98 / 113
98話
しおりを挟む
「睨み合いになってもう5日。砦の籠城戦ではないのです。皇女、騎士達はもう限界です」
「限界だからなんだというのだ。兵の治療の時間をくれと、言って来たのは其方であろう?」
「その通りです。ですがそれは撤退を前提にした話で」
「撤退だとっ!!」
皇女が投げつけたグラスが、地面に当たって砕けた。砕けた破片で大将の頬が切れ、頬に赤い筋が描かれたが、皇女を睨む大将は、眉一つ動かさなかった。
皇女の足元の人影が肩を震わせ、更に小さく縮こまる姿に、大将は憐みの籠った目を向けた。
「私がいつ、撤退するなどと言った?!世迷言を抜かすな!!」
「皇女!!冷静にお考え下さい。わが軍は既に、ジェルビー王太子率いるオセニア軍に、大敗を喫しているのです。全滅を免れているのは、皇女との話し合いを希望している、王太子の恩情のお陰だと、何故ご理解いただけないのか?!」
「私は負けてなど居らん!!」
「そう御考えなのは、皇女殿下のみに御座います」
「なにを言うか!」
「良いですか殿下。この戦で、投射隊はまともに仕事を熟す前に、敵の攻撃でほぼ全滅状態に陥りました。命がある者も、まともに弓を引けるものなど、残って居りません」
「アーチャーがおらずとも、騎兵も魔法騎士もは残って居るだろう」
「頭数だけ揃えれば良いと、言う物ではない事くらい、殿下もお判りでしょう。都を出立したとき5万だった兵を二手に分け、殿下に従いオセニアに進軍したものは3万でした。ですが今戦えるものは、1万ほどでしかない」
「だから何だ」
「戦の基本とは数で御座います。数の優位性が失われた今、戦線を張り続ける意味などございません」
「意味がないとは、どういう事だ?!」
「殿下!分からない振りをするのは、もうお止めください!勝ち続ける事が、優れた将の証ではない。本当に優れた将は、引き際を弁えている者の事を言うのですぞ!」
「お前は、私に逃げ帰れというのか?!」
「イングリット様!!逃げ帰るとはどういう事ですか?宜しいですか?そもそも殿下は、このオセニアとラリスへ、ラリス王国王太子だったナリウスの、負債について、話し合いに来たのでは無いのですか?」
「それがどうした?そんな面倒な事などせずとも、力ずくで制圧してしまえば、良いではないか!」
「それに失敗したからの、今でしょう!殿下は騎士達を、無駄死にさせる御積りか?!」
「無駄死にとはなんだ?!」
皇女は手にしていた乗馬用の鞭で、大将の肩をビシリと打った。
「グゥ・・・私に・・このような真似をしても無駄です。私はあなたの私兵ではない」
「生意気な・・・」
「宜しいか?この戦で散った命が、無駄死に以外の何だというのです。そもそもこの遠征は、オセニア、ラリス双方との交渉が目的で、戦端を開く必要など無かったのです。引き連れた軍勢は、交渉を有利に運ぶ圧力でしかなかった筈だ。それを、あなたは功を焦り、皇帝陛下の許しも無く、戦端を開いた挙句大敗を喫した。これでまともな交渉もせず、無謀な戦いを仕掛け、兵を損なった時、皇帝陛下へどう釈明する御積りか?!」
「勝てばよかろう!」
「殿下は、現実が見えて居られない。どうやって勝つ御積りです?」
「なにを・・・」
「先の戦いで大敗を喫し、自軍の兵力は半分以下に激減いたしております。また戦える者達の士気は低い。糧食は足りず、騎士達は皆飢えているのです。翻ってオセニア軍はほぼ無傷。糧食も潤沢で、飢えた様子など微塵も感じられない。そんな状態で戦って、勝てる訳がないでしょう?」
「なにを温い事を!」
「殿下!騎士も人間です。昨今のからくり人形でさえ、魔力を与えなければ動かないのですぞ?人である騎士達が、糧食も無くどうやって存分に働けと?飢えに耐え切れず、脱走する者が相次いでいることを、殿下は御存じないのか?」
「だ・・・脱走?」
騎士の脱走の話しは、皇女は初耳だった。
