49 / 113
49話
しおりを挟む
カリスト、マイルス、リノスの3人は、品の良い応接室の中で、落ち着いた色合いだが、一目で高級だと分かるソファーに腰かけていた。
しかし、ふかふかのソファーも3人の緊張を和らげる役には立たず、居心地の悪さばかりが募る一方だ。
この応接室に通されて1時間近くになるだろうか、未だ館の主は姿を見せず。
地位を笠に主を呼びつける事も、席を蹴って帰る事も出来ず。
カリストとその側近二人は、自分達の立場の弱さを身に染みて感じていた。
何度目になるのか、マントルピースの上に置かれた時計に目をやったカリストは、その横に置かれた妖精の像が、王宮に飾られていたものだと気付いた。
これも借金のカタに取られたのか・・・。
キャニスに似ていて気に入っていたんだがな。
カリストが無力感に肩を落とした時、訪いも無く扉が開かれ、館の主カラロウカ公爵が応接室に入って来た。
3人は揃って席を立ち、公爵を迎えたが、本来なら、王太子のカリストが席を立つ必要などない。しかし今回ばかりは、伏して公爵に助けを求めなければならないカリストとしては、一国の王太子を長時間待たせる無礼を働いた公爵に対して、文句を言えた立場ではなかった。
「お待たせして申し訳ありませんでしたな。息子の婚儀についての話しが長引いてしまいまして」
「婚儀とは、トバイアス殿の婚儀が決まったのでしょうか?」
すると公爵は小馬鹿にしたように眉を引き上げ、人の悪い笑みを浮かべた。
「正式には公表されて居りませんが、キャニスとオセニアの王太子殿下との婚儀の話しです」
「えっ?キャニス様?でもカリストも求婚状を送りましたよね?」
驚いて口を挿んだリノスは、公爵に睨まれ慌てて口を閉ざした。
「殿下と側近のお二人が、仲が良いとは伺っておりますが、公私の別は付けて頂きたい。それに当家は殿下からのお申し出を、既にお断りいたしております。他家の婚儀に口を挿むのは、お止めいただこうか」
公爵の正論にリノスはグッと唇を噛締め下を向いてしまった。
殿下の側近は優秀だと聞いていたが、こうしてみるとまだまだ子供だな。
「公爵。コペルに代わり私に謝罪させて欲しい」
ふむ。ナリウスとは違い友人想いのいい青年だが、人が良いばかりでは政は行えないのだよ?カリスト殿下。
「殿下のその言葉だけで充分です。それで本日はどのようなご用件で?」
「それが・・・・・」
「殿下?」
言い難そうに口ごもったカリストに、公爵が声を掛けると、何を思ったのかカリストは椅子から立ち上がり、公爵の前に移動すると、そのまま膝を付いて土下座をした。
「殿下?何をされて居るのですか?!」
「公爵。いや!カラロウカ公爵閣下!!この通りだラリス王国を救っていただきたい!!」
「殿下!お止めください!! 何があったか存じませんが、一国の王太子ともあろうお方が、何を考えているのです!?」
「しかし、私にはもう、公爵に縋るしか手立てが無いのだ!」
すると、リノスとマイルスもカリストに倣い、公爵の前で跪き深く首を垂れたのだ。
「殿下。とにかく頭を上げて下さい。これでは話も出来ません。何があったのか分からなければ、助けるも何も無いでしょう」
「・・・・公爵」
顔を上げたカリストだが、まだ床に跪いた姿勢のままだ。
「殿下。それと側近のお二人も席に戻って下さい。私には誰かを平伏させて喜ぶような嗜虐趣味は有りません・・私にはね」
公爵の含みのある言い方に、引っ掛かりを覚えたカリストだが、公爵から重ねて席に戻れと言われ、3人はのろのろと席に戻った。
「とにかく茶でも飲んで落ち着いて説明して下さい。一体何が有ったのですか?」
「それが・・・・」
カリストが重い口を開き、ぼそぼそと力なく話したのは、ナリウスの借金についてだった。
ナリウスは帝国の貴族から借金をしていた、その保証人として国王の名が記載され、国王の玉璽まで押されていたのだ。
帝国からの使者と言う名の、借金取りが王宮を訪れた直後、カリストは自ら国王夫妻が隠居暮らしをしている、離宮を訪れ事の真意を問うたが、国王夫妻は全く覚えがないと、首を振っていた。
「50億フラーもの金が手元に在ったら、ナリウスになど渡さず、公爵への賠償に回したわ!」
父王の情けないが尤もな言葉に、嘘はないと判断したカリストは、その足でナリウスが幽閉されている塔へ向かった。
廃嫡当初、地下牢に入れられていたナリウスだが、最近では暴れる事も暴言を吐く事も無くなっていた事と。
他の貴族から廃嫡されたとはいえ王太子であったナリウスを、地下牢に押し込めたままでは外聞が悪すぎる、との歎願を受け、つい数日前に地下牢から王城内の塔へ、幽閉先が移されたばかりだった。
「よう簒奪者!」
この数か月の幽閉生活で、ナリウスの顔はやつれ、疲れて見えた。
だが、大人しくなったと聞いていたが、ナリウスからは、反省の色が全く感じられなかった。
「ナリウス。お前自分が何をしたか分かっているのか?」
「さあ、色々あり過ぎて、どれの事か分からんな」
「お前っ!帝国の貴族から借金しただろう?!その借用書が皇帝に渡ったんだぞ!!今帝国からの使者が、取り立てに来ている。期日までに返さなければ、開戦も辞さないと言っているんだ?!」
「だから?お偉いキャニス様に頼めばいいじゃないか。どうか助けてくださいってな」
「ふざけるなッ!!お前借用書に父上の玉璽を押したな?!あの玉璽がある以上、これはルセ王家が背負うべきもので、ラリス王国と帝国の国家問題なんだぞ!そんな事も分からんのか?!」
「だからどうしたって言うんだ?お前が余計な事をしなければ、この国は私の物だったし、私が自分の物をどうしようと勝手だろ」
信じられない。
これが俺と血を分けた兄弟なのか?
確かに昔から我儘な奴だったが、ここ迄酷くは無かった筈だ。
俺が国を離れている5年間で、コイツがやって来た事も異常だが、何がコイツ・・・兄をこんな風にしてしまったんだ。
「それ、本気で言っているのか?」
「本気だったらどうする?私を殺すか?お前にそれが出来るか?さあやれよ!自分の手を血で汚してこその簒奪者だろ?!」
ケタケタと調子はずれな笑い声をあげるナリウスに、カリストは背筋が凍りつく思いがしたのだ。
「ナリウスの借金は、利息も含め55億にまで膨らんでいます。しかし国庫は空で、ルセ王家には支払い能力が有りません」
「それで?」
「は?それでとは?」
「はあ~~。殿下、ご自分でナリウス様に仰ったのでしょう?これはルセ王家とラリス王国の問題だと。何故私が王家を助けなければならないのです?私も債権者の1人ですよ?」
「それはそうなのだが・・・借用書に、支払いが困難な場合、国で一番価値のある物を渡すと言う一文があったのです」
そこまで話したカリストの手は、ティーカップを両手で握り締め乍ら、カタカタと震え出した。
「それが何か?」
「帝国の要求は・・・要求してきたのは・・キャニスです」
「は?・・・・はあッ?!」
「大陸一の美貌を持ち、優秀な頭脳と、たぐいまれな行政処理能力を持つ、ラリス王国の宝、キャニス・ヴォロス・カラロウカを、ドルグ帝国第一皇女の愛妾として差し出せと、帝国は言って来たのです」
「ふっふっ・・・ふざけるなっ!!誰が大事な息子を帝国になんぞに渡すものかっ!!」
「公爵!お怒りは御尤もですが、キャニスを渡さなければ、帝国はこの国に攻めてくると」
「だから何だ?!お前達はまだ、ナリウスの尻拭いを、キャニスとカラロウカにさせる気か?!セブルス!!セブルス!!」
激昂する公爵に、驚いた様子の執事が顔を出した。
「今直ぐこいつ等を叩き出せ!!二度と屋敷に入れるな!!」
カリストと側近の2人を追い返した公爵は、その足で公爵家騎士団の演習場に向かった。
「トバイアス!!」
「父上?こんなところに珍しいですね。どうされましたか?」
「トバイアス!戦争の準備をしろ!相手は帝国だ!!」
しかし、ふかふかのソファーも3人の緊張を和らげる役には立たず、居心地の悪さばかりが募る一方だ。
この応接室に通されて1時間近くになるだろうか、未だ館の主は姿を見せず。
地位を笠に主を呼びつける事も、席を蹴って帰る事も出来ず。
カリストとその側近二人は、自分達の立場の弱さを身に染みて感じていた。
何度目になるのか、マントルピースの上に置かれた時計に目をやったカリストは、その横に置かれた妖精の像が、王宮に飾られていたものだと気付いた。
これも借金のカタに取られたのか・・・。
キャニスに似ていて気に入っていたんだがな。
カリストが無力感に肩を落とした時、訪いも無く扉が開かれ、館の主カラロウカ公爵が応接室に入って来た。
3人は揃って席を立ち、公爵を迎えたが、本来なら、王太子のカリストが席を立つ必要などない。しかし今回ばかりは、伏して公爵に助けを求めなければならないカリストとしては、一国の王太子を長時間待たせる無礼を働いた公爵に対して、文句を言えた立場ではなかった。
「お待たせして申し訳ありませんでしたな。息子の婚儀についての話しが長引いてしまいまして」
「婚儀とは、トバイアス殿の婚儀が決まったのでしょうか?」
すると公爵は小馬鹿にしたように眉を引き上げ、人の悪い笑みを浮かべた。
「正式には公表されて居りませんが、キャニスとオセニアの王太子殿下との婚儀の話しです」
「えっ?キャニス様?でもカリストも求婚状を送りましたよね?」
驚いて口を挿んだリノスは、公爵に睨まれ慌てて口を閉ざした。
「殿下と側近のお二人が、仲が良いとは伺っておりますが、公私の別は付けて頂きたい。それに当家は殿下からのお申し出を、既にお断りいたしております。他家の婚儀に口を挿むのは、お止めいただこうか」
公爵の正論にリノスはグッと唇を噛締め下を向いてしまった。
殿下の側近は優秀だと聞いていたが、こうしてみるとまだまだ子供だな。
「公爵。コペルに代わり私に謝罪させて欲しい」
ふむ。ナリウスとは違い友人想いのいい青年だが、人が良いばかりでは政は行えないのだよ?カリスト殿下。
「殿下のその言葉だけで充分です。それで本日はどのようなご用件で?」
「それが・・・・・」
「殿下?」
言い難そうに口ごもったカリストに、公爵が声を掛けると、何を思ったのかカリストは椅子から立ち上がり、公爵の前に移動すると、そのまま膝を付いて土下座をした。
「殿下?何をされて居るのですか?!」
「公爵。いや!カラロウカ公爵閣下!!この通りだラリス王国を救っていただきたい!!」
「殿下!お止めください!! 何があったか存じませんが、一国の王太子ともあろうお方が、何を考えているのです!?」
「しかし、私にはもう、公爵に縋るしか手立てが無いのだ!」
すると、リノスとマイルスもカリストに倣い、公爵の前で跪き深く首を垂れたのだ。
「殿下。とにかく頭を上げて下さい。これでは話も出来ません。何があったのか分からなければ、助けるも何も無いでしょう」
「・・・・公爵」
顔を上げたカリストだが、まだ床に跪いた姿勢のままだ。
「殿下。それと側近のお二人も席に戻って下さい。私には誰かを平伏させて喜ぶような嗜虐趣味は有りません・・私にはね」
公爵の含みのある言い方に、引っ掛かりを覚えたカリストだが、公爵から重ねて席に戻れと言われ、3人はのろのろと席に戻った。
「とにかく茶でも飲んで落ち着いて説明して下さい。一体何が有ったのですか?」
「それが・・・・」
カリストが重い口を開き、ぼそぼそと力なく話したのは、ナリウスの借金についてだった。
ナリウスは帝国の貴族から借金をしていた、その保証人として国王の名が記載され、国王の玉璽まで押されていたのだ。
帝国からの使者と言う名の、借金取りが王宮を訪れた直後、カリストは自ら国王夫妻が隠居暮らしをしている、離宮を訪れ事の真意を問うたが、国王夫妻は全く覚えがないと、首を振っていた。
「50億フラーもの金が手元に在ったら、ナリウスになど渡さず、公爵への賠償に回したわ!」
父王の情けないが尤もな言葉に、嘘はないと判断したカリストは、その足でナリウスが幽閉されている塔へ向かった。
廃嫡当初、地下牢に入れられていたナリウスだが、最近では暴れる事も暴言を吐く事も無くなっていた事と。
他の貴族から廃嫡されたとはいえ王太子であったナリウスを、地下牢に押し込めたままでは外聞が悪すぎる、との歎願を受け、つい数日前に地下牢から王城内の塔へ、幽閉先が移されたばかりだった。
「よう簒奪者!」
この数か月の幽閉生活で、ナリウスの顔はやつれ、疲れて見えた。
だが、大人しくなったと聞いていたが、ナリウスからは、反省の色が全く感じられなかった。
「ナリウス。お前自分が何をしたか分かっているのか?」
「さあ、色々あり過ぎて、どれの事か分からんな」
「お前っ!帝国の貴族から借金しただろう?!その借用書が皇帝に渡ったんだぞ!!今帝国からの使者が、取り立てに来ている。期日までに返さなければ、開戦も辞さないと言っているんだ?!」
「だから?お偉いキャニス様に頼めばいいじゃないか。どうか助けてくださいってな」
「ふざけるなッ!!お前借用書に父上の玉璽を押したな?!あの玉璽がある以上、これはルセ王家が背負うべきもので、ラリス王国と帝国の国家問題なんだぞ!そんな事も分からんのか?!」
「だからどうしたって言うんだ?お前が余計な事をしなければ、この国は私の物だったし、私が自分の物をどうしようと勝手だろ」
信じられない。
これが俺と血を分けた兄弟なのか?
確かに昔から我儘な奴だったが、ここ迄酷くは無かった筈だ。
俺が国を離れている5年間で、コイツがやって来た事も異常だが、何がコイツ・・・兄をこんな風にしてしまったんだ。
「それ、本気で言っているのか?」
「本気だったらどうする?私を殺すか?お前にそれが出来るか?さあやれよ!自分の手を血で汚してこその簒奪者だろ?!」
ケタケタと調子はずれな笑い声をあげるナリウスに、カリストは背筋が凍りつく思いがしたのだ。
「ナリウスの借金は、利息も含め55億にまで膨らんでいます。しかし国庫は空で、ルセ王家には支払い能力が有りません」
「それで?」
「は?それでとは?」
「はあ~~。殿下、ご自分でナリウス様に仰ったのでしょう?これはルセ王家とラリス王国の問題だと。何故私が王家を助けなければならないのです?私も債権者の1人ですよ?」
「それはそうなのだが・・・借用書に、支払いが困難な場合、国で一番価値のある物を渡すと言う一文があったのです」
そこまで話したカリストの手は、ティーカップを両手で握り締め乍ら、カタカタと震え出した。
「それが何か?」
「帝国の要求は・・・要求してきたのは・・キャニスです」
「は?・・・・はあッ?!」
「大陸一の美貌を持ち、優秀な頭脳と、たぐいまれな行政処理能力を持つ、ラリス王国の宝、キャニス・ヴォロス・カラロウカを、ドルグ帝国第一皇女の愛妾として差し出せと、帝国は言って来たのです」
「ふっふっ・・・ふざけるなっ!!誰が大事な息子を帝国になんぞに渡すものかっ!!」
「公爵!お怒りは御尤もですが、キャニスを渡さなければ、帝国はこの国に攻めてくると」
「だから何だ?!お前達はまだ、ナリウスの尻拭いを、キャニスとカラロウカにさせる気か?!セブルス!!セブルス!!」
激昂する公爵に、驚いた様子の執事が顔を出した。
「今直ぐこいつ等を叩き出せ!!二度と屋敷に入れるな!!」
カリストと側近の2人を追い返した公爵は、その足で公爵家騎士団の演習場に向かった。
「トバイアス!!」
「父上?こんなところに珍しいですね。どうされましたか?」
「トバイアス!戦争の準備をしろ!相手は帝国だ!!」
61
お気に入りに追加
196
あなたにおすすめの小説
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

醜さを理由に毒を盛られたけど、何だか綺麗になってない?
京月
恋愛
エリーナは生まれつき体に無数の痣があった。
顔にまで広がった痣のせいで周囲から醜いと蔑まれる日々。
貴族令嬢のため婚約をしたが、婚約者から笑顔を向けられたことなど一度もなかった。
「君はあまりにも醜い。僕の幸せのために死んでくれ」
毒を盛られ、体中に走る激痛。
痛みが引いた後起きてみると…。
「あれ?私綺麗になってない?」
※前編、中編、後編の3話完結
作成済み。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる