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第二章  いつだって幸せ?

外のセカイ

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でも、私は高校から通わせてもらうことが出来た。

結構無理を言った。

両親は、始めこそは良い顔をしなかったけど、私の気持ちを尊重してくれたんだ。

…10年以上、家庭教師として勤めてくれた恵梨香さん。

寂しそうな顔してたけど、『外の世界でも頑張って』って、応援してくれた。




高校に入って、数ヶ月。

初めての友達が出来た。

クラスが一緒で席も近かったから話す機会も多かったんだと思う。

私は、なんとも言えない嬉しさが込み上げてきたのを覚えている。

ああ、こんなことならもっと早く学校に行ってれば良かった。

そしたら今よりずっと友達が出来ていたかもしれないのに……。

__家にいるだけじゃ分からない。

お金なんかでは買えない。

そんな大切なものを持ったのは初めてで。

これから先、上手くいきそうだ!なんて、その時はすごく能天気でいられた。













問題が起こったのは、大学に入ってからのこと。 

大学に入ったら、また、新たな出会いがある。

私は、大学4年生のある人に恋をした。

サークルが同じで話すこともよくあったし、勉強を教えてもらうこともあったぐらいだ。

その人は、カッコいいとは言えないけど、さりげない優しさを持っていた。

あと、包容力も。

そんなところにどんどん惹かれていって、私はついに告白した。

そしたら、彼は何て言ったと思う?



『マジで…!?うわー、ヤバい。嬉しすぎる…』



私たち、両思いだったんだよ。

彼はとても嬉しそうで、私もホッとした。

人生初の告白が、成功したのだ。

それ以来、私たちはよく一緒に出掛けた。

遊園地や映画、ショッピングなど、ありきたりなデートをした。








幸せだった。

笑顔でいられた。

それで、十分だった。





でも、

そう思っていたのは、







・・・
私だけ。






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