9 / 113
9話
しおりを挟む
「公爵この通りだ!」
「殿下・・・・」
「どうか!キャニスに会わせては貰えないだろうか!」
ラリス王国第二王子、カリスト・ルセ・ラリスは、テーブルに擦り付ける様に頭を下げ、臣下であるカラロウカ公爵に、キャニスとの面会を頼み込んでいた。
「殿下。頭をお上げ下さい」
「いや!キャニスに会わせて貰えるまではッ!!」
頑なに頭を下げ続けるカリストに、カラロウカ公爵は盛大な溜息を吐いた。
「息子に会って、どうなさる御積りか?」
「婚約期間中、ナリウスがキャニスに対して行って来た非礼非道を、幾重にも詫びさせて貰う。だからどうか!!」
「殿下。無意味な事はお止めなさい。いくら殿下が頭を下げようと、なんの意味も無い事くらいお分かりでしょう。第一当のナリウス殿下はキャニスを追い出し、大喜びで、あのカサンドラとかいう、平民同然の騎士爵の令嬢を、王子宮に住まわせ、贅沢三昧させて居るとか?」
「それは・・・面目次第もない。ナリウスの奴は、両陛下の苦言にも耳を貸さない状態らしく」
「情けないとしか言いようが有りませんな。いいですか殿下。ナリウス殿下が何をしたか、王家がキャニスに何を強いて来たのか、王家が今どう言う状況なのか、貴方は本当に全てをご存じか?」
「ナリウスだけではない・・・と?」
「両陛下については、あのような暢気な方々ですから、故意にキャニスを虐げた積りは、これっぽっちも無いのでしょう。キャニス自身も、両陛下には良くしてもらった、優しくして頂いたと、言っておりますからな」
「では、一体どういう」
「虐げられる者が居たとして、その事実を知りながら目を背ければ、その人物も虐げた者と同罪という事です」
「・・・公爵の言う通りだ」
「それに、謝罪云々と申されるなら、先ずはこの婚約破棄に対し、契約違反の違約金と、キャニスへの賠償金をお支払いいただくのが先ではありませんか?当事者からの謝罪も、違約金、賠償金の支払いも無く、当事者でもない殿下が、謝りたいからキャニスに合わせろなどと、虫が良いにもほどが有る」
「う・・・そんな・・・支払いが滞って居ると?」
件の卒業パーティーから一月、ナリウスからの謝罪は無くとも、王家からの賠償金の支払いは、とっくに終わっていると思っていたカリストは、顔色を無くしてしまった。
「私が嘘を言う必要が有りますか?」
「いや・・・」
「ナリウス殿下は元より、両陛下も政務の全てを、まだ学生であったキャニスに丸投げするのではなく、その半分。いや10分の1でいいから、ご自身で励んでくださって居たら、こんな事には成らなかったでしょう」
「はッ? 丸なげ? 政務を? 王と王妃の責務もか?」
「お二方に自覚が有ったかどうかは存じません。ですが質問や相談という形で、キャニスに仕事を押し付ければ、丸投げと言っても過言ではありませんな」
公爵の話しにカリストは、羞恥で顔を上げる事が出来なかった。
王と王妃から、この問題は自分達で何とかする、カリストの手を煩わせる必要はない。と言われ。ナリウスの一件だけでなく、政務からも遠ざけられてしまった。
それをカリストは、過去5年間に、ナリウスの仕出かしを調べる時間が出来たと、喜んでさえ居た。
国の窮状に眼を向ける事も無く、自分の事ばかりを優先してきた一月だった。
「殿下。政と言うものは、離宮に籠っていて出来るものでは無いのですよ。せめて王宮に足を運んでいたら、キャニスが去った後の、王宮の混乱ぶりを眼にしたでしょうに」
公爵は全てお見通しなのだ。
私が何を考え、帰国後何をしていたのか。
全て知った上で。
何も知らない私の眼を開こうとして居る。
それが、善意からでは無い事くらい嫌でも解る。
キャニスとの婚約を無責任に破棄したナリウスの、過去5年間の行状を調べ上げ、それを突き付ければ、未だに決心がつかない両親に、ナリウスの廃嫡を決心させられると思っていた。
兄を廃嫡出来れば、自分も政務に関わることができる。そして王太子となった自分が、キャニスを妃として迎えることも可能なのだと。
その為に、カリストは自分に与えられた離宮に籠り、王宮を訪れる事もしていなかったのだ。其れも此れも、両親が王と王妃としての責務を果たしていると、信じていればこそだった。
だがその信頼も、今や崩れ去った。
カリストは、何を信じれば良いのか、自分は何をすべきなのか分からなくなってしまった。
「キャニスは、親の私が言うのもなんですが、ある種の天才でしてな。学業も優秀でしたし、王配教育で王宮に通い始めると、あっという間に全てを習得してしまいました。その頃にはナリウス殿下とも関係は冷え切って、と申しますか、殿下の放蕩に拍車が掛かりましてな。殿下が処理するべき執務の全てを、息子が肩代わりする様になったのです」
「そうだったのか」
羞恥で顔を上げられない頭に、侯爵の冷たい視線が突き刺さるのが、カリストにははっきりと感じられた。
「キャニスは王子妃としての、執務も熟していたのにですよ?宰相殿や文官は喜んでおりました。まだ14に為るかならないかの、王族でもない、ただの婚約者の子供に全てを任せ、喜べる神経と言うのは、如何なものでしょうか」
「それが、破婚を願い出た理由か?」
「その一部ですな。元々私も妻も、殿下との婚約には最初から反対でした。キャニス程の子なら、結婚相手に不自由などありません。他国の王族との婚姻も可能なのですよ。実際打診もありましたから」
公爵の言う事は一々尤もだった。
大陸一の美貌を持ち、他の追随を許さない秀でた頭脳を持ったキャニスは、他国の王侯貴族も喉から手が出るほど、欲しい人材だろう。
「ですから両陛下には、何度もお断りさせて頂いたのです。しかし、両陛下は頑なにキャニスを所望された。そして、必ずキャニスを幸せにすると誓おう、もし約束を違えたなら、相応の償いをしよう、とまで仰られて。致し方なく私達も折れて、婚約婚姻に関する契約を結んだのです」
そこで侯爵は忌々しそうに、息を継いだ。
「そう・・だったのか」
「結局、その約束は一つも守られませんでしたなぁ。ナリウス殿下の行いに、何度も。そう何度も何度も、苦情を申し上げたが、一向に改善される事もなく。破婚願いは悉く無視され、挙句に今回の騒ぎだ。あの騒ぎで、キャニスだけではなく、我カラロウカ家も、盛大に大衆の面前で侮辱された訳ですが、とうのご本人からの謝罪もなければ、違約金の支払いさえ行われない。それを王族の1人として、殿下はどうお考えになられますか?」
「実に・・・実に恥ずべきことだと思う」
「流石留学先で、優秀な成績を納められた方は違いますな。王太子殿下とは同腹とは思えぬほど、真面なご意見で、私も臣下として安堵いたしました」
「・・・・すまん」
「ですが、それとキャニスとの面会を、許可出来るかどうかは、別の話しです」
「・・・・・」
「殿下。まずは王宮の両陛下をお尋ねなさい。賠償金違約金の支払いを済ませ、そしてキャニスが肩代わりしていた政務の全てを、殿下ご自身がなさってみるといい。それでも恥ずかしげもなく、キャニスに会いたいと仰るなら、それ相応の覚悟と誠意を、見せて貰わねばなりませんな」
「会うだけでもか?」
「まさか、殿下はそれ以上をお望みで?」
公爵から見下され、嫌味を連発されつつ呆れられても、今のカリストには何も言い返すことが出来ない。
俯いて唇を噛締めるカリストに向けられる侯爵の視線は、何処までも冷たかった。
「殿下・・・・」
「どうか!キャニスに会わせては貰えないだろうか!」
ラリス王国第二王子、カリスト・ルセ・ラリスは、テーブルに擦り付ける様に頭を下げ、臣下であるカラロウカ公爵に、キャニスとの面会を頼み込んでいた。
「殿下。頭をお上げ下さい」
「いや!キャニスに会わせて貰えるまではッ!!」
頑なに頭を下げ続けるカリストに、カラロウカ公爵は盛大な溜息を吐いた。
「息子に会って、どうなさる御積りか?」
「婚約期間中、ナリウスがキャニスに対して行って来た非礼非道を、幾重にも詫びさせて貰う。だからどうか!!」
「殿下。無意味な事はお止めなさい。いくら殿下が頭を下げようと、なんの意味も無い事くらいお分かりでしょう。第一当のナリウス殿下はキャニスを追い出し、大喜びで、あのカサンドラとかいう、平民同然の騎士爵の令嬢を、王子宮に住まわせ、贅沢三昧させて居るとか?」
「それは・・・面目次第もない。ナリウスの奴は、両陛下の苦言にも耳を貸さない状態らしく」
「情けないとしか言いようが有りませんな。いいですか殿下。ナリウス殿下が何をしたか、王家がキャニスに何を強いて来たのか、王家が今どう言う状況なのか、貴方は本当に全てをご存じか?」
「ナリウスだけではない・・・と?」
「両陛下については、あのような暢気な方々ですから、故意にキャニスを虐げた積りは、これっぽっちも無いのでしょう。キャニス自身も、両陛下には良くしてもらった、優しくして頂いたと、言っておりますからな」
「では、一体どういう」
「虐げられる者が居たとして、その事実を知りながら目を背ければ、その人物も虐げた者と同罪という事です」
「・・・公爵の言う通りだ」
「それに、謝罪云々と申されるなら、先ずはこの婚約破棄に対し、契約違反の違約金と、キャニスへの賠償金をお支払いいただくのが先ではありませんか?当事者からの謝罪も、違約金、賠償金の支払いも無く、当事者でもない殿下が、謝りたいからキャニスに合わせろなどと、虫が良いにもほどが有る」
「う・・・そんな・・・支払いが滞って居ると?」
件の卒業パーティーから一月、ナリウスからの謝罪は無くとも、王家からの賠償金の支払いは、とっくに終わっていると思っていたカリストは、顔色を無くしてしまった。
「私が嘘を言う必要が有りますか?」
「いや・・・」
「ナリウス殿下は元より、両陛下も政務の全てを、まだ学生であったキャニスに丸投げするのではなく、その半分。いや10分の1でいいから、ご自身で励んでくださって居たら、こんな事には成らなかったでしょう」
「はッ? 丸なげ? 政務を? 王と王妃の責務もか?」
「お二方に自覚が有ったかどうかは存じません。ですが質問や相談という形で、キャニスに仕事を押し付ければ、丸投げと言っても過言ではありませんな」
公爵の話しにカリストは、羞恥で顔を上げる事が出来なかった。
王と王妃から、この問題は自分達で何とかする、カリストの手を煩わせる必要はない。と言われ。ナリウスの一件だけでなく、政務からも遠ざけられてしまった。
それをカリストは、過去5年間に、ナリウスの仕出かしを調べる時間が出来たと、喜んでさえ居た。
国の窮状に眼を向ける事も無く、自分の事ばかりを優先してきた一月だった。
「殿下。政と言うものは、離宮に籠っていて出来るものでは無いのですよ。せめて王宮に足を運んでいたら、キャニスが去った後の、王宮の混乱ぶりを眼にしたでしょうに」
公爵は全てお見通しなのだ。
私が何を考え、帰国後何をしていたのか。
全て知った上で。
何も知らない私の眼を開こうとして居る。
それが、善意からでは無い事くらい嫌でも解る。
キャニスとの婚約を無責任に破棄したナリウスの、過去5年間の行状を調べ上げ、それを突き付ければ、未だに決心がつかない両親に、ナリウスの廃嫡を決心させられると思っていた。
兄を廃嫡出来れば、自分も政務に関わることができる。そして王太子となった自分が、キャニスを妃として迎えることも可能なのだと。
その為に、カリストは自分に与えられた離宮に籠り、王宮を訪れる事もしていなかったのだ。其れも此れも、両親が王と王妃としての責務を果たしていると、信じていればこそだった。
だがその信頼も、今や崩れ去った。
カリストは、何を信じれば良いのか、自分は何をすべきなのか分からなくなってしまった。
