362 / 497
愛し子と樹海の王
関所破りと揉め事と
しおりを挟む
そして現在。
斥候が破壊しきれなかった関と、衛兵を文字通り俺の作った竜巻が完全に吹き飛ばした。
欲求不満の八つ当たりではあったが、ざっと見た敵の数は、300弱。
普通なら斥候20名で相手しきれる数ではない。
ここでいう普通は、帝国基準。
騎士団若しくはギルドの傭兵を相手にした場合の話しだ。
これまで見てきた兵士と同じなら、20名でも問題ないはずだ。
だが部下達を前にした関の衛兵は、これまでの兵士たちと比べると連携もとれており、動きも格段に良かった。
何より彼らが手にした武器からは、魔法が放たれていたのだ。
この関の衛兵には、魔石や魔晶石を仕込んだ、魔剣、魔槍を支給されていたようだ。
王都も近くなると、それなりの兵を揃えているらしい。
今までのように、楽に押し通れなくなるかも知れん。
「レンこっちに来なさい」
アンに騎乗し並走したまま、腕を伸ばした番を抱き上げた。
「ここからは、俺と一緒に居るんだぞ?」
「え? うん、分かった」
「エーグル!!」
首をめぐらしエーグルを呼ぶと、巧みにオロバスを操り近付いて来た。
「お呼びですか?」
初めて会った時より少し肉付きの良くなった頬に、微笑を浮かべるこの雄は、偶に難しい顔で考え込んでいる時以外は、毎日が楽しそうだ。
「さっきの関の衛兵は、誰の兵だ?」
「この辺りの領主、キャプロス侯爵だったと記憶しています」
「侯爵は王宮で冷遇されていると聞いているが、関の衛兵に魔剣を与えられるほど、余裕が有るのか?」
「貴族の内情については、私はお役に立てません。ですが魔剣については、侯爵が所有していた物かもしれません」
「武器を集めていたのか?」
「武器ではなく、魔石、魔晶石の方です。噂で聞いただけなので、真偽のほどは判りませんが」
「どんな噂だ?」
「まず、王家とキャプロス家の確執からお話します。これは王国中の誰もが知る、有名な話なのですが。キャプロス家は元々王家の血を引く武門の家柄なのです。キャプロス家の次子と婚約していた王太子、現国王が一方的に婚約を破棄。伯爵家の令息を伴侶として迎えた事で、王家と侯爵家の関係が悪化しました」
俺はこの話を聞いて、有り勝ちな話だと思ったが、レンは違ったようだ。
「そんなラノベみたいな話が、本当にあるんですねぇ」
と妙な関心の仕方をしているレンに、「我々獣人には、全く理解できない話です」とエーゲルは首を振って見せた。
「これで終われば、まだ縁がなかった。で済む話だったのですが、侯爵家の次子が、王太子の伴侶となった、伯爵家の令息への毒殺未遂で、捕らえられたのです。公爵は息子の無実を訴え続けましたが、王太子と令息を怨んだ次子の犯行だと結論付けられ、次子は死を賜りました。侯爵は王家の血が流れている事から、取り潰しにこそなりませんでしたが、北の辺境に領地替えとなったのです」
「犯人は、本当に次子だったのか?」
「どうなんでしょう。証拠はあったようですが、公に示された訳ではないので、なんとも言えません」
「成る程な。だがここは辺境ではないぞ?」
俺の疑問に、エーゲルの瞳が悪戯っぽく輝いた。
「仰る通り、ここは辺境ではありません。国王の戴冠の際、キャプロス侯爵は、討伐した魔物から採れた大量の魔晶石を、王家に献上し、許しを請うた上で忠誠を誓ったのです。それに喜んだ国王が、公爵へ元の領地を返しました」
「ふむ・・・」
「息子の仇に頭を下げたの?」
「不思議ですよね。貴族の方々には親子の情よりも、大切な何かがあるのですかね?」
若しくは、大義の前に頭を下げる事も厭わなかった、とも考えられる。
「で? あの魔剣と魔槍の魔晶石が、その時と同じものだと?」
「または、あの魔石と魔晶石は魔物から採れたのではなく、侯爵は鉱脈を見つけたのではないか?と真しやかに言われています」
王家に恨みを持つ、大貴族か・・・これは、少し調べさせた方が良いな。
「あの衛兵は、これまでの兵士と比べると、随分動きが良かった。公爵は今も武を尊んでいるのか?」
「王家の手前、規模は縮小されたようですが、侯爵が辺境に居る間、増援要請を受けたことは無いそうです」
それなりの武力は、今でも隠し持っていると見た方が良いか。
八つ当たりで吹き飛ばしてしまったが、もう少し手加減してやるべきだったか?
「よく分かった。もういいぞ」
エーゲルが下がった後、ロロシュを呼んで、キャプロス侯爵を調べ、使えそうなら繋ぎを取る様に命じた。
「王家に恨みは有るが、獣人に寛容かどうかは分からねえよ?」
「それならそれで構わん。邪魔をしなければそれでいい。上手くやってくれ」
「了解。何人か廻して置く・・・・・・」
「なんだ?」
「いや。なんでもねえよ」
そう言うとロロシュは、頭を掻きながら、後ろに下がって行った。
何か言いたそうにしていたが・・・。
「マークさんと、話し合えたのかしら?」
「どうだろうな。だがこれ以上俺達は口出しできんからな」
「そうよね・・・誰も傷付かない様に、3人で仲良く。なんてお花畑過ぎますよね」
「何事も、治まるべきところに収まるものだ。あまり気に病むな」
「うん」
そう慰めてみたものの、エーグルから聞いた話を伝えた時の、二人の顔が忘れられない。
ロロシュは、全てが腑に落ちたように、スッキリとして見えたが。
マークの顔は、絶望の淵に立ち、深淵を覗き込んでいる様だった。
マークの絶望はどれほどのものか。
折角見つけた番が、番にも子供にも執着を持たず、孤独を好む習性持ちだと知ったのだ。どんなに相手を愛しても、相手からは番らしい愛が返ってくることは無い。
愛するほど、相手が遠ざかる。
獣人にとって、そんな暮らしは地獄だ。
だが幸いな事に、マークにはもう一人の番エーグルが居る。
ロロシュを諦め、エーグルを選べば、今までの様な豊かな暮らしと、侯爵の伴侶と言う栄誉は失うが、心の安寧は手入れられる。
それに今回の事で手柄を立てれば、エーグル自身も叙爵は可能だ。
もし叙爵が無理でも、エーグルを第二騎士団で引き取れば、二人の俸給だけでも、いい暮らしは出来るはずだ。
こうなると、一日でも早く、エーグルには求愛行動に入って貰いたい。
どんな形にしても、マークが絶望に泣く様な事だけは、してくれるなと願わずにはいられない。
そんな俺の願いを、アウラ神はどう受け取ったのか、その日の夜、騒ぎは起こった。
夕食を終え、レンが湯を使う間、禁欲を命じられて居る俺は、番にうっかり手を出さない様に、天幕の外で見張りがてら時間を潰していた。
天幕の中から聞こえる微かな水音に、番の柔らかな肌と、その上を滑る様に湯が流れる様を想像し、俺は一人悶々としていた。
月が綺麗な夜だった。
そこへ、地面に食器が散らばる音と、数人が争う声が聞こえて来た。
集団で生活している以上、揉め事を興す奴は少なからずいるし、言葉を使うより、拳で語り合う事の方が多かったりもする。
その場合、周囲の奴らが面白半分で、ヤジを飛ばし、囃し立てるのが常だ。
だが今はその声も聞こえない。
それは揉め事の内容が、相当深刻な事を表している。
「レン!」
「は~い。なあに」
何も知らず、暢気な番は可愛いな。
「すまない。揉め事が起こった様だ。中に人が入れないよう結界を張って行く。外に出る事は出来るから、何かあったら来てくれ」
「あっはい!気を付けて!!」
中から湯の跳ねる音が聞こえてくる。
レンも慌てているようだ。
「ではな!」
そう言い置いて。
揉め事の起こった方へ向かうと、部下達が何処か冷めた目で、揉め事の主を見つめていた。
斥候が破壊しきれなかった関と、衛兵を文字通り俺の作った竜巻が完全に吹き飛ばした。
欲求不満の八つ当たりではあったが、ざっと見た敵の数は、300弱。
普通なら斥候20名で相手しきれる数ではない。
ここでいう普通は、帝国基準。
騎士団若しくはギルドの傭兵を相手にした場合の話しだ。
これまで見てきた兵士と同じなら、20名でも問題ないはずだ。
だが部下達を前にした関の衛兵は、これまでの兵士たちと比べると連携もとれており、動きも格段に良かった。
何より彼らが手にした武器からは、魔法が放たれていたのだ。
この関の衛兵には、魔石や魔晶石を仕込んだ、魔剣、魔槍を支給されていたようだ。
王都も近くなると、それなりの兵を揃えているらしい。
今までのように、楽に押し通れなくなるかも知れん。
「レンこっちに来なさい」
アンに騎乗し並走したまま、腕を伸ばした番を抱き上げた。
「ここからは、俺と一緒に居るんだぞ?」
「え? うん、分かった」
「エーグル!!」
首をめぐらしエーグルを呼ぶと、巧みにオロバスを操り近付いて来た。
「お呼びですか?」
初めて会った時より少し肉付きの良くなった頬に、微笑を浮かべるこの雄は、偶に難しい顔で考え込んでいる時以外は、毎日が楽しそうだ。
「さっきの関の衛兵は、誰の兵だ?」
「この辺りの領主、キャプロス侯爵だったと記憶しています」
「侯爵は王宮で冷遇されていると聞いているが、関の衛兵に魔剣を与えられるほど、余裕が有るのか?」
「貴族の内情については、私はお役に立てません。ですが魔剣については、侯爵が所有していた物かもしれません」
「武器を集めていたのか?」
「武器ではなく、魔石、魔晶石の方です。噂で聞いただけなので、真偽のほどは判りませんが」
「どんな噂だ?」
「まず、王家とキャプロス家の確執からお話します。これは王国中の誰もが知る、有名な話なのですが。キャプロス家は元々王家の血を引く武門の家柄なのです。キャプロス家の次子と婚約していた王太子、現国王が一方的に婚約を破棄。伯爵家の令息を伴侶として迎えた事で、王家と侯爵家の関係が悪化しました」
俺はこの話を聞いて、有り勝ちな話だと思ったが、レンは違ったようだ。
「そんなラノベみたいな話が、本当にあるんですねぇ」
と妙な関心の仕方をしているレンに、「我々獣人には、全く理解できない話です」とエーゲルは首を振って見せた。
「これで終われば、まだ縁がなかった。で済む話だったのですが、侯爵家の次子が、王太子の伴侶となった、伯爵家の令息への毒殺未遂で、捕らえられたのです。公爵は息子の無実を訴え続けましたが、王太子と令息を怨んだ次子の犯行だと結論付けられ、次子は死を賜りました。侯爵は王家の血が流れている事から、取り潰しにこそなりませんでしたが、北の辺境に領地替えとなったのです」
「犯人は、本当に次子だったのか?」
「どうなんでしょう。証拠はあったようですが、公に示された訳ではないので、なんとも言えません」
「成る程な。だがここは辺境ではないぞ?」
俺の疑問に、エーゲルの瞳が悪戯っぽく輝いた。
「仰る通り、ここは辺境ではありません。国王の戴冠の際、キャプロス侯爵は、討伐した魔物から採れた大量の魔晶石を、王家に献上し、許しを請うた上で忠誠を誓ったのです。それに喜んだ国王が、公爵へ元の領地を返しました」
「ふむ・・・」
「息子の仇に頭を下げたの?」
「不思議ですよね。貴族の方々には親子の情よりも、大切な何かがあるのですかね?」
若しくは、大義の前に頭を下げる事も厭わなかった、とも考えられる。
「で? あの魔剣と魔槍の魔晶石が、その時と同じものだと?」
「または、あの魔石と魔晶石は魔物から採れたのではなく、侯爵は鉱脈を見つけたのではないか?と真しやかに言われています」
王家に恨みを持つ、大貴族か・・・これは、少し調べさせた方が良いな。
「あの衛兵は、これまでの兵士と比べると、随分動きが良かった。公爵は今も武を尊んでいるのか?」
「王家の手前、規模は縮小されたようですが、侯爵が辺境に居る間、増援要請を受けたことは無いそうです」
それなりの武力は、今でも隠し持っていると見た方が良いか。
八つ当たりで吹き飛ばしてしまったが、もう少し手加減してやるべきだったか?
「よく分かった。もういいぞ」
エーゲルが下がった後、ロロシュを呼んで、キャプロス侯爵を調べ、使えそうなら繋ぎを取る様に命じた。
「王家に恨みは有るが、獣人に寛容かどうかは分からねえよ?」
「それならそれで構わん。邪魔をしなければそれでいい。上手くやってくれ」
「了解。何人か廻して置く・・・・・・」
「なんだ?」
「いや。なんでもねえよ」
そう言うとロロシュは、頭を掻きながら、後ろに下がって行った。
何か言いたそうにしていたが・・・。
「マークさんと、話し合えたのかしら?」
「どうだろうな。だがこれ以上俺達は口出しできんからな」
「そうよね・・・誰も傷付かない様に、3人で仲良く。なんてお花畑過ぎますよね」
「何事も、治まるべきところに収まるものだ。あまり気に病むな」
「うん」
そう慰めてみたものの、エーグルから聞いた話を伝えた時の、二人の顔が忘れられない。
ロロシュは、全てが腑に落ちたように、スッキリとして見えたが。
マークの顔は、絶望の淵に立ち、深淵を覗き込んでいる様だった。
マークの絶望はどれほどのものか。
折角見つけた番が、番にも子供にも執着を持たず、孤独を好む習性持ちだと知ったのだ。どんなに相手を愛しても、相手からは番らしい愛が返ってくることは無い。
愛するほど、相手が遠ざかる。
獣人にとって、そんな暮らしは地獄だ。
だが幸いな事に、マークにはもう一人の番エーグルが居る。
ロロシュを諦め、エーグルを選べば、今までの様な豊かな暮らしと、侯爵の伴侶と言う栄誉は失うが、心の安寧は手入れられる。
それに今回の事で手柄を立てれば、エーグル自身も叙爵は可能だ。
もし叙爵が無理でも、エーグルを第二騎士団で引き取れば、二人の俸給だけでも、いい暮らしは出来るはずだ。
こうなると、一日でも早く、エーグルには求愛行動に入って貰いたい。
どんな形にしても、マークが絶望に泣く様な事だけは、してくれるなと願わずにはいられない。
そんな俺の願いを、アウラ神はどう受け取ったのか、その日の夜、騒ぎは起こった。
夕食を終え、レンが湯を使う間、禁欲を命じられて居る俺は、番にうっかり手を出さない様に、天幕の外で見張りがてら時間を潰していた。
天幕の中から聞こえる微かな水音に、番の柔らかな肌と、その上を滑る様に湯が流れる様を想像し、俺は一人悶々としていた。
月が綺麗な夜だった。
そこへ、地面に食器が散らばる音と、数人が争う声が聞こえて来た。
集団で生活している以上、揉め事を興す奴は少なからずいるし、言葉を使うより、拳で語り合う事の方が多かったりもする。
その場合、周囲の奴らが面白半分で、ヤジを飛ばし、囃し立てるのが常だ。
だが今はその声も聞こえない。
それは揉め事の内容が、相当深刻な事を表している。
「レン!」
「は~い。なあに」
何も知らず、暢気な番は可愛いな。
「すまない。揉め事が起こった様だ。中に人が入れないよう結界を張って行く。外に出る事は出来るから、何かあったら来てくれ」
「あっはい!気を付けて!!」
中から湯の跳ねる音が聞こえてくる。
レンも慌てているようだ。
「ではな!」
そう言い置いて。
揉め事の起こった方へ向かうと、部下達が何処か冷めた目で、揉め事の主を見つめていた。
73
お気に入りに追加
1,297
あなたにおすすめの小説
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
5人の旦那様と365日の蜜日【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
気が付いたら、前と後に入ってる!
そんな夢を見た日、それが現実になってしまった、メリッサ。
ゲーデル国の田舎町の商人の娘として育てられたメリッサは12歳になった。しかし、ゲーデル国の軍人により、メリッサは夢を見た日連れ去られてしまった。連れて来られて入った部屋には、自分そっくりな少女の肖像画。そして、その肖像画の大人になった女性は、ゲーデル国の女王、メリベルその人だった。
対面して初めて気付くメリッサ。「この人は母だ」と………。
※♡が付く話はHシーンです
迷い込んだ先で獣人公爵の愛玩動物になりました(R18)
るーろ
恋愛
気がついたら知らない場所にた早川なつほ。異世界人として捕えられ愛玩動物として売られるところを公爵家のエレナ・メルストに買われた。
エレナは兄であるノアへのプレゼンとして_
発情/甘々?/若干無理矢理/
クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった
山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』
色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
異世界召喚されたけどヤバい国だったので逃げ出したら、イケメン騎士様に溺愛されました
平山和人
恋愛
平凡なOLの清水恭子は異世界に集団召喚されたが、見るからに怪しい匂いがプンプンしていた。
騎士団長のカイトの出引きで国を脱出することになったが、追っ手に追われる逃亡生活が始まった。
そうした生活を続けていくうちに二人は相思相愛の関係となり、やがて結婚を誓い合うのであった。
【R-18】喪女ですが、魔王の息子×2の花嫁になるため異世界に召喚されました
indi子/金色魚々子
恋愛
――優しげな王子と強引な王子、世継ぎを残すために、今宵も二人の王子に淫らに愛されます。
逢坂美咲(おうさか みさき)は、恋愛経験が一切ないもてない女=喪女。
一人で過ごす事が決定しているクリスマスの夜、バイト先の本屋で万引き犯を追いかけている時に階段で足を滑らせて落ちていってしまう。
しかし、気が付いた時……美咲がいたのは、なんと異世界の魔王城!?
そこで、魔王の息子である二人の王子の『花嫁』として召喚されたと告げられて……?
元の世界に帰るためには、その二人の王子、ミハイルとアレクセイどちらかの子どもを産むことが交換条件に!
もてない女ミサキの、甘くとろける淫らな魔王城ライフ、無事?開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる