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幸福の定義は人それぞれ

団長は意地悪なのです*

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「全力で楽しむには、何をする?」

「そうですねぇ・・・私は、にわかなので、キャンプの事はあまり詳しくないから、それは、明日考えます」

「じゃあ、今は?」

「アレクと二人きりの時間を、堪能したいと思います」

「たんのう・・・」

 それは、そういう事でいいのか?
 堪能させてくれるのか?

「私ね。本当はマリカムに行くのに、護衛の人とか、ぞろぞろついてくるのが嫌だったんです」

「そうなのか?! 人数が多い方が、君に不便を掛けないと思ったのだが」

「だって、実質的な新婚旅行ですよ? ハネムーンは二人だけの時間を楽しんで、思い出を作るものだと思うのだけど?」

「・・・俺は、また間違えたのか?」

 俺の問いに番はフルフルと首を振った。
 首の動きに合わせ、揺れる髪がレンの香りを運び、俺の腕をくすぐって、腹の中に熱が溜まり始めた。

「ううん。間違いじゃないのよ? 私の我儘だから気にしないで」

「しかしだな」

「仕方ないって、頭では分かってるの。でも二人きりになりたいなって思う気持ちもあって。だから、ここに連れてきてくれて、私かなり喜んでいます」

「俺たち以外に、誰も居ないから?」

「うん」

 レンは俺が思うよりずっと、俺との時間を、大切に思ってくれて居たのだな。

「喜んでもらえて嬉しいよ」

 するとレンは、ニッコリと微笑んで、自分から俺の膝の上に腰を下ろしてくれた。
 一年前俺の膝から逃げようとしていたのが噓みたいだ。

「マークさん達から連絡が来るまで、二人だけよ?」

「そうだな・・・・・」

 甘えてくる番の頬に手を添えて、唇に口付けを落とす。
 薄く開いた唇から漏れる吐息の甘さに、頭がくらくらして、腹の熱が膨らんでいく。

「誰にも邪魔されないで・・・・二人きりなの初めてね・・・・」

 番の頬に、額に、唇に、口づけを落としながら、まろい胸をやわやわと揉むと、胸の尖りが、触って欲しいとねだって来るようだ。

 こんなに感じる様になって・・淫らな体だ。
 そう仕込んだのが、自分だと思うと、仄暗い喜びが湧いてくる。

「あぁ。初めてだな」 

 主張し始めた尖りを、爪で引っ掻く様に刺激する度に、番の華奢な体に震えが走り、頬を擽ぐる吐息が、熱く甘く溶けて行く。

 襟の間に手を滑り込ませ、はだけさせた白い肌が、月明かりと炎に照らされ、レンの体が発光しているように輝いて見える。

 潮風に揺れる炎が落とす影が、命を得たように這いまわり、その淫靡さに喉が鳴り、口の中もカラカラだ。

 この本能の渇きを癒せるのは、俺の番だけだ。
 しっとりと汗ばむ肌に舌を這わせ、舐めとった汗さえも甘く感じる。

 顎を摘まんで口を開かせ、小さな舌を啜り上げてもまだ足りない。
 この渇きを癒すには、もっと番を味わい尽くさなければ。

 焚火の前に番を立たせ、その足元に跪き、慎ましく閉じた秘所に舌を這わせると、レンの花の香が強くなり、溢れてくる蜜でようやく喉が潤った気がする。

 もっと欲しい。
 もっともっとだ。

 ぷっくりと膨らんだ、かわいい花芽を啜り上げ、溢れる蜜を舐めとっても、レンの蜜は泉の様に溢れ続けている。

 ビクビクと震える体を支えるために、俺の肩に置かれた指が爪を立て、深く刺さって来るが、その痛みさえ快感に変わって行く。

「あぁーーー!! もうダメ!! やだぁ!」

 拒絶の言葉に、番の顔を見上げと、快感に溶け、涙に潤んだ番の瞳と目が合った。

「嫌なのか?」

 熱くドロドロに溶けた秘所に、つぷりと指を差し入れ、指の腹でゆるゆるとレンの中を擦ってやる。

「やめた方がいいか?」

 がくがくと震える体を支えきれなくなったレンは、俺の頭に縋り付いて来た。
 そんなことをしたら、おねだりされていると勘違いしてしまうぞ?

