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8話
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正妃の座を愛人に渡したかったのなら、自分を廃位し、神殿にでも放り込めば良いではないか。
自分は義務を果たしていただけで、夫の事は愛してなどいなかった。
愛人と睦まじく暮らしたいなら、邪魔などしなかったし、正妃の座だって快く明け渡した。
だが、長年自分の存在を疎ましく思っていた夫は、追放だけでは気が済まなかったらしい。
自分が何をしたと言うのだろう。
夫の横暴に耐え。
仕事を熟し、義務を果たし。
出来うる限りの努力をして来たのに。
冤罪を訴えたが、捏造された罪の証拠を並べ立てられ、キャニスの言葉に耳を傾けてくれものなど一人もいなかった。
父と兄は早々にキャニスを見捨て、公爵家の籍からキャニスを除籍する事で、自分たちに降りかかる火の粉から逃げた。
判決は有罪。
火刑を言い渡されたキャニスは、憎悪に燃える、民の前に引き出され、石や腐った卵、あらゆる汚物を投げつけられた。
生きたまま焼かれる自分の肉と髪の臭いも、炎の熱さと激痛も、忘れる事など出来はしない。
炎に巻かれ、上げた悲鳴をあざ笑った夫と愛人の顔に、自分が吐き出した呪いの言葉は、彼らと神に届いただろうか。
そして11回の人生は、転生から回帰へと変化した。
灼熱の地獄で閉じた瞼を開いたとき、最初に目にした人物が、死んだはずの母親だと認識したキャニスは、絶望した。
また同じ人生を歩めと言うのか?
同じ様に誰からも愛されず、憎まれあざ笑われ、炎に焼かれて死ねと言うのか。
そして。キャニスは人として大切な物を、自ら手放し失った。
もう誰も愛さない。
幸せなど望まない。
どんなに努力をした所で、誰からも愛されないのだから、そんなことに時間を掛けるのは,労力の無駄でしかない。
それからのキャニスは、幸福と愛を望む代わりに、前回自分の身に起こった、不幸や理不尽な出来事から、逃げる事に力を尽くした。
運命のあらすじに逆らう気力など、もうどこにも残って居なかったが、起こると分かって居る事を繰り返すのは、馬鹿のやる事だ。
それに、暖かく優しい母を死なせる事だけは忍びなく、原因となった事柄や外出は全力で回避した。
そのお陰で、母は今も元気にしているし、今の所家族から憎まれる事も無い。
しかし、あれだけ憎まれて生きて来たのだ、どんなに優しくされても、今更家族に心を開く事等、恐ろしくて出来る訳が無かった。
今度の人生も、何時状況が変わるか分からない。今は優しい家族だって、いつ豹変し、自分を憎み捨てるか分からない。
ならば家族の愛など当てにせず、自分自身の力で一人で生きていける様になれば良い。
幸いと言うべきか、前回の記憶のお陰で、公爵家の令息としての教養や学院の授業、王子妃教育などは、何をやっても直ぐに習得する事ができた。
それを父親は天才だと褒めそやしたが、同じ人生を繰り返すのなら、大概の事は覚えているものだ。
前回の人生で、血反吐を吐く思いで努力した結果。今回の人生では楽をすることが出来たし、空いた時間を自分自身のために使うことも出来た。
しかし自分を殺した王子との婚約は、結ばれてしまった。
どう足掻いても運命に逆らうこと等出来ないのだと、諦め全てを受け入れたキャニスだが、前世とは決定的に違う事が三つあった。
一つ・母親が存命な事。
二つ・家族や使用人達が、キャニスを可愛がっている事。
三つ・王子の素行の悪さが、早くに露呈した事。
