348 / 572
愛し子と樹海の王
攻城戦
しおりを挟む
「じゃあ。ヴァーッと行って、サパッと首取って来るからよ」
からからと笑いながらセルゲイは出陣していった。
セルゲイの出発後、砦に残った俺達は、モーガンとシルベスター侯爵の到着を待っていたのだが、二人が率いる騎士団よりも、ゴトフリー王国軍の到着の方が早かった。
総勢3万余。3個師団の堂々たる進軍だ。
しかし相手は砦の主が、帝国側に戻って居る事を知る由もない。
ゴトフリー軍も情報収集は行っているのだろうが、その全てに偽情報を流し、真実を悟らせなかった、ロロシュの手腕には目を見張るものがある。
こんな優秀な雄が、何故番に対してだけポンコツなのか、不思議でならない。
取り敢えずロロシュの事は脇に置き、ゴトフリー軍だ。
ロロシュの差配が功を奏し、ゴトフリー軍3個師団は、ガルスタ砦が自分達の支配下にあると信じ、油断しきっていた。
その証拠に破城槌やカタパルトなどの攻城戦用の武器が、一台も見当たらない。
歩廊と見張り台の兵に、胸壁の影に隠れるように命じ、暢気に開門を求めるゴトフリー軍に、無視を決め込んだ。
何度開門を叫ぼうと、答える声も無く城門は開かれず、谷間に渡されるべき跳ね橋が下ろされる様子もない。
3万余りの軍人の間に、困惑と苛立ちが広がって行く様を、隠れて見ている俺達は、笑いを堪えるのに必死だ。
この段階でまともな将なら、一旦兵を引き砦の現状確認をするのが定石。
この20年近く魔物の出現で、国同士の争いは激減しているが、軍部の戦術や戦略、危機感がここまで欠落しているのを、異常だと思うのは俺だけか?
ゴトフリーは内陸の国だ。
国境を接しているのは、帝国を含めた4か国。
その内の弱小国のウジュカを、同盟という名の属国にした事で、何かを勘違いしたのだろうか?
いやいや。
俺が心配してやる筋合いはないな。
敵がどう出るか観察していると、やけに煌びやかな鎧とマントを身に着けた、3騎の騎影がゴトフリーと帝国を隔てる谷の縁まで進み出て来た。
そして、ゴトフリー王国第2師団長のなんちゃらだ! 第4師団長の・・・第5師団・・・・と名乗りを上げ・・・・。
”今すぐ城門を開けろ。開けねば軍法会議に掛けるぞ!!”と、オロバスの上でふんぞり返り、大音声でがなって居る。
3人がかぶっている、仰々しい羽根飾りのついた、あの兜には見覚えがある。
砦を占拠していた師団長が、使用していた部屋にあったものと同じだ。
と言う事は、あの3人は師団長・・・・?
羞恥か絶望か、両手で顔を隠してしまったエーグルに聞いてみたが、師団長で間違いないという。
おいおい、本気か?
行軍の将が3人揃って前に出てくる等、正気の沙汰ではないぞ?
狙ってくれと言っているのと同じではないか。
それとも異変を感じ取っても尚、対処できる自信を持てる程、この3人は強いのか?
なんにせよ、こんな絶好の機会を逃す馬鹿は居ないよな?
首は取れずとも、使い物にならなくするだけでも儲けものだ。
俺は、歩廊の胸壁の影に隠れた騎士達に、合図を送った。
俺からの合図を確認した騎士達は、師団長目掛け、一斉に火球を打ち込んだ。
俺の感覚だと、人族であろうが師団長クラスともなれば、防護結界くらいは張れて当然だと思っていた。その結界を破るために10人の騎士に一斉に魔法を打たせたのだが・・・・。
彼ら3人は、結界を張る事も無く苦悶の声を上げる事も無く、過剰に打ち込まれた火球に焼かれ、炎を棚引かせながら、砦前の谷の中に転げ落ちて行った。
「・・・嘘だろ?」
「閣下、あれ師団長ですよね」
「そうらしいぞ・・・良いのか? あれが師団長で」
思わず目の前の谷を指さしてしまった。
「僕に聞かないで下さいよ!」
傍に居た部下も俺も、想定外すぎて一瞬混乱してしまった。
しかし敵の混乱は、俺達の比ではない。
激高し砦への攻撃を命じる者、撤退を指示する者。
切り立った崖に挟まれ、ただでさえ狭い砦へ続く道で、攻撃と撤退、真逆の指示を出された兵士達は、味方同士で押し合いへし合い、身動きを取る事さえ出来ないようだ。
更に何を思ったのか、谷を降りて師団長を助けろと、騒ぐものまでいる始末。
3万人余りの兵が居るのだ。最後尾まで現在の状況と、撤退の指示が届くまで時間もかかる。
控えめに言っても大混乱だ。
「閣下、どうしますか?」
俺達が引き起こした混乱だが、想定外すぎて、マークの白い頬も引き攣っているし、エーグルの顔は色を失い、青ざめて見える。
「いや。俺もここまで酷いとは思っていなかった。こうなると獣人部隊だけを隔離するのは無理だな。殲滅するのは簡単だが、今は様子を見よう」
俺は暫くの間、歩廊の上からゴトフリー軍の、阿鼻叫喚の混乱を眺めていたが、事態の収束までには時間が掛かると判断し、その場を離れる事にした。
「このまま放置で宜しいのですか?敵が攻撃してきたらどうしますか?」
「あの様子だと、まともな攻撃は出来んだろうが。攻撃してきたら適当に応戦して、戦力を削って置け。ただし、獣人部隊には攻撃を当てるなよ?」
「ピッカピカの鎧を着た奴を、攻撃対象にすれば問題ないですね」
部下の一人が、やけにウキウキと聞いて来た。
「的当てのゲームではないぞ。賭けの対象にするなよ」
俺の忠告に部下はシュンとしていた。
しかし、俺達は殺戮者だが、騎士であって傭兵ではない。
騎士らしい礼節は守って然るべきだろう。
この様なやり取りの後、日暮れ近くまで城門付近から、散発的に魔法を放つ音が聞こえて来た。
翌早朝、日の出と共にゴトフリー軍に動きがあったとの報告を受け、俺は眠っているレンを起こさない様に、出来るだけ静かに身支度を済ませ、そっと部屋を出た。
歩廊の上に立つと、切り出した木で造ったのだろう、見るからに急拵えの木製の渡し板を曳いてくる一団が見えた。
その後ろに見える、木を乗せて括り付けてある荷車は、破城槌の代わりだろうか。
「あれは、俺達を舐めているのか、馬鹿なのか。どちらだと思う?」
「両方じゃないですか? それか師団長の弔い合戦とか?」
答えるマークもうんざりした様子だ。
「その割には指揮官らしき姿は見えんな・・それに昨日のあれで、中に居るのが帝国の人間だと分かっただろうに。魔法に対する備えが何もないぞ?」
「この国では、獣人の命は軽いですから」
絞り出すような声を出したエーグルを見ると、奥歯を噛締め、のろのろと荷を引いてくる眼下の集団を見つめている。
「エーグル。あれは獣人部隊で間違いないな?」
「はい。従軍している全てではありませんが、間違いありません」
「よし。ここからは手筈通りに進めよう。エーゲル、レンが馬車回しに来るから、手伝いを頼む」
「了解しました」
そこからの展開は早かった。
城門前の谷に、渡し板を掛けようとする獣人達を城の中に転移させ、レンが首輪を外し、エーグルやその仲間が、ことの次第を説明して回った。
この時使った転移は、ポータルの改良版で、予め城門前に設置し、結界を張った上で、隠ぺい魔法で隠してあったものだ。
目の前で数百人の獣人が、忽然と姿を消したことに、ゴトフリー軍は動揺を隠せなかった。
ここで引き返せばよかったものを、奴らは最悪の手を使った。
「閣下!見張りからの報告です。従軍していた神官が妙な動きをしているそうです!」
「神官?本隊は下がったのだろう? 従軍している治癒師ではないのか?」
「はい!本隊は下げられたのですが、城門近くまで獣人に守られた神官が数名、進み出て来たそうです。魔法陣を展開させようとしているのではないかとの事です」
「魔法陣?・・・まさか!?」
報告を受け歩廊の上に駆け戻った時には、既に見覚えのある魔法陣が完成していた。
見張りの者が攻撃したのだろう、魔法陣の周りには、倒れた神官と獣人の姿も見える。
エーグルが言っていた肉壁とはこういう事か、と改めて思い知らされた。
神官の背中を守る様に、直ぐ傍に立たされた獣人を避けて攻撃するのは難しい。
倒れている獣人は、神官の巻き添えになったのだ。
俺が獣人に手を出すなと命じていた為、部下達も魔法陣の展開を止める事が出来なかったのだ。
「どこまでも卑怯な真似を」
憤りで奥歯がギリリと鳴ったが、手遅れだった。
からからと笑いながらセルゲイは出陣していった。
セルゲイの出発後、砦に残った俺達は、モーガンとシルベスター侯爵の到着を待っていたのだが、二人が率いる騎士団よりも、ゴトフリー王国軍の到着の方が早かった。
総勢3万余。3個師団の堂々たる進軍だ。
しかし相手は砦の主が、帝国側に戻って居る事を知る由もない。
ゴトフリー軍も情報収集は行っているのだろうが、その全てに偽情報を流し、真実を悟らせなかった、ロロシュの手腕には目を見張るものがある。
こんな優秀な雄が、何故番に対してだけポンコツなのか、不思議でならない。
取り敢えずロロシュの事は脇に置き、ゴトフリー軍だ。
ロロシュの差配が功を奏し、ゴトフリー軍3個師団は、ガルスタ砦が自分達の支配下にあると信じ、油断しきっていた。
その証拠に破城槌やカタパルトなどの攻城戦用の武器が、一台も見当たらない。
歩廊と見張り台の兵に、胸壁の影に隠れるように命じ、暢気に開門を求めるゴトフリー軍に、無視を決め込んだ。
何度開門を叫ぼうと、答える声も無く城門は開かれず、谷間に渡されるべき跳ね橋が下ろされる様子もない。
3万余りの軍人の間に、困惑と苛立ちが広がって行く様を、隠れて見ている俺達は、笑いを堪えるのに必死だ。
この段階でまともな将なら、一旦兵を引き砦の現状確認をするのが定石。
この20年近く魔物の出現で、国同士の争いは激減しているが、軍部の戦術や戦略、危機感がここまで欠落しているのを、異常だと思うのは俺だけか?
ゴトフリーは内陸の国だ。
国境を接しているのは、帝国を含めた4か国。
その内の弱小国のウジュカを、同盟という名の属国にした事で、何かを勘違いしたのだろうか?
いやいや。
俺が心配してやる筋合いはないな。
敵がどう出るか観察していると、やけに煌びやかな鎧とマントを身に着けた、3騎の騎影がゴトフリーと帝国を隔てる谷の縁まで進み出て来た。
そして、ゴトフリー王国第2師団長のなんちゃらだ! 第4師団長の・・・第5師団・・・・と名乗りを上げ・・・・。
”今すぐ城門を開けろ。開けねば軍法会議に掛けるぞ!!”と、オロバスの上でふんぞり返り、大音声でがなって居る。
3人がかぶっている、仰々しい羽根飾りのついた、あの兜には見覚えがある。
砦を占拠していた師団長が、使用していた部屋にあったものと同じだ。
と言う事は、あの3人は師団長・・・・?
羞恥か絶望か、両手で顔を隠してしまったエーグルに聞いてみたが、師団長で間違いないという。
おいおい、本気か?
