムではなくボタンで同じ位置で留めている状態。
ちょっとこの服装は耐え難い。
特別な日に一時のことなら我慢して着用することも考えるが、毎日日常的にこの格好をするのはちょっと辛い。
スカートの下にズボンを穿くという一番簡単な解決策は却下せざるをえない。
私とライラは二人で頭を突き合わせてスカートとズボンを眺めて頭をひねって考え込んだ。
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