特に三つ目の王子が馬鹿だという事が、早くに知れ渡った事で、公爵の方から破婚を申し出てはどうか、との打診が有った時には、何かの間違いではないか?と疑いながらも、火刑から逃れられるならと、藁にも縋る思いで、その提案に飛びついた。
結局今日まで、破婚願いは受理されることは無かったが、王子の暴走と言う形で、縁を切る事が出来た。
これは大いなる変化だ。
だが変わってしまった分、この先の人生がどうなって行くのか、分からない事だらけで、恐ろしくもある。
しかしあの処刑場に、再び立たなくて済むのだと思えば、この先の人生が隠匿生活だとしても、悪くないと思ってしまうキャニスだった。
そう言えば、前回の人生では、カリスト殿下には、子供の頃に何度かお会いしたきりで、死ぬまでお目にかかる事はなかったな。
留学先からも、一度もお戻りになられなかったし。
カリスト殿下は、ナリウス殿下と双子とは思えない程、精悍で聡明な印象の立派な青年になられていた。
それに子供の頃の様に、愛称でキャスと呼んでくださった。
これも前回とは違う事だ。
でも・・・・だからどうしたって感じ。
どうせ彼も、ナリウス殿下と同じ様に、僕を裏切るんだ。それにラリス王家とは、二度と関わりたくない。
出来るだけ彼には、近寄らないようにしよう。
いや殿下だけではなく、全ての人達と距離を取って来たから、今まで安全に暮らせて来れたのだと思う。
きっとこの先も、一人で生きて行った方が安全だ。
幸い家族も今はまだ、僕に優しくしてくれているけれど、この先どうなるかなんて、分からない。彼らの気が変わる前に、一人立ちできるだけの財産も用意が出来て、本当に良かった。
これはお父様の教えのお陰でもあるけれど、前世では、そんな教えを受ける事すらできなかった。
それに僕に魔道具作りの才能が有った事は、最大の幸運だったと思う。
僕が初めて作った魔道具は、前世での記憶を頼りに作った掃除機だった。みんなは困っている使用人のために、僕が掃除機を作ったのだと思っている。
兄のトバイアスは、使用人思いの優しい子だと、僕を褒め称えてくれたけど、実際は、前世であの使用人達に、汚れた水を何度も頭から被せられたんだよね。
だから二度とあんな思いをしたくなかったから、掃除に水を使わなくていい様にしただけで、楽をさせたかった訳じゃ無い。
家族が病気になった侍女にお金と薬を渡して、休みをやったのも、前世ではお父様が休みもやらず、彼女の家族が死んだから。
その怨みを買ったせいで、僕とお母様はあの侍女が雇った強盗に襲われて、お母様は死んでしまったから。
みんなは僕を優しい坊ちゃんって言うけど、僕は起こると分かって居る不幸を、避けて居るだけで、優しくなんか無い。
それに前世でも、魔力も多く魔法も得意ではあったけれど、誰かの前で披露する機会など一度も無かったし、もしそんな機会が有ったとしたら、問答無用で戦地に送られていただろう。
当時は、戦地に赴くことが怖くて仕方なかった。でも火刑で死ぬよりも、戦って死ぬことの方が、何倍もの意義も意味もあったのではないか、と今になって思う。
少しの恐怖に尻込みし、命を惜しんだ所為で、余計に過酷な目に合ったんだ。
でも今回は違う。
戦地行けと言われたら、素直に行こう。
以前の様に罪を捏造されたら、冤罪を訴えるのでは無く、さっさと逃げ出そう。
逃走の為に、王都から遠く離れた場所に、別人名義の隠し財産も、住処も用意した。生きて行く為の技術も身に着けた。
ここまで用意しても、また投獄され、命が奪われるなら。その時は、諦めて神を呪いながら死んでけばいい。
どうせまた、別の場所で、同じような悲惨な人生が待っているだけなんだから。
今度も人並みの幸せな人生なんて、無理に決まってる。
そんなこと分かってるんだ。
でも出来る事なら、幸せでなくてもいい。
今度は寿命が尽きるまで、静かに暮らせたらいいな。
それが駄目でも、今度は痛くない死に方にしてもらえないかな。
そんな身も蓋も無い事を考えながら、キャニスは眠りについたのだった。
自分は義務を果たしていただけで、夫の事は愛してなどいなかった。
愛人と睦まじく暮らしたいなら、邪魔などしなかったし、正妃の座だって快く明け渡した。
だが、長年自分の存在を疎ましく思っていた夫は、追放だけでは気が済まなかったらしい。
自分が何をしたと言うのだろう。
夫の横暴に耐え。
仕事を熟し、義務を果たし。
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冤罪を訴えたが、捏造された罪の証拠を並べ立てられ、キャニスの言葉に耳を傾けてくれものなど一人もいなかった。
父と兄は早々にキャニスを見捨て、公爵家の籍からキャニスを除籍する事で、自分たちに降りかかる火の粉から逃げた。
判決は有罪。
火刑を言い渡されたキャニスは、憎悪に燃える、民の前に引き出され、石や腐った卵、あらゆる汚物を投げつけられた。
生きたまま焼かれる自分の肉と髪の臭いも、炎の熱さと激痛も、忘れる事など出来はしない。
炎に巻かれ、上げた悲鳴をあざ笑った夫と愛人の顔に、自分が吐き出した呪いの言葉は、彼らと神に届いただろうか。
そして11回の人生は、転生から回帰へと変化した。
灼熱の地獄で閉じた瞼を開いたとき、最初に目にした人物が、死んだはずの母親だと認識したキャニスは、絶望した。
また同じ人生を歩めと言うのか?
同じ様に誰からも愛されず、憎まれあざ笑われ、炎に焼かれて死ねと言うのか。
そして。キャニスは人として大切な物を、自ら手放し失った。
もう誰も愛さない。
幸せなど望まない。
どんなに努力をした所で、誰からも愛されないのだから、そんなことに時間を掛けるのは,労力の無駄でしかない。
それからのキャニスは、幸福と愛を望む代わりに、前回自分の身に起こった、不幸や理不尽な出来事から、逃げる事に力を尽くした。
運命のあらすじに逆らう気力など、もうどこにも残って居なかったが、起こると分かって居る事を繰り返すのは、馬鹿のやる事だ。
それに、暖かく優しい母を死なせる事だけは忍びなく、原因となった事柄や外出は全力で回避した。
そのお陰で、母は今も元気にしているし、今の所家族から憎まれる事も無い。
しかし、あれだけ憎まれて生きて来たのだ、どんなに優しくされても、今更家族に心を開く事等、恐ろしくて出来る訳が無かった。
今度の人生も、何時状況が変わるか分からない。今は優しい家族だって、いつ豹変し、自分を憎み捨てるか分からない。
ならば家族の愛など当てにせず、自分自身の力で一人で生きていける様になれば良い。
幸いと言うべきか、前回の記憶のお陰で、公爵家の令息としての教養や学院の授業、王子妃教育などは、何をやっても直ぐに習得する事ができた。
それを父親は天才だと褒めそやしたが、同じ人生を繰り返すのなら、大概の事は覚えているものだ。
前回の人生で、血反吐を吐く思いで努力した結果。今回の人生では楽をすることが出来たし、空いた時間を自分自身のために使うことも出来た。
しかし自分を殺した王子との婚約は、結ばれてしまった。
どう足掻いても運命に逆らうこと等出来ないのだと、諦め全てを受け入れたキャニスだが、前世とは決定的に違う事が三つあった。
一つ・母親が存命な事。
二つ・家族や使用人達が、キャニスを可愛がっている事。
三つ・王子の素行の悪さが、早くに露呈した事。
特に三つ目の王子が馬鹿だという事が、早くに知れ渡った事で、公爵の方から破婚を申し出てはどうか、との打診が有った時には、何かの間違いではないか?と疑いながらも、火刑から逃れられるならと、藁にも縋る思いで、その提案に飛びついた。
結局今日まで、破婚願いは受理されることは無かったが、王子の暴走と言う形で、縁を切る事が出来た。
これは大いなる変化だ。
だが変わってしまった分、この先の人生がどうなって行くのか、分からない事だらけで、恐ろしくもある。
しかしあの処刑場に、再び立たなくて済むのだと思えば、この先の人生が隠匿生活だとしても、悪くないと思ってしまうキャニスだった。
そう言えば、前回の人生では、カリスト殿下には、子供の頃に何度かお会いしたきりで、死ぬまでお目にかかる事はなかったな。
留学先からも、一度もお戻りになられなかったし。
カリスト殿下は、ナリウス殿下と双子とは思えない程、精悍で聡明な印象の立派な青年になられていた。
それに子供の頃の様に、愛称でキャスと呼んでくださった。
これも前回とは違う事だ。
でも・・・・だからどうしたって感じ。
どうせ彼も、ナリウス殿下と同じ様に、僕を裏切るんだ。それにラリス王家とは、二度と関わりたくない。
出来るだけ彼には、近寄らないようにしよう。
いや殿下だけではなく、全ての人達と距離を取って来たから、今まで安全に暮らせて来れたのだと思う。
きっとこの先も、一人で生きて行った方が安全だ。
幸い家族も今はまだ、僕に優しくしてくれているけれど、この先どうなるかなんて、分からない。彼らの気が変わる前に、一人立ちできるだけの財産も用意が出来て、本当に良かった。
これはお父様の教えのお陰でもあるけれど、前世では、そんな教えを受ける事すらできなかった。
それに僕に魔道具作りの才能が有った事は、最大の幸運だったと思う。
僕が初めて作った魔道具は、前世での記憶を頼りに作った掃除機だった。みんなは困っている使用人のために、僕が掃除機を作ったのだと思っている。
兄のトバイアスは、使用人思いの優しい子だと、僕を褒め称えてくれたけど、実際は、前世であの使用人達に、汚れた水を何度も頭から被せられたんだよね。
だから二度とあんな思いをしたくなかったから、掃除に水を使わなくていい様にしただけで、楽をさせたかった訳じゃ無い。
家族が病気になった侍女にお金と薬を渡して、休みをやったのも、前世ではお父様が休みもやらず、彼女の家族が死んだから。
その怨みを買ったせいで、僕とお母様はあの侍女が雇った強盗に襲われて、お母様は死んでしまったから。
みんなは僕を優しい坊ちゃんって言うけど、僕は起こると分かって居る不幸を、避けて居るだけで、優しくなんか無い。
それに前世でも、魔力も多く魔法も得意ではあったけれど、誰かの前で披露する機会など一度も無かったし、もしそんな機会が有ったとしたら、問答無用で戦地に送られていただろう。
当時は、戦地に赴くことが怖くて仕方なかった。でも火刑で死ぬよりも、戦って死ぬことの方が、何倍もの意義も意味もあったのではないか、と今になって思う。
少しの恐怖に尻込みし、命を惜しんだ所為で、余計に過酷な目に合ったんだ。
でも今回は違う。
戦地行けと言われたら、素直に行こう。
以前の様に罪を捏造されたら、冤罪を訴えるのでは無く、さっさと逃げ出そう。
逃走の為に、王都から遠く離れた場所に、別人名義の隠し財産も、住処も用意した。生きて行く為の技術も身に着けた。
ここまで用意しても、また投獄され、命が奪われるなら。その時は、諦めて神を呪いながら死んでけばいい。
どうせまた、別の場所で、同じような悲惨な人生が待っているだけなんだから。
今度も人並みの幸せな人生なんて、無理に決まってる。
そんなこと分かってるんだ。
でも出来る事なら、幸せでなくてもいい。
今度は寿命が尽きるまで、静かに暮らせたらいいな。
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