458 / 554
千年王国
進撃
しおりを挟む
「下に居るのは、種類が多すぎて、なんだかよく分からないぁ」
「そうだなぁ。まだ陽が差していないから断言は出来んが、パッと見た感じだと、蜘蛛は居なさそうだぞ?」
「本当ッ!よかったぁ~」
ホッと胸を撫で下ろす私に、アレクさんは苦笑いです。
私が蜘蛛を大っ嫌いになった理由は、結構下らなかったりするのだけど、それでも怖いものは怖いの。
水辺の魔物のヌメッとした感じも嫌だけど、蜘蛛の恐ろしさに勝るものは無いのです。
じゃあ、他の魔物なら平気なのかって聞かれたら、普通に怖いって思います。
でも、水辺の魔物や昆虫系の魔物は、全く何を考えているのか、分からないけれど、それ以外の魔物からは、苦しんでいる声が聞こえてくる。
その声を聴くと、可愛そうだなって気持ちの方が強くなるし、助けてあげたいと思ってしまう。
王都の地下墓地に居た、がしゃ髑髏でさえ、苦しい悲しいって気持ちが伝わって来たのです。
まあ、あれは、もとが人だったからって事もあるのでしょうが、生きていれば尚更ね。
だからこそ不思議です。
普通この距離なら、あの大量の魔物達が、とっくに私達に気付いて、襲って来てもいい頃なのに、全く無関心なんて。昨日もワイバーンに気付かれるまで、結構時間が掛かったし。
それだけ強く魔物を引き付ける何かが、首都にはあるという事でしょう?
私の魅了を全開にしても、こうは為らないと思います。
カルは面白がって、一度試して見ろ、と言っていましたが、謹んでお断りさせて頂きました。ガルスタで、獣人隊に追われた時だって、凄く怖かったのに、魔物相手に、全開になんてしたくありません。
「クレイオス達の姿が見えんな」
「え? あっうん。理由は教えてくれなかったけど、ここでは自分は姿を見せない方が良いだろうって。でもキッチリ仕事はするから、安心しろって言ってました」
「また神の制約か?」
「何と無く、それだけじゃない気がするのよね。でも、カルやキッズ達ならともかく、クレイオス様のサイズだと、完全に怪獣大戦争だもん、首都の人達を驚かせない様に、隠れているのは正解なのかも?」
「一理あるな。ならドラゴンは好きにさせておこう。俺達は、完全に夜が明ける前に始めるぞ?」
「はい。今度こそ首都に入って、物資を届けて上げましょうね」
気負う私の頭を、アレクさんは優しく撫でてくれました。
この優しい人が関係している神託の意味を知り、アウラ様の言う千年王国を創る為に、私も精一杯頑張りたいと思います。
「なあレン?」
「なあに?」
「戦闘の前に、幸運のキスをくれないか?」
「キッ?・・・・・キス?みんなの前で?」
「駄目か?」
そのあざとい顔ヤーメーテー?!
ウルウルした眼で見ないで~。
断り辛い~!
「ほ・・ほっぺでいいよね?」
「唇は駄目か?」
もう!!
だからやめてよ!!
「恥ずかしいから、ほっぺで我慢して」
なんなのその拗ねたような、不満げな顔。
今ちょっと、可愛いとか思っちゃったじゃない。
本気で恥ずかしいんだってば!!
これ以上何か言われる前に、済ましちゃお!
祝福も発動しておけば、幸運のキスになるわよね?
Chu!
ん? なんか柔らかい?
えぇ?なんで唇に・・・?
ほっぺを狙たのに??
「うっ!・・・」
今なっなめっ・・・?
ちょっと!ヤダ!! 駄目だって!!
「ん~~!・・・・ぷはっ」
「隙だらけだぞ?」
こっこの人、わざと顔ずらしたの?
なんてことすんのよ?!
みんな見てるのに!?
めちゃくちゃ恥ずかしい!!
0距離で目を覗き込むとか、反則!!
反則でしょ?!
「なっなにするんですか?!」
「さぁ? 何の事だ? キスしてくれたのはレンだろ?」
なに、ニヤニヤしてんの?!
「ずるい!! アレクのバカッ!!」
「うん。あれは狡い」
「ずるいな」
「でも閣下だから、あのくらい普通にやりそう」
「だなぁ・・・・」
「見ろよ。レン様真っ赤だぜ」
「頭から湯気出そう」
「「「「いいなぁ。うらやましいなぁ」」」」
ぴっピヨちゃんズに見られた?!
「ひっひょこちゃん達?今のは内緒!内緒だから!」
「え?」
「別に内緒にしなくても」
「なあ?」
「仲良くていいっすね」
「内緒なのっ!誰かに言ったら、お菓子抜きだからね!!」
「お菓子抜きって」
「オレ等子供ですか」
「なぁ」
「でもレン様が言うんなら、可愛いから言う通りにするっス」
4人揃って親指立てられても、全然信用できない。
アレクさんは喉の奥でずっと笑ってるし。
戦闘前だって言うのに、緩すぎやしませんか?
「閣下。レン様を揶揄い過ぎですよ?」
「あぁ、すまんな」
「それからレン様。このひよこ達に、内緒は通じませんので、我慢してください」
「うぅ・・・・」
やっぱりかぁ!
そうだと思ったよ!!
「閣下。準備整いましたので。いつでも行けます」
「分かった」
ブルーベルちゃんの首を廻らし、首都に向き直ったアレクさんが、左手を肩の高さに掲げると、今までの少し緩かった空気がビシリと引き締まりました。
緊張が高まり、ビリビリした空気が肌に刺さるようです。
アレクさんが大きく息を吸い込み、引き締まった胸がいっぱいに膨らみ・・・。
「出撃っ!!」
「「「「うおおおーーーー!!!」」」」
「「「「わぁーーーーーー!!!!」」」」
鬨の声をあげた騎士さん達が、先陣を切るアレクさんの後に続いて飛び出して来ます。
私達の横には、アンと子供達。
姿の見えないカルとキッズ達は、クレイオス様と一緒に姿を隠しているようです。
でも気配は感じるので、多分私達の頭の上あたりにいると思うのですが、流れ弾に当たらないと良いのですけど。
クレイオス様とカルは、なんて事ないかも知れませんが、クオンとノワールは心配です。
でも人型を取って、私達の傍に居るより、クレイオス様の傍の方が安全かもしれませんね。
突進する騎士団に気付いた魔物達が、土煙を上げてこちらに向かってきます。
その中で、飛行タイプの魔物の動きが、やはり早いようです。
一番早く接触しそうなのは、猛禽類の頭と羽を持ち、足と胴体は別の生き物のように見える、アレクさんが言っていたグリフォンか、ヒッポグリフでしょう。
背中でアレクさんの魔力が、高まって行くのが分かりました。
伸ばした右腕から炎が飛び出し、紅蓮の龍となって、朝焼けの空に浮かぶ魔物の群れに襲い掛かりました。
「えっ?」
「あ?」
私達が揃って間抜けを出した訳は、アレクさんが放った紅蓮の龍が、魔物に届く直前、何倍もの大きさに膨れ上がり、魔物の群れを飲み込み、全てを灰に変えてしまったからです。
大喜びで歓声を上げる、騎士さん達の士気は爆上がりです。
「えっと、今のは?」
「・・・クレイオスかカルだろう。俺の炎を増幅したな。チッ!余計な真似を」
他人が放った魔法を増幅?
そんな便利な事って出来るんだ。
クレイオス様とカルは器用だなあ。
無駄に長生きしてる訳じゃないのね
感心する私でしたが、アレクさんは空に向かって ”余計な事をするなっ!” と吠えています。
魔物達には可哀そうですが、このまま手伝って貰えれば、この掃討戦も、とっても楽になると思うのだけど?
アレクは指揮官だから、騎士の配置とか、そういう事も考えながらの、力配分なのかも知れませんね。
決して自分が出来ない技を、クレイオス様かカルが出来るからって、負け惜しみで拗ねている訳じゃありませんよね?
「そうだなぁ。まだ陽が差していないから断言は出来んが、パッと見た感じだと、蜘蛛は居なさそうだぞ?」
「本当ッ!よかったぁ~」
ホッと胸を撫で下ろす私に、アレクさんは苦笑いです。
私が蜘蛛を大っ嫌いになった理由は、結構下らなかったりするのだけど、それでも怖いものは怖いの。
水辺の魔物のヌメッとした感じも嫌だけど、蜘蛛の恐ろしさに勝るものは無いのです。
じゃあ、他の魔物なら平気なのかって聞かれたら、普通に怖いって思います。
でも、水辺の魔物や昆虫系の魔物は、全く何を考えているのか、分からないけれど、それ以外の魔物からは、苦しんでいる声が聞こえてくる。
その声を聴くと、可愛そうだなって気持ちの方が強くなるし、助けてあげたいと思ってしまう。
王都の地下墓地に居た、がしゃ髑髏でさえ、苦しい悲しいって気持ちが伝わって来たのです。
まあ、あれは、もとが人だったからって事もあるのでしょうが、生きていれば尚更ね。
だからこそ不思議です。
普通この距離なら、あの大量の魔物達が、とっくに私達に気付いて、襲って来てもいい頃なのに、全く無関心なんて。昨日もワイバーンに気付かれるまで、結構時間が掛かったし。
それだけ強く魔物を引き付ける何かが、首都にはあるという事でしょう?
私の魅了を全開にしても、こうは為らないと思います。
カルは面白がって、一度試して見ろ、と言っていましたが、謹んでお断りさせて頂きました。ガルスタで、獣人隊に追われた時だって、凄く怖かったのに、魔物相手に、全開になんてしたくありません。
「クレイオス達の姿が見えんな」
「え? あっうん。理由は教えてくれなかったけど、ここでは自分は姿を見せない方が良いだろうって。でもキッチリ仕事はするから、安心しろって言ってました」
「また神の制約か?」
「何と無く、それだけじゃない気がするのよね。でも、カルやキッズ達ならともかく、クレイオス様のサイズだと、完全に怪獣大戦争だもん、首都の人達を驚かせない様に、隠れているのは正解なのかも?」
「一理あるな。ならドラゴンは好きにさせておこう。俺達は、完全に夜が明ける前に始めるぞ?」
「はい。今度こそ首都に入って、物資を届けて上げましょうね」
気負う私の頭を、アレクさんは優しく撫でてくれました。
この優しい人が関係している神託の意味を知り、アウラ様の言う千年王国を創る為に、私も精一杯頑張りたいと思います。
「なあレン?」
「なあに?」
「戦闘の前に、幸運のキスをくれないか?」
「キッ?・・・・・キス?みんなの前で?」
「駄目か?」
そのあざとい顔ヤーメーテー?!
ウルウルした眼で見ないで~。
断り辛い~!
「ほ・・ほっぺでいいよね?」
「唇は駄目か?」
もう!!
だからやめてよ!!
「恥ずかしいから、ほっぺで我慢して」
なんなのその拗ねたような、不満げな顔。
今ちょっと、可愛いとか思っちゃったじゃない。
本気で恥ずかしいんだってば!!
これ以上何か言われる前に、済ましちゃお!
祝福も発動しておけば、幸運のキスになるわよね?
Chu!
ん? なんか柔らかい?
えぇ?なんで唇に・・・?
ほっぺを狙たのに??
「うっ!・・・」
今なっなめっ・・・?
ちょっと!ヤダ!! 駄目だって!!
「ん~~!・・・・ぷはっ」
「隙だらけだぞ?」
こっこの人、わざと顔ずらしたの?
なんてことすんのよ?!
みんな見てるのに!?
めちゃくちゃ恥ずかしい!!
0距離で目を覗き込むとか、反則!!
反則でしょ?!
「なっなにするんですか?!」
「さぁ? 何の事だ? キスしてくれたのはレンだろ?」
なに、ニヤニヤしてんの?!
「ずるい!! アレクのバカッ!!」
「うん。あれは狡い」
「ずるいな」
「でも閣下だから、あのくらい普通にやりそう」
「だなぁ・・・・」
「見ろよ。レン様真っ赤だぜ」
「頭から湯気出そう」
「「「「いいなぁ。うらやましいなぁ」」」」
ぴっピヨちゃんズに見られた?!
「ひっひょこちゃん達?今のは内緒!内緒だから!」
「え?」
「別に内緒にしなくても」
「なあ?」
「仲良くていいっすね」
「内緒なのっ!誰かに言ったら、お菓子抜きだからね!!」
「お菓子抜きって」
「オレ等子供ですか」
「なぁ」
「でもレン様が言うんなら、可愛いから言う通りにするっス」
4人揃って親指立てられても、全然信用できない。
アレクさんは喉の奥でずっと笑ってるし。
戦闘前だって言うのに、緩すぎやしませんか?
「閣下。レン様を揶揄い過ぎですよ?」
「あぁ、すまんな」
「それからレン様。このひよこ達に、内緒は通じませんので、我慢してください」
「うぅ・・・・」
やっぱりかぁ!
そうだと思ったよ!!
「閣下。準備整いましたので。いつでも行けます」
「分かった」
ブルーベルちゃんの首を廻らし、首都に向き直ったアレクさんが、左手を肩の高さに掲げると、今までの少し緩かった空気がビシリと引き締まりました。
緊張が高まり、ビリビリした空気が肌に刺さるようです。
アレクさんが大きく息を吸い込み、引き締まった胸がいっぱいに膨らみ・・・。
「出撃っ!!」
「「「「うおおおーーーー!!!」」」」
「「「「わぁーーーーーー!!!!」」」」
鬨の声をあげた騎士さん達が、先陣を切るアレクさんの後に続いて飛び出して来ます。
私達の横には、アンと子供達。
姿の見えないカルとキッズ達は、クレイオス様と一緒に姿を隠しているようです。
でも気配は感じるので、多分私達の頭の上あたりにいると思うのですが、流れ弾に当たらないと良いのですけど。
クレイオス様とカルは、なんて事ないかも知れませんが、クオンとノワールは心配です。
でも人型を取って、私達の傍に居るより、クレイオス様の傍の方が安全かもしれませんね。
突進する騎士団に気付いた魔物達が、土煙を上げてこちらに向かってきます。
その中で、飛行タイプの魔物の動きが、やはり早いようです。
一番早く接触しそうなのは、猛禽類の頭と羽を持ち、足と胴体は別の生き物のように見える、アレクさんが言っていたグリフォンか、ヒッポグリフでしょう。
背中でアレクさんの魔力が、高まって行くのが分かりました。
伸ばした右腕から炎が飛び出し、紅蓮の龍となって、朝焼けの空に浮かぶ魔物の群れに襲い掛かりました。
「えっ?」
「あ?」
私達が揃って間抜けを出した訳は、アレクさんが放った紅蓮の龍が、魔物に届く直前、何倍もの大きさに膨れ上がり、魔物の群れを飲み込み、全てを灰に変えてしまったからです。
大喜びで歓声を上げる、騎士さん達の士気は爆上がりです。
「えっと、今のは?」
「・・・クレイオスかカルだろう。俺の炎を増幅したな。チッ!余計な真似を」
他人が放った魔法を増幅?
そんな便利な事って出来るんだ。
クレイオス様とカルは器用だなあ。
無駄に長生きしてる訳じゃないのね
感心する私でしたが、アレクさんは空に向かって ”余計な事をするなっ!” と吠えています。
魔物達には可哀そうですが、このまま手伝って貰えれば、この掃討戦も、とっても楽になると思うのだけど?
アレクは指揮官だから、騎士の配置とか、そういう事も考えながらの、力配分なのかも知れませんね。
決して自分が出来ない技を、クレイオス様かカルが出来るからって、負け惜しみで拗ねている訳じゃありませんよね?
94
お気に入りに追加
1,325
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
困りました。縦ロールにさよならしたら、逆ハーになりそうです。《改訂版》
新 星緒
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢アニエス(悪質ストーカー)に転生したと気づいたけれど、心配ないよね。だってフラグ折りまくってハピエンが定番だもの。
趣味の悪い縦ロールはやめて性格改善して、ストーカーしなければ楽勝楽勝!
……って、あれ?
楽勝ではあるけれど、なんだか思っていたのとは違うような。
想定外の逆ハーレムを解消するため、イケメンモブの大公令息リュシアンと協力関係を結んでみた。だけどリュシアンは、「惚れた」と言ったり「からかっただけ」と言ったり、意地悪ばかり。嫌なヤツ!
でも実はリュシアンは訳ありらしく……
抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。
そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!?
貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
婚約破棄されたので、隠していた力を解放します
ミィタソ
恋愛
「――よって、私は君との婚約を破棄する」
豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アルバートが高らかに宣言した。
周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。
私は、この状況をただ静かに見つめていた。
「……そうですか」
あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。
婚約破棄、大いに結構。
慰謝料でも請求してやりますか。
私には隠された力がある。
これからは自由に生きるとしよう。
ブサイク令嬢は、眼鏡を外せば国一番の美女でして。
みこと。
恋愛
伯爵家のひとり娘、アルドンサ・リブレは"人の死期"がわかる。
死が近づいた人間の体が、色あせて見えるからだ。
母に気味悪がれた彼女は、「眼鏡をかけていれば見えない」と主張し、大きな眼鏡を外さなくなった。
無骨な眼鏡で"ブサ令嬢"と蔑まれるアルドンサだが、そんな彼女にも憧れの人がいた。
王女の婚約者、公爵家次男のファビアン公子である。彼に助けられて以降、想いを密かに閉じ込めて、ただ姿が見れるだけで満足していたある日、ファビアンの全身が薄く見え?
「ファビアン様に死期が迫ってる!」
王女に新しい恋人が出来たため、ファビアンとの仲が危ぶまれる昨今。まさか王女に断罪される? それとも失恋を嘆いて命を絶つ?
慌てるアルドンサだったが、さらに彼女の目は、とんでもないものをとらえてしまう──。
不思議な力に悩まされてきた令嬢が、初恋相手と結ばれるハッピーエンドな物語。
幸せな結末を、ぜひご確認ください!!
(※本編はヒロイン視点、全5話完結)
(※番外編は第6話から、他のキャラ視点でお届けします)
※この作品は「小説家になろう」様でも掲載しています。第6~12話は「なろう」様では『浅はかな王女の末路』、第13~15話『「わたくしは身勝手な第一王女なの」〜ざまぁ後王女の見た景色〜』、第16~17話『氷砂糖の王女様』というタイトルです。
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる