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愛し子と樹海の王
閣下はご機嫌
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今日の俺は控えめに言っても機嫌がいい。
空は抜けるように青く、残暑は厳しいが頬を撫でる風に、秋の臭いが混じり始めている。
ゴトフリーは山と森が多い地域だけに、朝晩の空気は、皇都よりもひんやりと澄んでいて、気持ちのいい土地柄だ。
ここ数日、捕らえた貴族と軍の幹部の刑を執行し、恭順を示した者達との謁見に始終していた俺は、身勝手な奴らの相手にうんざりしていた。
恭順を示そうが、一通りは過去の行いを調べなければならない。
口先だけでは何とでも言える、腹黒いばかりで、帝国にとって利の無い相手なら、さっさと切り捨ててしまった方がいいのだ。
それに、獣人を弾圧していた奴らが、帝国貴族の一員に成れると思ってもらっては困る。
キャプロス侯爵には悪いが、口利きしてくれた者の中で、5年後に領主の座に付いて居られる者はごく僅かだ。
アーノルドが即位すれば、新たに叙爵する者も出るだろう。ならば新たな領土は新たな領主が治めて然るべきだろう。
腹の探り合いの日々に辟易していたが、今日は久しぶりに番と一緒に、行動することが出来る。
空は快晴、爽やかな風に混じる、番の甘い香りを堪能すれば、ひび割れた心も潤うと言うものだ。
「閣下、メチャクチャ機嫌が良いな」
「お前分かるのか? あの人、いっつもおっかない顔してるだろ?」
「あ~。あんた、第3だったよな? 第2騎士団の連中なら分かるな」
「そうそう!今日の閣下はご機嫌だ」
「あれで? あんな眉間にぶっとい皺刻んでて? いつもより怖い顔してないか?」
「いや。あの顔は、とってもご機嫌だな」
「なんったって、レン様抱っこしてるからな」
「そうそう!」
「あれは多分、ニヤケそうになるのを堪えてる顔だ」
「いやぁ・・・あの顔だぞ? 普通泣くぜ?レン様は、よく泣き出さないよな?」
「何言ってんだよ。レン様はな、この世で一番、閣下が格好いいと思ってるんだぜ?」
「マジか!? これぞ番マジック!!」
「「「「それなっ!!」」」」
「ねぇ。あの人たちどうしたの?なんかショーンさんに、メチャクチャ怒られてるけど」
「ん?・・・あぁ。あいつ等か、また余計な事を言ったのだろう」
「そう言えば。前にもマークさんに怒られてた気がする」
「あいつ等は、鳥の獣人でな? ピーチクパーチク、口が軽い処が有るのだ」
「へえ~。モーガンさんも鳥だけど、あんまり喋らないよね?」
「モーガンは鷲だからな。猛禽類と小鳥は違うだろう」
「小鳥? 小鳥の獣人なんているの? えっ?でも体は大きいですよ?」
「体の大きさと、種族はあまり関係ないのだぞ? 種族の特性は、性格や習性、能力に出るからな」
「そうなんだ。勉強になります。それで小鳥って、なんの鳥なの?」
「あいつ等は確か・・・・・カケス・ムクドリ・カラス・・・ヒヨドリだったかな」
「あ・・・・確かにおしゃべりそう」
鳥の名前で通じるとは、異界にも同じ鳥が居たようだ。
「さあ、着いた」
腕から下ろすと、番は辺りをキョロキョロと見まわしている。
「ここって大聖堂でしたよね? ここも浄化するの? なんとも無いみたいだけど」
「うむ・・カルがここを吹き飛ばしただろ?その時に、ご神体と呼ばれていた初代の柩が瓦礫に埋まってしまったのだが、瓦礫を撤去したことで、柩が掘り出されてな。クレイオスの解呪は済んでいるが、火葬する前に、一応レンにも、確認してもらおうと思ってな?」
「ああ。そういう事ね。分かりました。
・・・・最終的に初代王の遺体はどうなるの?」
「火葬してしまいだ」
「えっ? お墓に入れて上げないの? 共同墓地とかもあるでしょ?」
「800年以上前の話だが、それでもゴトフリーの初代は、帝国の前身クレイオス王国の反逆者だ、ゴトフリー王国にとっては、建国の父であり、永い間王国と神殿のシンボルでもあった。そんな者を崇められる場所を、残す訳にはいかんだろう?」
「そっか・・・そうだよね」
敵国のシンボルとなった人物にも、慈悲の心がうずくのか・・・・。
レンの様な心根の優しい人には、酷な話かもしれんな。
その後レンと一緒に、初代の亡骸を確認したが、その姿は、最早人とは呼べない代物だった。
800数十年に及び、瘴気を集め続け、反魂の術を掛けられた王の亡骸は、クレイオスが解呪を試みた時には、既にグールと化していたのだろう。
体は醜くねじ曲がり、ひざ下に届くほどの長い腕が4本生えている。ガバリと開いた口には、人よりも明らかに多い、尖った歯がビッシリと並び、騎士団の団員達が、戦う事にならずに済んで、心から良かったと胸を撫で下ろした。
「可愛そうに・・・・長い間眠る事も許されず、最後はこんなことになって・・・自分で蒔いた種だけど、魂が残って居なくて本当に良かった」
呟いた番の横顔は、とても悲しそうだった。
初代の柩は特に問題なし。とレンからのお墨付きを貰い、さっそく火葬に回すこととなった。
その後、地下にあった魔薬の製造工場と、実験施設にレンを連れて行き、浄化を施して貰ったのだが、これが俺が見えていた以上に、瘴気が濃く残っていたらしく、レンの顔色は、見る見るうちに青褪めて行った。
「すまない。これ程疲弊するとは思っていなかった」
ふらつく身体を抱き上げ、地上に戻ったが、レンの指先は震え、息も荒い。身体も氷の様に冷え切ってしまっていた。
「大丈夫・・・・心配しないで。久しぶりに濃い・・瘴気だったから、草臥れちゃっただけよ?」
「しかし・・・」
「・・・じゃあ、大聖堂に・・・・・連れて行って?」
「大聖堂? あんなところで何をするんだ?」
「カルが・・開けた穴が有るでしょ?・・・そこでクレイオス様か・・カルを呼んで欲しいの」
「クレイオスは、まだカルの所に、入り浸りなのか?」
「そうみたい。・・・・クオンとノワールの教育も兼ねている・・・から・・・時間が掛かってるの・・かもね」
冷え切った番の身体をマントで包み、大聖堂へ急いだ俺は、番を無事だったベンチに下ろして、床に開いた大穴に向かって声を張り上げた。
「クレイオス!!カル!!居るか?!レンが呼んでいる!直ぐに来い!!」
暫く大穴に向かって耳を聳てたが、物音ひとつ聞こえない。
「クレイオス!! 聞こえないのか?!」
『うるさいの。聞こえておるわい』
真後ろからの声に振り向くと、転移して来たクレイオスとカル、クオンとノワールの姿があった。
「レン様 どうしたの?」
「ぐあい悪いの?」
ドラゴンの子供たちが、レンの膝に取り縋り顔を覗き込んでいる。
それにレンは、大丈夫だと言って、頭を撫でてやって居た。
『我の子に、何をさせたのだ?』
「魔薬の製造工場と実験施設の浄化を頼んだ。俺の目に見える以上に瘴気が濃くて、レンの消耗が激しい」
『ふむ・・・カル。其方の茶を持って来てくれぬか?』
『分かった。だが、前の様に興奮状態になったりしないか?』
『かなり消耗しているからの。問題ないじゃろ』
クレイオスが開いた空間に入って行ったカルは、5ミン程で茶の道具を抱えて戻って来た。
『さぁ、レンこれを飲んで。前に飲んだのと同じお茶だよ』
「ありがとう、カル」
指が震えてカップを持てないレンを抱き上げ、カップに手を添えると、レンは静かに茶を飲んで、ほう と溜息を吐いた。
「あったかい・・・」
ほんのりと、頬に赤みだ戻って来たレンの頭を、クレイオスがそっと撫でた。
『随分と、無茶をしたようだの?』
「ごめんなさい。呪具の浄化より簡単そうだったのだけど、思ったより念が強くて」
『そうであろう。この国の瘴気は帝国にあった呪具よりも質が悪い。次からは我か、カルを必ず連れて行くようにな?』
「はい・・・」
「カルも?」
何故この龍を連れて行くのだ?
この龍も、クレイオスと同等の力を持っているとして、この龍には関係ない事だろう?
空は抜けるように青く、残暑は厳しいが頬を撫でる風に、秋の臭いが混じり始めている。
ゴトフリーは山と森が多い地域だけに、朝晩の空気は、皇都よりもひんやりと澄んでいて、気持ちのいい土地柄だ。
ここ数日、捕らえた貴族と軍の幹部の刑を執行し、恭順を示した者達との謁見に始終していた俺は、身勝手な奴らの相手にうんざりしていた。
恭順を示そうが、一通りは過去の行いを調べなければならない。
口先だけでは何とでも言える、腹黒いばかりで、帝国にとって利の無い相手なら、さっさと切り捨ててしまった方がいいのだ。
それに、獣人を弾圧していた奴らが、帝国貴族の一員に成れると思ってもらっては困る。
キャプロス侯爵には悪いが、口利きしてくれた者の中で、5年後に領主の座に付いて居られる者はごく僅かだ。
アーノルドが即位すれば、新たに叙爵する者も出るだろう。ならば新たな領土は新たな領主が治めて然るべきだろう。
腹の探り合いの日々に辟易していたが、今日は久しぶりに番と一緒に、行動することが出来る。
空は快晴、爽やかな風に混じる、番の甘い香りを堪能すれば、ひび割れた心も潤うと言うものだ。
「閣下、メチャクチャ機嫌が良いな」
「お前分かるのか? あの人、いっつもおっかない顔してるだろ?」
「あ~。あんた、第3だったよな? 第2騎士団の連中なら分かるな」
「そうそう!今日の閣下はご機嫌だ」
「あれで? あんな眉間にぶっとい皺刻んでて? いつもより怖い顔してないか?」
「いや。あの顔は、とってもご機嫌だな」
「なんったって、レン様抱っこしてるからな」
「そうそう!」
「あれは多分、ニヤケそうになるのを堪えてる顔だ」
「いやぁ・・・あの顔だぞ? 普通泣くぜ?レン様は、よく泣き出さないよな?」
「何言ってんだよ。レン様はな、この世で一番、閣下が格好いいと思ってるんだぜ?」
「マジか!? これぞ番マジック!!」
「「「「それなっ!!」」」」
「ねぇ。あの人たちどうしたの?なんかショーンさんに、メチャクチャ怒られてるけど」
「ん?・・・あぁ。あいつ等か、また余計な事を言ったのだろう」
「そう言えば。前にもマークさんに怒られてた気がする」
「あいつ等は、鳥の獣人でな? ピーチクパーチク、口が軽い処が有るのだ」
「へえ~。モーガンさんも鳥だけど、あんまり喋らないよね?」
「モーガンは鷲だからな。猛禽類と小鳥は違うだろう」
「小鳥? 小鳥の獣人なんているの? えっ?でも体は大きいですよ?」
「体の大きさと、種族はあまり関係ないのだぞ? 種族の特性は、性格や習性、能力に出るからな」
「そうなんだ。勉強になります。それで小鳥って、なんの鳥なの?」
「あいつ等は確か・・・・・カケス・ムクドリ・カラス・・・ヒヨドリだったかな」
「あ・・・・確かにおしゃべりそう」
鳥の名前で通じるとは、異界にも同じ鳥が居たようだ。
「さあ、着いた」
腕から下ろすと、番は辺りをキョロキョロと見まわしている。
「ここって大聖堂でしたよね? ここも浄化するの? なんとも無いみたいだけど」
「うむ・・カルがここを吹き飛ばしただろ?その時に、ご神体と呼ばれていた初代の柩が瓦礫に埋まってしまったのだが、瓦礫を撤去したことで、柩が掘り出されてな。クレイオスの解呪は済んでいるが、火葬する前に、一応レンにも、確認してもらおうと思ってな?」
「ああ。そういう事ね。分かりました。
・・・・最終的に初代王の遺体はどうなるの?」
「火葬してしまいだ」
「えっ? お墓に入れて上げないの? 共同墓地とかもあるでしょ?」
「800年以上前の話だが、それでもゴトフリーの初代は、帝国の前身クレイオス王国の反逆者だ、ゴトフリー王国にとっては、建国の父であり、永い間王国と神殿のシンボルでもあった。そんな者を崇められる場所を、残す訳にはいかんだろう?」
「そっか・・・そうだよね」
敵国のシンボルとなった人物にも、慈悲の心がうずくのか・・・・。
レンの様な心根の優しい人には、酷な話かもしれんな。
その後レンと一緒に、初代の亡骸を確認したが、その姿は、最早人とは呼べない代物だった。
800数十年に及び、瘴気を集め続け、反魂の術を掛けられた王の亡骸は、クレイオスが解呪を試みた時には、既にグールと化していたのだろう。
体は醜くねじ曲がり、ひざ下に届くほどの長い腕が4本生えている。ガバリと開いた口には、人よりも明らかに多い、尖った歯がビッシリと並び、騎士団の団員達が、戦う事にならずに済んで、心から良かったと胸を撫で下ろした。
「可愛そうに・・・・長い間眠る事も許されず、最後はこんなことになって・・・自分で蒔いた種だけど、魂が残って居なくて本当に良かった」
呟いた番の横顔は、とても悲しそうだった。
初代の柩は特に問題なし。とレンからのお墨付きを貰い、さっそく火葬に回すこととなった。
その後、地下にあった魔薬の製造工場と、実験施設にレンを連れて行き、浄化を施して貰ったのだが、これが俺が見えていた以上に、瘴気が濃く残っていたらしく、レンの顔色は、見る見るうちに青褪めて行った。
「すまない。これ程疲弊するとは思っていなかった」
ふらつく身体を抱き上げ、地上に戻ったが、レンの指先は震え、息も荒い。身体も氷の様に冷え切ってしまっていた。
「大丈夫・・・・心配しないで。久しぶりに濃い・・瘴気だったから、草臥れちゃっただけよ?」
「しかし・・・」
「・・・じゃあ、大聖堂に・・・・・連れて行って?」
「大聖堂? あんなところで何をするんだ?」
「カルが・・開けた穴が有るでしょ?・・・そこでクレイオス様か・・カルを呼んで欲しいの」
「クレイオスは、まだカルの所に、入り浸りなのか?」
「そうみたい。・・・・クオンとノワールの教育も兼ねている・・・から・・・時間が掛かってるの・・かもね」
冷え切った番の身体をマントで包み、大聖堂へ急いだ俺は、番を無事だったベンチに下ろして、床に開いた大穴に向かって声を張り上げた。
「クレイオス!!カル!!居るか?!レンが呼んでいる!直ぐに来い!!」
暫く大穴に向かって耳を聳てたが、物音ひとつ聞こえない。
「クレイオス!! 聞こえないのか?!」
『うるさいの。聞こえておるわい』
真後ろからの声に振り向くと、転移して来たクレイオスとカル、クオンとノワールの姿があった。
「レン様 どうしたの?」
「ぐあい悪いの?」
ドラゴンの子供たちが、レンの膝に取り縋り顔を覗き込んでいる。
それにレンは、大丈夫だと言って、頭を撫でてやって居た。
『我の子に、何をさせたのだ?』
「魔薬の製造工場と実験施設の浄化を頼んだ。俺の目に見える以上に瘴気が濃くて、レンの消耗が激しい」
『ふむ・・・カル。其方の茶を持って来てくれぬか?』
『分かった。だが、前の様に興奮状態になったりしないか?』
『かなり消耗しているからの。問題ないじゃろ』
クレイオスが開いた空間に入って行ったカルは、5ミン程で茶の道具を抱えて戻って来た。
『さぁ、レンこれを飲んで。前に飲んだのと同じお茶だよ』
「ありがとう、カル」
指が震えてカップを持てないレンを抱き上げ、カップに手を添えると、レンは静かに茶を飲んで、ほう と溜息を吐いた。
「あったかい・・・」
ほんのりと、頬に赤みだ戻って来たレンの頭を、クレイオスがそっと撫でた。
『随分と、無茶をしたようだの?』
「ごめんなさい。呪具の浄化より簡単そうだったのだけど、思ったより念が強くて」
『そうであろう。この国の瘴気は帝国にあった呪具よりも質が悪い。次からは我か、カルを必ず連れて行くようにな?』
「はい・・・」
「カルも?」
何故この龍を連れて行くのだ?
この龍も、クレイオスと同等の力を持っているとして、この龍には関係ない事だろう?
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