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愛し子と樹海の王
パパにお願い
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『簡単じゃ。レンが我に ”パパお願い” と強請ってくれればいい』
「えッ? 私?」
「クレイオス殿!! それは卑怯だ! 俺だって、レンにパパと呼ばれて、おねだりされたい!!」
「煩い!我はレンの父じゃが、其方はアレクサンドルの伯父なだけじゃろうが!!」
おっさん二人で何をやってるんだか。
全くもって、見苦しい。
「うわ~~~。マジかぁ」
「これは酷い」
モーガンとセルゲイは、おっさん二人の醜い争いにドン引きだ。
『大神から地上への関与は、愛し子の手助けに限る、と言われておるからの。レンがおねだりしてくれれば、万事解決だの。そういう事で、ほれほれ、おねだりじゃ、おねだり』
クレイオスの圧に、半分身を引いたレンは、若干顔も強張っている。
「え~~と。クレイオス様、どうか手を貸してください、お願いします?」
レンが丁寧に願いを口にすると、クレイオスの機嫌を損ねたのか、腕を組んでそっぽを向いてしまった。
『駄目じゃな』
「おい。レンは丁寧に頼んだだろ?」
『いぃ~や。駄目じゃ。 ”パパ、私のお願い聞いてくれる?” でなければ駄目じゃ』
なんでだよ。
さっきより長くなってるぞ。
レンは呆れてしまったのか、ポカンとした顔でクレイオスを見ていたが、クルッと俺に顔を向け、クレイオスを指さし、唇の形だけで ”本気?” と聞いて来た。
俺達からすれば、巫山戯た話にしか聞こえないし、クレイオスの態度もふざけてはいるが、大神との制約を違えず、レンを助けようと思えば、根本は、いたって大真面目なのだろう。
俺は頭痛がして来た額を押え、レンに言う通りにしてやれと、言うほかない。
「はぁ・・・分かりました」
「ほれほれ、早く言うのだ』
何と言うか、まじめな話をしていた筈が、クレイオスのウキウキしている姿が変態っぽく見えるのは、なんでだ?
レンは覚悟を決めたのか、大きく息を吸い、両手を顎の前で組み合わせると、キャルン とした上目遣いになった。
「パパの助けが必要なの。パパお願い。助けて?」
瞳はうるうる、睫毛までパチパチさせて。
かぁ~~~。クソッ!
あざと可愛いな!!
『お~~!! そうかそうか。パパが助けてやろうな!!』
「マジか! 渾身のおねだり!!」
「なんでしょう。創世のドラゴンなのに、変態っぽくて寒気がします」
セルゲイ、モーガン、心の声の代弁、感謝する。
レンの頭をくしゃくしゃと撫でる、クレイオスはご満悦。
頭をぐらぐら揺らすレンは、魂が抜けたように肩を落とし、スン とした顔になって居る。
気の毒に。
本当に無駄な苦労を掛けてすまん!
マーク以下、第2騎士団の将校たちは、笑いを堪え肩を震わせ、エーグルと他の騎士団の将校たちは、唯々呆れ顔だ。
そこへ顔を見せていなかったロロシュが遅れてやって来た。
「遅れてすまない?・・・・なんかあったのか?」
妙な空気の流れる場違いな茶会に、ロロシュは不思議そうに親指で顎を掻いた。
「大したことではない。気にするな。それより何か連絡があったのか?」
「ん?あぁ。報告は3件だ。王都の潜入してた内の数人が、結界が張られて王都に戻れなくなったと言って来た。中に居る奴とも連絡が取れない状態で、この後どうするかの指示待ちだ」
「王都の様子は何と言ってきた?」
「控えめに言って大混乱ってとこだな。王都から逃げようとする奴らと、王都に入ろうとする奴らが、防壁の大門前で騒いでるらしい。それ以外の中の様子は分からねえな」
「王都の警備隊や王国軍の様子は? 弾圧や暴動の兆候はないか?」
「煙を確認してねぇから、焼き討ち的なものは、まだ起こってないと思う。王国軍については、うちの奴らは見ていないそうだ。それと結界の外と内で、声だけはやり取りできるらしくてな。中に居る警備隊が、王城に入れない、と騒いでいるのを聞いたと言ってるな」
「ふん」
警備隊は、当然王国軍に、助けを求めただろう。
だが王国軍からの増援は無い。
軍部に良心が有れば、現状打破に動くのだろうが、恐らく軍幹部は王城の中。
上からの指示も無く、勝手に兵を動かせば、反逆罪を問われかねない。
八方塞がりで、身動きが取れんか。
「ご苦労。こちらで把握している情報と差異はないようだ。詳しい話は、ショーンにでも聞いて置け」
「了解。2番目の報告。キャプロス侯爵と繋ぎが取れた」
「何と言ってきた?」
「万事ご随意に。なんでも手を貸すし、事後の取り纏めには協力するから、恩情を掛けてくれってさ」
差し出された手紙に目を通すと、キャプロス侯爵は老齢だった筈だが、無骨な角ばった文字は力強く、現王朝を見限った事、ロロシュの報告にあった内容と、その心情が理路整然と認められていた。
「恨みが深そうだな」
侯爵は協力に対する褒賞は要らないと言って来ている。
ただしその条件は、ワース伯爵と王配の身柄を引き渡す事だった。
「そりゃあな。次子とは言え、大事な息子から王配の座を横取りし、濡れ衣迄着せられて、刑場送りにされちゃあなあ。普通に恨み骨髄だろうよ」
「エーゲル。侯爵領での獣人の扱いはどうなんだ?」
「元々武に秀でた家柄なので、獣人の扱いは、他所よりは良かったようです。ですが、辺境からの領地替えの時に、獣人の兵は職を解かれたと聞いています」
王家への忠誠を見せるために、獣人を切り捨てて見せたのか。
成る程。面白い。
「返信は俺の名前で、好意に感謝する とでも送って置け」
「了解。 じゃあ次な。王国軍の掃討部隊が、もうすぐ追い付いて来る」
「やっとか?」
俺達が騎乗するエンラは、オロバスや他の馬と比べると、地形を選ばず、どこでも駆る事が出来て足も強い。
オロバス中心の王国軍が、後れを取るのは道理だ。
「数は?」
「1万5.6千ってとこか?」
「・・・聞いての通りだ、迎撃は伯父上とセルゲイに頼む。迎撃方法は二人に任せるが、獣人への被害は最小限に留める様に配慮してくれ。敵将の処遇は二人に任せるが、追撃の必要はない。逃げたい奴は逃がして構わん。投降者も捨て置け。捕虜を喰わせる余裕はない」
「逃がしたら、王都まで追ってくるかもしれんぞ?」
「その時は、改めて叩き潰す」
「神官が居たら?」
「何を召喚してくるか分からん。先日の火竜以上の魔物が、召喚される可能性もある。その場合無理に討伐する必要はない。何なら、魔物は放置で逃げても構わんぞ」
「魔物を前にして、俺達に逃げろって言うのかよ」
「当然だろ?ここは敵国で、俺達に討伐の義務はない。俺達は討伐に来たんじゃないからな。前回は一般人に被害を出さない為に、始末しただけだ。この辺りなら、その心配も無い。馬鹿な神官が後先考えず、強力な魔物を召喚したなら、その責任はゴトフリーの兵に取ってもらう」
「あっ確かに」
「神官については、余裕があれば基本は捕縛だ。末端の使い捨て要員だろうが、丁重に御持て成しして差し上げろ、情報を聞き出したら、後は好きにして構わんぞ」
「了解」
「モーガンは俺と王都へ直進。クレイオスが魔法陣を書き換え、侵入可能になり次第、王城を攻め落とす」
「神殿はどうなさる」
モーガンオ懸念は尤もだ。
「問題はそれだな。瘴気が湧いている以上。いつ魔物が現れるか分からん。王都内の状況も把握できていない。原則 王城攻略が第一だが、王都内の状況によって臨機応変に対処していくしかないだろう」
「そうですなぁ。王城の中もどうなって居る事やら。あまり想像したくありませんな」
「そうだな。伯父上とセルゲイも、片が付いたら、出来るだけ早く王都に向かってくれ」
「分かった。お前も無茶はするなよ?」
「伯父上に言われたくありませんね」
「まったく可愛げのない。レン本当に、こんな愛想のない奴で良いのか?」
「アレクは、いつでも可愛くて、恰好良いので、全く問題ないですよ?」
ワザとらしく腕を広げて言う侯爵に、レンはにっこり微笑んで答えてくれたのだ。
「えッ? 私?」
「クレイオス殿!! それは卑怯だ! 俺だって、レンにパパと呼ばれて、おねだりされたい!!」
「煩い!我はレンの父じゃが、其方はアレクサンドルの伯父なだけじゃろうが!!」
おっさん二人で何をやってるんだか。
全くもって、見苦しい。
「うわ~~~。マジかぁ」
「これは酷い」
モーガンとセルゲイは、おっさん二人の醜い争いにドン引きだ。
『大神から地上への関与は、愛し子の手助けに限る、と言われておるからの。レンがおねだりしてくれれば、万事解決だの。そういう事で、ほれほれ、おねだりじゃ、おねだり』
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『駄目じゃな』
「おい。レンは丁寧に頼んだだろ?」
『いぃ~や。駄目じゃ。 ”パパ、私のお願い聞いてくれる?” でなければ駄目じゃ』
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レンは呆れてしまったのか、ポカンとした顔でクレイオスを見ていたが、クルッと俺に顔を向け、クレイオスを指さし、唇の形だけで ”本気?” と聞いて来た。
俺達からすれば、巫山戯た話にしか聞こえないし、クレイオスの態度もふざけてはいるが、大神との制約を違えず、レンを助けようと思えば、根本は、いたって大真面目なのだろう。
俺は頭痛がして来た額を押え、レンに言う通りにしてやれと、言うほかない。
「はぁ・・・分かりました」
「ほれほれ、早く言うのだ』
何と言うか、まじめな話をしていた筈が、クレイオスのウキウキしている姿が変態っぽく見えるのは、なんでだ?
レンは覚悟を決めたのか、大きく息を吸い、両手を顎の前で組み合わせると、キャルン とした上目遣いになった。
「パパの助けが必要なの。パパお願い。助けて?」
瞳はうるうる、睫毛までパチパチさせて。
かぁ~~~。クソッ!
あざと可愛いな!!
『お~~!! そうかそうか。パパが助けてやろうな!!』
「マジか! 渾身のおねだり!!」
「なんでしょう。創世のドラゴンなのに、変態っぽくて寒気がします」
セルゲイ、モーガン、心の声の代弁、感謝する。
レンの頭をくしゃくしゃと撫でる、クレイオスはご満悦。
頭をぐらぐら揺らすレンは、魂が抜けたように肩を落とし、スン とした顔になって居る。
気の毒に。
本当に無駄な苦労を掛けてすまん!
マーク以下、第2騎士団の将校たちは、笑いを堪え肩を震わせ、エーグルと他の騎士団の将校たちは、唯々呆れ顔だ。
そこへ顔を見せていなかったロロシュが遅れてやって来た。
「遅れてすまない?・・・・なんかあったのか?」
妙な空気の流れる場違いな茶会に、ロロシュは不思議そうに親指で顎を掻いた。
「大したことではない。気にするな。それより何か連絡があったのか?」
「ん?あぁ。報告は3件だ。王都の潜入してた内の数人が、結界が張られて王都に戻れなくなったと言って来た。中に居る奴とも連絡が取れない状態で、この後どうするかの指示待ちだ」
「王都の様子は何と言ってきた?」
「控えめに言って大混乱ってとこだな。王都から逃げようとする奴らと、王都に入ろうとする奴らが、防壁の大門前で騒いでるらしい。それ以外の中の様子は分からねえな」
「王都の警備隊や王国軍の様子は? 弾圧や暴動の兆候はないか?」
「煙を確認してねぇから、焼き討ち的なものは、まだ起こってないと思う。王国軍については、うちの奴らは見ていないそうだ。それと結界の外と内で、声だけはやり取りできるらしくてな。中に居る警備隊が、王城に入れない、と騒いでいるのを聞いたと言ってるな」
「ふん」
警備隊は、当然王国軍に、助けを求めただろう。
だが王国軍からの増援は無い。
軍部に良心が有れば、現状打破に動くのだろうが、恐らく軍幹部は王城の中。
上からの指示も無く、勝手に兵を動かせば、反逆罪を問われかねない。
八方塞がりで、身動きが取れんか。
「ご苦労。こちらで把握している情報と差異はないようだ。詳しい話は、ショーンにでも聞いて置け」
「了解。2番目の報告。キャプロス侯爵と繋ぎが取れた」
「何と言ってきた?」
「万事ご随意に。なんでも手を貸すし、事後の取り纏めには協力するから、恩情を掛けてくれってさ」
差し出された手紙に目を通すと、キャプロス侯爵は老齢だった筈だが、無骨な角ばった文字は力強く、現王朝を見限った事、ロロシュの報告にあった内容と、その心情が理路整然と認められていた。
「恨みが深そうだな」
侯爵は協力に対する褒賞は要らないと言って来ている。
ただしその条件は、ワース伯爵と王配の身柄を引き渡す事だった。
「そりゃあな。次子とは言え、大事な息子から王配の座を横取りし、濡れ衣迄着せられて、刑場送りにされちゃあなあ。普通に恨み骨髄だろうよ」
「エーゲル。侯爵領での獣人の扱いはどうなんだ?」
「元々武に秀でた家柄なので、獣人の扱いは、他所よりは良かったようです。ですが、辺境からの領地替えの時に、獣人の兵は職を解かれたと聞いています」
王家への忠誠を見せるために、獣人を切り捨てて見せたのか。
成る程。面白い。
「返信は俺の名前で、好意に感謝する とでも送って置け」
「了解。 じゃあ次な。王国軍の掃討部隊が、もうすぐ追い付いて来る」
「やっとか?」
俺達が騎乗するエンラは、オロバスや他の馬と比べると、地形を選ばず、どこでも駆る事が出来て足も強い。
オロバス中心の王国軍が、後れを取るのは道理だ。
「数は?」
「1万5.6千ってとこか?」
「・・・聞いての通りだ、迎撃は伯父上とセルゲイに頼む。迎撃方法は二人に任せるが、獣人への被害は最小限に留める様に配慮してくれ。敵将の処遇は二人に任せるが、追撃の必要はない。逃げたい奴は逃がして構わん。投降者も捨て置け。捕虜を喰わせる余裕はない」
「逃がしたら、王都まで追ってくるかもしれんぞ?」
「その時は、改めて叩き潰す」
「神官が居たら?」
「何を召喚してくるか分からん。先日の火竜以上の魔物が、召喚される可能性もある。その場合無理に討伐する必要はない。何なら、魔物は放置で逃げても構わんぞ」
「魔物を前にして、俺達に逃げろって言うのかよ」
「当然だろ?ここは敵国で、俺達に討伐の義務はない。俺達は討伐に来たんじゃないからな。前回は一般人に被害を出さない為に、始末しただけだ。この辺りなら、その心配も無い。馬鹿な神官が後先考えず、強力な魔物を召喚したなら、その責任はゴトフリーの兵に取ってもらう」
「あっ確かに」
「神官については、余裕があれば基本は捕縛だ。末端の使い捨て要員だろうが、丁重に御持て成しして差し上げろ、情報を聞き出したら、後は好きにして構わんぞ」
「了解」
「モーガンは俺と王都へ直進。クレイオスが魔法陣を書き換え、侵入可能になり次第、王城を攻め落とす」
「神殿はどうなさる」
モーガンオ懸念は尤もだ。
「問題はそれだな。瘴気が湧いている以上。いつ魔物が現れるか分からん。王都内の状況も把握できていない。原則 王城攻略が第一だが、王都内の状況によって臨機応変に対処していくしかないだろう」
「そうですなぁ。王城の中もどうなって居る事やら。あまり想像したくありませんな」
「そうだな。伯父上とセルゲイも、片が付いたら、出来るだけ早く王都に向かってくれ」
「分かった。お前も無茶はするなよ?」
「伯父上に言われたくありませんね」
「まったく可愛げのない。レン本当に、こんな愛想のない奴で良いのか?」
「アレクは、いつでも可愛くて、恰好良いので、全く問題ないですよ?」
ワザとらしく腕を広げて言う侯爵に、レンはにっこり微笑んで答えてくれたのだ。
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