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109話
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深夜になり、オセニア軍の陣営は、言葉に出来ない緊張感と怒り、そして押し潰される程の焦燥に包まれていた。
武勇を誇る王太子シェルビーが、敵の襲撃により毒に倒れた。
皇女の毒針は、キャニスを狙い放たれたものだったが、王太子は身を挺し、愛しい恋人を守ったのだ。
あの王太子殿下が遅れを取るとは。と知らせを聞いた誰しもが耳を疑ったが、折悪しく、前日の戦闘で王太子は負傷しており、それが原因で発熱までしていた。
普段通りの健康な状態であれば、王太子は一刀のもとに、皇女を斬り伏せていた事だろう。
庇われたキャニスは、自身も毒に侵される危険を顧みず、その口で毒を吸い出し、王太子の命を繫ぎ止めたのだ。
しかし、王太子の受けた毒は、たった一滴でも死に至る猛毒だった。
医者にシェルビーを任せたキャニスはその足で、皇女が捕えられている天幕へと出向き、皇女に対し何らかの報復をしたらしいのだが、皇女の天幕から出て来たキャニスは、その場で吐血し倒れてしまった。
猛毒をシェルビーの血と共に、口で吸い出したキャニスは、それを飲み込むことは無かったが、口内の粘膜から毒が体内に吸収されてしまったのだ。
医者の手当てが速かった事も有り、直ぐに意識を取り戻したキャニスは、制止する医師の言葉も聞かず、床を離れると、解毒剤を飲みながら、シェルビーの看病を始めた。
そして今もキャニスは、王太子の快癒を願い、付きっきりで王太子の看病に当たっている。
騎士達は、シェルビーとキャニスの絆の深さに涙し、凍てついた地面に膝を付き、二人を助けてくれと、幸多かれと祈るのだった。
そして、皇女に何をしたのか。
キャニスが口を開くことは無く。
全ては闇の中だ。
「う・・・うう・・・」
「殿下?殿下!気が付かれましたか?」
「・・キャス・・どぅ・・・した?」
「殿下。しっかりなさって下さい!」
「ま・・た。雛・・が・・・落ちた・・・のか?」
「殿下・・・・・?」
「・・・すぐ・・・・かえし・・て・・・や・・・」
鳥の雛くらい
何度だって俺が巣に帰してやるから。
だから、泣くなよ。
俺はお前の笑顔が見たいんだ。
雛を巣に帰したら、また俺に笑いかけてくるか?
大好きだ、愛しているよ。
俺の妖精。
可愛いキャニス。
「殿下! シエル!」
「キャニス様。ただの譫言です。殿下は夢を見て居られるのです」
「夢?・・・私は・・・私はどうすればいい?どうすれば、殿下はお目覚めになられる?」
「人の手で出来る処置は、全て行っております。あとは殿下ご自身の生きる力で、乗り切って頂く以外ないのです」
この藪医者め!!
「私に出来る事は、何も無い・・・と?」
濃い隈の浮かんだ顔で見上げられた医者は、静かに首を振った。
「キャニス様は、既に多くの事をなさっておいでです。ご自身の危険も顧みず、殿下のお身体から毒を取り除き、今もこうして、付きっ切りで看病をなさっているではありませんか」
「看病など・・・私は殿下に命を救われた。その殿下は今も苦しまれているのに、私はなんの役にも立たない」
両手で顔を覆い、吐き出した嘆きと共に、がっくりと肩を落としたキャニスの姿に、医者たちは深い溜息を吐いた。
「そんな事は在りません」
「そうですよ。殿下は夢の中でもキャニス様の名を呼んでおられる。それだけ強くキャニス様を思って居られるからでしょう」
「その通りです。こうしてキャニス様がお傍について居られる事が、殿下の力となって居るのです。それにお目覚めにならないのは、殿下のお身体が毒と戦って居る為です」
「でも。殿下が毒を受けてからもう6日だ。その間お食事も一切取られていない。いくら薬湯を飲ませていても、このままでは、毒に打ち勝つどころか、衰弱してしまう」
「だからこそ、キャニス様の励ましが、殿下には必要なのです。キャニス様の励ましが、殿下の意識を呼び戻す力となるのです」
「・・・・明日もお目覚めになられなければ、王都へお連れした方が、良いのではないか?」
「それはいけません!!」
「何故?こんな荒野のど真ん中に居るよりは、ましだと思うけど」
「キャニス様。お気持ちは分かりますが、それだけは駄目です」
「だから何故?!」
「普通の負傷でも移動する事で、体に負担がかかります。ましてや殿下のお身体は、毒に侵されて居るのです。今の殿下のお身体では、移動でかかる負担に耐えられないのです」
「・・・・分かった。もういいよ。あなた達も疲れているだろう?今日はもう休みなさい」
「いや。しかし、キャニス様の方こそお休みになられないと!」
「僕の事は良いよ。あなた達が残っていても、何もできないと言うなら、少しでも役に立ちそうな僕が残るべきでしょ?」
嫌味でもなんでもなく、キャニスは事実を述べただけだったが、己の無力さを痛感させられた医者達は、悄然と項垂れて、天幕を去るより他なかった。
ただ医者としての使命感から、去り際に、キャニスへ薬を飲むように告げる事だけは、忘れなかった。
「坊ちゃん。お薬です」
小さな瓶に詰められた薬は、見た目は遠い昔にゲームの中で見た、エリクサーに酷似していた。
これが本物のエリクサーなら、HP/MP全回復に、シリーズ作品によっては、バッドステータスの治療も付いて居た記憶がある。
正に、シェルビーに必要な薬だ。
しかし差し出された瓶の中身は、鼻が曲がるほどの悪臭を放ち、これこそが毒なのではないか?と思わせるほどの酷い味がする。あまりの不味さに、生理的な涙が出て来るほどだ。
そして飲み終わった後の息が、緑色に見えるのは、単なる気のせいと言えない所が辛い。
一息で薬を飲み干し、緑色に染まった溜息を吐くキャニスに、パトリックが蜂蜜入りの茶を差し出した。
余り水分を取り過ぎると、お腹がちゃぽちゃぽになってしまうが、キャニス自身も体内に取り込んでしまった毒を、排出しなければならない。
少しの間パトリックにシェルビーを任せ、用を足しに天幕の外へ出たキャニスは、その帰りに、物見櫓の上で跪き、月明かりに照らされながら、一心に祈る人影に気付いた。
「アントワーヌ」
「はい、坊っちゃん」
「あとでキャピレット卿に、暖かい飲み物を持って行ってあげて」
「承りました。それと先程伝書鳥が到着しました」
「なんて言って来たの?」
「知らせによると、皇女とナリウスはギャリコ運河への到着前に、皇都から派遣されたレーモネ伯旗下の騎士へ、引き渡されたそうです」
「そう。随分早かったね」
「それだけ帝国側も本気だという、証拠ではないですか?」
「そうかもね」
「坊ちゃん。あの二人を、帝国に引き渡して良かったのですか?」
興味なさそうに答え、踵を返したキャニスに、アントワーヌは、抱えていた疑問を口にした。
「構わない。僕なりの復讐は果たした」
「ですが、2人とも生きています」
アントワーヌは、何故息の根を止めなかったのか、と聞きたいのだろう。
「僕はね、みんなが思って居る程、心が広くは無いんだ。あの二人は、簡単には死なせない。そんな楽をさせてなんか遣らないよ。特に皇女には、生き地獄を味わってもらわないとね」
6日経っても、キャニスの怒りは収まる事を知らず、溢れ出した魔力が、ザワザワと髪を蠢かせている。
普段穏やかで、感情を現わさない坊ちゃんが、これ程お怒りになるとは。
シェルビー殿下は、坊ちゃんにとって本当に大切な人になったんだな。
俺は嫉妬深い男なんて、お勧めしたくねぇけど、坊ちゃんが幸せを感じられるなら、なんだっていいや。
少しふらつきながら天幕に戻って行くキャニスの背中に、幸多かれと祈るアントワーヌだった。
武勇を誇る王太子シェルビーが、敵の襲撃により毒に倒れた。
皇女の毒針は、キャニスを狙い放たれたものだったが、王太子は身を挺し、愛しい恋人を守ったのだ。
あの王太子殿下が遅れを取るとは。と知らせを聞いた誰しもが耳を疑ったが、折悪しく、前日の戦闘で王太子は負傷しており、それが原因で発熱までしていた。
普段通りの健康な状態であれば、王太子は一刀のもとに、皇女を斬り伏せていた事だろう。
庇われたキャニスは、自身も毒に侵される危険を顧みず、その口で毒を吸い出し、王太子の命を繫ぎ止めたのだ。
しかし、王太子の受けた毒は、たった一滴でも死に至る猛毒だった。
医者にシェルビーを任せたキャニスはその足で、皇女が捕えられている天幕へと出向き、皇女に対し何らかの報復をしたらしいのだが、皇女の天幕から出て来たキャニスは、その場で吐血し倒れてしまった。
猛毒をシェルビーの血と共に、口で吸い出したキャニスは、それを飲み込むことは無かったが、口内の粘膜から毒が体内に吸収されてしまったのだ。
医者の手当てが速かった事も有り、直ぐに意識を取り戻したキャニスは、制止する医師の言葉も聞かず、床を離れると、解毒剤を飲みながら、シェルビーの看病を始めた。
そして今もキャニスは、王太子の快癒を願い、付きっきりで王太子の看病に当たっている。
騎士達は、シェルビーとキャニスの絆の深さに涙し、凍てついた地面に膝を付き、二人を助けてくれと、幸多かれと祈るのだった。
そして、皇女に何をしたのか。
キャニスが口を開くことは無く。
全ては闇の中だ。
「う・・・うう・・・」
「殿下?殿下!気が付かれましたか?」
「・・キャス・・どぅ・・・した?」
「殿下。しっかりなさって下さい!」
「ま・・た。雛・・が・・・落ちた・・・のか?」
「殿下・・・・・?」
「・・・すぐ・・・・かえし・・て・・・や・・・」
鳥の雛くらい
何度だって俺が巣に帰してやるから。
だから、泣くなよ。
俺はお前の笑顔が見たいんだ。
雛を巣に帰したら、また俺に笑いかけてくるか?
大好きだ、愛しているよ。
俺の妖精。
可愛いキャニス。
「殿下! シエル!」
「キャニス様。ただの譫言です。殿下は夢を見て居られるのです」
「夢?・・・私は・・・私はどうすればいい?どうすれば、殿下はお目覚めになられる?」
「人の手で出来る処置は、全て行っております。あとは殿下ご自身の生きる力で、乗り切って頂く以外ないのです」
この藪医者め!!
「私に出来る事は、何も無い・・・と?」
濃い隈の浮かんだ顔で見上げられた医者は、静かに首を振った。
「キャニス様は、既に多くの事をなさっておいでです。ご自身の危険も顧みず、殿下のお身体から毒を取り除き、今もこうして、付きっ切りで看病をなさっているではありませんか」
「看病など・・・私は殿下に命を救われた。その殿下は今も苦しまれているのに、私はなんの役にも立たない」
両手で顔を覆い、吐き出した嘆きと共に、がっくりと肩を落としたキャニスの姿に、医者たちは深い溜息を吐いた。
「そんな事は在りません」
「そうですよ。殿下は夢の中でもキャニス様の名を呼んでおられる。それだけ強くキャニス様を思って居られるからでしょう」
「その通りです。こうしてキャニス様がお傍について居られる事が、殿下の力となって居るのです。それにお目覚めにならないのは、殿下のお身体が毒と戦って居る為です」
「でも。殿下が毒を受けてからもう6日だ。その間お食事も一切取られていない。いくら薬湯を飲ませていても、このままでは、毒に打ち勝つどころか、衰弱してしまう」
「だからこそ、キャニス様の励ましが、殿下には必要なのです。キャニス様の励ましが、殿下の意識を呼び戻す力となるのです」
「・・・・明日もお目覚めになられなければ、王都へお連れした方が、良いのではないか?」
「それはいけません!!」
「何故?こんな荒野のど真ん中に居るよりは、ましだと思うけど」
「キャニス様。お気持ちは分かりますが、それだけは駄目です」
「だから何故?!」
「普通の負傷でも移動する事で、体に負担がかかります。ましてや殿下のお身体は、毒に侵されて居るのです。今の殿下のお身体では、移動でかかる負担に耐えられないのです」
「・・・・分かった。もういいよ。あなた達も疲れているだろう?今日はもう休みなさい」
「いや。しかし、キャニス様の方こそお休みになられないと!」
「僕の事は良いよ。あなた達が残っていても、何もできないと言うなら、少しでも役に立ちそうな僕が残るべきでしょ?」
嫌味でもなんでもなく、キャニスは事実を述べただけだったが、己の無力さを痛感させられた医者達は、悄然と項垂れて、天幕を去るより他なかった。
ただ医者としての使命感から、去り際に、キャニスへ薬を飲むように告げる事だけは、忘れなかった。
「坊ちゃん。お薬です」
小さな瓶に詰められた薬は、見た目は遠い昔にゲームの中で見た、エリクサーに酷似していた。
これが本物のエリクサーなら、HP/MP全回復に、シリーズ作品によっては、バッドステータスの治療も付いて居た記憶がある。
正に、シェルビーに必要な薬だ。
しかし差し出された瓶の中身は、鼻が曲がるほどの悪臭を放ち、これこそが毒なのではないか?と思わせるほどの酷い味がする。あまりの不味さに、生理的な涙が出て来るほどだ。
そして飲み終わった後の息が、緑色に見えるのは、単なる気のせいと言えない所が辛い。
一息で薬を飲み干し、緑色に染まった溜息を吐くキャニスに、パトリックが蜂蜜入りの茶を差し出した。
余り水分を取り過ぎると、お腹がちゃぽちゃぽになってしまうが、キャニス自身も体内に取り込んでしまった毒を、排出しなければならない。
少しの間パトリックにシェルビーを任せ、用を足しに天幕の外へ出たキャニスは、その帰りに、物見櫓の上で跪き、月明かりに照らされながら、一心に祈る人影に気付いた。
「アントワーヌ」
「はい、坊っちゃん」
「あとでキャピレット卿に、暖かい飲み物を持って行ってあげて」
「承りました。それと先程伝書鳥が到着しました」
「なんて言って来たの?」
「知らせによると、皇女とナリウスはギャリコ運河への到着前に、皇都から派遣されたレーモネ伯旗下の騎士へ、引き渡されたそうです」
「そう。随分早かったね」
「それだけ帝国側も本気だという、証拠ではないですか?」
「そうかもね」
「坊ちゃん。あの二人を、帝国に引き渡して良かったのですか?」
興味なさそうに答え、踵を返したキャニスに、アントワーヌは、抱えていた疑問を口にした。
「構わない。僕なりの復讐は果たした」
「ですが、2人とも生きています」
アントワーヌは、何故息の根を止めなかったのか、と聞きたいのだろう。
「僕はね、みんなが思って居る程、心が広くは無いんだ。あの二人は、簡単には死なせない。そんな楽をさせてなんか遣らないよ。特に皇女には、生き地獄を味わってもらわないとね」
6日経っても、キャニスの怒りは収まる事を知らず、溢れ出した魔力が、ザワザワと髪を蠢かせている。
普段穏やかで、感情を現わさない坊ちゃんが、これ程お怒りになるとは。
シェルビー殿下は、坊ちゃんにとって本当に大切な人になったんだな。
俺は嫉妬深い男なんて、お勧めしたくねぇけど、坊ちゃんが幸せを感じられるなら、なんだっていいや。
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