皇女の逆鱗に触れる事を恐れ、誰も報告していなかったからだ。
「本当にご存じなかったか。殿下。脱走者が出ても尚、戦線が維持できるとお考えですか?」
「だ・・・だが私は・・・」
人生で初めて感じる屈辱に、皇女の手はわなわなと震え、両手で握り締めた乗馬鞭が、今にも折れてしまいそうだ。
「シェルビー王太子は、話し合いを希望されております。今からでも、遅くは在りません。どうか交渉の席に着いて下さい」
「しかし、私はラリスとオセニアを手に入れねばならん。そしてキャニス・ヴォロス・カラロウカが欲しい!」
「殿下・・・」
この後の及んでまだ諦めないのかと、と大将は疲れの滲んだ、深い溜息を吐いた。
「殿下こうなっては、どれも諦めるほか御座いません」
「諦める?ふざけるな!!私はドルグ帝国の皇女だ!その私に、お前はこんな小国に膝を屈し、なんの戦果も無く、黙って国に帰れというのか?!」
「その通りで御座います!この二国を手に入れたければ、これまで同様、最初から大軍を用い、侵略しなければならなかった」
「だが父上は」
「その通り!陛下はこの二国の侵略を、お許しになられなかった。その理由を皇女は御存じか?」
「い・・・いや・・・」
「理由はたった一つ。カラロウカで御座います」
「カ・・カラロウカ?たかが小国の公爵家が、何だというのだ?」
「皇女・・・貴方も武力だけが力ではないと、ご存じでしょうに」
残念を通り越し痛ましげな視線を、大将は皇女へ向けたのだった。
「私は皇女の教師では御座いません。これ以上はご自分の眼でお確かめください。しかし本日中に、オセニアとの交渉を受諾されないのであれば、私と部下は帝国へ戻らせて頂く」
「貴様!!私の命に逆らうというのか?!軍務違反だぞ!!」
「お忘れですか?私と部下は、あなたの私兵ではなく、皇帝陛下の剣なのですよ。よって、あなたに私を裁く権限は無い」
「クッ!うう・・」
「老婆心ながら、最後にご忠告申し上げる。全て諦め、王太子の出す条件をお吞みなさい。そしてキャニス・ヴォロス・カラロウカの事は忘れるのです」
「嫌だと言ったら?」
「別に構いませんよ。私は都へ帰るだけですから」
「貴様・・・」
「皇女。あなたは触れてはならない物に手を出した。それをお忘れ召さるな」
踵を返し皇女の天幕から出た大将は、背後から聞こえる鞭の打擲音と、苦鳴に眉を顰めた。
「誰か。皇女の気が済んだら、中の者を運び出し、生きていたら治療してやれ」
「宜しいのですか?」
「この状態の方が、おかしいのだ」
苦々し気に吐き捨てる大将に、護衛の騎士も溜息を吐いて見せた。
「・・・・承りました」
皇帝陛下の決断は正しい。
だが遅すぎだ。
もっと早く御決断下さって居たら、救えた命も多かっただろうに。
皇帝といえども、自身の娘は可愛いものなのか?こんな狂った皇女に、愛情を掛けてなんになる。
それとも陛下は、皇女を利用していただけなのだろうか。
だとすれば、似た者親子。
悪魔の子は悪魔でしかない、という事になるな。
もううんざりだ。
都へ帰ったら辞表を出し、領地に引っ込むことにしよう。この後やって来る嵐に付き合えるほど、私も若くは無いからな。
「限界だからなんだというのだ。兵の治療の時間をくれと、言って来たのは其方であろう?」
「その通りです。ですがそれは撤退を前提にした話で」
「撤退だとっ!!」
皇女が投げつけたグラスが、地面に当たって砕けた。砕けた破片で大将の頬が切れ、頬に赤い筋が描かれたが、皇女を睨む大将は、眉一つ動かさなかった。
皇女の足元の人影が肩を震わせ、更に小さく縮こまる姿に、大将は憐みの籠った目を向けた。
「私がいつ、撤退するなどと言った?!世迷言を抜かすな!!」
「皇女!!冷静にお考え下さい。わが軍は既に、ジェルビー王太子率いるオセニア軍に、大敗を喫しているのです。全滅を免れているのは、皇女との話し合いを希望している、王太子の恩情のお陰だと、何故ご理解いただけないのか?!」
「私は負けてなど居らん!!」
「そう御考えなのは、皇女殿下のみに御座います」
「なにを言うか!」
「良いですか殿下。この戦で、投射隊はまともに仕事を熟す前に、敵の攻撃でほぼ全滅状態に陥りました。命がある者も、まともに弓を引けるものなど、残って居りません」
「アーチャーがおらずとも、騎兵も魔法騎士もは残って居るだろう」
「頭数だけ揃えれば良いと、言う物ではない事くらい、殿下もお判りでしょう。都を出立したとき5万だった兵を二手に分け、殿下に従いオセニアに進軍したものは3万でした。ですが今戦えるものは、1万ほどでしかない」
「だから何だ」
「戦の基本とは数で御座います。数の優位性が失われた今、戦線を張り続ける意味などございません」
「意味がないとは、どういう事だ?!」
「殿下!分からない振りをするのは、もうお止めください!勝ち続ける事が、優れた将の証ではない。本当に優れた将は、引き際を弁えている者の事を言うのですぞ!」
「お前は、私に逃げ帰れというのか?!」
「イングリット様!!逃げ帰るとはどういう事ですか?宜しいですか?そもそも殿下は、このオセニアとラリスへ、ラリス王国王太子だったナリウスの、負債について、話し合いに来たのでは無いのですか?」
「それがどうした?そんな面倒な事などせずとも、力ずくで制圧してしまえば、良いではないか!」
「それに失敗したからの、今でしょう!殿下は騎士達を、無駄死にさせる御積りか?!」
「無駄死にとはなんだ?!」
皇女は手にしていた乗馬用の鞭で、大将の肩をビシリと打った。
「グゥ・・・私に・・このような真似をしても無駄です。私はあなたの私兵ではない」
「生意気な・・・」
「宜しいか?この戦で散った命が、無駄死に以外の何だというのです。そもそもこの遠征は、オセニア、ラリス双方との交渉が目的で、戦端を開く必要など無かったのです。引き連れた軍勢は、交渉を有利に運ぶ圧力でしかなかった筈だ。それを、あなたは功を焦り、皇帝陛下の許しも無く、戦端を開いた挙句大敗を喫した。これでまともな交渉もせず、無謀な戦いを仕掛け、兵を損なった時、皇帝陛下へどう釈明する御積りか?!」
「勝てばよかろう!」
「殿下は、現実が見えて居られない。どうやって勝つ御積りです?」
「なにを・・・」
「先の戦いで大敗を喫し、自軍の兵力は半分以下に激減いたしております。また戦える者達の士気は低い。糧食は足りず、騎士達は皆飢えているのです。翻ってオセニア軍はほぼ無傷。糧食も潤沢で、飢えた様子など微塵も感じられない。そんな状態で戦って、勝てる訳がないでしょう?」
「なにを温い事を!」
「殿下!騎士も人間です。昨今のからくり人形でさえ、魔力を与えなければ動かないのですぞ?人である騎士達が、糧食も無くどうやって存分に働けと?飢えに耐え切れず、脱走する者が相次いでいることを、殿下は御存じないのか?」
「だ・・・脱走?」
騎士の脱走の話しは、皇女は初耳だった。
皇女の逆鱗に触れる事を恐れ、誰も報告していなかったからだ。
「本当にご存じなかったか。殿下。脱走者が出ても尚、戦線が維持できるとお考えですか?」
「だ・・・だが私は・・・」
人生で初めて感じる屈辱に、皇女の手はわなわなと震え、両手で握り締めた乗馬鞭が、今にも折れてしまいそうだ。
「シェルビー王太子は、話し合いを希望されております。今からでも、遅くは在りません。どうか交渉の席に着いて下さい」
「しかし、私はラリスとオセニアを手に入れねばならん。そしてキャニス・ヴォロス・カラロウカが欲しい!」
「殿下・・・」
この後の及んでまだ諦めないのかと、と大将は疲れの滲んだ、深い溜息を吐いた。
「殿下こうなっては、どれも諦めるほか御座いません」
「諦める?ふざけるな!!私はドルグ帝国の皇女だ!その私に、お前はこんな小国に膝を屈し、なんの戦果も無く、黙って国に帰れというのか?!」
「その通りで御座います!この二国を手に入れたければ、これまで同様、最初から大軍を用い、侵略しなければならなかった」
「だが父上は」
「その通り!陛下はこの二国の侵略を、お許しになられなかった。その理由を皇女は御存じか?」
「い・・・いや・・・」
「理由はたった一つ。カラロウカで御座います」
「カ・・カラロウカ?たかが小国の公爵家が、何だというのだ?」
「皇女・・・貴方も武力だけが力ではないと、ご存じでしょうに」
残念を通り越し痛ましげな視線を、大将は皇女へ向けたのだった。
「私は皇女の教師では御座いません。これ以上はご自分の眼でお確かめください。しかし本日中に、オセニアとの交渉を受諾されないのであれば、私と部下は帝国へ戻らせて頂く」
「貴様!!私の命に逆らうというのか?!軍務違反だぞ!!」
「お忘れですか?私と部下は、あなたの私兵ではなく、皇帝陛下の剣なのですよ。よって、あなたに私を裁く権限は無い」
「クッ!うう・・」
「老婆心ながら、最後にご忠告申し上げる。全て諦め、王太子の出す条件をお吞みなさい。そしてキャニス・ヴォロス・カラロウカの事は忘れるのです」
「嫌だと言ったら?」
「別に構いませんよ。私は都へ帰るだけですから」
「貴様・・・」
「皇女。あなたは触れてはならない物に手を出した。それをお忘れ召さるな」
踵を返し皇女の天幕から出た大将は、背後から聞こえる鞭の打擲音と、苦鳴に眉を顰めた。
「誰か。皇女の気が済んだら、中の者を運び出し、生きていたら治療してやれ」
「宜しいのですか?」
「この状態の方が、おかしいのだ」
苦々し気に吐き捨てる大将に、護衛の騎士も溜息を吐いて見せた。
「・・・・承りました」
皇帝陛下の決断は正しい。
だが遅すぎだ。
もっと早く御決断下さって居たら、救えた命も多かっただろうに。
皇帝といえども、自身の娘は可愛いものなのか?こんな狂った皇女に、愛情を掛けてなんになる。
それとも陛下は、皇女を利用していただけなのだろうか。
だとすれば、似た者親子。
悪魔の子は悪魔でしかない、という事になるな。
もううんざりだ。
都へ帰ったら辞表を出し、領地に引っ込むことにしよう。この後やって来る嵐に付き合えるほど、私も若くは無いからな。
53
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています

あなたと過ごした五年間~欠陥オメガと強すぎるアルファが出会ったら~
華抹茶
BL
子供の時の流行り病の高熱でオメガ性を失ったエリオット。だがその時に前世の記憶が蘇り、自分が異性愛者だったことを思い出す。オメガ性を失ったことを喜び、ベータとして生きていくことに。
もうすぐ学園を卒業するという時に、とある公爵家の嫡男の家庭教師を探しているという話を耳にする。その仕事が出来たらいいと面接に行くと、とんでもなく美しいアルファの子供がいた。
だがそのアルファの子供は、質素な別館で一人でひっそりと生活する孤独なアルファだった。その理由がこの子供のアルファ性が強すぎて誰も近寄れないからというのだ。
だがエリオットだけはそのフェロモンの影響を受けなかった。家庭教師の仕事も決まり、アルファの子供と接するうちに心に抱えた傷を知る。
子供はエリオットに心を開き、懐き、甘えてくれるようになった。だが子供が成長するにつれ少しずつ二人の関係に変化が訪れる。
アルファ性が強すぎて愛情を与えられなかった孤独なアルファ×オメガ性を失いベータと偽っていた欠陥オメガ
●オメガバースの話になります。かなり独自の設定を盛り込んでいます。
●最終話まで執筆済み(全47話)。完結保障。毎日更新。
●Rシーンには※つけてます。
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる