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51話
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「坊ちゃん・・・そこ・・すごくいい」
「ここが良いの?」
「あっ耳はダメ!」
「ふふ。ベラは耳が弱いんだ」
「ふあ~すごく気持ちいい・・・」
昼下がりのキャニス邸。
庭園の一角の木影から、何やら怪しげな声が聞こえて来る。
そんなまさか?
キャニスとベラが・・・。
いや。
キャニスだって若く健康な男だ。
侍女相手にそう言うことが、あってもおかしくは無い。
おかしくは無いが・・・。
「・・・・何やってんだ?」
「あっ殿下。殿下もどうですか?」
「どうですって、何してんだよ」
「何って、シャンプーですが」
「シャンプー?」
キャニスの前へ回り込むと、デッキチェアーに寝そべった,ベラの頭は泡まみれだった。
「洗髪してたのか。キャニスがベラの?」
「はい。今度売り出し予定のシャンプーという洗髪剤なのですが、販売ターゲットが女性なので、髪質の事も有りますし、ベラで試させてもらっています」
「風呂場でやった方が良くないか?」
するとキャニスは、シェルビーに軽蔑の眼差しをむけて来た。
「殿下。ベラは年頃の娘ですよ。私と風呂場なんかに二人で居たら、あらぬ噂を立てられるかも知れません。それでベラが嫁げなくなったら、どうするつもりですか」
「あ~そうだな。うん、今のは俺が悪かった」
屋外でも、充分怪しい会話だったけどな。
「さぁベラ、痒いところとか、変な感じのする所は無い?」
「全然有りません。これ凄く気持ちいいし、良い匂いがして、なんか眠くなって来ちゃいました」
「そう?じゃあ流すから、じっとしててね」
そう言うと、キャニスは指先から湯を出して、ベラの泡だらけの頭を洗い流して行った。
「キャニスは、直接湯が出せるのか?」
「ええ。水と火の応用です」
「キャニスは器用なんだな」
「そうですか?うちではみんな出来ますけど」
「みんな?みんなとは、使用人もか?」
「はい、我家では標準装備ですね」
なんだよそれ。
魔法の二重掛けの応用が、標準装備?
まさに、恐るべしカラロウカだな。
「さぁ、終わったよ。よく水気を拭き取ってから、髪を梳かして。乾いたら質感の感想を聞かせてね」
「はい。坊ちゃん。ありがとうござます」
「あと残ったシャンプーは、待って行って。1週間くらい使ったら,また感想を聞かせて」
「はい! ねぇねぇサイラスさん!すごく良い匂いがしませんか?」
「うん?どれどれ。お~凄いな。これはラベンダーの香りか?」
「当り!! サイラスさんは女の人にお花を贈る事も多いから、詳しいですね!」
「え?・・あぁうん。そうだな・・・ほら早く乾かさないと風邪を引くぞ」
「は~い!!じゃあ坊っちゃん、後で感想を纏めてきますね」
ウキウキで去って行くベラと、何故か面白くなさそうなサイラス。
「いやいや、これはこれは」
「なんですか?」
「いやぁ~別に~?キャピレット卿も色々大変だな~と思ってな?」
「余計なお世話ですよ」
ニヤニヤするシェルビーに、サイラスは不機嫌な顔を見せた。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
「殿下もどうですか?一応販売ターゲットは女性ですが、男性の意見も聞いてみたいので」
「そうか?じゃあ俺もお願いしようかな」
キャニスに頭を触ってもらえるチャンスだ。とシェルビーはいそいそとデッキチェアーに背中を預け。
その数分後には、夢見心地でうっとりしていた。
「どうです?痒い処とかありますか?」
「う~~これ気持ちいいなあ。キャニスは洗髪するのが上手いなあ」
「美容師をやって居た事が有りますから」
「びようし?」
「え~何と言えばいいのでしょうか。ここではそういう職業が無いのですが、髪を整えたりお化粧をしてあげたり、強いて言えば侍女の中の美容専門職みたいな感じです」
「あ~だからアマテラスは化粧品やドレスを扱っているのか」
「まあ、そういう事です」
「凄いなあ。キャニスは色んな経験を積んでいるんだなあ。うん、天才って言われる訳だよなあ」
まあ、その時付き合っていた店のオーナーに、保険金目当てに殺されちゃったんだけどね。
折角褒めてくれてるんだから、こんな話はしない方が良いよね。
「はい。終わりです。しっかり拭いて下さいね」
「ありがとう。おお、サッパリ、スッキリしてるな。これいいな」
「そうですか?よかった・・・・キャピレット卿?」
サッパリしたと喜んでいるシェルビーだが、傍に居るサイラスは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「殿下・・・サッパリしたのは良いですが。殿下に薔薇の香りって、どうなんですかね」
「なんだよ。俺からバラの香りがしちゃいけないのか?」
「いけませんね。そういうのは妙齢な女性の香りでしょ。イメージが壊れます」
「煩いな。お前はラベンダーの方が良いんだろ?」
「あっ!!そういう事を言うんだ。へえ~~。そっちがその気なら、キャニス様に殿下の恥ずかしい話とか、色々お聞かせしてもいいんですけどね」
「お前なぁ・・・・ってキャニス?」
「そうか・・・やっぱり薔薇は駄目か・・・男性用ならムスクが定番だけど、雄ッぽ過ぎてちょっとな・・・やっぱりベルガモットとかシトラスかな。でもサンダルウッドとジャスミンも捨てがたい」
ブツブツと呟きながら考え始めたキャニスを見て、シェルビーとサイラスは顔を見合わせた。
この処の経験から、キャニスは一度思考の海に沈んでしまうと、中々戻ってこない事を、二人は理解していたからだ。
シェルビーはキャニスの手を取り、近くの椅子に座らせて、手に果汁の入ったグラスを握らせ、考え込むキャニスの前に用意されていた紙とペンを滑らせた。
虚空を見つめたまま思考を廻らせるキャニスを、シェルビーは愛おしそうに見つめているが、残念な事に当のキャニスは、それに全く気が付いて居ないのだ。
暫くして、キャニスがテーブルの上を探る様に手を這わせるのを見たシェルビーが、ペンを手に寄せてやると、キャニスはボーっとしながらそれを取り、猛然と紙に何かを書きつけて行く。
一度シェルビーとサイラスは何を書いているのか、覗いてみた事が有るのだが、難しそうな数式や、キャニスにしか分からない記号で埋め尽くされていて、二人は解読を断念したのだった。
「ふう」
「お疲れ。良い物が出来そうか?」
「・・・・そうですね。あっ申し訳ありません、またやってしまいました」
「気にするな。キャニスが楽しそうでよかったよ」
「楽しそう?私が?」
「俺にはそう見えたが?夢中になれるのは、楽しいからじゃないのか?」
「そうなんでしょうか。意識したことが無いので分かりませんでした」
「なんにせよ、楽しい事は良い事だ。だろ?」
「ええ。まあ。そうですね」
曖昧な返事をするキャニスは、楽しいと言う感情がどういう物か、よく分かっていないのかも知れない。
夫人から聞いた話だけでも、キャニスが送って来た人生の数々は、過酷で悲惨なものばかりで、俺ならきっと堪えられなかったと思う。
キャニスは本当に強い人だ。
そして優しい。
俺なら、二度目の人生を歩み始めたら、何は無くともナリウスに復讐しただろう。
今だってそうだ、キャニスにばれない様にラリスへ行き、奴を攫い、キャニスと同じかそれ以上の苦しみを味わわせて、殺してやりたい。
だがキャニスは自分が逃げる事は考えていたが、ナリウスに復讐しようなんて、これっぽちも考えていなかった。これには夫人も同じように戸惑っていたな。
「私の息子なのに、あの子はとっても優しい子なんですの。本当に天使のような子だと思いませんこと?」だってさ。
夫人は自分の性格が苛烈だって、分かってるんだな。
でもキャニスを見て居て思うんだ。
復讐なんて考えて、あいつと同じ所に、キャニスが落ちなくて良かったって。
「キャニス!! キャニス!! どこに居るの?!」
「夫人?」
いつになく取り乱した様子の、夫人の声に3人は戸惑い、視線を交わし合った。
「お母様!ここです!」
キャニスは小走りで夫人を迎えに行き、息を切らせる母親を優しく椅子まで案内した。
椅子に腰を下ろした夫人に、シェルビーは果汁を注いだグラスを差し出し、グラスを受け取った夫人は、マナーを無視して一気飲みすると、ダンッ!とグラスをテーブルに戻した。
「お母様・何が有ったのです?」
「・・・・キャニス」
地獄の底から響いてくるような低音だった。
「は・・・はい?」
「キャニス。今直ぐ逃げるわよ!!」
夫人の不穏な宣言に、3人は再び顔を見合わせたのだった。
「ここが良いの?」
「あっ耳はダメ!」
「ふふ。ベラは耳が弱いんだ」
「ふあ~すごく気持ちいい・・・」
昼下がりのキャニス邸。
庭園の一角の木影から、何やら怪しげな声が聞こえて来る。
そんなまさか?
キャニスとベラが・・・。
いや。
キャニスだって若く健康な男だ。
侍女相手にそう言うことが、あってもおかしくは無い。
おかしくは無いが・・・。
「・・・・何やってんだ?」
「あっ殿下。殿下もどうですか?」
「どうですって、何してんだよ」
「何って、シャンプーですが」
「シャンプー?」
キャニスの前へ回り込むと、デッキチェアーに寝そべった,ベラの頭は泡まみれだった。
「洗髪してたのか。キャニスがベラの?」
「はい。今度売り出し予定のシャンプーという洗髪剤なのですが、販売ターゲットが女性なので、髪質の事も有りますし、ベラで試させてもらっています」
「風呂場でやった方が良くないか?」
するとキャニスは、シェルビーに軽蔑の眼差しをむけて来た。
「殿下。ベラは年頃の娘ですよ。私と風呂場なんかに二人で居たら、あらぬ噂を立てられるかも知れません。それでベラが嫁げなくなったら、どうするつもりですか」
「あ~そうだな。うん、今のは俺が悪かった」
屋外でも、充分怪しい会話だったけどな。
「さぁベラ、痒いところとか、変な感じのする所は無い?」
「全然有りません。これ凄く気持ちいいし、良い匂いがして、なんか眠くなって来ちゃいました」
「そう?じゃあ流すから、じっとしててね」
そう言うと、キャニスは指先から湯を出して、ベラの泡だらけの頭を洗い流して行った。
「キャニスは、直接湯が出せるのか?」
「ええ。水と火の応用です」
「キャニスは器用なんだな」
「そうですか?うちではみんな出来ますけど」
「みんな?みんなとは、使用人もか?」
「はい、我家では標準装備ですね」
なんだよそれ。
魔法の二重掛けの応用が、標準装備?
まさに、恐るべしカラロウカだな。
「さぁ、終わったよ。よく水気を拭き取ってから、髪を梳かして。乾いたら質感の感想を聞かせてね」
「はい。坊ちゃん。ありがとうござます」
「あと残ったシャンプーは、待って行って。1週間くらい使ったら,また感想を聞かせて」
「はい! ねぇねぇサイラスさん!すごく良い匂いがしませんか?」
「うん?どれどれ。お~凄いな。これはラベンダーの香りか?」
「当り!! サイラスさんは女の人にお花を贈る事も多いから、詳しいですね!」
「え?・・あぁうん。そうだな・・・ほら早く乾かさないと風邪を引くぞ」
「は~い!!じゃあ坊っちゃん、後で感想を纏めてきますね」
ウキウキで去って行くベラと、何故か面白くなさそうなサイラス。
「いやいや、これはこれは」
「なんですか?」
「いやぁ~別に~?キャピレット卿も色々大変だな~と思ってな?」
「余計なお世話ですよ」
ニヤニヤするシェルビーに、サイラスは不機嫌な顔を見せた。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
「殿下もどうですか?一応販売ターゲットは女性ですが、男性の意見も聞いてみたいので」
「そうか?じゃあ俺もお願いしようかな」
キャニスに頭を触ってもらえるチャンスだ。とシェルビーはいそいそとデッキチェアーに背中を預け。
その数分後には、夢見心地でうっとりしていた。
「どうです?痒い処とかありますか?」
「う~~これ気持ちいいなあ。キャニスは洗髪するのが上手いなあ」
「美容師をやって居た事が有りますから」
「びようし?」
「え~何と言えばいいのでしょうか。ここではそういう職業が無いのですが、髪を整えたりお化粧をしてあげたり、強いて言えば侍女の中の美容専門職みたいな感じです」
「あ~だからアマテラスは化粧品やドレスを扱っているのか」
「まあ、そういう事です」
「凄いなあ。キャニスは色んな経験を積んでいるんだなあ。うん、天才って言われる訳だよなあ」
まあ、その時付き合っていた店のオーナーに、保険金目当てに殺されちゃったんだけどね。
折角褒めてくれてるんだから、こんな話はしない方が良いよね。
「はい。終わりです。しっかり拭いて下さいね」
「ありがとう。おお、サッパリ、スッキリしてるな。これいいな」
「そうですか?よかった・・・・キャピレット卿?」
サッパリしたと喜んでいるシェルビーだが、傍に居るサイラスは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「殿下・・・サッパリしたのは良いですが。殿下に薔薇の香りって、どうなんですかね」
「なんだよ。俺からバラの香りがしちゃいけないのか?」
「いけませんね。そういうのは妙齢な女性の香りでしょ。イメージが壊れます」
「煩いな。お前はラベンダーの方が良いんだろ?」
「あっ!!そういう事を言うんだ。へえ~~。そっちがその気なら、キャニス様に殿下の恥ずかしい話とか、色々お聞かせしてもいいんですけどね」
「お前なぁ・・・・ってキャニス?」
「そうか・・・やっぱり薔薇は駄目か・・・男性用ならムスクが定番だけど、雄ッぽ過ぎてちょっとな・・・やっぱりベルガモットとかシトラスかな。でもサンダルウッドとジャスミンも捨てがたい」
ブツブツと呟きながら考え始めたキャニスを見て、シェルビーとサイラスは顔を見合わせた。
この処の経験から、キャニスは一度思考の海に沈んでしまうと、中々戻ってこない事を、二人は理解していたからだ。
シェルビーはキャニスの手を取り、近くの椅子に座らせて、手に果汁の入ったグラスを握らせ、考え込むキャニスの前に用意されていた紙とペンを滑らせた。
虚空を見つめたまま思考を廻らせるキャニスを、シェルビーは愛おしそうに見つめているが、残念な事に当のキャニスは、それに全く気が付いて居ないのだ。
暫くして、キャニスがテーブルの上を探る様に手を這わせるのを見たシェルビーが、ペンを手に寄せてやると、キャニスはボーっとしながらそれを取り、猛然と紙に何かを書きつけて行く。
一度シェルビーとサイラスは何を書いているのか、覗いてみた事が有るのだが、難しそうな数式や、キャニスにしか分からない記号で埋め尽くされていて、二人は解読を断念したのだった。
「ふう」
「お疲れ。良い物が出来そうか?」
「・・・・そうですね。あっ申し訳ありません、またやってしまいました」
「気にするな。キャニスが楽しそうでよかったよ」
「楽しそう?私が?」
「俺にはそう見えたが?夢中になれるのは、楽しいからじゃないのか?」
「そうなんでしょうか。意識したことが無いので分かりませんでした」
「なんにせよ、楽しい事は良い事だ。だろ?」
「ええ。まあ。そうですね」
曖昧な返事をするキャニスは、楽しいと言う感情がどういう物か、よく分かっていないのかも知れない。
夫人から聞いた話だけでも、キャニスが送って来た人生の数々は、過酷で悲惨なものばかりで、俺ならきっと堪えられなかったと思う。
キャニスは本当に強い人だ。
そして優しい。
俺なら、二度目の人生を歩み始めたら、何は無くともナリウスに復讐しただろう。
今だってそうだ、キャニスにばれない様にラリスへ行き、奴を攫い、キャニスと同じかそれ以上の苦しみを味わわせて、殺してやりたい。
だがキャニスは自分が逃げる事は考えていたが、ナリウスに復讐しようなんて、これっぽちも考えていなかった。これには夫人も同じように戸惑っていたな。
「私の息子なのに、あの子はとっても優しい子なんですの。本当に天使のような子だと思いませんこと?」だってさ。
夫人は自分の性格が苛烈だって、分かってるんだな。
でもキャニスを見て居て思うんだ。
復讐なんて考えて、あいつと同じ所に、キャニスが落ちなくて良かったって。
「キャニス!! キャニス!! どこに居るの?!」
「夫人?」
いつになく取り乱した様子の、夫人の声に3人は戸惑い、視線を交わし合った。
「お母様!ここです!」
キャニスは小走りで夫人を迎えに行き、息を切らせる母親を優しく椅子まで案内した。
椅子に腰を下ろした夫人に、シェルビーは果汁を注いだグラスを差し出し、グラスを受け取った夫人は、マナーを無視して一気飲みすると、ダンッ!とグラスをテーブルに戻した。
「お母様・何が有ったのです?」
「・・・・キャニス」
地獄の底から響いてくるような低音だった。
「は・・・はい?」
「キャニス。今直ぐ逃げるわよ!!」
夫人の不穏な宣言に、3人は再び顔を見合わせたのだった。
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