 頬に押し付けられた豊かな胸に舌を這わせ、赤く熟れた蕾を口に含んで舌でで転がすと、鼻にかかった喘ぎが一段高くなった。

「やあぁ・・・!!」

 俺はレンの中から指を引き抜き、蕾から口を離した。

「はあ・・・あぁ・・・なんでぇ」

 俺の太腿の上に頽れた、泣きそうな顔に嗜虐心が湧く。

「嫌なんだろ? 俺はレンの嫌がる事はしない」

「うぅぅ・・・・なんで・・意地悪するのぉ・・・」

 ごめんな。
 でも、なんて可愛いんだ。

「続けてほしい?」

 涙目でコクコクと頷く番の、耳朶をべろりと舐めた。

 番の喉が ヒクッと 鳴るのが聞こえて、満足感を得た俺は、唇で耳朶を掠める様に囁いた。

「じゃあ、そういう時は、イヤとかダメ じゃなくて ”もっと” っていうんだよ? 前にも教えただろ?」

 すると番の頬が ブワッと 紅くなり、視線がそらされた。

「仕方ないな。レンが嫌っていうなら、今日はもう止めような?」

「・・・・と・・・・」

「ん? 聞こえなかった」

「・・・っと・・・・もっと・・・・して?」

 羞恥で顔どころか、胸まで紅くなった番の破壊力は、俺の想像をはるかに超え凄まじかった。

 無駄に余裕ぶって焦らしたせいで、俺のおれは限界突破どころか、爆発寸前だ。

 番の体を乱暴に割開き、突き入れた俺の欲は、熱く溶けたレンに絡め取られ、最奥へと誘われた。

 ガツガツと番を貪る俺を、レンも全てを搾り取る様に締め付けてくる。

 忙しくしているレンを慮り、最近は大人しい交わりを心がけて来のだ。

 外れてしまった箍をはめ直す事など出来なかった。

 一度や二度の交わりでは、この熱は収まりそうもないかった。

 互いの間を、魔力が循環する事で疲れる事も無い。
 拒まれないのを良い事に、レンが気絶するように眠ってしまうまで、お互いの体が溶けて、混ざる様な愉悦の中に、何度も欲を放ち、その度に俺は至福の光を見たのだ。

 眠ってしまった番の体をベットに横たえたのは、水平線の向こうに朝日が昇る頃だった。

 君が目覚めた時、遣り過ぎだ、と叱られてしまうだろうか。

 仕方ないよな?
 君が可愛すぎるのが悪いのだぞ?

 2人きりになれて嬉しい、と番に甘えられて、箍の外れない雄が居るか?

 もう、制圧完了の連絡など来なければいいのに。

 それとも、このままレンを連れて、どこかに逃げてしまおうか。

 それが叶わぬ夢だと分かっていても、全ての責任と、しがらみを捨てて生きて行けたらどれほど楽な事かと夢想してしまう。

 愛し子誘拐を目論んだ、襲撃者を捕縛したからと、それで終わりではない。

 その後に控えた、諸々の方が何倍も厄介だ。

 その事で、レンを悲しませて仕舞うかも知れないが、帝国の安寧を想うなら、避けては通れない道だ。

 だからこそ今だけは、二人だけの時間を大事にしたい。

 腕の中に閉じ込めた番は、本当に小さくて、今にも折れてしまいそうだ。
 だがその心は、強く慈愛に満ちている。

 その分我慢してきたことも多かったのだと、レンの話を聞いていて分かった。

 我慢ばかりしていては、いつかは心が折れてしまう。
 普段は元気で明るく、誰にでも優しいレンだが、もっと我儘を言ってくれてもいいのだ。

 それがどんな突拍子もない事だって、俺は叶えてやりたいと思っているのだから。
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