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千年王国
王都間近
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side・アレク
ウジュカとの国境になっている山を越え、平原に出たところで、エンラの休憩がてらの昼食をとる事になった。
俺はマークやロロシュを始めとする他の将校達と、ゴトフリーに戻った後の部隊編成や役割の分担の打ち合わせをする為に、昼食をレンと摂ることは出来なかった。
出来ればレンを膝に乗せたまま話をしたかったが、つまらない軍備の話しで、レンを退屈させるのも可哀そうだと、泣く泣く諦めたのだ。
俺が面白くもない話に、うんざりしている時、レンはクレイオスの傍で食事を摂りながら、何やら真剣に話をしているのが見えた。
話しの途中クレイオスは、魔力を使い空中に、文字と絵を描いてレンに何かを説明し始めた。レンは空中に浮かぶ文字と、クレイオスの顔を交互に見ながら話を聞いているが、時折納得いかないような仕草を見せていた。
「閣下?話聞いてるか?」
「聞いてるぞ、ウジュカの警護に、第3を廻したらどうかって話しだろ?」
「聞いてんのかよ?ちびっ子に気~取られたんじゃないのかよ?」
「今は打ち合わせ中だろうが」
「なにお堅い上司みたいな事言ってんだろね、この人は。ずっとちびっ子しか見てなかったくせに!」
「煩い!そう言えば、お前大公子にある事ない事。と言うか無い事ない事、吹き込んだらしいな?大公子が戸惑っていたぞ。お前子供相手に何してるんだ」
「え?あれ信じてたのかよ?ただの冗談だぞ?」
「あなた純真な子供に、何やってるんですか」
「あ?マークだって、大公子を𠮟りつけてだじゃねぇか」
するとマークは、金茶の瞳を眇め座っているロロシュを見下ろした。
「私は大人として、子供に正しい道を指導しただけです。無責任に揶揄っただけのあなたと、一緒にしないで欲しいですね。大体あなたは普段から、いい加減過ぎるのです」
「はあ?打ち合わせで、上の空だったのは閣下なのに、なんでオレが怒られてんだ?おかしいだろ?」
「上の空に見えていたとしても、俺は話を聞いていたし、どうすべきか考えていたから、非難される謂れはない。それに俺はレンの護衛でもあるのだから、気に掛けるのは当然だ」
「出たよ。都合の良い時ばっか、そういう事言うのな」
不毛な言い争いを続ける俺達3人に、ロドリックとショーンは溜息を吐いた。
「こういう時、上手い事収めてくれるミュラーさんも居ないし、どうやって収めりゃいいんだ?」
「ここは・・・エーグルさん何とかしてよ」
「すまん。自分には無理だ」
「「なんでだよ?!」」
「息ぴったりだな」
「そこ、感心するとじゃないから」
「なんで無理なんだよ」
「だって、怒ってるマークも可愛いから」
「グッ!! つっ番持ちのジレンマ!」
「グヌヌヌ・・・そう来たか。これは反論出来ん」
「みんな、何やってるの?会議は終わり?」
「はぇう!!びっくりした!!」
「レン様ッ!あの3人何とかして下さいっ!」
「エーグル卿、また口喧嘩?」
「はい」
「・・・ニコニコしてないで、こういう時は止めてね。エーグル卿は良いかも知れないけど、みんなは困るのよ?」
「ははッ!気を付けます」
「絶対分かってないでしょ。アレク?そろそろ出発しなくて良いの?お話はまだ終わらない?」
レンが声を掛けると、それまで子供のような言い争いを続けていた3人は、ピタリと黙り、うっそりと立ち上がったアレクはレンを抱き上げた。
「いやもう済んだ。ロロシュのバカ話に付き合ってただけだ」
「またそうやって、自分ばっか格好つけちゃってよ」
「ロロシュさん?アレクは素で格好いいんだから、しょうがないでしょ?それより、マークさんの髪が乱れてるわよ?早く直してあげて」
「お?おう・・・マークこっち来いよ」
その様子を見て居たショーンとロドリックは、ことの発端がレンだった事も忘れ、騎士団最高位に居る、くせ者3人を一瞬で黙らせ、機嫌を直したレンに、流石愛し子と感心している。
騎士という生き物は、単純な奴が多いのだ。
王都に向け街道を疾走する黒衣の集団に、道を行く人々は大慌てで道を開け、その統率された動きに、ゴトフリー王国軍との違いを見せつけられ、感嘆している様子だった。
森を抜け、草原を走り順調に道を進んだ俺達は、翌日の昼には王都への帰還を果たせる距離まで来ていた。
秋の日暮れは日に日に早まって来ている。
誰かの所為で魔物が増加している事も有り、夜間の移動は危険であるとの判断から、この日は街道脇の草原で、野営を張る事となった。
「疲れたか?」
「ううん。私はアレクに寄っかかってるだけだから、全然大丈夫。アレクの方こそ疲れてない?」
「俺は鍛えているし、慣れてもいるから問題ない」
「そう?なんか、ゴトフリーの王城って、全然お家って感じはしないのに、それでも、もう直ぐ着くと思うと、ホッとするから不思議」
「そうだな。取り敢えず、柔らかいベットは恋しいな」
「暖かいお風呂と、ぬくぬくのお布団。ダメ人間製造マッシーンの、破壊力は半端ないもんね」
「ダメ人間製造マシーン?レンは面白い事を言うな」
「えっと。向こうにあったんです。人間を駄目にするソファーとかクッションとか。中に細かなビーズがたくさん入っていて、こう・・・体を預けると、体の形にフィットして、もう動きたくなくなっちゃうんです」
クッションに体を預ける真似で、俺に背中をピッタリと寄せる番は、今日も可愛い。
「だからダメ人間なのか?面白いな」
「あのビーズの代わりになる物があれば、作れるんですけどね?何か良い物はないでしょうか?」
「そのビーズの大きさは?」
「このくらい?」
レンが指で作って見せたのは、穀物よりも小さな粒で、レンの眼鏡に適いそうなものは、大して思い浮かばなかった。
「ポープの種がそれくらいの大きさだが、一つの花から採れる種は、それほど多くない」
「そっか、じゃあ、集めて作るのは難しいかな?それに種だとお手入れが大変そう。そう思うと、プラスチックって偉大だったのね」
ぷらすちっく・・・・。
確か、人工的に造られた素材で、加工しやすいと前に話していたあれか?
「すぐに作らなければならない物でもあるまい?落ち着いてから、ゆっくり考えれば良い」
「うん。そうする」
「明日は早くに出発する。もう休もう」
「は~い」
機嫌よく返事をする番を抱き上げ、天幕に入ろうとした時。
遠くから ドーーンッ!!と何かが爆発するような音が聞こえ、地面が揺れたように感じた。
「地震?」
レンは地震が起きたと思っている様だが、俺はウジュカの首都で、外郭に群がる魔物を連想していた。
すると再び、ドーンッ! ドーンッ! と王都の方角から、続けて音が聞こえて来た。
「花火みたい・・・何かしら?」
「分からん・・索敵!!何か見えるかッ?!」
「・・・・ひ?・・・火が見えます。王都で火災が起こったようです!!」
「火事?じゃあ、あれは火事の爆発音なの?」
「いや・・・それにしては・・・」
音の鳴り方に違和感を覚えた直後、また爆発音が聞こえて来た。
「火災にしても、規模がでかそうだ・・・レン直ぐに出発しても良いか?」
「勿論です!何があったか分からないけど、人手は多い方が良いと思います」
「すまんな・・・出発準備ッ!! 王都へ向け出発するッ!!」
寝支度に入っていた部下達も、天幕から飛び出してきている。
俺達は張ったばかりの天幕を畳み、大急ぎで出発の準備を整えた。
しかしその間も、不気味な爆発音は断続的に鳴り続け。
俺達は、嫌な予感に背中を押されるように、王都へとむかったのだ。
ウジュカとの国境になっている山を越え、平原に出たところで、エンラの休憩がてらの昼食をとる事になった。
俺はマークやロロシュを始めとする他の将校達と、ゴトフリーに戻った後の部隊編成や役割の分担の打ち合わせをする為に、昼食をレンと摂ることは出来なかった。
出来ればレンを膝に乗せたまま話をしたかったが、つまらない軍備の話しで、レンを退屈させるのも可哀そうだと、泣く泣く諦めたのだ。
俺が面白くもない話に、うんざりしている時、レンはクレイオスの傍で食事を摂りながら、何やら真剣に話をしているのが見えた。
話しの途中クレイオスは、魔力を使い空中に、文字と絵を描いてレンに何かを説明し始めた。レンは空中に浮かぶ文字と、クレイオスの顔を交互に見ながら話を聞いているが、時折納得いかないような仕草を見せていた。
「閣下?話聞いてるか?」
「聞いてるぞ、ウジュカの警護に、第3を廻したらどうかって話しだろ?」
「聞いてんのかよ?ちびっ子に気~取られたんじゃないのかよ?」
「今は打ち合わせ中だろうが」
「なにお堅い上司みたいな事言ってんだろね、この人は。ずっとちびっ子しか見てなかったくせに!」
「煩い!そう言えば、お前大公子にある事ない事。と言うか無い事ない事、吹き込んだらしいな?大公子が戸惑っていたぞ。お前子供相手に何してるんだ」
「え?あれ信じてたのかよ?ただの冗談だぞ?」
「あなた純真な子供に、何やってるんですか」
「あ?マークだって、大公子を𠮟りつけてだじゃねぇか」
するとマークは、金茶の瞳を眇め座っているロロシュを見下ろした。
「私は大人として、子供に正しい道を指導しただけです。無責任に揶揄っただけのあなたと、一緒にしないで欲しいですね。大体あなたは普段から、いい加減過ぎるのです」
「はあ?打ち合わせで、上の空だったのは閣下なのに、なんでオレが怒られてんだ?おかしいだろ?」
「上の空に見えていたとしても、俺は話を聞いていたし、どうすべきか考えていたから、非難される謂れはない。それに俺はレンの護衛でもあるのだから、気に掛けるのは当然だ」
「出たよ。都合の良い時ばっか、そういう事言うのな」
不毛な言い争いを続ける俺達3人に、ロドリックとショーンは溜息を吐いた。
「こういう時、上手い事収めてくれるミュラーさんも居ないし、どうやって収めりゃいいんだ?」
「ここは・・・エーグルさん何とかしてよ」
「すまん。自分には無理だ」
「「なんでだよ?!」」
「息ぴったりだな」
「そこ、感心するとじゃないから」
「なんで無理なんだよ」
「だって、怒ってるマークも可愛いから」
「グッ!! つっ番持ちのジレンマ!」
「グヌヌヌ・・・そう来たか。これは反論出来ん」
「みんな、何やってるの?会議は終わり?」
「はぇう!!びっくりした!!」
「レン様ッ!あの3人何とかして下さいっ!」
「エーグル卿、また口喧嘩?」
「はい」
「・・・ニコニコしてないで、こういう時は止めてね。エーグル卿は良いかも知れないけど、みんなは困るのよ?」
「ははッ!気を付けます」
「絶対分かってないでしょ。アレク?そろそろ出発しなくて良いの?お話はまだ終わらない?」
レンが声を掛けると、それまで子供のような言い争いを続けていた3人は、ピタリと黙り、うっそりと立ち上がったアレクはレンを抱き上げた。
「いやもう済んだ。ロロシュのバカ話に付き合ってただけだ」
「またそうやって、自分ばっか格好つけちゃってよ」
「ロロシュさん?アレクは素で格好いいんだから、しょうがないでしょ?それより、マークさんの髪が乱れてるわよ?早く直してあげて」
「お?おう・・・マークこっち来いよ」
その様子を見て居たショーンとロドリックは、ことの発端がレンだった事も忘れ、騎士団最高位に居る、くせ者3人を一瞬で黙らせ、機嫌を直したレンに、流石愛し子と感心している。
騎士という生き物は、単純な奴が多いのだ。
王都に向け街道を疾走する黒衣の集団に、道を行く人々は大慌てで道を開け、その統率された動きに、ゴトフリー王国軍との違いを見せつけられ、感嘆している様子だった。
森を抜け、草原を走り順調に道を進んだ俺達は、翌日の昼には王都への帰還を果たせる距離まで来ていた。
秋の日暮れは日に日に早まって来ている。
誰かの所為で魔物が増加している事も有り、夜間の移動は危険であるとの判断から、この日は街道脇の草原で、野営を張る事となった。
「疲れたか?」
「ううん。私はアレクに寄っかかってるだけだから、全然大丈夫。アレクの方こそ疲れてない?」
「俺は鍛えているし、慣れてもいるから問題ない」
「そう?なんか、ゴトフリーの王城って、全然お家って感じはしないのに、それでも、もう直ぐ着くと思うと、ホッとするから不思議」
「そうだな。取り敢えず、柔らかいベットは恋しいな」
「暖かいお風呂と、ぬくぬくのお布団。ダメ人間製造マッシーンの、破壊力は半端ないもんね」
「ダメ人間製造マシーン?レンは面白い事を言うな」
「えっと。向こうにあったんです。人間を駄目にするソファーとかクッションとか。中に細かなビーズがたくさん入っていて、こう・・・体を預けると、体の形にフィットして、もう動きたくなくなっちゃうんです」
クッションに体を預ける真似で、俺に背中をピッタリと寄せる番は、今日も可愛い。
「だからダメ人間なのか?面白いな」
「あのビーズの代わりになる物があれば、作れるんですけどね?何か良い物はないでしょうか?」
「そのビーズの大きさは?」
「このくらい?」
レンが指で作って見せたのは、穀物よりも小さな粒で、レンの眼鏡に適いそうなものは、大して思い浮かばなかった。
「ポープの種がそれくらいの大きさだが、一つの花から採れる種は、それほど多くない」
「そっか、じゃあ、集めて作るのは難しいかな?それに種だとお手入れが大変そう。そう思うと、プラスチックって偉大だったのね」
ぷらすちっく・・・・。
確か、人工的に造られた素材で、加工しやすいと前に話していたあれか?
「すぐに作らなければならない物でもあるまい?落ち着いてから、ゆっくり考えれば良い」
「うん。そうする」
「明日は早くに出発する。もう休もう」
「は~い」
機嫌よく返事をする番を抱き上げ、天幕に入ろうとした時。
遠くから ドーーンッ!!と何かが爆発するような音が聞こえ、地面が揺れたように感じた。
「地震?」
レンは地震が起きたと思っている様だが、俺はウジュカの首都で、外郭に群がる魔物を連想していた。
すると再び、ドーンッ! ドーンッ! と王都の方角から、続けて音が聞こえて来た。
「花火みたい・・・何かしら?」
「分からん・・索敵!!何か見えるかッ?!」
「・・・・ひ?・・・火が見えます。王都で火災が起こったようです!!」
「火事?じゃあ、あれは火事の爆発音なの?」
「いや・・・それにしては・・・」
音の鳴り方に違和感を覚えた直後、また爆発音が聞こえて来た。
「火災にしても、規模がでかそうだ・・・レン直ぐに出発しても良いか?」
「勿論です!何があったか分からないけど、人手は多い方が良いと思います」
「すまんな・・・出発準備ッ!! 王都へ向け出発するッ!!」
寝支度に入っていた部下達も、天幕から飛び出してきている。
俺達は張ったばかりの天幕を畳み、大急ぎで出発の準備を整えた。
しかしその間も、不気味な爆発音は断続的に鳴り続け。
俺達は、嫌な予感に背中を押されるように、王都へとむかったのだ。
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