「キャニスは、親の私が言うのもなんですが、ある種の天才でしてな。学業も優秀でしたし、王配教育で王宮に通い始めると、あっという間に全てを習得してしまいました。その頃にはナリウス殿下とも関係は冷え切って、と申しますか、殿下の放蕩に拍車が掛かりましてな。殿下が処理するべき執務の全てを、息子が肩代わりする様になったのです」
「そうだったのか」
羞恥で顔を上げられない頭に、侯爵の冷たい視線が突き刺さるのが、カリストにははっきりと感じられた。
「キャニスは王子妃としての、執務も熟していたのにですよ?宰相殿や文官は喜んでおりました。まだ14に為るかならないかの、王族でもない、ただの婚約者の子供に全てを任せ、喜べる神経と言うのは、如何なものでしょうか」
「それが、破婚を願い出た理由か?」
「その一部ですな。元々私も妻も、殿下との婚約には最初から反対でした。キャニス程の子なら、結婚相手に不自由などありません。他国の王族との婚姻も可能なのですよ。実際打診もありましたから」
公爵の言う事は一々尤もだった。
大陸一の美貌を持ち、他の追随を許さない秀でた頭脳を持ったキャニスは、他国の王侯貴族も喉から手が出るほど、欲しい人材だろう。
「ですから両陛下には、何度もお断りさせて頂いたのです。しかし、両陛下は頑なにキャニスを所望された。そして、必ずキャニスを幸せにすると誓おう、もし約束を違えたなら、相応の償いをしよう、とまで仰られて。致し方なく私達も折れて、婚約婚姻に関する契約を結んだのです」
そこで侯爵は忌々しそうに、息を継いだ。
「そう・・だったのか」
「結局、その約束は一つも守られませんでしたなぁ。ナリウス殿下の行いに、何度も。そう何度も何度も、苦情を申し上げたが、一向に改善される事もなく。破婚願いは悉く無視され、挙句に今回の騒ぎだ。あの騒ぎで、キャニスだけではなく、我カラロウカ家も、盛大に大衆の面前で侮辱された訳ですが、とうのご本人からの謝罪もなければ、違約金の支払いさえ行われない。それを王族の1人として、殿下はどうお考えになられますか?」
「実に・・・実に恥ずべきことだと思う」
「流石留学先で、優秀な成績を納められた方は違いますな。王太子殿下とは同腹とは思えぬほど、真面なご意見で、私も臣下として安堵いたしました」
「・・・・すまん」
「ですが、それとキャニスとの面会を、許可出来るかどうかは、別の話しです」
「・・・・・」
「殿下。まずは王宮の両陛下をお尋ねなさい。賠償金違約金の支払いを済ませ、そしてキャニスが肩代わりしていた政務の全てを、殿下ご自身がなさってみるといい。それでも恥ずかしげもなく、キャニスに会いたいと仰るなら、それ相応の覚悟と誠意を、見せて貰わねばなりませんな」
「会うだけでもか?」
「まさか、殿下はそれ以上をお望みで?」
公爵から見下され、嫌味を連発されつつ呆れられても、今のカリストには何も言い返すことが出来ない。
俯いて唇を噛締めるカリストに向けられる侯爵の視線は、何処までも冷たかった。
90
お気に入りに追加
196
あなたにおすすめの小説

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない
鈴宮(すずみや)
恋愛
孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。
しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。
その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(3/14)ストック更新終わりました!幕間を挟みます。また本筋練り終わりましたら再開します。待っててくださいね♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる