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21話
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庭園に続く小道の先に、東屋を見つけたシェルビーは、あそこで落ち着いて話をしよう、とキャニスを誘った。
「しかし、護衛の増員とは。穏やかじゃないな。私が力になれる事はないか?公爵家の護衛が到着するまで、私の所の騎士を回す事も出来るが?」
「お気遣いありがとうございます。ですがこれはルセ王家と、カラロウカ公爵家の問題ですので、殿下のお手を煩わせる訳にはまいりません」
王家と聞いてシェルビーの眉間が険しくなった。
「あの王家が、今度はどんな面倒事を、キャニスに押し付けて来た?」
「それは・・・・」
言い渋るキャニスにシェルビーは、表情を和らげ菫色の瞳を覗き込んだ。
「なあ。王家の事情を他国の人間に話せない。という事は私だってよく解っている。だがな、一人で思い悩むより、誰かと話した方が良い場合もあると思わないか?」
シェルビーの真摯な問いかけに、キャニスは目を伏せ、思案気な様子だ。
「キャニス。私達は友達だろう?相談ならいくらでも乗るぞ?」
言葉を重ねられ、キャニスは数度瞬きを繰り返し、そしてぽつぽつと事情を語り始めた。
「・・・すぐに殿下のお耳にも入ると思いますが、王家はナリウス殿下を廃嫡の上、幽閉したそうです」
・・・やっとか。
「遅すぎるな」
「そうですね。私もそう思います。あと10年。せめて5年早ければ。カリスト殿下を留学させるのではなく、あの時に王太子に指名していたら。もっと被害も少なかったと思います」
「被害とは・・・これも穏やかじゃないな」
「ナリウス殿下は、問題の多い方でしたから」
「替わりにカリストが、王太子になったんだな?」
「カリスト殿下を王太子に指名するのと同時に、国王ご夫妻はルイスの離宮に居を移されて、事実上の隠居生活に入られました」
「それはまた思い切ったな」
シェルビーが驚いて見せると、キャニスはうっすらと目を細め、同意したように見えた。
「そうせざるを得なかったのでしょう。王家の内情を軽々しく口には出来ませんが。私との一件で、王家はカラロウカ一族の怒りを買いましたから」
「うん」
国王の膝を折らせるとは。
公爵の力は想像以上の様だ。
「私はカリストの事は良く知っているが、彼が王太子になり、政務を取り仕切るのなら、ラリスも良い方向へ向かうのではないか?」
「・・・・そうでしょうか」
キャニスの冷淡な物言いに、シェルビーは首を傾げた。
「まだ何かあるのか?」
するとキャニスは、言えない事なら沢山ある。と呟き、東屋の柱に絡んだウィステリアの花を一房摘み取った。その甘い香りを漂わせる、ライラックブルーの花を指先で弄ぶキャニスは、どう見ても妖精のようにしか見えない。
「殿下が仰ったように、全てが遅すぎたのです。王太子になられたカリスト殿下は、私にに求婚状を送って来たそうなのですが、それもただの時間稼ぎの為でしょう」
「は?きゅっ求婚状?今求婚状と言ったのか?」
「はい。恐らく私に求婚する事で、あの一件に対する違約金、賠償金の支払いに対する時間稼ぎと、交渉をしたいのだと思います」
「まて。待て待て待て待て!」
「殿下?そんなに慌ててどうされたのです?」
これが慌てずにいられるかッ!!
またか?
またなのか?
また俺は先を越されてしまうのか?
「公爵とキャニスは、カリストの求婚を受け入れるのか?」
「父はお断りすると申しております」
「キッ!キャニスは?!」
思わずキャニスの両肩を掴み、顔を近づけたシェルビーに、キャニスは何処までも静かに答えた。
「私も同様です。私は王家への義務は果たしたと考えていますので」
透き通った菫色の瞳に、真っ直ぐに見つめ返されたシェルビーは、頬が熱くなるのを感じ、オロオロと視線をそらしてしまった。
「そっそうか!それは良かった。うん!それが正解だと思う」
「ですが、カリスト殿下から接触が有るかも知れないから、気を付ける様に、と父に言われてしまって。護衛の増員もその為なのです」
「護衛を増やすという事は、暫くは国へは帰らんのだな?」
「ええ。私はその積りです」
「公爵は、帰る様に言っているのか?」
「そうですね・・・・父は心配からか、私を手元に置きたがっているようなのですが、母と兄が、この問題が片付くまで、戻らない方が良い、と父を説得したようです」
でかした。トバイアス!!
学院に居る時は、トバイアスのガードが固すぎて、キャニスに近寄れなかったが。
ブラコンも役に立つことが有るのだな!
「なあ。キャニス。もし、もしもだぞ?カリストがお前を諦めなかったらどうする?」
「逃げます」
「逃げる?どこに?」
「色々です。僕こう見えてもお金持ちなので、逃走資金には困らないと思います」
どうして俺を頼ってくれない?
なぜこうも淡々と、寂しい事を言うんだ?
だが。
今、キャニスは ”僕” と言ったな?
いつもは ”私” なのに。
これは少しは打ち解けてくれた、と思って良いのだろうか。
「・・・・なあキャニス。一つ提案があるんだが」
「なんでしょうか?」
「実はな、私も今縁談で困っていてな」
「はあ」
「今日大貴族を集めた会議が有るのだが、その議題が私の結婚についてなんだ」
「それは、おめでとうございます」
なんで祝うんだよ!
悲しんでくれよ!!
「それが、全くめでたくはないんだ」
「・・・殿下は、お相手の方がお気に召さないのですか?」
「今国内の貴族で名前が挙がっている相手は、どうにも気が合わなくてな?断りたいのだが、巧い口実が無くて困っているんだ」
キャニスなら分かるだろう?
とシェルビーが縋る様な目を向けると、キャニスは少し考え込んでいる様子だ。
「私の立場で、相手をどうこう言うのは間違っていると、分かってはいるんだ。でもな、全く気の合わない相手では、お互い不幸になると思わないか?」
「それは・・・・理解はできます」
「だろ?そこでだな。今日の会議で、私の相手として、キャニスの名を挙げようと思う」
「はい?私ですか?」
シェルビーの提案は、キャニスの意表を突いていたのだろう。
滅多に感情を見せないキャニスも、目を見開いて見つめ返して来た。
驚くと、そんな顔をするんだな。
可愛いなぁ。
「私と婚約を結んでくれないか?」
「・・・・」
「キャニスはカリストからの求婚を断る口実が出来るし、オセニア王家の保護下に入り、騎士を護衛に付ける事も出来る。私は気の添わない縁談を、断る事が出来るだろう?」
違う!
キャニスが欲しい!
初めて出会ったあの日から、ずっと想い続けていた。
キャニスだけが欲しいと言え!
「・・・・・・」
「キャニスが私を気に入らないと言うなら、本当に結婚しなくても良い。だが1年。1年でいい。私と婚約して、キャニスが私を気に入ってくれたら、結婚して欲しい。もし、どうしてもキャニスが嫌だと言うなら、婚約を破棄して貰って構わない。もしそうなったら、婚約破棄の対価も、相応の額を用意しよう」
何を言ってるんだ,俺は!?
そうじゃないだろ!!
愛していると言えよ!
「・・・・・・」
「どう・・・・だろうか」
頭に血が上り、咄嗟に求婚してしまったが、なんとも情けない。
最愛の人に、想いの全てを打ち明ける事も出来ないプロポーズなど、最低だ。
俺はバカなのか?
こんなプロポーズがあるかよ!?
ヘタレすぎる。
俺は最低だ。
だが、カリストなんかに奪われるよりマシだ。
だからどうか、断らないでくれ!
「しかし、護衛の増員とは。穏やかじゃないな。私が力になれる事はないか?公爵家の護衛が到着するまで、私の所の騎士を回す事も出来るが?」
「お気遣いありがとうございます。ですがこれはルセ王家と、カラロウカ公爵家の問題ですので、殿下のお手を煩わせる訳にはまいりません」
王家と聞いてシェルビーの眉間が険しくなった。
「あの王家が、今度はどんな面倒事を、キャニスに押し付けて来た?」
「それは・・・・」
言い渋るキャニスにシェルビーは、表情を和らげ菫色の瞳を覗き込んだ。
「なあ。王家の事情を他国の人間に話せない。という事は私だってよく解っている。だがな、一人で思い悩むより、誰かと話した方が良い場合もあると思わないか?」
シェルビーの真摯な問いかけに、キャニスは目を伏せ、思案気な様子だ。
「キャニス。私達は友達だろう?相談ならいくらでも乗るぞ?」
言葉を重ねられ、キャニスは数度瞬きを繰り返し、そしてぽつぽつと事情を語り始めた。
「・・・すぐに殿下のお耳にも入ると思いますが、王家はナリウス殿下を廃嫡の上、幽閉したそうです」
・・・やっとか。
「遅すぎるな」
「そうですね。私もそう思います。あと10年。せめて5年早ければ。カリスト殿下を留学させるのではなく、あの時に王太子に指名していたら。もっと被害も少なかったと思います」
「被害とは・・・これも穏やかじゃないな」
「ナリウス殿下は、問題の多い方でしたから」
「替わりにカリストが、王太子になったんだな?」
「カリスト殿下を王太子に指名するのと同時に、国王ご夫妻はルイスの離宮に居を移されて、事実上の隠居生活に入られました」
「それはまた思い切ったな」
シェルビーが驚いて見せると、キャニスはうっすらと目を細め、同意したように見えた。
「そうせざるを得なかったのでしょう。王家の内情を軽々しく口には出来ませんが。私との一件で、王家はカラロウカ一族の怒りを買いましたから」
「うん」
国王の膝を折らせるとは。
公爵の力は想像以上の様だ。
「私はカリストの事は良く知っているが、彼が王太子になり、政務を取り仕切るのなら、ラリスも良い方向へ向かうのではないか?」
「・・・・そうでしょうか」
キャニスの冷淡な物言いに、シェルビーは首を傾げた。
「まだ何かあるのか?」
するとキャニスは、言えない事なら沢山ある。と呟き、東屋の柱に絡んだウィステリアの花を一房摘み取った。その甘い香りを漂わせる、ライラックブルーの花を指先で弄ぶキャニスは、どう見ても妖精のようにしか見えない。
「殿下が仰ったように、全てが遅すぎたのです。王太子になられたカリスト殿下は、私にに求婚状を送って来たそうなのですが、それもただの時間稼ぎの為でしょう」
「は?きゅっ求婚状?今求婚状と言ったのか?」
「はい。恐らく私に求婚する事で、あの一件に対する違約金、賠償金の支払いに対する時間稼ぎと、交渉をしたいのだと思います」
「まて。待て待て待て待て!」
「殿下?そんなに慌ててどうされたのです?」
これが慌てずにいられるかッ!!
またか?
またなのか?
また俺は先を越されてしまうのか?
「公爵とキャニスは、カリストの求婚を受け入れるのか?」
「父はお断りすると申しております」
「キッ!キャニスは?!」
思わずキャニスの両肩を掴み、顔を近づけたシェルビーに、キャニスは何処までも静かに答えた。
「私も同様です。私は王家への義務は果たしたと考えていますので」
透き通った菫色の瞳に、真っ直ぐに見つめ返されたシェルビーは、頬が熱くなるのを感じ、オロオロと視線をそらしてしまった。
「そっそうか!それは良かった。うん!それが正解だと思う」
「ですが、カリスト殿下から接触が有るかも知れないから、気を付ける様に、と父に言われてしまって。護衛の増員もその為なのです」
「護衛を増やすという事は、暫くは国へは帰らんのだな?」
「ええ。私はその積りです」
「公爵は、帰る様に言っているのか?」
「そうですね・・・・父は心配からか、私を手元に置きたがっているようなのですが、母と兄が、この問題が片付くまで、戻らない方が良い、と父を説得したようです」
でかした。トバイアス!!
学院に居る時は、トバイアスのガードが固すぎて、キャニスに近寄れなかったが。
ブラコンも役に立つことが有るのだな!
「なあ。キャニス。もし、もしもだぞ?カリストがお前を諦めなかったらどうする?」
「逃げます」
「逃げる?どこに?」
「色々です。僕こう見えてもお金持ちなので、逃走資金には困らないと思います」
どうして俺を頼ってくれない?
なぜこうも淡々と、寂しい事を言うんだ?
だが。
今、キャニスは ”僕” と言ったな?
いつもは ”私” なのに。
これは少しは打ち解けてくれた、と思って良いのだろうか。
「・・・・なあキャニス。一つ提案があるんだが」
「なんでしょうか?」
「実はな、私も今縁談で困っていてな」
「はあ」
「今日大貴族を集めた会議が有るのだが、その議題が私の結婚についてなんだ」
「それは、おめでとうございます」
なんで祝うんだよ!
悲しんでくれよ!!
「それが、全くめでたくはないんだ」
「・・・殿下は、お相手の方がお気に召さないのですか?」
「今国内の貴族で名前が挙がっている相手は、どうにも気が合わなくてな?断りたいのだが、巧い口実が無くて困っているんだ」
キャニスなら分かるだろう?
とシェルビーが縋る様な目を向けると、キャニスは少し考え込んでいる様子だ。
「私の立場で、相手をどうこう言うのは間違っていると、分かってはいるんだ。でもな、全く気の合わない相手では、お互い不幸になると思わないか?」
「それは・・・・理解はできます」
「だろ?そこでだな。今日の会議で、私の相手として、キャニスの名を挙げようと思う」
「はい?私ですか?」
シェルビーの提案は、キャニスの意表を突いていたのだろう。
滅多に感情を見せないキャニスも、目を見開いて見つめ返して来た。
驚くと、そんな顔をするんだな。
可愛いなぁ。
「私と婚約を結んでくれないか?」
「・・・・」
「キャニスはカリストからの求婚を断る口実が出来るし、オセニア王家の保護下に入り、騎士を護衛に付ける事も出来る。私は気の添わない縁談を、断る事が出来るだろう?」
違う!
キャニスが欲しい!
初めて出会ったあの日から、ずっと想い続けていた。
キャニスだけが欲しいと言え!
「・・・・・・」
「キャニスが私を気に入らないと言うなら、本当に結婚しなくても良い。だが1年。1年でいい。私と婚約して、キャニスが私を気に入ってくれたら、結婚して欲しい。もし、どうしてもキャニスが嫌だと言うなら、婚約を破棄して貰って構わない。もしそうなったら、婚約破棄の対価も、相応の額を用意しよう」
何を言ってるんだ,俺は!?
そうじゃないだろ!!
愛していると言えよ!
「・・・・・・」
「どう・・・・だろうか」
頭に血が上り、咄嗟に求婚してしまったが、なんとも情けない。
最愛の人に、想いの全てを打ち明ける事も出来ないプロポーズなど、最低だ。
俺はバカなのか?
こんなプロポーズがあるかよ!?
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