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96話
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「皇女はまだ、第二皇子の動きも、ルセ王家の終焉にも、気付いて居なさそうだな」
「ルセ家については、父と兄が政務を引き継いでおりますが、状況的には私が居た頃と変わりません。対外的にはルセとカラロウカが和解した、と装っていますので、帝国の密偵が違和感を感じたとしても、和解の詳細についてまでは、把握できないと思います」
「帝国の密偵が、間抜けだとは思えんが」
「お父様なら、密偵が信じそうな証拠を、適当に用意しているのではないでしょうか?」
「公爵とトバイアスならやりそうだな」
納得した素振りを見せたシェルビーは、お茶のカップに口を付け、微妙な顔になった。
「冷めてしまいましたね」
と冷めてしまった緑茶をキャニスが入れ替えると、それを口に含んだシェルビーは相好を崩した。
「うん。キャニスの淹れた茶が一番美味い」
この人は、こんな何でもない事でも、僕を褒めてくれるんだな。
なんか、変な気分だ。
「廃嫡の動きについては、どこまで皇女に気付かせずに済むか、第二皇子とペンドルトン侯爵の腕次第だろう?それで侯爵は何と言って来ている?」
「はい?」
惚けて見せても、丸分かりだぞ?
「キャニスの耳の早い知り合いは、侯爵か伯爵達の誰かだろ?」
「何故彼等が、そんな機密を私に知らせて来るのです?」
「侯爵達には貸しがあるって言ってたし。この前、彼等に送った贈り物の箱。あれの中身が証拠だったのじゃないのか?」
どうだと胸を張るシェルビーに、キャニスは、残念な子供を見る様な目を向けて来た。
「殿下。私に知らせてくれたのは、全くの別人です。仮に私がその証拠の品を彼等に贈ったとして、あの様に目立つ贈り方をしたら、バレバレじゃないですか。私はそこまで馬鹿ではありませんよ?」
「じゃあ。箱の中身は何だったんだ?」
「侯爵へ送った箱の中身は、デュキオス叙事詩の初版本と、奥様へセイレーンの涙という宝石を贈ったのです」
「セイレーンの涙?」
昨年帝国のオークションで、35億で競り落とされて、史上最高値だと話題になった宝石?
「キャニスが、競り落としてたのか」
「お母様の誕生日プレゼントに、と考えていたのですが、また別の物を用意しないと。何か良いものを、ご存じありませんか?」
切なそうに溜息を吐くキャニスに、シェルビーは混乱した様子だ。
「キャニスが、帝国を手玉に取ったと思ったのに」
「手玉って。私は悪の親玉か何かですか?」
「いや!そういう意味じゃなくて!でも。それなら本当に偶然?」
「不運と言うものは、一度流れが出来ると、立て続けに起きるものです」
シェルビー殿下は陰謀めいた事にも、意外に敏感なんだな。
まぁ、王太子としては、当然か。
今ので、誤魔化せたかな?
・・・・あれ?
何故、悲しそうに僕を見てるの?
「すまん。昔を思い出させるような事を、言わせてしまった」
「殿下が謝る事では無いでしょう?」
「そうなんだが・・・」
「それに」
「それに?」
言い淀む言葉の先を、シェルビーは静かに促した。
「なんでも思い通りに行き過ぎて、怖いくらいです」
「思い通りなら、良い事じゃないか」
「これまでの私の経験からは、在り得ない事なのです。殿下は振り子の原理、と言う物をご存じですか?」
「振り子って、ゆらゆら揺れるあれか?」
「それです。振り子は振れ幅が広いほど、戻り方も大きくなります。あまりにも思い通りになり過ぎて、振り子が戻る時、私に何が起きるのか。それが恐ろしいのです」
俯いてしまった顔は白く、強張っているように見えた。
愛しい人が傷つけられた日々を思い返したシェルビーは、立ち上がりキャニスを横抱きに抱き上げ、カウチに連れて行き、膝の上に座らせた。
「殿下。放して下さい」
「なぁ、俺の話しを聞いてくれないか?」
「話なら、向こうのテーブルでも出来ます」
「そんな悲しい顔をしている内は駄目だ。いいかキャニス、よく聞いて」
「な・・・んでしょうか」
そんなに警戒するなよ。
ベットには、連れて行かなかっただろ?