行軍の将が3人揃って前に出てくる等、正気の沙汰ではないぞ?
狙ってくれと言っているのと同じではないか。
それとも異変を感じ取っても尚、対処できる自信を持てる程、この3人は強いのか?
なんにせよ、こんな絶好の機会を逃す馬鹿は居ないよな?
首は取れずとも、使い物にならなくするだけでも儲けものだ。
俺は、歩廊の胸壁の影に隠れた騎士達に、合図を送った。
俺からの合図を確認した騎士達は、師団長目掛け、一斉に火球を打ち込んだ。
俺の感覚だと、人族であろうが師団長クラスともなれば、防護結界くらいは張れて当然だと思っていた。その結界を破るために10人の騎士に一斉に魔法を打たせたのだが・・・・。
彼ら3人は、結界を張る事も無く苦悶の声を上げる事も無く、過剰に打ち込まれた火球に焼かれ、炎を棚引かせながら、砦前の谷の中に転げ落ちて行った。
「・・・嘘だろ?」
「閣下、あれ師団長ですよね」
「そうらしいぞ・・・良いのか? あれが師団長で」
思わず目の前の谷を指さしてしまった。
「僕に聞かないで下さいよ!」
傍に居た部下も俺も、想定外すぎて一瞬混乱してしまった。
しかし敵の混乱は、俺達の比ではない。
激高し砦への攻撃を命じる者、撤退を指示する者。
切り立った崖に挟まれ、ただでさえ狭い砦へ続く道で、攻撃と撤退、真逆の指示を出された兵士達は、味方同士で押し合いへし合い、身動きを取る事さえ出来ないようだ。
更に何を思ったのか、谷を降りて師団長を助けろと、騒ぐものまでいる始末。
3万人余りの兵が居るのだ。最後尾まで現在の状況と、撤退の指示が届くまで時間もかかる。
控えめに言っても大混乱だ。
「閣下、どうしますか?」
俺達が引き起こした混乱だが、想定外すぎて、マークの白い頬も引き攣っているし、エーグルの顔は色を失い、青ざめて見える。
「いや。俺もここまで酷いとは思っていなかった。こうなると獣人部隊だけを隔離するのは無理だな。殲滅するのは簡単だが、今は様子を見よう」
俺は暫くの間、歩廊の上からゴトフリー軍の、阿鼻叫喚の混乱を眺めていたが、事態の収束までには時間が掛かると判断し、その場を離れる事にした。
「このまま放置で宜しいのですか?敵が攻撃してきたらどうしますか?」
「あの様子だと、まともな攻撃は出来んだろうが。攻撃してきたら適当に応戦して、戦力を削って置け。ただし、獣人部隊には攻撃を当てるなよ?」
「ピッカピカの鎧を着た奴を、攻撃対象にすれば問題ないですね」
部下の一人が、やけにウキウキと聞いて来た。
「的当てのゲームではないぞ。賭けの対象にするなよ」
俺の忠告に部下はシュンとしていた。
しかし、俺達は殺戮者だが、騎士であって傭兵ではない。
騎士らしい礼節は守って然るべきだろう。
この様なやり取りの後、日暮れ近くまで城門付近から、散発的に魔法を放つ音が聞こえて来た。
翌早朝、日の出と共にゴトフリー軍に動きがあったとの報告を受け、俺は眠っているレンを起こさない様に、出来るだけ静かに身支度を済ませ、そっと部屋を出た。
歩廊の上に立つと、切り出した木で造ったのだろう、見るからに急拵えの木製の渡し板を曳いてくる一団が見えた。
その後ろに見える、木を乗せて括り付けてある荷車は、破城槌の代わりだろうか。
「あれは、俺達を舐めているのか、馬鹿なのか。どちらだと思う?」
「両方じゃないですか? それか師団長の弔い合戦とか?」
答えるマークもうんざりした様子だ。
「その割には指揮官らしき姿は見えんな・・それに昨日のあれで、中に居るのが帝国の人間だと分かっただろうに。魔法に対する備えが何もないぞ?」
「この国では、獣人の命は軽いですから」
絞り出すような声を出したエーグルを見ると、奥歯を噛締め、のろのろと荷を引いてくる眼下の集団を見つめている。
「エーグル。あれは獣人部隊で間違いないな?」
「はい。従軍している全てではありませんが、間違いありません」
「よし。ここからは手筈通りに進めよう。エーゲル、レンが馬車回しに来るから、手伝いを頼む」
「了解しました」
そこからの展開は早かった。
城門前の谷に、渡し板を掛けようとする獣人達を城の中に転移させ、レンが首輪を外し、エーグルやその仲間が、ことの次第を説明して回った。
この時使った転移は、ポータルの改良版で、予め城門前に設置し、結界を張った上で、隠ぺい魔法で隠してあったものだ。
目の前で数百人の獣人が、忽然と姿を消したことに、ゴトフリー軍は動揺を隠せなかった。
ここで引き返せばよかったものを、奴らは最悪の手を使った。
「閣下!見張りからの報告です。従軍していた神官が妙な動きをしているそうです!」
「神官?本隊は下がったのだろう? 従軍している治癒師ではないのか?」
「はい!本隊は下げられたのですが、城門近くまで獣人に守られた神官が数名、進み出て来たそうです。魔法陣を展開させようとしているのではないかとの事です」
「魔法陣?・・・まさか!?」
報告を受け歩廊の上に駆け戻った時には、既に見覚えのある魔法陣が完成していた。
見張りの者が攻撃したのだろう、魔法陣の周りには、倒れた神官と獣人の姿も見える。
エーグルが言っていた肉壁とはこういう事か、と改めて思い知らされた。
神官の背中を守る様に、直ぐ傍に立たされた獣人を避けて攻撃するのは難しい。
倒れている獣人は、神官の巻き添えになったのだ。
俺が獣人に手を出すなと命じていた為、部下達も魔法陣の展開を止める事が出来なかったのだ。
「どこまでも卑怯な真似を」
憤りで奥歯がギリリと鳴ったが、手遅れだった。
93
お気に入りに追加
1,332
あなたにおすすめの小説
腹黒宰相との白い結婚
黎
恋愛
大嫌いな腹黒宰相ロイドと結婚する羽目になったランメリアは、条件をつきつけた――これは白い結婚であること。代わりに側妻を娶るも愛人を作るも好きにすればいい。そう決めたはずだったのだが、なぜか、周囲が全力で溝を埋めてくる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
侍女から第2夫人、そして……
しゃーりん
恋愛
公爵家の2歳のお嬢様の侍女をしているルイーズは、酔って夢だと思い込んでお嬢様の父親であるガレントと関係を持ってしまう。
翌朝、現実だったと知った2人は親たちの話し合いの結果、ガレントの第2夫人になることに決まった。
ガレントの正妻セルフィが病弱でもう子供を望めないからだった。
一日で侍女から第2夫人になってしまったルイーズ。
正妻セルフィからは、娘を義母として可愛がり、夫を好きになってほしいと頼まれる。
セルフィの残り時間は少なく、ルイーズがやがて正妻になるというお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
残念ながら、定員オーバーです!お望みなら、次期王妃の座を明け渡しますので、お好きにしてください
mios
恋愛
ここのところ、婚約者の第一王子に付き纏われている。
「ベアトリス、頼む!このとーりだ!」
大袈裟に頭を下げて、どうにか我儘を通そうとなさいますが、何度も言いますが、無理です!
男爵令嬢を側妃にすることはできません。愛妾もすでに埋まってますのよ。
どこに、捻じ込めると言うのですか!
※番外編少し長くなりそうなので、また別作品としてあげることにしました。読んでいただきありがとうございました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
真実の愛は、誰のもの?
ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」
妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。
だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。
ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。
「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」
「……ロマンチック、ですか……?」
「そう。二人ともに、想い出に残るような」
それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる