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愛し子と樹海の王
愛し子と宰相
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ふぁぁぁ・・・・。
やっと終わった。
ロイド様、怖かったぁ・・・。
ちゃんとした王家出身の人って、やっぱり持ってるオーラが違うというか。
背中から何かが、噴き出しているというか・・・。
普段お優しい方が、怒ると怖いってのは本当ですね。
今までは、アレクさんがお叱りを受ける事は在っても、直接私が叱責されることは無かったので、こんなに怖いとは思いませんでした。
悪いのは私なのだから、仕方がないのだけれど。
二度とロイド様を怒らせるような真似はするまい、と硬く心に誓った私なのでした。
「あっ、すみません!」
ちょうど通りかかった、宰相さんの補佐官さんに、声を掛けました。
「愛し子様? 如何なさいましたか?」
「グリーンヒル宰相閣下は、今、何方にいらっしゃるか分かりませんか?」
「宰相閣下ですか?」
私の後ろに立っている、ボロボロのアレクさんとカルに、補佐官さんはチラリと視線を向けました。
そして何故か、慌てて視線を逸らすと "宰相閣下は、第二騎士団の練武場に、状況確認に行っている" と教えてくれました。
「レン? 今からグリーンヒルと話すのか?」
「いけませんか?」
「いけなくはないが・・・・」
「なら、構いませんよね?」
「・・・怒っているのか?」
私に怒られるような事をした、自覚はあるのね?
「プッ!ククク・・・」
眦を下げ、オロオロし出したアレクさんに、思わず吹き出してしまいました。
「あはは。なんで怒るんですか? 私達共犯ですよ?」
最初は腹が立ちましたが、こうなってしまえば私も同罪です。
「そうなんだが。レンには迷惑を掛けたし、俺達の所為で、君もロイド様に叱られてしまったから」
「ふふふ。ロイド様怖かったですねぇ。お互い今後は、ロイド様を怒らせない様に、気を付けましょうね?」
とは言っても、普通に生きていたら、早々皇太后陛下を怒らせるような事件は、起こらない筈なのですけどね?
「と云う事で、これ以上ロイド様を怒らせたくないので、私は課題の準備と、詰め所の様子を見に、グリーンヒルさんに会ってきますね」
「一人で行くのか?」
ほっぺたを煤で黒くしたまま、捨てられた子犬みたいな目で見ないの!
拾いたくなるでしょう?!
「キッズ達がいますよ?アレクとカルは、先にその格好を何とかしないと・・・それに、詰め所を使えなくしてしまったから、宮に帰って、ローガンさんに部屋の準備を頼んでくれる?」
アレクさんとカルは、あちらこちらが破け、焦げ跡だらけの自分達の姿を見下ろして、揃って溜息を吐いています。
「宮を使わせるのか?」
「寝る処が無かったら、みんな困るでしょ?」
「それは、そうなんだが」
「詰め所を壊したのは、私だから責任は取らないと。それに私は細かい人数が分からないから、アレクが指示してくれると、助かるのだけど」
”ダメ?”
と見上げると、アレクさんは。
”グウゥ”
と唸り声をあげています。
これは、ダメって事でしょうか?
「ごめんなさい。私が壊したのに、アレクさんに頼んだら、いけないわよね?」
「いや、そういう事じゃなくてだな・・・・分かった。手配は俺がやっておく」
やだ。
がっくり肩を落とされちゃった。
そんなに嫌だったの?
なんか、カルに肩を叩かれて、慰められてるけど・・・・。
やっぱり男の人って、良く分からないな。
その後私は、詰め所の被害状況を確認していた、グリーンヒルさんを捕まえました。先ずは、迷惑を掛けた事をお詫びしてから、アーノルドさんから言い渡された処分を伝え。 詰め所の建て替えと、庭園と通路の修繕費用が、どのくらい掛かりそうなのかを、教えてもらいました。
アーノルドさんは、練武場を含めた、全ての修繕と建て替え費用を、アレクさんに、全額負担するように言っていました。
けれど ”私が壊した分は、自分で支払う積りだ” と話すと、何故か宰相さんに、痛い子を見る目で見られてしまったのです。
解せぬ。
自分の仕出かした事は、自分で責任を取らなきゃ。
でしょ?
「レン様の御考えは誠に正しい。ですが、閣下の顔を立てて差し上げる事も、大事だと私は思いますよ?」
「私がお金を出すと、アレクさんの顔を、潰すことになるのですか?」
「顔を潰す、とまでは行きませんが、伴侶に金を出させた、ケチ臭い雄。と陰で言われるかもしれませんね」
「そうなんだ。じゃあ、私は如何すればいいのかしら?」
「そうですねぇ。詰め所の内装や、備品の購入。庭園に植える草木や花の購入なら、問題ないと思います」
ん?
外装は駄目で、内装はOK?
外構工事はNGで、ガーデニングなら良いの?
「?? その違いはどこに?」
「個人のセンスが、求められるかどうかですな」
これぞ、お貴族様の謎理論。
でも、確か小説でも、貴族のお城の内装関係は ”奥様の管轄” みたいな話が有ったから、そういう事なのでしょうか?
無理やり自分を納得させた私は、もう一つの問題。
ロイド様からの課題について、グリーンヒルさんの意見を求めました。
私は、こちらの法律や経済に、詳しくありません。
お金の流れ的なものは、彼方も此方も、そう変わりはないと思います。でも私は、風習やしきたりの違いで、どこまで受け入れて貰えるのか。
その許容範囲が分からないのです。
そう前置きしてから、ゴトフリーの再建について、私の考えを聞いて貰いました。
結果、敏腕宰相閣下の反応は上々。
細かな問題点や修正は必要だけれど、悪くない構想だ、と太鼓判を頂くことが出来ました。
「採用されるかどうかは、殿下の裁量次第ですが、個人的には、とても興味深いお考えだと思います」
「皇家の懐刀にそう言って貰えて、安心しました」
「ふところがたな?」
「えっと、ナイフみたいな、小さめの刀の事なんですけど、腹心の部下とか、最も頼りになる人を、表す言葉なんです」
「頼りに・・・・愛し子様から、お褒め頂けるとは、恐悦至極ですな」
「グリーンヒルさんが手配してくれた、文官の皆さんはとても優秀です。ああいう優秀な方が、これからのゴトフリーには、沢山必要なのです。でも、人材の確保って、難しいですよね」
「そうですなぁ。ウィリアム陛下も、人材育成には注力されておられました。しかし、あの大厄災で、犠牲になった者も多い。今は何処も人手不足です」
「ですよねぇ」
2人で溜息を吐いている処にやって来た、アレクさんとカルを見つけた宰相さんは、チクチクと小言を言ってから、秋桜宮に戻って行ったのでした。
◇◇
そして翌日。
ロイド様に呼び出された私達は、アーノルドさんの戻りを待つ間、一旦翡翠宮の応接室に通されました。
ロイド様とアーノルドさんが待つ部屋へは、一人ずつ順番に案内される、との事だったのですが。
これにアレクさんが反発。
二人同時で問題なかろうと、ゴネまくって居ます。私の事を、心配してくれる気持ちは嬉しいです。
けれど、過保護が過ぎやしませんか?
ゴネた処で、ロイド様の決定に逆らえる筈も無く。
皇太后陛下の命により、最初はアレクさんが、課題発表の場に、連れていかれました。
自分の順番を待つ間、数年前の就活を思い出した私は、緊張しながらも、どことなく懐かしい気分に、一人浸っていたのです。
暫くして課題発表を終え、戻って来たアレクさんは、ぐったり?げんなり?した様子で、ソファーに沈み込んでしまいました。
「あぁ。クソッ。このままレンを連れて帰りたい」
そう言って、私を抱き寄せたアレクさんでしたが、直ぐにロイド様からお声が掛かり、私も課題発表・・・と言うか、これ完全にプレゼンですよね?
侍従さんに急かされ、アレクさんの腕の中から抜け出した私は、最高権力者を満足させるための、プレゼンへと向かったのでした。
やっと終わった。
ロイド様、怖かったぁ・・・。
ちゃんとした王家出身の人って、やっぱり持ってるオーラが違うというか。
背中から何かが、噴き出しているというか・・・。
普段お優しい方が、怒ると怖いってのは本当ですね。
今までは、アレクさんがお叱りを受ける事は在っても、直接私が叱責されることは無かったので、こんなに怖いとは思いませんでした。
悪いのは私なのだから、仕方がないのだけれど。
二度とロイド様を怒らせるような真似はするまい、と硬く心に誓った私なのでした。
「あっ、すみません!」
ちょうど通りかかった、宰相さんの補佐官さんに、声を掛けました。
「愛し子様? 如何なさいましたか?」
「グリーンヒル宰相閣下は、今、何方にいらっしゃるか分かりませんか?」
「宰相閣下ですか?」
私の後ろに立っている、ボロボロのアレクさんとカルに、補佐官さんはチラリと視線を向けました。
そして何故か、慌てて視線を逸らすと "宰相閣下は、第二騎士団の練武場に、状況確認に行っている" と教えてくれました。
「レン? 今からグリーンヒルと話すのか?」
「いけませんか?」
「いけなくはないが・・・・」
「なら、構いませんよね?」
「・・・怒っているのか?」
私に怒られるような事をした、自覚はあるのね?
「プッ!ククク・・・」
眦を下げ、オロオロし出したアレクさんに、思わず吹き出してしまいました。
「あはは。なんで怒るんですか? 私達共犯ですよ?」
最初は腹が立ちましたが、こうなってしまえば私も同罪です。
「そうなんだが。レンには迷惑を掛けたし、俺達の所為で、君もロイド様に叱られてしまったから」
「ふふふ。ロイド様怖かったですねぇ。お互い今後は、ロイド様を怒らせない様に、気を付けましょうね?」
とは言っても、普通に生きていたら、早々皇太后陛下を怒らせるような事件は、起こらない筈なのですけどね?
「と云う事で、これ以上ロイド様を怒らせたくないので、私は課題の準備と、詰め所の様子を見に、グリーンヒルさんに会ってきますね」
「一人で行くのか?」
ほっぺたを煤で黒くしたまま、捨てられた子犬みたいな目で見ないの!
拾いたくなるでしょう?!
「キッズ達がいますよ?アレクとカルは、先にその格好を何とかしないと・・・それに、詰め所を使えなくしてしまったから、宮に帰って、ローガンさんに部屋の準備を頼んでくれる?」
アレクさんとカルは、あちらこちらが破け、焦げ跡だらけの自分達の姿を見下ろして、揃って溜息を吐いています。
「宮を使わせるのか?」
「寝る処が無かったら、みんな困るでしょ?」
「それは、そうなんだが」
「詰め所を壊したのは、私だから責任は取らないと。それに私は細かい人数が分からないから、アレクが指示してくれると、助かるのだけど」
”ダメ?”
と見上げると、アレクさんは。
”グウゥ”
と唸り声をあげています。
これは、ダメって事でしょうか?
「ごめんなさい。私が壊したのに、アレクさんに頼んだら、いけないわよね?」
「いや、そういう事じゃなくてだな・・・・分かった。手配は俺がやっておく」
やだ。
がっくり肩を落とされちゃった。
そんなに嫌だったの?
なんか、カルに肩を叩かれて、慰められてるけど・・・・。
やっぱり男の人って、良く分からないな。
その後私は、詰め所の被害状況を確認していた、グリーンヒルさんを捕まえました。先ずは、迷惑を掛けた事をお詫びしてから、アーノルドさんから言い渡された処分を伝え。 詰め所の建て替えと、庭園と通路の修繕費用が、どのくらい掛かりそうなのかを、教えてもらいました。
アーノルドさんは、練武場を含めた、全ての修繕と建て替え費用を、アレクさんに、全額負担するように言っていました。
けれど ”私が壊した分は、自分で支払う積りだ” と話すと、何故か宰相さんに、痛い子を見る目で見られてしまったのです。
解せぬ。
自分の仕出かした事は、自分で責任を取らなきゃ。
でしょ?
「レン様の御考えは誠に正しい。ですが、閣下の顔を立てて差し上げる事も、大事だと私は思いますよ?」
「私がお金を出すと、アレクさんの顔を、潰すことになるのですか?」
「顔を潰す、とまでは行きませんが、伴侶に金を出させた、ケチ臭い雄。と陰で言われるかもしれませんね」
「そうなんだ。じゃあ、私は如何すればいいのかしら?」
「そうですねぇ。詰め所の内装や、備品の購入。庭園に植える草木や花の購入なら、問題ないと思います」
ん?
外装は駄目で、内装はOK?
外構工事はNGで、ガーデニングなら良いの?
「?? その違いはどこに?」
「個人のセンスが、求められるかどうかですな」
これぞ、お貴族様の謎理論。
でも、確か小説でも、貴族のお城の内装関係は ”奥様の管轄” みたいな話が有ったから、そういう事なのでしょうか?
無理やり自分を納得させた私は、もう一つの問題。
ロイド様からの課題について、グリーンヒルさんの意見を求めました。
私は、こちらの法律や経済に、詳しくありません。
お金の流れ的なものは、彼方も此方も、そう変わりはないと思います。でも私は、風習やしきたりの違いで、どこまで受け入れて貰えるのか。
その許容範囲が分からないのです。
そう前置きしてから、ゴトフリーの再建について、私の考えを聞いて貰いました。
結果、敏腕宰相閣下の反応は上々。
細かな問題点や修正は必要だけれど、悪くない構想だ、と太鼓判を頂くことが出来ました。
「採用されるかどうかは、殿下の裁量次第ですが、個人的には、とても興味深いお考えだと思います」
「皇家の懐刀にそう言って貰えて、安心しました」
「ふところがたな?」
「えっと、ナイフみたいな、小さめの刀の事なんですけど、腹心の部下とか、最も頼りになる人を、表す言葉なんです」
「頼りに・・・・愛し子様から、お褒め頂けるとは、恐悦至極ですな」
「グリーンヒルさんが手配してくれた、文官の皆さんはとても優秀です。ああいう優秀な方が、これからのゴトフリーには、沢山必要なのです。でも、人材の確保って、難しいですよね」
「そうですなぁ。ウィリアム陛下も、人材育成には注力されておられました。しかし、あの大厄災で、犠牲になった者も多い。今は何処も人手不足です」
「ですよねぇ」
2人で溜息を吐いている処にやって来た、アレクさんとカルを見つけた宰相さんは、チクチクと小言を言ってから、秋桜宮に戻って行ったのでした。
◇◇
そして翌日。
ロイド様に呼び出された私達は、アーノルドさんの戻りを待つ間、一旦翡翠宮の応接室に通されました。
ロイド様とアーノルドさんが待つ部屋へは、一人ずつ順番に案内される、との事だったのですが。
これにアレクさんが反発。
二人同時で問題なかろうと、ゴネまくって居ます。私の事を、心配してくれる気持ちは嬉しいです。
けれど、過保護が過ぎやしませんか?
ゴネた処で、ロイド様の決定に逆らえる筈も無く。
皇太后陛下の命により、最初はアレクさんが、課題発表の場に、連れていかれました。
自分の順番を待つ間、数年前の就活を思い出した私は、緊張しながらも、どことなく懐かしい気分に、一人浸っていたのです。
暫くして課題発表を終え、戻って来たアレクさんは、ぐったり?げんなり?した様子で、ソファーに沈み込んでしまいました。
「あぁ。クソッ。このままレンを連れて帰りたい」
そう言って、私を抱き寄せたアレクさんでしたが、直ぐにロイド様からお声が掛かり、私も課題発表・・・と言うか、これ完全にプレゼンですよね?
侍従さんに急かされ、アレクさんの腕の中から抜け出した私は、最高権力者を満足させるための、プレゼンへと向かったのでした。
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