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5話
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ルセ王朝の破産は確定だ。
大人しく破婚願いに応じておけば良かったものを。くだらない欲を優先し、私の妖精軽んじた罰だ!
歴史あるルセ王朝は遠からず潰える。その後は、可愛いキャニスを王に・・。
いや。
私の支配下にある、近隣諸国を纏めて帝国でも創り、皇帝の座に座らせてあげようか?
う~ん。
それだと、ドルグ帝国との軋轢で、キャニスが苦労する事になるな。ここはやはり、傀儡の王か皇帝でも擁立し、そこからの利益をキャニスに渡るようにした方が、断然いい。
ならばその役は、長男のトバイアスが引き受けるべきだな。あいつもキャニスの為なら何でもやる奴だ。
これは面白い。
途中で妻と合流した侯爵は、自宅へと向かう馬車に乗り込み、自らが属してきた王国の終焉を思い、一人ほくそ笑んだのだ。
******
「キャニス様お帰りなさいませ。お早いご帰宅ですが、パーティーは如何なされたのですか?ご気分が優れませんか?」
カラロウカ公爵家、筆頭執事セブルスは、卒業パーティーが行われている最中に帰宅した、キャニスの顔色が優れない事に、嫌な予感を感じていた。
フロックコートを脱ぐ手伝いをすると、キャニスの指先は冷え切っていて、まるで氷の様だった。
「湯あみの用意をさせますか?」
「・・・お兄様は。視察から帰って来ているの?」
「はい。お戻りで御座います」
「では、お話があるから伺っても良いか、聞いて来てくれる?大丈夫なら、僕がうかがうから、お兄様の部屋に紅茶とブランデー、あと蜂蜜酒を持って来て」
「ブランデーと蜂蜜酒、で御座いますか?」
キャニスも、長男のトバイアスも、余り酒を好まない。
珍しい事もあるものだと、首を捻るセブルスに、キャニスは小さくため息を吐きいた。
「多分、お兄様には必要だから」
「・・・左様でございますか。ではトバイアス様にお伺いしてまいります。ベラ、あとを頼みます」
キャニスの部屋を出たセブルスは、パーティーでキャニスに何か良くない事が起こったのだと、この短いやり取りで察知していた。
「クソ王子め。我等の可愛い坊ちゃんに何をした」
婚約者でありながら、今日の卒業パーティーで、王太子のナリウスはキャニスをエスコートするどころか、迎えの馬車も寄越さなかった。
これはキャニスだけでなく、カラロウカ公爵家に対する冒瀆だ。
これまでも王子は、可愛い坊ちゃんを、蔑ろにする行いばかりして来たが、流石に記念するべき卒業記念パーティーくらいは、エスコートに現れるだろうと思っていたのだ。しかしナリウスは、衣装も花の一輪さえ贈って来ず、公爵邸の使用人一同の怒りは爆発寸前。
王太子に対し、使用人の中には、呪いの人形を買いに行く、と言い出す者まで居たほどだ。
「急ぎ、トバイアス様にお知らせせねば」
普段、礼儀作法にうるさいセブルスが、小走りに廊下を行く姿を目にした使用人達は、パーティーの途中で帰宅した、みんなの坊ちゃんに何かあったのだと察した。
そして皆が一様に表情を硬くしながら、ポケットに忍ばせた、呪い人形を握りしめたのだった。
「坊ちゃん、何か召し上がられますか?」
「そうだね・・・お兄様が呼んでくれたら、紅茶と一緒に軽食を貰おうかな」
「はい。ご用意いたします。・・・・あの」
「どうしたの?」
「あの・・・差し出がましいとは思いますが、本日のパーティーで何かございましたか?その、坊ちゃんのお顔の色が・・・・」
「そう?平気な積りだったのだけれど・・・僕ね。婚約破棄されたんだ」
「は?・・・・はあ?!」
「もう永い事、破婚を願い出ていたけれど、まさかパーティー会場の、大勢が見ている前で、婚約の破棄を言い渡されるとは思って居なくてね。少し驚いた」
「こっ・・・こ・こ・こっ・こっ」
「ベラ? 大丈夫? 鶏みたいだよ?」
「はッ!!ここここ婚約、婚約破棄い~?! 誰が? 王様ですか? それとも、あのクソ、アホ王子?!」
「ベラ・・・そんな汚い言葉を使ってはダメだよ」
静かに窘めるキャニスに、ベラは慌てて手の平で口を押えた。
「申し訳ございません。って!落ち着いてる場合ですか?!」
「何故僕が騒ぐ必要が有るの?元々、破婚を望んでいたし。僕、殿下の心を望んだ事は一度も無いんだ。どうでもいい相手と、結婚しなくていいのだから、むしろ喜ばしい事だと思わない?」
「でも、でもぉ~!」
「何故、君が泣くの? ここは ”よかったね” と喜ぶところだよ?」
「でも。坊ちゃん!坊ちゃんから婚約を解消するならともかく、そんなやり方で、坊ちゃんに恥を掻かせるなんて、許せません!! あんな虫みたいな、歩く生殖器みたいな、股ゆるヤリチン王子が、坊ちゃんを振った形なんですよね?許せるわけ無いじゃないですかぁ!!」
「歩く生殖器って・・・・ベラは巧い事を言うね。でも女の子がそんな下品な事を言ってはいけないよ?」
「ゔぅぅぅ・・・ぼっちゃぁん」
「泣かないの。ほら、会場の入り口でもらった、記念のキャンディーを上げるから、機嫌を直して。みんなで食べなさい」
「ゔえぇ~~~~ん!!」
号泣する侍女に、キャンディーの瓶を握らせたキャニスは、ベラが用意していた新しいタオルで、その涙を拭ってやり、静かに頭を撫でてやったのだった。
侍女のベラを宥め、セブルスに伴われて、兄の自室に向かったキャニスは、パーティーでの出来事を淡々と兄に語った。
キャニスが予想した通り。
幼い頃から弟を溺愛してきたトバイアスは、ベラ以上に激昂し、今にも剣を掴んで王宮に乗り込みかねない勢いだ。
キャニス同様、強大な魔力を有するトバイアスが暴れたら、王宮を破壊し尽くしてしまう。
王宮を破壊することは構わないが、無関係な人間が被害に会うのは忍びない。
王太子への呪詛の言葉を吐き散らし、荒れ狂う兄に、キャニスは紅茶を垂らしたブランデーを勧めて、どうにか落ち着かせたのだった。
「あとの事は、お父様に頼んで来ましたので、今頃は巧くやってくれていると思います」
「だがなあ、キャス。10年!10年だぞ!あいつは、お前の青春を擦り潰したんだ!これが落ち着いて居られるか?!」
「殿下があのような人だって事は、何年も前から分かっていましたし。僕も彼を愛してはいませんでした。只臣下としての義務だと思っていたので、特に傷ついたりもしていません。まあ、為るべくしてなったと言うか」
「そうは言っても、パーティー会場で大勢が見ている前で、婚約破棄を言い渡すなど、正気の沙汰とは思えない!」
「正気ではなかったのでしょう」
「どういうことだ?」
「殿下とお相手の令嬢は、真実の愛がどうのと騒いでおりました。愛だの恋だのと言うものは、理性と真逆の感情でしょう?僕はそういう感情を感じたことが無いので、なんとも言えないのですけど」
余りにも落ち着いて、他人事のように語る弟に、トバイアスは戸惑い、悲しくなってきてしまった。
「キャス。お前はまだまだ若くて、最初の相手がクソだっただけで、この先お前が全てを預けても良いと思える相手に、必ず出会える。愛だの恋だのは、まだ初心なお前には早いだけさ」
「そうなんでしょうか」
「そうだとも。だがな。お前が気に入る奴が現れなければ、ずっとこの家に居ていいんだ。父上も母上も、勿論俺も、お前が幸せであることが一番大事なんだからな」
「はい」
「だからこそ。あのドアホ王子は許しがたい。破婚願いを無視した挙句。王も王妃も面倒な事は全て、お前に丸投げで、息子の愚かな振る舞いに眼をそむけてきた。その結果がこれだ。王家の連中には相応の報いが必要だ!」
大人しく破婚願いに応じておけば良かったものを。くだらない欲を優先し、私の妖精軽んじた罰だ!
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いや。
私の支配下にある、近隣諸国を纏めて帝国でも創り、皇帝の座に座らせてあげようか?
う~ん。
それだと、ドルグ帝国との軋轢で、キャニスが苦労する事になるな。ここはやはり、傀儡の王か皇帝でも擁立し、そこからの利益をキャニスに渡るようにした方が、断然いい。
ならばその役は、長男のトバイアスが引き受けるべきだな。あいつもキャニスの為なら何でもやる奴だ。
これは面白い。
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******
「キャニス様お帰りなさいませ。お早いご帰宅ですが、パーティーは如何なされたのですか?ご気分が優れませんか?」
カラロウカ公爵家、筆頭執事セブルスは、卒業パーティーが行われている最中に帰宅した、キャニスの顔色が優れない事に、嫌な予感を感じていた。
フロックコートを脱ぐ手伝いをすると、キャニスの指先は冷え切っていて、まるで氷の様だった。
「湯あみの用意をさせますか?」
「・・・お兄様は。視察から帰って来ているの?」
「はい。お戻りで御座います」
「では、お話があるから伺っても良いか、聞いて来てくれる?大丈夫なら、僕がうかがうから、お兄様の部屋に紅茶とブランデー、あと蜂蜜酒を持って来て」
「ブランデーと蜂蜜酒、で御座いますか?」
キャニスも、長男のトバイアスも、余り酒を好まない。
珍しい事もあるものだと、首を捻るセブルスに、キャニスは小さくため息を吐きいた。
「多分、お兄様には必要だから」
「・・・左様でございますか。ではトバイアス様にお伺いしてまいります。ベラ、あとを頼みます」
キャニスの部屋を出たセブルスは、パーティーでキャニスに何か良くない事が起こったのだと、この短いやり取りで察知していた。
「クソ王子め。我等の可愛い坊ちゃんに何をした」
婚約者でありながら、今日の卒業パーティーで、王太子のナリウスはキャニスをエスコートするどころか、迎えの馬車も寄越さなかった。
これはキャニスだけでなく、カラロウカ公爵家に対する冒瀆だ。
これまでも王子は、可愛い坊ちゃんを、蔑ろにする行いばかりして来たが、流石に記念するべき卒業記念パーティーくらいは、エスコートに現れるだろうと思っていたのだ。しかしナリウスは、衣装も花の一輪さえ贈って来ず、公爵邸の使用人一同の怒りは爆発寸前。
王太子に対し、使用人の中には、呪いの人形を買いに行く、と言い出す者まで居たほどだ。
「急ぎ、トバイアス様にお知らせせねば」
普段、礼儀作法にうるさいセブルスが、小走りに廊下を行く姿を目にした使用人達は、パーティーの途中で帰宅した、みんなの坊ちゃんに何かあったのだと察した。
そして皆が一様に表情を硬くしながら、ポケットに忍ばせた、呪い人形を握りしめたのだった。
「坊ちゃん、何か召し上がられますか?」
「そうだね・・・お兄様が呼んでくれたら、紅茶と一緒に軽食を貰おうかな」
「はい。ご用意いたします。・・・・あの」
「どうしたの?」
「あの・・・差し出がましいとは思いますが、本日のパーティーで何かございましたか?その、坊ちゃんのお顔の色が・・・・」
「そう?平気な積りだったのだけれど・・・僕ね。婚約破棄されたんだ」
「は?・・・・はあ?!」
「もう永い事、破婚を願い出ていたけれど、まさかパーティー会場の、大勢が見ている前で、婚約の破棄を言い渡されるとは思って居なくてね。少し驚いた」
「こっ・・・こ・こ・こっ・こっ」
「ベラ? 大丈夫? 鶏みたいだよ?」
「はッ!!ここここ婚約、婚約破棄い~?! 誰が? 王様ですか? それとも、あのクソ、アホ王子?!」
「ベラ・・・そんな汚い言葉を使ってはダメだよ」
静かに窘めるキャニスに、ベラは慌てて手の平で口を押えた。
「申し訳ございません。って!落ち着いてる場合ですか?!」
「何故僕が騒ぐ必要が有るの?元々、破婚を望んでいたし。僕、殿下の心を望んだ事は一度も無いんだ。どうでもいい相手と、結婚しなくていいのだから、むしろ喜ばしい事だと思わない?」
「でも、でもぉ~!」
「何故、君が泣くの? ここは ”よかったね” と喜ぶところだよ?」
「でも。坊ちゃん!坊ちゃんから婚約を解消するならともかく、そんなやり方で、坊ちゃんに恥を掻かせるなんて、許せません!! あんな虫みたいな、歩く生殖器みたいな、股ゆるヤリチン王子が、坊ちゃんを振った形なんですよね?許せるわけ無いじゃないですかぁ!!」
「歩く生殖器って・・・・ベラは巧い事を言うね。でも女の子がそんな下品な事を言ってはいけないよ?」
「ゔぅぅぅ・・・ぼっちゃぁん」
「泣かないの。ほら、会場の入り口でもらった、記念のキャンディーを上げるから、機嫌を直して。みんなで食べなさい」
「ゔえぇ~~~~ん!!」
号泣する侍女に、キャンディーの瓶を握らせたキャニスは、ベラが用意していた新しいタオルで、その涙を拭ってやり、静かに頭を撫でてやったのだった。
侍女のベラを宥め、セブルスに伴われて、兄の自室に向かったキャニスは、パーティーでの出来事を淡々と兄に語った。
キャニスが予想した通り。
幼い頃から弟を溺愛してきたトバイアスは、ベラ以上に激昂し、今にも剣を掴んで王宮に乗り込みかねない勢いだ。
キャニス同様、強大な魔力を有するトバイアスが暴れたら、王宮を破壊し尽くしてしまう。
王宮を破壊することは構わないが、無関係な人間が被害に会うのは忍びない。
王太子への呪詛の言葉を吐き散らし、荒れ狂う兄に、キャニスは紅茶を垂らしたブランデーを勧めて、どうにか落ち着かせたのだった。
「あとの事は、お父様に頼んで来ましたので、今頃は巧くやってくれていると思います」
「だがなあ、キャス。10年!10年だぞ!あいつは、お前の青春を擦り潰したんだ!これが落ち着いて居られるか?!」
「殿下があのような人だって事は、何年も前から分かっていましたし。僕も彼を愛してはいませんでした。只臣下としての義務だと思っていたので、特に傷ついたりもしていません。まあ、為るべくしてなったと言うか」
「そうは言っても、パーティー会場で大勢が見ている前で、婚約破棄を言い渡すなど、正気の沙汰とは思えない!」
「正気ではなかったのでしょう」
「どういうことだ?」
「殿下とお相手の令嬢は、真実の愛がどうのと騒いでおりました。愛だの恋だのと言うものは、理性と真逆の感情でしょう?僕はそういう感情を感じたことが無いので、なんとも言えないのですけど」
余りにも落ち着いて、他人事のように語る弟に、トバイアスは戸惑い、悲しくなってきてしまった。
「キャス。お前はまだまだ若くて、最初の相手がクソだっただけで、この先お前が全てを預けても良いと思える相手に、必ず出会える。愛だの恋だのは、まだ初心なお前には早いだけさ」
「そうなんでしょうか」
「そうだとも。だがな。お前が気に入る奴が現れなければ、ずっとこの家に居ていいんだ。父上も母上も、勿論俺も、お前が幸せであることが一番大事なんだからな」
「はい」
「だからこそ。あのドアホ王子は許しがたい。破婚願いを無視した挙句。王も王妃も面倒な事は全て、お前に丸投げで、息子の愚かな振る舞いに眼をそむけてきた。その結果がこれだ。王家の連中には相応の報いが必要だ!」
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