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79話
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ライアンの移植の施術は順調に進んでいる。
永く離れで療養生活を送っていた弟は、後宮に帰る事も出来た。
それにより、ちょっとした時間を見つけては、弟の様子を見に行けるようにもなった。
何もかもが、とんとん拍子で良い方向へ向かっているようにも思える日々の中で、シェルビーはここ数日不満を抱え、悶々とした時間を過ごしている。
その原因は、ライアンだった。
これはライアンがシェルビーに冷たくなったとか、体調が回復に向かっている彼が、急に我儘になった等々、病身の弟自身が原因の不満ではない。
ライアンはこれまで通り、素直で優しい子供だし、日に日に明るくなって行く表情を見るのは、泣けてくるほど嬉しいものだ。
だがその可愛い弟が、兄の最愛の人を独占してしまっている。
ライアンが移植の施術に堪えられるだけの体力を取り戻したのは、確実にキャニスが創った魔道具の効果が有ったからで。
移植に適合する相手を見つけたのもキャニスだ。
ライアン自身には移植の事実を知らせてはいないが、弟がキャニスに心酔する気持ちは理解できる。
キャニスはこれまでの経験から、人の身としては信じられないくらい博識で、職人として芸術家として、商売人としても為政者としても、実力と素晴らしいセンスを持ち合わせた稀有な人だ。
そして天才にありがちな、たまに抜けた事をする所が、なんとも可愛らしいと言う。天使で妖精なキャニスは、小悪魔の様な魅力を発揮しているのだ。
そして誰よりも美しく、弱者に対して寛大で慈悲深い。
そんなキャニスを慕うな、という方が無理がある。ライアンがキャニスに夢中になるのは当然だ。
キャニスもライアンを、実の弟の様に可愛がってくれている。
それはとても有難い事だし、微笑ましい事だ。
それは分かっている。
居るけれども。
俺よりも、ライアンと過ごす時間が長い、と云うのはどういう事だ?
キャニスは毎日ライアンの元を訪れ、無聊を託つ弟の為に、面白い話を聞かせたり、興味を持った事への質問に答えたり、これまで遅れがちだった勉強を見てやる事も有る。
それに、帝国の皇女との一件をライアンの耳に入れたとして、侍女数人と教育が不十分だと侍女長までが、キャニスの意を受けた母上によって、処罰が加えられた。
おまけに、ライアン付きの侍女と侍従を、自分の使用人で固めてしまうとは、トバイアス並みの過保護さに一瞬呆れて、その後は思わず笑ってしまった。
だがカラロウカと言うか、キャニスの使用人の忠誠心の厚さを知っているだけに、この微妙な時期では、最適な判断と言えるかもしれない。
キャニスがライアンを大事にしてくれるのは、とても嬉しいし有難い。
でもなぁ・・・。
俺は朝とか夜に、キャニスの顔をちょっとしか見られないんだぞ?
それなのに・・・。
昨日も一昨日も忙しいからと言って、部屋を訪ねる事を断られてしまった。
なんでだ?
ライアンとはあんなに仲良くしているのに、俺には相変わらずの塩対応だし。
会ってもくれないなんて。
これはあれか?
あの夜ちょっと遣り過ぎたのが、いけなかったのか?
でも、契約違反はしてない。
最後まで行ってしまいたかったのを、必死で我慢したんだからな?
蛇の生殺しとはこういう事かと、身をもって体験したのに・・・。
大体なんだよ。
あんなに頬を上気させて、ウルウルの瞳で見つめられて・・・。
あの可愛さと、色っぽさは反則だろ!
お陰で、あの夜はおかずに困らなかったけど・・・って、違う、違う!
何を考えてるんだ俺は!
これはキャニスに会いたすぎて、頭がおかしくなったんだ。
うん。きっとそうだ。
そうに違いない。
「あんな怖い顔をされて、殿下はどうしたんだ?」
「第一皇女が動き出したから、その所為だろ?」
「そうだよなあ。殿下もご心配だろうなぁ」
「相手が評判の悪い皇女だもんな」
「第一皇女の噂は色々聞くが、何処まで本当なんだろうな」
「さあ・・でも噂は悪く伝わるものだろ?あってみたら、案外普通の人だったりしてな」
それもそうだ。と頷き合う二人の肩に、背後からズシリと重い腕が乗せられた。
「甘い」
「え?」
「副団長?」
「甘いって、どういうことですか?」
首を傾げる二人を逃がさないと言わんばかりに、その肩をサイラスはガシッと掴んだ。
「皇女の事だ」
「それって・・・まさか」
「人はな、自分の想像が追いつかない事は口に出来んものだ。皇女の趣味は噂の上を行くって話だよ」
「マジっすか!」
「おう。マジも大マジ。でなければ殿下が、あんなおっかない顔する訳無いだろ」
「あ~~なんか納得だぁ」
「殿下は、キャニス様にメロメロですもんね。そりゃぁ心配にもなりますよね」
・・・・まったく。
あいつ等、好き勝手な事言いやがって。
事実だけになんとも言えん。
「サイラス。余計な事言ってないで、報告があるなら早くしろ」
「はいはい」
書類を抱えた部下2人の背中を、バンバンと叩いて解放したサイラスは、緩んでいた表情を引き締め直した。
「団長からです。皇女の軍勢は約5万。その内2万がラリスへ向かいました」
「残り3万は、今どこだ?」
「ギャリコ運河で、足止めされているようです」
「あの運河は・・・今の時期、渇水期に入るのじゃないか?足止めの原因はなんだ?」
「橋の崩落です」
「え?はあ?」
シェルビーの反応に満足したのか、サイラスはニヤニヤ笑っている。
「だから。橋が落ちたの」
「崩落の意味くらい知ってるよ!何故落ちたのか?!」
「あ~。そっちですか」
他に何がある?
コイツ絶対わざとだろ。
「これが謎らしくてですね」
「謎?原因は分かってないのか?」
「今の所は。それまでなんともなかった橋脚が、皇女の軍が渡り始めた途端、ぼっきり折れたらしいので」
「経年劣化か?」
「あの橋は5年前に架け替えたばかりです。設計ミスの方がありそうです」
「ふ~ん。皇女の軍への被害は?」
「それがなんと、三千に登るようです」
「三千?!」
道理でサイラスがニヤついている訳だ。
何の苦労も無く、三千もの敵の戦力を削れたのだからな。
サイラスの説明によると、ギャリコ運河は渇水期の為、大型船での渡しが出来ず、皇女の軍は仕方なく橋を渡り始めた。
石橋の耐久度は、帝国軍が走破しても問題ないとの触れ込みだったが、最初の兵が橋を渡りを終えようとした時、中ほどの橋脚が折れ、帝国の威信を示す石橋はあえなく崩壊。
対岸に駆け抜けられた者は助かったが、駆け抜ける事も、後続が邪魔で引き返す事も出来なかった兵たちは、崩壊する橋の残骸と共に運河へ沈んでしまったのだという。
「皇女は?」
「残念ながら無事です」
「無駄に強運だな」
「左様ですな。真っ先に沈んでくれたら、軍も引き返したでしょうし、楽だったのですがね」
「贅沢は言えんだろ。それに犠牲になった兵に、恨みがある訳でも無い。オレ達には幸運でも彼方には不運だ。あまり不謹慎な事を言うと、幸運が逃げるかもしれないぞ?」
「殿下は、そんなに信心深いお方でしたか?」
「別に信心深くはないが、ライアンの事も有って、最近はなんとなく、天の采配めいたものを感じているんだよ」
「確かに、ライアン殿下の事は幸運でしたからね。そう思うと、キャニス様がこちらに見えてから、皇女の事を除くとオセニアには、幸運続きのような気がします」
「キャニスは俺の幸運の天使で、幸せを呼ぶ妖精だと、前から言ってるだろう」
「恋の病で、妄想が膨らんでいるのかと思ってましたが、強ち間違いでも無い気がしてきました」
「一言多い!」
真面目な顔で言う事か?
自分だって上手くいってないくせに!
永く離れで療養生活を送っていた弟は、後宮に帰る事も出来た。
それにより、ちょっとした時間を見つけては、弟の様子を見に行けるようにもなった。
何もかもが、とんとん拍子で良い方向へ向かっているようにも思える日々の中で、シェルビーはここ数日不満を抱え、悶々とした時間を過ごしている。
その原因は、ライアンだった。
これはライアンがシェルビーに冷たくなったとか、体調が回復に向かっている彼が、急に我儘になった等々、病身の弟自身が原因の不満ではない。
ライアンはこれまで通り、素直で優しい子供だし、日に日に明るくなって行く表情を見るのは、泣けてくるほど嬉しいものだ。
だがその可愛い弟が、兄の最愛の人を独占してしまっている。
ライアンが移植の施術に堪えられるだけの体力を取り戻したのは、確実にキャニスが創った魔道具の効果が有ったからで。
移植に適合する相手を見つけたのもキャニスだ。
ライアン自身には移植の事実を知らせてはいないが、弟がキャニスに心酔する気持ちは理解できる。
キャニスはこれまでの経験から、人の身としては信じられないくらい博識で、職人として芸術家として、商売人としても為政者としても、実力と素晴らしいセンスを持ち合わせた稀有な人だ。
そして天才にありがちな、たまに抜けた事をする所が、なんとも可愛らしいと言う。天使で妖精なキャニスは、小悪魔の様な魅力を発揮しているのだ。
そして誰よりも美しく、弱者に対して寛大で慈悲深い。
そんなキャニスを慕うな、という方が無理がある。ライアンがキャニスに夢中になるのは当然だ。
キャニスもライアンを、実の弟の様に可愛がってくれている。
それはとても有難い事だし、微笑ましい事だ。
それは分かっている。
居るけれども。
俺よりも、ライアンと過ごす時間が長い、と云うのはどういう事だ?
キャニスは毎日ライアンの元を訪れ、無聊を託つ弟の為に、面白い話を聞かせたり、興味を持った事への質問に答えたり、これまで遅れがちだった勉強を見てやる事も有る。
それに、帝国の皇女との一件をライアンの耳に入れたとして、侍女数人と教育が不十分だと侍女長までが、キャニスの意を受けた母上によって、処罰が加えられた。
おまけに、ライアン付きの侍女と侍従を、自分の使用人で固めてしまうとは、トバイアス並みの過保護さに一瞬呆れて、その後は思わず笑ってしまった。
だがカラロウカと言うか、キャニスの使用人の忠誠心の厚さを知っているだけに、この微妙な時期では、最適な判断と言えるかもしれない。
キャニスがライアンを大事にしてくれるのは、とても嬉しいし有難い。
でもなぁ・・・。
俺は朝とか夜に、キャニスの顔をちょっとしか見られないんだぞ?
それなのに・・・。
昨日も一昨日も忙しいからと言って、部屋を訪ねる事を断られてしまった。
なんでだ?
ライアンとはあんなに仲良くしているのに、俺には相変わらずの塩対応だし。
会ってもくれないなんて。
これはあれか?
あの夜ちょっと遣り過ぎたのが、いけなかったのか?
でも、契約違反はしてない。
最後まで行ってしまいたかったのを、必死で我慢したんだからな?
蛇の生殺しとはこういう事かと、身をもって体験したのに・・・。
大体なんだよ。
あんなに頬を上気させて、ウルウルの瞳で見つめられて・・・。
あの可愛さと、色っぽさは反則だろ!
お陰で、あの夜はおかずに困らなかったけど・・・って、違う、違う!
何を考えてるんだ俺は!
これはキャニスに会いたすぎて、頭がおかしくなったんだ。
うん。きっとそうだ。
そうに違いない。
「あんな怖い顔をされて、殿下はどうしたんだ?」
「第一皇女が動き出したから、その所為だろ?」
「そうだよなあ。殿下もご心配だろうなぁ」
「相手が評判の悪い皇女だもんな」
「第一皇女の噂は色々聞くが、何処まで本当なんだろうな」
「さあ・・でも噂は悪く伝わるものだろ?あってみたら、案外普通の人だったりしてな」
それもそうだ。と頷き合う二人の肩に、背後からズシリと重い腕が乗せられた。
「甘い」
「え?」
「副団長?」
「甘いって、どういうことですか?」
首を傾げる二人を逃がさないと言わんばかりに、その肩をサイラスはガシッと掴んだ。
「皇女の事だ」
「それって・・・まさか」
「人はな、自分の想像が追いつかない事は口に出来んものだ。皇女の趣味は噂の上を行くって話だよ」
「マジっすか!」
「おう。マジも大マジ。でなければ殿下が、あんなおっかない顔する訳無いだろ」
「あ~~なんか納得だぁ」
「殿下は、キャニス様にメロメロですもんね。そりゃぁ心配にもなりますよね」
・・・・まったく。
あいつ等、好き勝手な事言いやがって。
事実だけになんとも言えん。
「サイラス。余計な事言ってないで、報告があるなら早くしろ」
「はいはい」
書類を抱えた部下2人の背中を、バンバンと叩いて解放したサイラスは、緩んでいた表情を引き締め直した。
「団長からです。皇女の軍勢は約5万。その内2万がラリスへ向かいました」
「残り3万は、今どこだ?」
「ギャリコ運河で、足止めされているようです」
「あの運河は・・・今の時期、渇水期に入るのじゃないか?足止めの原因はなんだ?」
「橋の崩落です」
「え?はあ?」
シェルビーの反応に満足したのか、サイラスはニヤニヤ笑っている。
「だから。橋が落ちたの」
「崩落の意味くらい知ってるよ!何故落ちたのか?!」
「あ~。そっちですか」
他に何がある?
コイツ絶対わざとだろ。
「これが謎らしくてですね」
「謎?原因は分かってないのか?」
「今の所は。それまでなんともなかった橋脚が、皇女の軍が渡り始めた途端、ぼっきり折れたらしいので」
「経年劣化か?」
「あの橋は5年前に架け替えたばかりです。設計ミスの方がありそうです」
「ふ~ん。皇女の軍への被害は?」
「それがなんと、三千に登るようです」
「三千?!」
道理でサイラスがニヤついている訳だ。
何の苦労も無く、三千もの敵の戦力を削れたのだからな。
サイラスの説明によると、ギャリコ運河は渇水期の為、大型船での渡しが出来ず、皇女の軍は仕方なく橋を渡り始めた。
石橋の耐久度は、帝国軍が走破しても問題ないとの触れ込みだったが、最初の兵が橋を渡りを終えようとした時、中ほどの橋脚が折れ、帝国の威信を示す石橋はあえなく崩壊。
対岸に駆け抜けられた者は助かったが、駆け抜ける事も、後続が邪魔で引き返す事も出来なかった兵たちは、崩壊する橋の残骸と共に運河へ沈んでしまったのだという。
「皇女は?」
「残念ながら無事です」
「無駄に強運だな」
「左様ですな。真っ先に沈んでくれたら、軍も引き返したでしょうし、楽だったのですがね」
「贅沢は言えんだろ。それに犠牲になった兵に、恨みがある訳でも無い。オレ達には幸運でも彼方には不運だ。あまり不謹慎な事を言うと、幸運が逃げるかもしれないぞ?」
「殿下は、そんなに信心深いお方でしたか?」
「別に信心深くはないが、ライアンの事も有って、最近はなんとなく、天の采配めいたものを感じているんだよ」
「確かに、ライアン殿下の事は幸運でしたからね。そう思うと、キャニス様がこちらに見えてから、皇女の事を除くとオセニアには、幸運続きのような気がします」
「キャニスは俺の幸運の天使で、幸せを呼ぶ妖精だと、前から言ってるだろう」
「恋の病で、妄想が膨らんでいるのかと思ってましたが、強ち間違いでも無い気がしてきました」
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