「今の振り子の話しなんだけどな?」
「はい?」
「振れ幅が大きいほど、戻りが大きくなるんだよな?」
頷いた白金の髪を、剣を握る大きくて無骨な手が撫でた。
「だったら今世では、これまでの10回の人生分の幸運が、戻って来ているんじゃないか?」
「10回分?」
「そう。過去に辛い事が沢山あって、それが前回で振れの頂点だったと考えれば、今世のこれまでは戻って来る途中で、こっから先は良い事が沢山あるのかも知れんぞ?」
「そんな事は」
「なくは無いだろう?振り子は戻るものだぞ?」
「そうなのでしょうか、でも」
「でも、は無しだ。人は生きていれば、良い事も悪い事も起こるものだし、キャニス程ではないけど、俺にだって、嫌な事や辛い事はあった。だから、この先何も起こらない。とは断言できないが、今の君は一人ではない。君の家族、俺の家族。君のおっかない使用人達も、みんな君の幸せを願っているじゃないか。だから、もし君に何か困ったことが起きても、みんなが君を助けてくれる。過去の様に、君を見捨てる奴なんて一人もいない」
「・・・・殿下」
「なにより、俺が居るだろう?信じてくれないかもしれないけど、俺はキャニスの傍を離れないし、裏切ったりしない。何があってもキャスを助けると誓うよ」
「でん・・・シエル?」
「やっと名で呼んでくれたな?」
「あ・・・これは・・・」
ニカリと笑ったシェルビーは、キャニスの額に唇を押し付けた。
「嬉しいよ。なあキャス。これからも君は思うままの事をすればいい。俺の手が必要な時は、いつどんな時だって、俺は君を助ける。だから変に気を使ったり、心配はするな」
この人を、信用しても良いのだろうか。
殿下がいう事は、僕にとって幻想でしかないのに。
信用したい、と思ってしまう。
何度も騙されて来たのに・・・。
だけど・・・・。
この人の腕の中は本当に暖かくて・・・。
最初の人生から200有余年。
久し振りに味わう安心感にキャニスは戸惑いながらも、自分を抱き寄せる広くがっしりした肩に、頭を預けた。
こういうのって、本当に久しぶりだ。
胸の中に暖かいものを感じ、閉じようとした瞼が、パチリと見開かれた。
お尻の下、ゴリっとしたものが・・・。
こ・・・この感触は。
「殿下。今直ぐ手を放して」
「え?あっ?!いや、あの。これは!」
「早く放しなさい!」
自分にまかれた腕から逃れたキャニスは、仁王立ちで腰に手を当て、ばつが悪そうに眼を逸らすシェルビーを見下ろした。
「信じられない」
「キャスだって男なんだから、分かるだろ?」
「分かりません」
「そんなぁ」
「殿下、お帰りは彼方です」
天幕の出口を指差され、シェルビーはトボトボと出口に向かい、上目遣いで振り向いた。
「なあ、キャス謝るからさ」
「折角の良いお話が台無しです。今夜のお食事は、お一人でなさって下さい」
「え?嘘だろ?」
「嘘じゃありません。一晩しっかり反省して下さい」
天幕から押し出されたシェルビーの鼻先で、ばさりと垂れ布が閉められた。
「はあ~~~」
「殿下?」
「ジーン。お前の主は可愛すぎると思うのだが」
「この地上で、坊ちゃん以上の方はいらっしゃいません」
「だよな・・・キャニスが可愛いから悪いんだ」
ブツブツとした呟きを、垂れ布の後ろで聞いていたキャニスは、クツクツと忍び笑いを零していた。
本当に変な人。
キャニスが今世に生まれ変わり、物心がついてから、初めての笑いだった。
「ルセ家については、父と兄が政務を引き継いでおりますが、状況的には私が居た頃と変わりません。対外的にはルセとカラロウカが和解した、と装っていますので、帝国の密偵が違和感を感じたとしても、和解の詳細についてまでは、把握できないと思います」
「帝国の密偵が、間抜けだとは思えんが」
「お父様なら、密偵が信じそうな証拠を、適当に用意しているのではないでしょうか?」
「公爵とトバイアスならやりそうだな」
納得した素振りを見せたシェルビーは、お茶のカップに口を付け、微妙な顔になった。
「冷めてしまいましたね」
と冷めてしまった緑茶をキャニスが入れ替えると、それを口に含んだシェルビーは相好を崩した。
「うん。キャニスの淹れた茶が一番美味い」
この人は、こんな何でもない事でも、僕を褒めてくれるんだな。
なんか、変な気分だ。
「廃嫡の動きについては、どこまで皇女に気付かせずに済むか、第二皇子とペンドルトン侯爵の腕次第だろう?それで侯爵は何と言って来ている?」
「はい?」
惚けて見せても、丸分かりだぞ?
「キャニスの耳の早い知り合いは、侯爵か伯爵達の誰かだろ?」
「何故彼等が、そんな機密を私に知らせて来るのです?」
「侯爵達には貸しがあるって言ってたし。この前、彼等に送った贈り物の箱。あれの中身が証拠だったのじゃないのか?」
どうだと胸を張るシェルビーに、キャニスは、残念な子供を見る様な目を向けて来た。
「殿下。私に知らせてくれたのは、全くの別人です。仮に私がその証拠の品を彼等に贈ったとして、あの様に目立つ贈り方をしたら、バレバレじゃないですか。私はそこまで馬鹿ではありませんよ?」
「じゃあ。箱の中身は何だったんだ?」
「侯爵へ送った箱の中身は、デュキオス叙事詩の初版本と、奥様へセイレーンの涙という宝石を贈ったのです」
「セイレーンの涙?」
昨年帝国のオークションで、35億で競り落とされて、史上最高値だと話題になった宝石?
「キャニスが、競り落としてたのか」
「お母様の誕生日プレゼントに、と考えていたのですが、また別の物を用意しないと。何か良いものを、ご存じありませんか?」
切なそうに溜息を吐くキャニスに、シェルビーは混乱した様子だ。
「キャニスが、帝国を手玉に取ったと思ったのに」
「手玉って。私は悪の親玉か何かですか?」
「いや!そういう意味じゃなくて!でも。それなら本当に偶然?」
「不運と言うものは、一度流れが出来ると、立て続けに起きるものです」
シェルビー殿下は陰謀めいた事にも、意外に敏感なんだな。
まぁ、王太子としては、当然か。
今ので、誤魔化せたかな?
・・・・あれ?
何故、悲しそうに僕を見てるの?
「すまん。昔を思い出させるような事を、言わせてしまった」
「殿下が謝る事では無いでしょう?」
「そうなんだが・・・」
「それに」
「それに?」
言い淀む言葉の先を、シェルビーは静かに促した。
「なんでも思い通りに行き過ぎて、怖いくらいです」
「思い通りなら、良い事じゃないか」
「これまでの私の経験からは、在り得ない事なのです。殿下は振り子の原理、と言う物をご存じですか?」
「振り子って、ゆらゆら揺れるあれか?」
「それです。振り子は振れ幅が広いほど、戻り方も大きくなります。あまりにも思い通りになり過ぎて、振り子が戻る時、私に何が起きるのか。それが恐ろしいのです」
俯いてしまった顔は白く、強張っているように見えた。
愛しい人が傷つけられた日々を思い返したシェルビーは、立ち上がりキャニスを横抱きに抱き上げ、カウチに連れて行き、膝の上に座らせた。
「殿下。放して下さい」
「なぁ、俺の話しを聞いてくれないか?」
「話なら、向こうのテーブルでも出来ます」
「そんな悲しい顔をしている内は駄目だ。いいかキャニス、よく聞いて」
「な・・・んでしょうか」
そんなに警戒するなよ。
ベットには、連れて行かなかっただろ?
「今の振り子の話しなんだけどな?」
「はい?」
「振れ幅が大きいほど、戻りが大きくなるんだよな?」
頷いた白金の髪を、剣を握る大きくて無骨な手が撫でた。
「だったら今世では、これまでの10回の人生分の幸運が、戻って来ているんじゃないか?」
「10回分?」
「そう。過去に辛い事が沢山あって、それが前回で振れの頂点だったと考えれば、今世のこれまでは戻って来る途中で、こっから先は良い事が沢山あるのかも知れんぞ?」
「そんな事は」
「なくは無いだろう?振り子は戻るものだぞ?」
「そうなのでしょうか、でも」
「でも、は無しだ。人は生きていれば、良い事も悪い事も起こるものだし、キャニス程ではないけど、俺にだって、嫌な事や辛い事はあった。だから、この先何も起こらない。とは断言できないが、今の君は一人ではない。君の家族、俺の家族。君のおっかない使用人達も、みんな君の幸せを願っているじゃないか。だから、もし君に何か困ったことが起きても、みんなが君を助けてくれる。過去の様に、君を見捨てる奴なんて一人もいない」
「・・・・殿下」
「なにより、俺が居るだろう?信じてくれないかもしれないけど、俺はキャニスの傍を離れないし、裏切ったりしない。何があってもキャスを助けると誓うよ」
「でん・・・シエル?」
「やっと名で呼んでくれたな?」
「あ・・・これは・・・」
ニカリと笑ったシェルビーは、キャニスの額に唇を押し付けた。
「嬉しいよ。なあキャス。これからも君は思うままの事をすればいい。俺の手が必要な時は、いつどんな時だって、俺は君を助ける。だから変に気を使ったり、心配はするな」
この人を、信用しても良いのだろうか。
殿下がいう事は、僕にとって幻想でしかないのに。
信用したい、と思ってしまう。
何度も騙されて来たのに・・・。
だけど・・・・。
この人の腕の中は本当に暖かくて・・・。
最初の人生から200有余年。
久し振りに味わう安心感にキャニスは戸惑いながらも、自分を抱き寄せる広くがっしりした肩に、頭を預けた。
こういうのって、本当に久しぶりだ。
胸の中に暖かいものを感じ、閉じようとした瞼が、パチリと見開かれた。
お尻の下、ゴリっとしたものが・・・。
こ・・・この感触は。
「殿下。今直ぐ手を放して」
「え?あっ?!いや、あの。これは!」
「早く放しなさい!」
自分にまかれた腕から逃れたキャニスは、仁王立ちで腰に手を当て、ばつが悪そうに眼を逸らすシェルビーを見下ろした。
「信じられない」
「キャスだって男なんだから、分かるだろ?」
「分かりません」
「そんなぁ」
「殿下、お帰りは彼方です」
天幕の出口を指差され、シェルビーはトボトボと出口に向かい、上目遣いで振り向いた。
「なあ、キャス謝るからさ」
「折角の良いお話が台無しです。今夜のお食事は、お一人でなさって下さい」
「え?嘘だろ?」
「嘘じゃありません。一晩しっかり反省して下さい」
天幕から押し出されたシェルビーの鼻先で、ばさりと垂れ布が閉められた。
「はあ~~~」
「殿下?」
「ジーン。お前の主は可愛すぎると思うのだが」
「この地上で、坊ちゃん以上の方はいらっしゃいません」
「だよな・・・キャニスが可愛いから悪いんだ」
ブツブツとした呟きを、垂れ布の後ろで聞いていたキャニスは、クツクツと忍び笑いを零していた。
本当に変な人。
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